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多肉植物の寄せ植えの詳しい作り方・コツとアイデア

多肉植物の寄せ植えの作り方のコツや苗の選び方、作り方のポイントや作った後の管理方法について詳しく解説しています。

多肉植物の寄せ植えとは

寄せ植えの作り方

カット苗でも作れる

カット苗 雅楽の舞 多肉植物
多肉植物の寄せ植えは普通の植物の寄せ植えとそれほど変わりありません。

彩りや管理方法などを考えつつ色々な容器に植え付けます。しかし決定的に異なることがあります。それは、カットした苗(切り苗)で寄せ植えが作れることです。

通常の植物なら根付きのものを土を付けて寄せ植えにするのですが、多肉植物ではそれに加えて、根のないカット苗を好きなところに挿すことができます。それで、普通の植物の寄せ植えより細かくひとつの芸術作品のような寄せ植えを作ることができるのですね。

また多肉植物の寄せ植えでは、普通の陶器の鉢だけでなく、ガラスの器や穴のない容器、かご、果ては土の入らないリース仕立て、ハンギングバスケットといった変わった容器に植えることもできます。

好みの容器にお気に入りの苗を植えて(挿して)寄せ植えを作っていきましょう。

普通の種類で作れる

寄せ植えにする苗は高いものやわざわざ買って作る必要はありません。

あり合わせの素材、ありふれた素材、いつもお世話している苗で作ることができます。

例えばブロンズ姫と虹の玉、セダムを育てていたとします。それらを少しお洒落な容器に植えることで、立派な寄せ植えが完成します。

目的に応じて作り分けられる

多肉植物の寄せ植えは目的に応じて作ることができます。

室内で切り花感覚で鑑賞して楽しむもの、本格的に栽培して大きく育てていくこと、身近な人にプレゼントとして贈るもの、戸外で栽培も兼ねながら育てるものなど、それによって多肉植物の種類や使う容器、作った後の管理方法も変わってきます。

作る上でのポイント

見た目重視か、生育メインか(楽しみ方)

ポイント
それでは、いよいよ具体的な作る上でのポイントについて見ていきましょう。

まずは鑑賞メインなのか、生育メインなのかという楽しみ方を決めます。

使い切りとして
寄せ植えは室内に飾っていると日光不足で徒長してきます。最終的には2~4ヶ月程度で弱り伸びきって鑑賞できなくなってしまいます。そのためそのような目的では生け花感覚で作る必要があります。つまり最終的に廃棄することを前提として作るということです。

生育メインに
一方、寄せ植えを作った後、室内に置きっ放しにするのではなく、育てていきたい、枯らしたくないという場合は、室内に飾ったら戸外に出して日光浴をする、という多肉植物の生育のことにも気を遣う必要があります。適切に管理すれば徒長もせず、戸外で栽培したようなしっかりとした姿をキープできます。しかしこのためにはマメに戸外に出しては中に入れるという作業を伴い、結構面倒です。

室内用と割り切るか、生育も重視するのか、それは自分の考え次第です。

室内用か戸外用か(置き場所)

室内に飾るのか、玄関や庭など戸外に置くかによっても作り方が異なります。

室内だと先のように徒長の問題がありますし、戸外では雨ざらしになるので、水はけのよい用土を配合する必要があります。まずはどこに置いて楽しむかを決めましょう。

作る時期はいつか

作る時期も重要です。

通常のように土付きの場合は、根鉢(土と根が一つの塊になっているところ)を崩さないので、基本年中作ることができます。

しかし切った苗(カット苗)も使う場合は、挿し木と同じ扱いになるので、作成する時期を考える必要があります。冬型の多肉植物のカット苗を夏に寄せ植えにすることはできませんし、逆もそうです。カット苗も使う場合は、その後の根の伸びも考えて春か秋につくるのがおすすめです。

器は何にするか

そしてどのような容器に寄せ植えするのか決めましょう。

できれば普通の陶器の鉢か陶器風のプラスチック鉢で底に穴が空いているものが望ましいです。しかしガラスのいれものやブリキのカップなど、穴のない容器に植えることも不可能ではありません。ただそのためには、容器に工夫が必要だったり、土の配合を水はけがよいように変える必要があります。

土の配合は

土は置き場所によって使い分けます。

まず室内用のものであれば、鉢底に軽石などを敷き、その上に通常の培養土を入れます。また戸外で雨ざらしにする場合は、鉢底に軽石を敷き、その上に通常の培養土1に対し、軽石小粒1を混ぜて極めて水はけを良くしておきます。穴のない容器の場合は鉢底に多めの軽石を敷き、その上に通常の培養土をいれて作ります。

作った後の手入れ方法が異なる

戸外に置いて楽しむ場合は、夏は日よけをして冬0~5℃以下になったら室内に一時的に入れるなど、普通の多肉植物の育て方をします。

一方、室内で楽しむ場合は、生け花として割り切るか、できるだけ長持ちさせるかで管理方法が異なります。生け花として割り切るのであれば、暗い所に置いたままにしてもよいです。ただ形が保てるのは夏は1ヶ月程度、冬は3ヶ月程度になります。

一方できるだけ長持ちさせるのであれば、1週間飾ったら3週間戸外に出すなど植物の回復期を設けることが大切です。

苗の選び方のコツ

生育型を合わせる

抜き苗
次に寄せ植えに使う苗の種類の選び方について見ていきましょう。

まず基本的に生け花感覚ではなく、生育メインにする場合は、生育型を同じに合わせましょう。

夏型と冬型の多肉植物のカット苗を混在させると、一方だけ発根してもう一方は枯れてしまうという心配があります。

また土付き・根付きの場合でも、水やり頻度が異なってしまい休眠中の株を腐らせることになるので、夏型なら夏型、冬型なら冬型と統一した方が良いです。春秋型はできれば統一したほうがよいですが、夏型、冬型どちらにも一緒に植えることは可能です。

もし生け花感覚で枯れたら処分する前提なのであれば、生育型を考えずに好きな種類を選べます。

管理方法が似ているもの

生育メインにする場合は、管理方法も一緒のものを選びましょう。

管理方法とは、日当たり、水やり、土の配合、などが合わせられるということです。一方が半日陰を好み、もう一方が日当たりを好む、頻繁な水やりが必要なものと月1回程度でよいもの一緒に植えてしまうと、管理に困ってしまいます。例えば同じ冬型でもリトープスとアエオニウムを一緒に植えれば、そのような問題が起きてしまいます。

育て方の難易度を考える

自分で管理する場合は問題ないのですが、人にプレゼントするものの場合は管理の難易度も考えたほうがよいでしょう。

例えば、メセン類は水やりのコツを掴むのが大変なので、プレゼントを受け取る方が相当熟知した方でないと枯らしてしまってかえって申し訳なく思わせてしまいます。

また斑入り種のような性質が繊細で管理の難しい種類も避けたほうがよいでしょう。できれば、よく普及していて強健種で管理も簡単で良く育つものが、人に贈るには向いているといえます。

生育後の姿をイメージする

寄せ植えを作る場合は、育った姿をある程度想定しておくことも大切です。

たとえばセダムは生長が早く他の多肉植物より大きくなるのが早いです。またグラプトペタルムは日光不足に弱く、暗い所に置いているとどんどん背が伸びていきます。エケベリアやクラッスラは比較的徒長しにくく、ゆっくりと育っていきます。寄せ植えを作る際は、植物の性質を考えて、2ヶ月後、4ヶ月後の姿をイメージするとよいですね。

作り方のポイント

土と鉢
作り方のポイントをみていきましょう。まずは色です。多肉植物は緑だけでなく、白、赤、紫、黄色、黄緑、濃い緑など色鮮やかです。全部の苗をカラフルにするのもよいですが、色調を決めて、要点に思い切り華やかな色を使うのも一つの方法です。

姿(高さや大きさ)や配置

多肉植物には、丸っこい葉のもの、かくかくしているもの、長く伸びるもの、横に張り出すもの、など様々な姿形があります。全て揃えるという方法もありますが、背面に高い苗を置き、前には低い苗を置く、一カ所のみ盛り上がりを作るなど様々な姿を作れます。

実際の作り方

紙に書いてみる

計画
実際に寄せ植えを作ってみましょう。まず、どのような寄せ植えを作りたいか頭の中で描きます。これには2つの方法があります。

鉢か苗を先に選ぶ
まず鉢を決めて、それに合う苗を選ぶ方法です。お気に入りの鉢をひとつ決め、それを活かすにはどのような苗がよいか頭に思い浮かべます。もう一つが使いたい苗を選んでそれにあう鉢を選ぶ方法です。メインにしたい多肉植物がある場合、それを活かすにはどの鉢がよいのかを思い浮かべます。

紙に書いてみるのもひとつの方法で、実際に書いてみるとここが出っ張りすぎている、苗が多すぎて入らないなどの具体的な計画が進みます。鉛筆で書いて消しゴムで修正しながらざっくり、頭に思い浮かんだものを描いてみましょう。

苗を集めて仮置き

思い浮かばない場合は、実際に使いたいと思っている苗を持ってきて集めて眺めてみると、良い案が浮かぶことがあります。鉢が決まっている場合は鉢に実際に置いてみて、サイズをチェックしたり、他との相性をみてみるとよいでしょう。

カット苗を使う場合はここですぐに切ってしまわず、鉢を持ってきて合わせてみる程度にすれば、無駄にする心配がありません。

根付き苗を植える

苗が決まったらまず根付きの苗を植えます。

カット苗は後から挿せるので、土を掘り起こす必要がある根付き苗を先に植えるようにしましょう。土が付いた苗はポットから取り出して鉢に置きます。苗が大きすぎて一部しか使わない場合は、根鉢を少し崩して必要な分だけ株分けする形で使いましょう。ポットから出してそのまま寄せ植えにすると、株間が大きすぎて土が見えてしまいますので、できるだけ根鉢は小さく切り詰めて植えるのがコツです。

カット苗を挿す

根付き苗を植えたら、次にカット苗を挿します。

親株からカットする場合は、必要な長さより2cmほど長めに切り取り、下葉を3~4枚落とします。そして下葉をとったもぎ口が土に埋まるよう深めに挿します。挿すときは割り箸や竹串などで穴を空けておき、そこに茎を挿す感じにします。枝で穴を空けようとすると、折れてしまうことがあります。

その後の管理方法

水やり
室内置き用は、完成したらそのまますぐに飾れます。

カット苗が入っている場合はすぐに水を与えません。水やりをするのは、作成後2週間程度経ってからにします。根付きのみで植えた場合はすぐにたっぷりの水を与えて大丈夫です。最初の2週間は直射日光に当てないようにしましょう。その後は室内で1週間楽しみ、外で2~3週間休ませるというサイクルを繰り返します。

戸外に置くものは、完成したら2週間程度は半日陰で管理します。直射日光下に置くと苗が干からびてしまうことがあります。2週間程度たったら始めての水やりを行い、徐々に日なたに出していきます。

実際の寄せ植え作りの例

今回のコンセプト

今回は陶器の鉢を使い、戸外(玄関先)で雨ざらしにすることを想定します。また生育メインでそのまま育てて枯れないようにします。

苗は

  • エケベリア フロスティー(メイン)
  • エケベリア 不明
  • クラッスラ サルメントーサ
  • クラッスラ 星の王子
  • グラプトペタルム だるま秋麗

を選びました。

今回これらの苗を選んだのは

  • 徒長しにくい種類のため
  • 大きめのサイズの苗が欲しかったこと
  • 強い種類で育てやすいこと
  • 雨ざらしにしても大丈夫な種類
  • 2℃の寒さに耐えられる

という観点からからです。

種類でいうとグラプトペタルム系は徒長しやすく、エケベリアやクラッスラは徒長しづらく、セダムは増えすぎる、などの特徴があります。セネシオはやや繊細で扱いづらいため除外し、アドロミスクスなど生長が遅すぎてて小さいものは除きました。

鉢は玄関先で見た目も大切なことから、陶器の鉢を使いました。素焼き鉢ではないので通気性がよすぎる心配や割れる心配も少ないです。

土は通常の培養土1に軽石小粒1を混ぜたものを使いました。通常の培養土とは、赤玉土とボラ土をメインとし、パーライトやくん炭などを入れたものです。

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寄せ植えの実例

いよいよ寄せ植えを作っていきましょう。

多肉植物の寄せ植え
最初に完成写真はこちらです。

寄せ植えの作り方
まず植えるための鉢と苗です。

寄せ植えの作り方
これが今回使う苗です。左からクラッスラ「サルメントーサ」、エケベリア「フロスティー」、クラッスラ「星の王子」です。苗を準備するときは、高さがあるものと低いものを取り合わせるとうまくいきます。また、たくさんの種類を詰め込みたくなりますが、あえて苗の種類を限定し、色調を揃えるとシックになります。

寄せ植えの作り方
今回は中央のエケベリアのみを使います。名前は不明です。

寄せ植えの作り方
手前のグラプトペタルム「だるま秀麗」を使います。
両方ともペットボトル鉢で暴れているようですが、カット苗として使うので全く問題ありません。

寄せ植えの作り方
まず多肉植物の通常の培養土を用意します。配合は当サイトでよく登場する赤玉土、鹿沼土、くん炭、川砂、ピートモス、ボラ土を適当に混ぜ合わせたものです。

今回は雨ざらしを前提にすることから、これに軽石小粒を同割合くらいいれて水はけをよくします。

寄せ植えの作り方
軽石の小粒です。

寄せ植えの土
比較するとこのような感じになります。

寄せ植えの土
混ぜ合わせるとかなり軽石(白いところ)が多いのが分かります。

寄せ植えの作り方
土が揃ったところで、鉢に鉢底網を置き、底石を敷きます。

寄せ植えの作り方
鉢の半分くらいの所まで先ほどの土を入れます。

寄せ植えの作り方
用意した苗をおいてみます。

寄せ植えの作り方
一つずつポットから抜き出して並べていきます。まずメインであるエケベリア「フロスティー」をおいてみます。今回ポットから抜き出したところ、根ジラミがびっしり湧いていたので根を完全に落としました。

寄せ植えの作り方
クラッスラ「星の王子」を土ごと入れます。

寄せ植えの作り方
全部の苗をざっくりおいてみます。

寄せ植えの作り方
根のあるものを植えてから残りの土を上まで入れます。鉢にはウォータースペース(縁から2.5cmくらいとる空きスペースで水をやったときに土が溢れないようにするための部分)を取りましょう。

寄せ植えの作り方
根のない苗を挿してゆきます。

多肉植物の寄せ植え
これで完成です。カット苗や根を切った苗があるのですぐには水をやらず、数日このまま飾ります。その後水やりをします。

実は寄せ植えは作った日が一番きれいです。この後だんだん上に横に伸びてゆくため、数ヶ月で仕立て直しが必要になります。

寄せ植え・飾り例
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