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クセロシキオス属(緑の太鼓)の育て方

このページでは、クセロシキオス属の「緑の太鼓(グリーンドラム)」の特徴や育て方を解説しています。

クセロシキオス属の写真

緑の太鼓緑の太鼓 緑の太鼓 クセロシキオスある程度の高さになるとツルを出して周りにあるものに巻き付こうとします。(2022.6撮影)

クセロシキオス属(Xerosicyos)の特徴

ウリ科
クセロシキオス属(Xerosicyos)
学名 Xerosicyos danguyi
生育型 夏型
育てやすさ 育てやすい
成長速度 遅い
増やし方 挿し木〇、葉挿し×
原産地 マダガスカル島

※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

クセロシキオス属はこんな植物
特徴
緑色のコインのような平べったい葉をつけるグリーンドラム、植物の葉とは思えないほど(プラスチックのような手触りです)均一に平らになっています。ある程度の高さになるとそれ以上伸びず、つるを出して他のものに絡まる性質があります。緑の太鼓は紅葉しない多肉植物で、秋も冬も黄緑色を保っています。

育て方
春から夏、秋にかけて生育する夏型ですが、成長速度の遅さに驚かされます。葉挿しはできないので挿し木で殖やしますが、カットしてもなかなか根が出ません。室内でも育てられますが、日光不足になると葉が下向きになるので、春秋は戸外で育てた方がよいです。グリーンドラムは手間がかからず病害虫の心配もないため、育てやすく初心者でも簡単に育てることができます。

育て方のコツ

  • 葉が下を向いてきたら日光に当てる
  • 乾燥のしすぎが苦手
  • 強すぎる日差しは避け、雨ざらしにしない
  • 寒さに弱く冬5℃以下にしないこと

年間栽培カレンダー

水やり
  • 4~6月、9~11月は土が乾いたら10日に1回ほど
  • 7~8月は2週間に1回くらい少量を
  • 12~3月は月1回程度少量与える
置き場所
  • 4~6月、9~11月は戸外の日なたに置く
  • 7~8月は戸外の明るい日陰に置くか50%程度の遮光をする
  • 11-4月は戸外の日なたに置くが5℃を下回りそうな日は室内か温室に
植え替え
  • 3~6月が適期
増やす
  • 3~6月に挿し穂(挿し木)ができる
肥料
  • あまり要らないが与える場合は、4~6月に月1回ずつ薄い液肥を与えてもよい
開花
  • 5~7月に薄い緑色の小さな花を咲かせることがある
休眠期とは?夏でも休眠するの?
多肉植物は自生地の環境と異なる日本で育てることになり、日本の暑さ寒さで生育が鈍ったり寒さで成長が止まったりする。その時期のことを「休眠」という。休眠期は生育が鈍るので根が水を吸収しなくなり、土の水が乾きづらくなる。いつまでも土が湿っていると根腐れや蒸れを起こす。そのため休眠期には水やりを控え、挿し木や株分けなど株へ負担をかける作業を控える。

グリーンドラムは春~夏~秋に成長し、冬は成長が鈍るので「夏型の多肉植物」扱いで、春から秋を生育期、冬を休眠期という。

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育て方のポイント

水やり

水やり
季節ごとの回数と量は、生育期の4~6月と9~11月は土が乾いたら7~10日に1回ほど与えます。7~8月は暑さで蒸れることがあるので2週間に1回くらい鉢の表面が濡れるくらいを与えます。12~3月は休眠しているので月1回程度土の表面が濡れるくらいの少量を与えます。

水やりの目安は馴れるまで難しいですが、基本的に鉢がカラカラに乾いてからたっぷり水をやります。鉢を持ち上げて軽くなっていたり、葉がやわらかくなりそうな時がタイミングです。そして水やり後は3日で表面が乾くぐらいがちょうど良い量です。

置き場

置き場室内でも直射日光があたれば年中栽培できますが、強健な株にするため4~6月、9~11月は戸外の日なたに置いたほうがよいです。7~8月は戸外の明るい日陰に置くか50%程度の遮光をします。11-4月も戸外の日なたに置きますが、5℃を下回りそうな日は室内か温室に取り込みます。

夏型の多肉植物でも、真夏(7~8月)の直射日光は強すぎて葉が傷むので50%程度遮光(明るい日陰)します。この時期は蒸れ腐れを起こすので外が安心です。冬、室内で栽培する場合は、日によく当て水も控えめにします。

屋外で管理する時期は、軒下など雨がかからないところを選びましょう。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

夏越し多肉植物の中では直射日光には強いほうだが、7~8月は50%程度遮光するか明るい日陰に置く。また高温には強いものの湿気には弱いので梅雨~夏は通気のよい所で育てる。夏はできれば戸外で50%遮光するか、半日陰に置く。風通しと土の乾燥、遮光の3つをしておけば40℃程度は耐える。この時期は水をやると一発で根腐れすることもあるので、比較的涼しい日を選んで夕方に水をやる。

越冬最低温度と冬越し方法

冬越し越冬最低気温の推奨値は5℃以上です。凍結させたり霜が降りたり寒風が当たったりすると枯れてしまうので、早めに室内に取り込みます。水やりは暖かい日に月1回程度少量で、関東以南でも室内への取り込みが必要になる日があります。水分を控えると寒さへの耐性が増します。

増やし方

殖やし方3~6月の間に繁殖(挿し芽)ができます。夏型は冬に冬眠しているのでその時期は繁殖やを避けます。

挿し木(挿し芽)の方法は、親株から10cm程度茎をカットし、1週間程度空の瓶などに立てかけておきます。それから土に挿し少量の水をやり、発根するまでは直射日光の当たらない室内で管理します。根が充分張ってきたら親株と同じ頻度で水やりしていきます。

植え替え:

植え替えも殖やすときと同じように3~6月に行います。事前に水やりを1週間ほど控えて土を乾燥させておきます。休眠期の冬に植え替えると株にダメージを与えるので控えます。1年に1回程度、植え替えをします。

植え替えは面倒だし不要なことと思いがちですが、植え替えをしないと鉢の中が根でいっぱいになり、それ以上成長できなくなってしまいます。植え替えには肥料の追加と古い根の整理、土を新しくする、根にはびこる白い虫(サボテンコナカイガラムシ)などの害虫の駆除、といった役目もあります。

10日ほど水やりを控えて土をほぐしやすくし、根を切らないように鉢を掘り起こして古い根を取り除き、肥料不足になった土を新しい土と取り替えます。

土他の種類ほど土を選びませんが、やはり水はけのよいもので肥料分が少ないものがよいです。多肉植物用の土を買ってきてもよいですし、自分でオリジナルの土を作ってもOKです。作る場合はくん炭やピートモス、ボラ土、赤玉土、鹿沼土(いずれも小粒)を混ぜ合わせます。土は種類によって性質が異なり、バランスよく配合するためには最低3種類以上の土を混ぜ合わせましょう。水やり後さっと乾かない土(野菜や花の土など)を使うと徒長したり根腐れしたりしてしまいます。

鉢は大きく分けて2種類あり、通気が悪いプラスチック鉢、通気のよい陶器の鉢(駄温鉢など)があります。緑の太鼓はどちらも植えられます。プラ鉢なら水やりの頻度が少なくて済みますし、大きめの陶器の鉢に植えれば頻度を増やす必要があります。また植え替えが面倒だからと初めから大きすぎる鉢に植えると、水の乾きが悪く根腐れやすいので、その時のその苗にちょうどいい大きさの鉢を選びます。

肥料

肥料
基本的には普通の植物よりごく少量でよいです。やらないでも育ちますが生育が悪い場合は3~6月に月1回ずつ、ハイポネックス1000倍液のような液肥を、水やりと同じ分量与えます。肥料が多すぎると葉の色が薄くなったり、茎ばかり生長し葉と葉の間が広がってしまったりするので与えすぎには気をつけましょう。

病害虫

病害虫
病気も害虫も特に心配はありません。

グリーンドラムは夏に薄い緑色のとても小さい花を咲かせることがあります。

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