微粉ハイポネックスは多肉植物やサボテンにも使うことができます。そこでどのような成分と効果があるのか何倍に希釈すればよいのか、実際に薄めて使う方法や写真も掲載しています。
目次
微粉ハイポネックスのプロフィール
微粉ハイポネックス | |
---|---|
肥料成分 | チッソ、リン酸、カリ、N-P-K = 6.5-6-19 |
その他の成分 | マンガン0.005、ホウ素0.030 |
効果の継続期間 | 速効性 |
商品と価格 | 100g(638円)、120g(638円)、200g(825円)、500g(1,320円)、1.5kg(3,520円)、5.0kg(8,580円) |
販売店 | Amazon、ホームセンター、園芸店など |
多肉植物での主な用途 | 既に植わっている植物の追肥、ハイドロカルチャー |
希釈倍率 | 水で500~2,000倍に薄める |
メーカー説明 |
詳細情報 「すばやい効き目で植物を元気に育てる」
※原文まま(公式サイトより) ハイポネックス原液の比較として、カリウムが多く含まれているのが特徴です。 |
販売 | Amazon ホームセンター |
パッケージの写真
希釈液の作り方
2,000倍液を2L作る | 1gスプーン1杯を量とる | 良く混ぜ合わせると少し濁っている |
通常のハイポネックス水との比較(左が微粉ハイポネックス) | ||
希釈倍率
1gの量 | 1gスプーン | 2gスプーン |
倍率 | 2L | 5L | 10L |
---|---|---|---|
500倍 | 1g×4杯 | 2g×5杯 | 2g×10杯 |
1,000倍 | 1g×2杯 | 1g×5杯 | 2g×5杯 |
2,000倍 | 1g×1杯 | 1g×2.5杯 | 1g×5杯 |
倍率 | 2L | 5L | 10L |
---|---|---|---|
500倍 | 4g | 10g | 20g |
1,000倍 | 2g | 5g | 10g |
2,000倍 | 1g | 2.5g | 5g |
作物ごとの希釈倍率
作物 | 希釈倍率 | 頻度 |
---|---|---|
草花、観葉植物、バラ、キク、野菜、花木、果樹、花壇、庭木、芝生など | 500倍 | 1週間に1回 |
洋ラン、鉢花(シクラメン、プリムラ、ベゴニア、シャコバサボテンなど)、球根、葉面散布など | 1,000倍 | 1週間に1回 |
東洋ラン、サボテン、エビネ、山野草、カンノンチク、オモト、盆栽など | 2,000倍 | 2週間に1回 |
※付属のスプーンはすりきりだと若干多く計量されてしまうので、軽く1杯にしたほうがよさそうです。
スポンサーリンク
多肉植物への効果と使い方
多肉植物に使っても良いのか
まず第一には多肉植物に使って良いのでしょうか?
多肉植物も植物の一つで使うことができます。
多肉植物は肥料がいらないと考えがちですが、実際には植物の一つなので肥料が必要です。原産地では肥料を与えませんが、なぜ鉢植えでは与えなくてはいけないのでしょうか。
それは、自然界に生えている植物には、生態系のバランスや微生物の働きで微量要素やミネラルなどが補われるのに対し、鉢植えでは水やりで流れ出てしまう一方だからです。
多肉植物は肥料をやることで、そのような微量要素を補い、また肥料(リン酸成分)の効きにくい赤玉土で栽培している欠点を補うことができます。
それではどのくらいの量を与えたらよいのでしょうか?
与える量
微粉ハイポネックスはサボテンにも対応しており、希釈割合も書いてあります。ラベルによると「サボテン」には「2,000倍」を2週間に1回与えればよいと分かります。
サボテンも多肉植物の一つなので、多肉植物も同様に使えると推測されます。
多肉植物は性質上はほとんど肥料分のない岩地や乾燥地帯に生えています。そのため肥料の少なすぎよりは多すぎの方が問題になります。そこで基本2,000倍、少し濃くしたい時は1,500倍などを与えるようにすればよいのではないでしょうか
管理人の場合ですが、微粉ハイポネックスは使っていませんが、ハイポネックス社の同様の製品「ハイポネックス原液」を(N-P-K = 6-10-5)を多肉植物に使っています。ハイポネックス原液では、月に2回与える程度では徒長や紅葉の冷めなどトラブルは起きていないので、微粉ハイポネックスでも同様に使えるのではないかと考えられます。
使い方
微粉ハイポネックスは粉状なので水に薄めて使いましょう。
2,000倍とは、5Lの微粉ハイポネックス水を作る2.5gが必要です。2Lの場合は1gでよいことが分かります。2Lのペットボトルに1gの粉末を量り取り、注いで上下にしっかり振りましょう。
作った微粉ハイポネックス水をジョウロなどにいれて、多肉植物の株元に注ぎます。量は鉢底から流れるまでしっかり与えます。粉がついている種類や毛が生えているタイプなどは、汚れ防止のため上から掛けたりはせず、株元に注ぐようにします。
微粉ハイポネックスは薄めると粉状のにごりができます。この濁りはゆっくり溶けて効く緩効性成分なので、捨てずに濁った状態で株元に与えましょう。
タイミング
多肉植物には生育期と休眠期があります。休眠期は水を与えず肥料も必要としないので、微粉ハイポネックスは与えないようにします。適切な時期はその多肉植物の生育期です。
また生育期の中でも特に生育が盛んで肥料を旺盛に必要とする時期がおすすめです。具体的には春秋型は3~5月頃と9~11月頃、夏型は4~6月頃と酷暑を除いた9月頃、冬型は10~12月頃と3~4月頃です。
また最近植え替えで元肥を土に混ぜ込んだという場合は微粉ハイポネックスは不要です。(元肥か追肥かどちらか一方でよいです。)
微粉ハイポネックスの特徴やQ&Aなど
配合されている成分は
植物の生育に大量に必要な三要素である、チッソ・リン酸・カリをN-P-K = 6.5-6-19含みます。加えて、微量要素であるマンガン、ホウ素を含みます。
ハイポネックス原液との違いは
ハイポネックス原液とは主成分であるチッソとカリの配合量が異なります。ハイポネックス原液はN-P-K = 6-10-5であるのに対し、微粉ハイポネックスはN-P-K = 6.5-6-19とカリが多いです。
その他微量要素の配合はマンガンが0.005、ホウ素が0.030入っていますが、他の要素については不明です。
粉状だけど速効性?
微粉ハイポネックスは粉状ですが、水に溶かすと素早く効果が出る即効性の肥料です。そのため液肥のような使い方をします(元肥ではなく、生育期に週に1~2回与えます。)即効性がある分、長い効果はなく、繰り返し与える必要があります。
活力剤との違いは?
肥料の三要素(大量要素)であるチッソ、リン酸、カリのうち、2つの成分の合計が0.2%以上のものを「肥料」といいます。これ以下の濃度のものは肥料と表示することはできません。活力剤は肥料成分がこの基準を満たさないか全く含んでいないもののことを指します。
活力剤は製品により微量要素やアミノ酸、ビタミンなど肥料以外の成分だけど植物の生育に必要なものを含んでいます。そのため、どちらも植物に必要であることが分かります。
このように肥料と活力剤は異なる成分を持つものなので、双方とも代用することはできない(目的に応じて使い分ける)と考えましょう。
肥料の有効期限は?
実は肥料は有効期限はありません。食品や薬品と異なり成分の変化は起こりにくく、経年で劣化しにくいことがその根拠です。この微粉ハイポネックスもその一つで、いつまでに使わないと効果がなくなるという期限はありません。
薄めた液肥もずっと保管できるのか
薄めた液肥は変質しやすくなっているので、当日中に使うことが推奨されています。どうしても余ってしまった場合は密栓して日の当たらない所に置き、1週間以内に使うようにしてください。
箱の右下に書いてある日付は何なのか
箱の右下に書いてあるのは輸入年月と製造年月です。有効期限ではありません。
微粉ハイポネックスを与えたら他に何もいらないか?
微粉ハイポネックスは肥料なので、他に「肥料」を与える必要はありません。マグアンプKやハイポネックス原液など別の肥料を施肥すると、肥料の与えすぎになってしまいます。それに対し、肥料分が入っていない活力剤は併用してOKです。微量要素やビタミン類は活力剤で補いましょう。
薄めた液肥はどのくらい与えたら良い?
薄めた液肥は、株元にチョロチョロと与えるのではなく、1回の水やり代わりの量たっぷりと与えることで効果を発揮します。そのため多肉植物では水分の多く必要とする生育期に、1回の水やりの代わりとして与えます。鉢底から流れ出るくらいが適量です。
ハイドロカルチャー(水耕栽培)に利用できる?
ハイドロカルチャーや水耕栽培でも使うことができます。その場合は1,000倍に薄めたものを使います。ただし微粉ハイポネックスは無色透明ではなく、やや白く濁っていますので、見た目はやや悪くなります。この濁りには根が出す酸や微生物などによってとかされて徐々に効く成分が入っているので、捨てたりしないようにしましょう。