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オトンナ属(コーデックス)の種類と育て方

オトンナ属の写真

クラビフォリアの実生(種まき) オトンナ クラビフォリアの実生クラビフォリアの種子 オトンナ 冬型コーデックスクラビフォリアの実生

ルビーネックレスの解説ページはこちらです。

オトンナ属(Othonna)の特徴

キク科
オトンナ属(Othonna)
生育型 冬型
育てやすさ 種類により普通~やや難しい
成長速度 種類により遅い~普通
増やし方 種まき
原産地 南アフリカ、ナミビア

※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

オトンナはこんな塊根植物
特徴
低木~常緑多年草で南アフリカのケープ州を中心に140種類ほどが見つかっています。多肉植物ではオトンナ属ルビーネックレスが有名ですが、塊根植物になったオトンナ属もたくさんあります。キク科らしい花が咲き、ルビーネックレスのような黄色い花びらの花を咲かせます。その他白や紫の花を咲かせる種類もあるようです。ほとんどは冬型で冬期降雨地帯に生息し、寒さには比較的強く、夏の蒸し暑さに弱いです。関東以南では冬でも戸外で栽培できるものもあります。

種類紹介
オトンナ属ヘレイ、レピドカウリス、ユーフォルビオイデスなどが知られていますが、サイズはまちまちで高さが30cmまでのものから1メートルを超えるものまであります。塊根の大きさも様々で茎がコブ状になるものやドーム状になるもの、丸い形をしたものなどがあります。ユーフォルビオイデスはユーフォルビアのようなという意味を表します。オトンナ属の中には日本での栽培が難しい品種があります。

育て方
コーデックスの中では寒さに強いものの、凍結を耐えるものではないので5℃を切ったら室内へ取り込みましょう。多くは極度に乾燥した岩場や岩の割れ目などに自生しており、水のやり過ぎで徒長します。生育期の冬は直射日光に良く当て、休眠期の夏は完全に断水させて明るい日陰に移し通風をはかります。また生育期から休眠期その逆の時もいきなり栽培方法(水やりや遮光など)を切り替えるのではなく、徐々に慣らしながら切り替えていくようにしましょう。

育て方のコツ

  • 5~8月は休眠期なので水を絶ち涼しい所で育てる
  • 秋から春に生育するので多すぎない水やりとたっぷりの日照を
  • コーデックスの中では比較的耐寒性があり0~5℃を耐える
  • 9月から11月に種まきで栽培を開始する

年間栽培カレンダー

生育型 冬型
生育期 9~4月
休眠期 5~8月
緩慢な時期 1~4月
水やり
  • 9月頃生育を始めたら水やりを開始
  • 10~4月までの間は乾いたらたっぷり
  • 4月に断水を始めると葉が落ちる
  • 5~8月は水を全く与えない断水か霧吹き程度
置き場所
  • 年間を通して雨の当たらない風通しのよい所に
  • 9月に生育を始めたら徐々に遮光を外した戸外に置く
  • 10~4月は基本戸外の直射日光下に置く
  • 5℃を切ったら室内の窓辺に取り込む
植え替え
  • 9~11月頃が適期
増やす
  • 9~11月頃に種まき
肥料
  • 植え付け時に緩効性肥料、9~4月頃に月1回液肥を与える
開花
  • 8~3月頃

主な種類名

ヘレイ(蛮鬼塔) Othonna herrei
レピドカウリス Othonna lepidocaulis
ユーフォルビオイデス(黒鬼城) Othonna euphorbioides
クラビフォリア Othonna clavifolia
レトロルサ Othonna retrosa
トリプリネリビア Othonna triplinevia
シクロフィラ Othonna cyclophylla
アルミアナ Othonna armiana
カカリオイデス Othonna cacalioides
クレムノフィラ Othonna cremnophila
クネアータ Othonna cuneata
ファルカータ Othonna furcata
ロバータ Othonna lobata
プロテクタ Othonna protecta
ツベローサ Othonna tuberosa

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育て方のポイント

水やり

水やり
通常8月下旬頃から水やりを開始します。最初は少なめに与え、株の状態を見ながら見ながら徐々に増やしていきます。

9月から4月上旬の生育期は土が完全に乾いてから、たっぷりの水を与えるようにします。生育期であっても土が乾くまでは水を与えず、土が乾いたかしっかり確認してから与えるようにしてください。

5月から8月下旬までは断水(水を与えない)で育てるのが基本ですが、オトンナは根が細いものが多く、完全に断水すると枯れてしまうおそれがあります。そのため断水せず、断水気味に管理するようにすると秋以降の生育をスムーズなものにできます。この場合、涼しくなった夕方にごく少量与え翌朝には乾いているような状態にします。または葉水して株を湿らせることも一つの方法です。

置き場

置き場
生育期の置き場所
基本的に秋から春の生育期はよく日に当てて育てます。その際雨のかからないところで管理します。遮光などはせず、直射日光下において問題ありません。日光不足になると葉が徒長しやすいので、必ず日に当てるようにします。ただ葉は直射日光を必要とするものの、塊根には長時間の直射日光が当たらないようにしたほうが良いでしょう。

しかしオトンナの最低越冬温度は5℃と、日本では多くの地域で冬に室内に取り込む必要があります。その場合、室内の窓辺などできる限り日の当たるところに置くようにします。もし日照が確保できない場合は、植物育成LEDライトなどを使う必要が出てきます。

0℃以下が続く寒冷地や雪の多い地域では、何ヶ月も室内に入れないといけない時期が続きます。その場合、室内の暖かさでますます徒長しやすいので、温度管理と水やりには一層注意が必要です。

休眠期の置き場所
3~4月になると生育は緩慢になり、休眠期に入る準備を始めます。4月下旬からは遮光を開始、8月末頃まで遮光下において育てます。もちろん雨には当てないようにします。

オトンナは生育温度が5~20℃の冬型多肉植物です。そのため夏の暑さは苦手でなるべく涼しく風通しの良いところで過ごさせることが大切です。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

夏越し夏越しのポイントは断水ではなく断水気味に管理するという点です。完全断水ではなく、少量の水は与えるようにしましょう。

越冬最低温度と冬越し方法

冬越しコーデックスの中では寒さに強いですが、最低越冬温度は5℃とされています。冬型だから寒さに強いわけではなく0℃で凍結させれば枯れてしまいます。5℃を切る日は室内に入れましょう。また最低越冬温度は0~5℃と種類により若干異なります。その種類ごとに合わせて場所を決めていきましょう。

九州や沖縄などの暖地では、戸外でなんとか栽培できる日も多いです。その際、夜間など寒風が直接当たる所だと株が傷む場合があります。簡易ビニール温室などを使って夜間は窓を閉めきれば、冷たい風を遮ることができかなり効果的です。

具体的な置き場所については以下のページに掲載しています。

増やし方(種まき)

殖やし方
通常オトンナは種まきで殖やします。さし芽もできますが、塊根が太らないため塊根を太らせるためには種まきを行います。冬型コーデックスのため、10~11月に種蒔きを行い、夏までになるべく大きく育てます。

コーデックスの種まき方法は野菜や花の種まきと異なり、やや管理方法などが面倒なため以下のページで方法を解説しています。
コーデックスの実生方法(種まきからの育て方)

以下のページで実際にオトンナ「クラビフォリア」を実生(種まき)しています。

オトンナの種まきからの育て方(実生方法)と栽培記録
南アフリカを中心に自生しているオトンナ属、人気の高いコーデックスの一つで、菊らしい黄色い花を咲かせます。 このサイ...

植え替え

健康に育てるには植え替えが欠かせませんが、オトンナの植え替えは細い根を傷めてしまう危険な作業でもあります。そこで初心者にも比較的安全に行えるのが「鉢増し」です。鉢増しは適期があり冬型のオトンナ属は生育期の9~11月頃です。休眠中や厳冬期には根張りも悪くなりますので、植え替えの時期としてはおすすめできません。詳しいやり方は以下のページで解説していますので、参考にしてみてください。

コーデックスの鉢増し・植え替え

土と鉢

土土は水はけがよく、通気性がよいものが適しています。市販の野菜や花の培養土では水もちが良すぎるほか、肥料分が多いため不向きです。多肉植物用の培養土が市販されているので、これを使うと簡単です。

肥料

肥料
鉢植えの栽培では肥料や微量要素が不足しがちです。そのため健康に生育させるには肥料が必要です。まず植え替え時に土に緩効性肥料(マグアンプKなど)を混ぜ込んでおくのもよいですし、液肥を与える方法もあります。液肥は本格的に生育期に入る9月から生育が鈍る翌年4月の前まで月に1~2回水やり代わりに与えます。肥料はチッソ・リン酸・カリの3大要素ですが、活力剤なども使って微量要素を補っていきましょう。

病害虫

病害虫ハダニやカイガラムシ、根ジラミなどに注意します。他に日光が強すぎる場合の葉焼け、夏の過湿による蒸れに注意が必要です。

以上はオトンナ属に関する記述ですが、冬型コーデックス全般の育て方については、コーデックスの育て方ページをご覧ください。

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