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デザートローズ(唐印)の育て方

写真

唐印

唐印(デザートローズ)の特徴

ベンケイソウ科
カランコエ属
学名 Kalanchoe thyrsiflora ‘Desert Rose’
生育型 夏型
育てやすさ 育てやすい
成長速度 普通
増やし方 子株取り〇
原産地 ボツワナ、レソト、南アフリカ、スワジランド

※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

デザートローズはこんな多肉植物
特徴
唐印はカランコエ属の中でも代表的な種類で、薄く丸みを帯びた葉を密につけます。一般にはデザートローズの名前が知られています。夏は緑色ですが、秋冬に涼しくなってくると黄色~真っ赤に紅葉します。葉には白い粉がついていて、強い日差しや水滴を遮ります。花はある程度大きくなった株に咲きますが、咲いた後はその株は枯れてしまいます。

育て方
高温を好む夏型の多肉植物として栽培します。栽培は簡単で性質も丈夫です。根腐れなどもしにくく育てやすいです。しかし反面カランコエ属なので冬の寒さに弱く5℃以下では室内管理になります。

増やし方は脇芽(子株)取りで葉挿しはほぼ不可能です。ある程度栽培していると、だんだんと下葉が枯れて茎立ちしてきます。そうすると下葉が枯れた後葉の付け根から小さな脇芽を出します。ある程度の大きさになったらこれを切り取って土に挿します。

春・秋は良く日に当てる必要があり、日差しが弱いと徒長してひょろ長く茎が伸びてしまいます。この場合あまりに酷くなってしまったら、茎を切り取りさし芽で再起させます。

育て方のコツ

  • 春・秋は良く日に当てる
  • 水やりは多くても週1回程度
  • 粉がはげるので雨ざらしにはしない
  • 寒さに弱いので5℃を切ったら室内の窓辺に

年間栽培カレンダー

生育型 夏型
生育期 4~10月
休眠期 12~2月
緩慢な時期 3月、11月頃
水やり
  • 3~5月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)
  • 6~8月は3~5月よりやや控えめの量を月2回程度
  • 9~11月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)
  • 12~2月は表面を濡らす程度を月に1回程度
置き場所
  • 年間を通して雨の当たらない風通しのよい所に
  • 3~5月は直射日光の当たる屋外
  • 6~9月は明るい日陰(50%遮光)
  • 10~11月は直射日光のあたる屋外
  • 12~2月は雨の当たらない屋外、5℃以下の場合は日当たりの良い窓辺に
植え替え
  • 3~5月頃が適期
増やす
  • 4~6月、9~10月に子株取り
肥料
  • 植え付け時に緩効性肥料、又は4~6月頃に月1~2回液肥を与える
開花
  • 不明

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育て方のポイント

水やり

水やり薄い葉ですが、多肉植物で茎や葉に水分を蓄える力があり、水やり回数は通常の植物よりかなり少なくてよいです。春~秋によく生育しますが、この時期でも最大で週に1回程度です。

水やりは土がしっかり乾いて鉢が軽くなってから与えます。土が湿っているようであれば無理に与えないようにします。

具体的な目安は、3~5月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)、6~8月は3~5月よりやや控えめの量を月2回程度9~11月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)、12~2月は表面を濡らす程度を月に1回程度です。

調節が大切
しかしあくまで目安で、その年の気候や栽培している地域、土の種類や株の大きさによっても変わってくるので、様子をよく見ながら調節してください。

また冬の休眠期は月1回気持ち程度与えるか、全く与えない場合もあります。しかし室内(暖かい)で育てている場合は、もう少し多めが必要で、月に1回鉢の半分が濡れる程度にします。

置き場

置き場雨がかからない風通しがよい所に置きます。基本的には戸外の日なたで栽培しますが、初夏から秋口までは遮光が必要で、冬は室内に取り込むことが多いです。

具体的な目安は、3~5月は直射日光の当たる屋外ですが、6~9月は明るい日陰(50%遮光)に移動し、10~11月は再び直射日光のあたる屋外に置きます。12~2月は雨の当たらない屋外ですが、5℃以下の場合は日当たりの良い窓辺に取り込みます。

デザートローズは多肉植物の中では強い日差しを求めるほうで、遮光のしすぎは徒長を招きます。また真っ赤に紅葉させるにも秋から冬にかけての日光浴が重要です。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

夏越し夏の暑さに強いほうで、半日陰であれば40~45℃を耐えます。ただこれは耐えられるということで、この温度まで上がると暑さで茎が伸びてしまうことがあります。こればかりは仕方ないです。

遮光ネットを使う
6~9月にかけては直射日光が非常に強く、かんかん照りの所は50℃を越えてしまいます。そのためカランコエであっても30%程度は遮光(日よけ)したほうが安心です。具体的には30~50%程度の遮光ネットを張るか、明るい日陰に移動させます。明るい日陰で水やりをしすぎなければ夏越しは楽な方です。

越冬最低温度と冬越し方法

冬越し冬の寒さには弱く耐寒温度は3~5℃です。カランコエの中では寒さに強く、2℃にしても枯れる訳ではありませんが、凍結は絶対に避けましょう。

凍結させないためには、戸外で栽培する場合、水やりを極控えて耐寒性を上げることが大切です。

簡易ビニール温室を使っている方もいらっしゃるかもしれませんが、加温機能がない簡易ビニール温室は、寒風や雪はよけられても保温効果はほとんど期待できません。そのため本格的に寒くなる前に室内に取り込みましょう。

室内ではできるだけ暖房器具などで暖かくない部屋(15℃以下)が望ましいです。また室内は日差しがとても弱いので窓辺に置いて日光不足を補ってください。

増やし方

殖やし方唐印(デザートローズ)はさし木(さし芽)、子株取りで増やします。葉挿しはほぼ不可能です。

適期は4~6月頃か9~10月頃ですが、おすすめは5~6月頃です。あまり暑くなる前(7~8月は避ける)に終えるか、寒さがひどくならない10月までに行いましょう。12~2月は寒さで根が出ないので避けます。

さし木と子株取り

さし木
さし木(さし芽)とは、親株から茎を切り取って、茎1本から増やしていく方法です。唐印の場合、茎は1本で別に分岐することはないので、さし木というよりは胴切りに近くなります。これは株が非常に長く伸びてしまって、元の姿に戻したい時などに行います。

茎を清潔なハサミでカットし、空き瓶などに立てかけておいて発根を待ちます。数ミリ発根してきたら土に植えて軽く水を与えます。そして根が伸びるのに合わせて少しずつ水やりを増やしていきます。ここまでは半日陰で行ってください。

子株取り
子株取りとは、株元から出てくる小さな芽をある程度大きくなったら切り取って、別の容器に植え付けることです。切り取りから発根まではさし芽と同じ手順で行います。あまりにも小さい芽を切り取ってしまうと、発根までに力尽きて枯れてしまうことがあるので、最低3cm程度になってからが安全です。

植え替え

植え替えとは、小さくなった鉢を一回り大きくしたり、古い根を取り除いたり、根に害虫や病気がないか確認したり肥料を足したりなどの効果がある作業です

植え替えにも適切な時期があり、生育期である3~6月、9~10月に行います。3号鉢程度(口径9cm程度)の鉢に植わっている小さな株は年1回植え替えをしますが、大きくなってきたらそれほど高頻度に行わなくても大丈夫になります。

カランコエは細根で長い間植えっぱなしだと、鉢が根詰まりして水はけ・通気性が悪くなるので、植え替えは大事な作業です。

手順
根へのダメージを避けるために、植え替えを行う前は数日間水をやらずに土を乾かしておきます。鉢から苗を抜き取って少しずつ土を崩して茶色い枯れた根を切り捨てます。同時に根ジラミ(粉のような白い虫)がついていないかチェックします。

硬くなった土は通気が悪いので、新しいものに交換します。このとき土に少なめの緩効性化成肥料を混ぜ込んでもよいです。根を切った場合は数日乾かすか、カラカラに乾いた土に植えて3日ほど経ってから水やりを始めます。

土と鉢

土多肉植物なので通常より水はけと通気のよい土が必要です。通常の草花を植える土は水はけが悪く水持ちも良すぎるので、そのまま使わないほうがよいです。

できれば多肉植物用に改良された多肉植物用土と書いてあるものがよいです。購入する時は、肥料の配合の有無を確認しておくとよいでしょう。

また市販品を購入する以外に、土を自分で作る方法もあります。この場合は、赤玉土や鹿沼土、日向土、軽石、バーミキュライト、腐葉土などを3種類以上混ぜ合わせて作りましょう。

また市販の土でも自分でブレンドした場合でも、必ずみじんと呼ばれる粉状になってしまった土を取り除いてから使いましょう。

鉢の種類
鉢の種類は大きく分けてプラスチック鉢と陶器の鉢があります。それぞれ一長一短がありますが、プラスチック鉢は軽くて取り扱いしやすい、陶器の鉢は多孔質で水はけがよいという特徴があります。デザートローズはどちらに植えることもできますが、初めての方は、プラスチック鉢が育てやすいのではないかと思います。

プラスチック鉢は色々なものがありますが、これまではプレステラ90・105という鉢がよく使われていました。しかし現在製造を停止し、リニューアルされて再販されるとのことです。プレステラ以外にもAmazonやホームセンター、百均などでプラスチック鉢を販売しており最適なサイズを購入することができます。

肥料

肥料
地植えの植物と異なり、鉢植えの植物には適度に肥料を与える必要があります。地植えの植物は自然界からミネラル分や養分が供給されますが、鉢だと水やりで流れ出てしまうばかりで。また根を伸ばせるスペースも限られているためです。

とはいえデザートローズは肥沃でない土に生える多肉植物なのでそれほど量は必要ありません。多肉植物は通常の植物の3分の1から2分の1程度の肥料で良いとされています。

与え方
植え替え時や植え付けの時、土に緩効性化成肥料を混ぜ込むか、植え替えを行わない鉢には、生育期(3~5月、9~10月)に液肥で追肥を行います。具体的にはマグァンプK小粒やハイポネックス原液の希釈液などがよく使われます。

肥料の与えすぎは、秋に紅葉しにくくなる、ひょろ長く間延びする、根がダメージを受ける(肥料焼け)などの副作用が出ることもあるので、多すぎないようにしましょう。

病害虫

病害虫病害虫はほとんど心配ありません。病気の被害があったり害虫がついたら、ベニカXネクストスプレーなど、病害虫対策できる農薬を散布する必要があります。

また唐印は白い粉が美しい種類なので、スプレー式の農薬がかけづらい所があります。その場合、オルトランDX粒剤など根から吸収して効果がある殺虫剤を事前に撒いておくとよいでしょう。

品種ごとの育て方
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