月美人・星美人の育て方

このページではパキフィツム属の多肉植物「月美人」や「星美人」の育て方を基礎から丁寧に解説しています。
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星美人・月美人の写真

月美人
月美人の画像

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月美人紅葉している月美人(1月) 月美人濃く紅葉した株 上から見た写真
花芽(1月) 緑の月美人(7月)
脇芽(子株) 美人の葉挿し

基本情報

■ベンケイソウ科
■パキフィツム属
■学名:Pachyphytum oviferum cv.
■名前:月美人・星美人

※星美人と月美人は非常に区別しづらく同じ品種だという説もある。書籍でも分類はバラバラで、Pachyphytum oviferum cv.(cv.は園芸品種の略で、オビフェルムから作り出された品種という意味)が当てられることが多い。そのためこのページでは月美人と星美人を同じ品種として扱っている

原産地:メキシコ
生育型:春秋型
大きさ:高さ20cm程度
耐暑性:中くらい
耐寒性:中くらい
温度:書籍5℃-30℃程度(実測2℃-38℃程度)
育てやすさ:普通
成長スピード:遅い

※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

星美人・月美人の特徴


最初に手にするパキフィツムはおそらく、月美人か星美人に違いない。ぷっくりした姿は多肉植物の中でも群を抜いてかわいいと人気がある。普通の植物では考えられないくらい葉が厚く、多肉植物の中でも1cm近い厚みを持つものは少ない。葉や茎の表面は白い粉で覆われていてついつい触ってみたくなる。春秋型で穏やかな気候の春秋に最も成長する。しかし成長は遅いほうで1年に3cm程度茎がのび葉は4~5枚増えるくらい。育てるのが難しそうだが、コツをつかむと簡単に育てられる

育て方のコツは

  1. 水はけのよい土に植えること
  2. 水やりは土がカラカラになってからすること
  3. 夏以外は一日中、日に良く当てること
  4. 冬0℃以下にしないこと

これさえ守ればとりあえず枯らさないで育てられる。

年間栽培カレンダー

水やり 生育期の3~5月、9~11月は土が乾いたら10日に1回ほど鉢内が充分湿るぐらい水をやる
6月から水やり回数を減らす
7~9月は月に1~2回ほど与える
12~2月は休眠期なので月1~2回程度、鉢内を軽く湿らせる程度に
置き場所 3~5月は屋外の日なたに
6~9月は日差しが強すぎるため50%遮光(明るい日陰)に
10~11月は屋外の日なたに
12~2月も基本屋外の日なたに
0℃を下回る場合は温室か室内の窓辺に取り込む
(年間を通して雨ざらしにしない)
植え替え 生育期の3~5月、9~11月に
殖やす 生育期の3~5月、9~11月に挿し木、葉挿し、株分け
肥料 ほとんど要らないが、生育期の3~5月、9~11月に月1回2000倍の液肥を与えても良い
開花 春(2~4月)に花芽が伸びてその咲きに咲く(ピンク・橙)

育て方のポイント

水やり

月美人や星美人は多肉植物の中でも乾燥に強いタイプなので水やり回数はとても少ない。水のやりすぎは病気やひょろひょろに伸びる徒長の原因、葉割れの原因になるなどよいことがないので少ないほうが安全。しかし少なめといっても目安は必要だ。水やりが必要なのは、土が鉢の中までカラカラくらいになり鉢を持った感じもとても軽くなったと感じたとき、葉にシワがよったり手で触るとやわらかくなっているとき水をやる。基本的には1回の水やりは鉢底から流れ出るまでと、たっぷりやる。多肉植物は水を控えめにするといっても、1回の水やりの水量を減らすわけではなく回数が少ないということ。ただ例外もあり、真夏や真冬は1回の水やりの量も減らさないといけない。

具体的な頻度は生育期の3~5月、9~11月は10日に1回ほど鉢内が充分湿るぐらい水をやる。鉢底の穴から水が出てきても問題ない。梅雨時の6月からは蒸れやすくなるので水やり回数を減らす。2週間に1回くらいにする。そして7~9月は暑すぎて生育が鈍るためあまり根が水を吸わなくなる。そのため月に1回ほどに減らす。9月からまた水やりの回数を増やす。冬の12~2月は休眠期なので水をほとんど吸わなくなるので月1回程度。

また30度を超える猛暑の間と5度以下になる厳冬時は、1回の水やり量も鉢内を軽く湿らせる程度に減らす。高い気温で多すぎる水をやると葉が突然割れ、深い溝ができてしまうことがある。また冬と夏は水やり時間もタイミングがあり、夏は涼しくなった夕方に、冬はこれから暖かくなる朝にやる。凍るような寒い日や35度を超えるように時は無理に水やりはしない。月美人は少々シワがよっても大丈夫。夏は水やりを全くしなくて良いと書いてある本もあるが、それは小さな苗では危険。水不足に耐えきれなくなり、葉がしわしわになって茎から取れてしまうことがあるので、すずしい夕方に月一回程度与えるくらいがよい。

置き場

月美人や星美人は日本より気候がおだやかで温度変化の少ないメキシコ生まれの多肉植物のため、置き場所は工夫が必要。まず雨がとても少ない所なので年間を通して雨ざらしにはしない。そして風通しが良いことが大切。3~5月は屋外の日なたに置き、日光を良く浴びせる。6~9月は日差しが強すぎるため50%遮光(明るい日陰)に置く。この時期は特に蒸れないよう風通しに注意する。ふたたび10~11月は屋外の日なたに、12~2月も基本屋外の日なたに置く。ただ0~5℃を下回る場合は温室か室内の窓辺に取り込む。外に置く場合はほとんど意識しなくて良いが、室内に置く場合は風通しに気をつける。またあまり暖かすぎると徒長(ヒョロヒョロになる)するので暖房が効いた部屋にはなるべく置きたくない。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

書籍では5℃-30℃程度とされることが多い。
管理人の実測値では夏と冬の水やりを控えた場合2℃-38℃程度まで耐えられた。水やりが多いと耐寒性・耐暑性が下がる。

暑さにはやや強く、35℃を超えてもすぐ枯れることはない。しかしそれは日陰の話で、日が当たるところは25℃くらいが限界。近年猛暑が厳しくなっているが、夏でも日よけをつけて直射日光を当てないようにすれば40℃くらいまでは外で育てることができる。夏はにわか雨が降ってビニール温室のカバーをつけて、晴れた後カバーを外し忘れることがある。そんな場合はたちまち温室内が50℃近くなり、さすがに枯れてしまうので閉めっぱなしにしないよう気をつける。

越冬最低温度と冬越し方法

寒さにはやや弱く、0℃とも5℃ともいわれる。実際に育てると3℃くらいなら平気で耐える。低くても0℃以下にならないようにする。霜に当てたり茎が凍結すると枯れることがある。枯れなくても傷みがひどくなり葉や株が傷ついてしまう。

殖やし方

星美人・月美人は挿し木(挿し穂)、葉挿し、株分けができる。時期は生育期の3~5月、9~11月が適している。他の季節はできないかといえば、できないわけではないが、休眠中などで根が出ないなどのトラブルが起きやすい。

挿し芽の方法:

挿し木は親株から5cm程度茎をカットし、下の方の葉をもぎとり断面を3~4日乾かす。乾いたら乾燥した用土に挿す。発根するまで2~3週間かかるが気長に待つ。根が1cm程度出たら水やりを開始する。いきなりバシャバシャやらずに徐々に増やしていく。カットした親株には2ヶ月程度で新しい芽が出てくる。

葉挿しの方法:

葉挿しは親株から下の方の葉をもいでそのまま土の上に置いておく。もいだ葉は直射日光が当たらない、明るい日陰に置く。根や芽がでるまで1ヶ月以上かかりそこから葉が5mm程度まで育つまで4ヶ月以上かかる。最初の水やりはもぎとった葉がカラカラに乾いてから。そのため最初の半年は水をやらないことになる。

株分けの方法:

数年間育てて群生した株は株分けができる。土から掘り出して古い根を整理し子株ごとにわけて植え付ける。植え付けてから3~4日後から水やりを始める。株分け前は10日以上水やりを控えて土をサラサラにしておく。
種まき:原種は種まきもできる。

植え替え:

植え替えも株分けと同様に生育期の3~5月、9~11月に行う。事前に水やりを1週間ほど控えて土を乾燥させておく。真夏などに植え替えると株にダメージを与えるので控える。なぜ植え替えが必要なのだろうか。それは育てていると根が鉢一杯に成長して根詰まりを起こし、成長が悪くなってしまうから。根が張りやすいので小さいうちは1年に1回、大きい鉢になってきたら2年に1回ほど一回り大きな鉢に植え替える。小さい鉢から一気に大きな鉢に植え替えるのはよくない。面倒くさいが、苗の大きさにちょうど良い一回り大きい鉢に植えることが大切。

土は排水性のよいもので肥料分が少ないものを選ぶ。適当な土がないからといって「普通の野菜と花の土」を使うと水はけが悪く肥料が多すぎて、月美人にはよくない。他の多肉植物と同じように市販の「多肉植物の土」を使っても良い。原産地ではごつごつした山の岩肌に生えているので砂のような土をイメージすると良い。自分でブレンドする場合は、くん炭やピートモス、ボラ土、赤玉土、鹿沼土(いずれも小粒)を混ぜ合わせる。全部鹿沼土などではなく、5種類以上の土を混ぜ合わせるのが理想的。(例)赤玉土2:鹿沼土2:ピートモスか腐葉土1:川砂1:くん炭1:パーライト1 など 鉢底には軽石をしいて水はけをよくするとよい。

肥料

基本は乾燥地帯に育つため、肥料はほとんど要らない。しかし肥料を与えると生育がよくなり早く成長するのも事実。肥料をやる場合は生育期の3~5月、9~11月に月1回薄い液肥を与える。ハイポネックスなら2000倍に希釈して1回の水やり代わりにたっぷり与える。ただ肥料のやり過ぎはよくない。肥料をやりすぎると茎ばかりヒョロヒョロ伸びて株が弱る。また秋から冬にかけてあまり紅葉しなくなる。初心者のうちなど、やったほうがよいか迷ったら無理にやらなくてよい。固形肥料は水やりの回数が少ない星美人には使いづらい。

病害虫

月美人や星美人は病害虫はほとんど心配ない。しかし庭などでは他の植物から病害虫が入り込んでくることがある。比較的つきやすいのがカイガラムシ、ネジラミ、ナメクジなど。葉の裏の付け根に白いものが付いていたらカイガラムシなので爪楊枝などで1つずつ取り除く。生育が悪いと思ったら根にネジラミ(サボテン根コナカイガラムシ)がついていることがあるので根を点検する。一般的な殺虫剤も効く。病気は特に心配ないが根腐れに注意する。

星美人・月美人によくあるトラブル

  • 月美人が紅葉しない・・・水と肥料のやりすぎ、気温が高すぎ、風通しや日当たりが少ないと紅葉しなくなる。
  • 葉がポロポロ落ちてしまう・・・もともと葉が取れやすいタイプだが、夏はますます生理障害で葉が落ちやすくなる。なるべく涼しいところで管理する
  • 葉挿しの葉からなかなか根・芽が出てこない・・・月美人・星美人はパキフィツム属なので、他の多肉植物に比べて時間がかかる。葉挿しは100%成功するとは限らない。根だけ出て芽がでないということもある。3ヶ月以上根・芽が出ないものは諦める
  • 粉がはげてしまった・・・残念ながら多肉植物の粉ハゲは再生はできない。しかし育て続けると新しい葉が中心から出てきて粉はげの葉は下葉になるので気にならなくなる
育て方のコツのまとめ

  1. 水はけのよい土に植えること
  2. 水やりは土がカラカラになってからすること
  3. 夏以外は一日中、日に良く当てること
  4. 冬0℃以下にしないこと

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