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月美人・星美人の育て方

このページではパキフィツム属の多肉植物「月美人」や「星美人」の育て方を基礎から丁寧に解説しています。
実際の栽培記録や写真はこちらの育てレポートに⇒育てレポへジャンプ

星美人・月美人の写真

月美人
月美人の画像

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月美人紅葉している月美人(1月) 月美人濃く紅葉した株 上から見た写真
月美人のつぼみつぼみ(4月) 緑の月美人(7月) 月美人の花月美人の花(2020.4)
脇芽(子株) 美人の葉挿し 月美人の葉挿し月美人の葉挿し(2020.3)

基本情報

■ベンケイソウ科
■パキフィツム属
■学名:Pachyphytum oviferum cv.
■名前:月美人・星美人

※星美人と月美人は非常に区別しづらく同じ品種だという説もあります。書籍でも分類はバラバラで、Pachyphytum oviferum cv.(cv.は園芸品種の略で、オビフェルムから作り出された品種という意味)が当てられることが多いです。そのためこのページでは月美人と星美人を同じ品種として扱っています

原産地:メキシコ
生育型:春秋型
大きさ:高さ20cm程度
耐暑性:中くらい
耐寒性:中くらい
温度:書籍5℃-30℃程度(実測2℃-38℃程度)
育てやすさ:普通
成長スピード:遅い

※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

星美人・月美人の特徴


最初に手にするパキフィツムはおそらく、月美人か星美人になるのではないでしょうか?ぷっくりした姿は多肉植物の中でも群を抜いてかわいいと人気です。普通の植物では考えられないくらい葉が厚く、多肉植物の中でも1cm近い厚みを持つものは少ないです。

葉や茎の表面は白い粉で覆われていてついつい触ってみたくなります。春秋型で穏やかな気候の春秋に最も成長します。しかし成長は遅いほうで1年に3cm程度茎がのび葉は4~5枚増えるくらいです。育てるのが難しそうですが、コツをつかむと簡単に育てられます

育て方のコツ

  1. 水はけのよい土に植えること
  2. 水やりは土がカラカラになってからすること
  3. 夏以外は一日中、日に良く当てること
  4. 冬0℃以下にしないこと

年間栽培カレンダー

水やり 生育期の3~5月、9~11月は土が乾いたら10日に1回ほど鉢内が充分湿るぐらい水をやる
6月から水やり回数を減らす
7~9月は月に1~2回ほど与える
12~2月は休眠期なので月1~2回程度、鉢内を軽く湿らせる程度に
置き場所 3~5月は屋外の日なたに
6~9月は日差しが強すぎるため50%遮光(明るい日陰)に
10~11月は屋外の日なたに
12~2月も基本屋外の日なたに
0℃を下回る場合は温室か室内の窓辺に取り込む
(年間を通して雨ざらしにしない)
植え替え 生育期の3~5月、9~11月に
殖やす 生育期の3~5月、9~11月に挿し木、葉挿し、株分け
肥料 ほとんど要らないが、生育期の3~5月、9~11月に月1回2000倍の液肥を与えても良い
開花 春(2~4月)に花芽が伸びてその咲きに咲く(ピンク・橙)

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育て方のポイント

水やり

月美人や星美人は多肉植物の中でも乾燥に強いタイプなので水やり回数はとても少ないです。水のやりすぎは病気やひょろひょろに伸びる徒長の原因、葉割れの原因になるなどよいことがないので少ないほうが安全です。しかし少なめといっても目安は必要です。

水やりが必要なのは、土が鉢の中までカラカラくらいになり、鉢を持った感じもとても軽くなったと感じたとき、葉にシワがよったり手で触るとやわらかくなっているとき水をやります。基本的には1回の水やりは鉢底から流れ出るまでと、たっぷりやります。多肉植物は水を控えめにするといっても、1回の水やりの水量を減らすわけではなく回数が少ないということです。ただ例外もあり、真夏や真冬は1回の水やりの量も減らさないといけません。

具体的な頻度は生育期の3~5月、9~11月は10日に1回ほど鉢内が充分湿るぐらい水をやります。鉢底の穴から水が出てきても問題ありません。梅雨時の6月からは蒸れやすくなるので水やり回数を減らし2週間に1回くらいにします。そして7~9月は暑すぎて生育が鈍るためあまり根が水を吸わなくなり、月に1回ほどに減らします。9月からまた水やりの回数を増やします。冬の12~2月は休眠期なので水をほとんど吸わなくなるので月1回程度で充分です。

また30度を超える猛暑の間と5度以下になる厳冬時は、1回の水やり量も鉢内を軽く湿らせる程度に減らします。高い気温で多すぎる水をやると葉が突然割れ、深い溝ができてしまうことがあります。また冬と夏は水やり時間もタイミングがあり、夏は涼しくなった夕方に、冬はこれから暖かくなる朝にやります。

凍るような寒い日や35度を超えるように時は無理に水やりはしません。月美人は少々シワがよっても大丈夫です。夏は水やりを全くしなくて良いと書いてある本もあるが、それは小さな苗では危険です。水不足に耐えきれなくなり、葉がしわしわになって茎から取れてしまうことがあるので、すずしい夕方に月一回程度与えるくらいがよいようです。

置き場

月美人や星美人は日本より気候がおだやかで温度変化の少ないメキシコ生まれの多肉植物のため、置き場所は工夫が必要です。まず雨がとても少ない所なので年間を通して雨ざらしにはしません。そして風通しが良いことが大切です。

3~5月は屋外の日なたに置き、日光を良く浴びせます。6~9月は日差しが強すぎるため50%遮光(明るい日陰)に置きます。この時期は特に蒸れないよう風通しに注意します。ふたたび10~11月は屋外の日なたに、12~2月も基本屋外の日なたに置きます。

ただ0~5℃を下回る場合は温室か室内の窓辺に取り込みます。外に置く場合はほとんど意識しなくて良いですが、室内に置く場合は風通しに気をつけましょう。またあまり暖かすぎると徒長(ヒョロヒョロになる)するので暖房が効いた部屋では効かせすぎに気をつけましょう。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

書籍では5℃-30℃程度とされることが多いです。
管理人の実測値では夏と冬の水やりを控えた場合2℃-38℃程度まで耐えられました。水やりが多いと耐寒性・耐暑性が下がります。

暑さにはやや強く、35℃を超えてもすぐ枯れることはありません。しかしそれは日陰の話で、日が当たるところは25℃くらいが限界です。近年猛暑が厳しくなっていますが、夏でも日よけをつけて直射日光を当てないようにすれば40℃くらいまでは外で育てることができます

夏はにわか雨が降ってビニール温室のカバーをつけて、晴れた後カバーを外し忘れることがありますが、そんな場合はたちまち温室内が50℃近くなり、さすがに枯れてしまうので閉めっぱなしにしないよう気をつけましょう。

越冬最低温度と冬越し方法

寒さにはやや弱く、0℃とも5℃ともいわれる。実際に育てると3℃くらいなら平気で耐える。低くても0℃以下にならないようにする。霜に当てたり茎が凍結すると枯れることがある。枯れなくても傷みがひどくなり葉や株が傷ついてしまう。

殖やし方

星美人・月美人は挿し木(挿し穂)、葉挿し、株分けができます。時期は生育期の3~5月、9~11月が適しています。他の季節はできないわけではありませんが、休眠中などで根が出ないなどのトラブルが起きやすいです。

挿し芽の方法:

挿し木は親株から5cm程度茎をカットし、下の方の葉をもぎとり断面を3~4日乾かします。乾いたら乾燥した用土に挿します。発根するまで2~3週間かかりますが気長に待ちましょう。根が1cm程度出たら水やりを開始します。いきなりバシャバシャやらずに徐々に増やしていきます。カットした親株には2ヶ月程度で新しい芽が出てきます。

葉挿しの方法:

葉挿しは親株から下の方の葉をもいでそのまま土の上に置いておきます。もいだ葉は直射日光が当たらない、明るい日陰に置きます。根や芽がでるまで1ヶ月以上かかりそこから葉が5mm程度まで育つまで4ヶ月以上かかります。最初の水やりは親葉がカラカラに乾いてからですので、最初の半年は水をやらないことになります。

株分けの方法:

数年間育てて群生した株は株分けができます。土から掘り出して古い根を整理し子株ごとにわけて植え付けます。植え付けてから3~4日後から水やりを始めます。株分け前は10日以上水やりを控えて土をサラサラにしておくとよいでしょう。原種は種まきもできます。

植え替え:

植え替えも株分けと同様に生育期の3~5月、9~11月に行います。事前に水やりを1週間ほど控えて土を乾燥させておきましょう。真夏などに植え替えると株にダメージを与えるので控えます。

植え替えが必要な理由は、育てていると根が鉢一杯に成長して根詰まりを起こし、成長が悪くなってしまったり土が劣化してしまうためです。根が張りやすいので小さいうちは1年に1回、大きい鉢になってきたら2年に1回ほど一回り大きな鉢に植え替えます。小さい鉢から一気に大きな鉢に植え替えるのはNGで、面倒くさいですが、苗の大きさにちょうど良い一回り大きい鉢に植えることが大切です。

土は排水性のよいもので肥料分が少ないものを選びます。適当な土がないからといって「普通の野菜と花の土」を使うと水はけが悪く肥料が多すぎて、月美人にはよくないです。他の多肉植物と同じように市販の「多肉植物の土」を使っても良いです。原産地ではごつごつした山の岩肌に生えているので砂のような土をイメージすると良いですね。

自分でブレンドする場合は、くん炭やピートモス、ボラ土、赤玉土、鹿沼土(いずれも小粒)を混ぜ合わせます。全部鹿沼土などではなく、4種類以上の土を混ぜ合わせるのが理想的。(例)赤玉土2:鹿沼土2:ピートモスか腐葉土1:川砂1:くん炭1:パーライト1 など 鉢底には軽石をしいて水はけをよくするとよいです。

肥料

基本は乾燥地帯に育つため、肥料はほとんど要りません。しかし肥料を与えると生育がよくなり早く成長するのも事実です。肥料をやる場合は生育期の3~5月、9~11月に月1回薄い液肥を与えます。ハイポネックスなら1000~2000倍に希釈して1回の水やり代わりにたっぷり与えます。ただ肥料のやり過ぎは問題で、肥料をやりすぎると茎ばかりヒョロヒョロ伸びて株が弱ってしまうことがあります。また秋から冬にかけてあまり紅葉しなくなります。

病害虫

月美人や星美人は病害虫はほとんど心配ありません。しかし庭などでは他の植物から病害虫が入り込んでくることがあります。比較的つきやすいのがカイガラムシ、ネジラミ、ナメクジなどです。葉の裏の付け根に白いものが付いていたらカイガラムシなので爪楊枝などで1つずつ取り除きます。生育が悪いと思ったら根にネジラミ(サボテン根コナカイガラムシ)がついていることがあるので根を点検しましょう。一般的な殺虫剤も効果的です。病気は特に心配ありませんが、根腐れに注意します。

星美人・月美人によくあるトラブル

  • 月美人が紅葉しない・・・水と肥料のやりすぎ、気温が高すぎ、風通しや日当たりが少ないと紅葉しなくなってしまいます。
  • 葉がポロポロ落ちてしまう・・・もともと葉が取れやすいタイプですが、夏はますます生理障害で葉が落ちやすくなります。なるべく涼しいところで管理するしか対策がありません。
  • 葉挿しの葉からなかなか根・芽が出てこない・・・月美人・星美人はパキフィツム属なので、他の多肉植物に比べて時間がかかります。また葉挿しは100%成功するとは限らない。根だけ出て芽がでないということもあります。3ヶ月以上根・芽が出ないものは諦めます。
  • 粉がはげてしまった・・・残念ながら多肉植物の粉ハゲは再生はできません。しかし育て続けると新しい葉が中心から出てきて粉はげの葉は下葉になるので気にならなくなります。
育て方のコツのまとめ

  1. 水はけのよい土に植えること
  2. 水やりは土がカラカラになってからすること
  3. 夏以外は一日中、日に良く当てること
  4. 冬0℃以下にしないこと

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