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月兎耳(ツキトジ)・福兎耳の育て方(カランコエのウサギの耳)

このページではカランコエ属の「月兎耳、福兎耳、チョコレートソルジャー」などのカランコエのウサギの耳の育て方を基礎から丁寧に解説しています。黒兎耳・ゴールデンラビット、ジャイアントラビット、星兎耳、点兎耳、テディーベア、アンゴラ兎、なども月兎耳とよく似た性質で育て方も似ているので月兎耳と同じような育て方で育てることができます。

月兎耳の写真

月兎耳月兎耳(ツキトジ)
Kalanchoe tomentosa
最もよく見かける種で、肌は緑基調だが葉先に茶色い点が入る。木のように茎が立って分岐していく。
福兎耳福兎耳(フクトジ)
Kalanchoe eriophylla
全体が白い毛で覆われていて毛並みが最も細かい。月兎耳とは異なる種で、月兎耳のように木質化はせず背は高くならない。
チョコレートソルジャーチョコレートソルジャー
(月兎耳の変種)
全体的に茶色っぽくなる
月兎耳不明種
Kalanchoe tomentosa sp.
福兎耳の開花福兎耳の花 挿し木後の親株からの新芽挿し木後に親株から新芽が出る

基本情報

■ベンケイソウ科
■カランコエ属

■名前:月兎耳(ツキトジ)
■学名:Kalanchoe tomentosa

■名前:福兎耳(フクトジ)
■学名:Kalanchoe eriophylla

原産地:マダガスカル島
生育型:夏型
大きさ:高さ30cm程度
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
温度:書籍値5℃~40℃程度
温度:実測値3℃~40℃程度 ※水やりを控えた場合の値で、状況によりこれより狭くなることがある


育てやすさ:育てやすい
管理場所:春秋-日なた、夏-日なた、冬-5℃以下は室内
増やし方:挿し木〇・葉挿し〇・株分け〇
成長スピード:早い


※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い
耐寒性と耐暑性が、強い-やや強い-やや弱い-弱い

カランコエ属とは?
うさぎの耳の所属はカランコエ属です。カランコエ属とはどんな特徴があるのでしょうか?
カランコエは夏を中心に春~秋に成長する夏型の多肉植物で、多肉植物の中では夏に強いほうで20℃~35℃ですくすく生育します。一方寒さに弱いのでも有名で、多肉植物の中でも特に耐寒性がないグループです。育てやすさは5点満点で5点と初心者でもとても育てやすいのが特徴です。

ウサギの耳の特徴は?
一番有名な月兎耳や福兎耳、そして黒兎耳などうさぎの耳系の特徴は何なのでしょうか?ウサギの耳は葉の表面が毛で覆われていて、触るとモフモフの触感があります。形は皆似たり寄ったりなのですが、黒や茶色の点々や模様の入り方がそれぞれ異なります。例えば月兎耳は葉先に黒い点々が入りますが、チョコレートソルジャーでは葉全体が茶色みがかっています。毛の生え方も異なり、ラビットとつく種類は毛がいっそうザラザラとして感じられます。

月兎耳と福兎耳の違い
また模様だけでなく、月兎耳と福兎耳は性質が異なり、月兎耳は30cm以上に木立するのに対し、福兎耳は木立せずに子株を出し最大30cmを超えることはありません。黒兎耳やゴールデンラビット、チョコレートソルジャーなど他の種類に関しては学名的にはKalanchoe tomensta sp.と月兎耳の変種とされていますが、実際に大きく育てたことがないため、当サイトでは不明とさせていただきます。

ウサギの耳の育て方は?
育て方は概ね他のカランコエと同じですので、違う点だけを書かせていただきます。まずウサギの耳は毛が生えていてこれが太陽光から実を守ってくれます。つまりカランコエの中でも直射日光に強いです。また毛は雨に当てると黒く汚れるので、きれいに育てたい場合は雨ざらしにしないほうがよいです。

育て方のコツ
ポイント

  1. 寒さに弱く5℃、できれば8℃以下で室内に取り込む
  2. 夏でも直射日光に当てて育てられるが雨ざらしにしない
  3. 春から夏は水は土がカラカラに乾いてから、たっぷり与える
  4. 過湿に弱いので水はけの良い土に植える

年間栽培カレンダー

水やり
  • 4~6月、9~11月は生育期で1週間に1回鉢底から流れ出るまでたっぷり与える
  • 7~8月は根腐れなどの対策として2週に1回程度に抑える。
  • 12月~2月頃は休眠期で少量の水を月1回だけか、または断水する。室内の場合は月2回程度鉢が半分濡れるぐらいに
置き場所
  • 4~6月、9~11月の生育期は日当たりのよい所に置く
  • 7~8月は日差しも強いため50%遮光するか明るい半日陰に置く
  • 12~3月は寒さに弱く5℃を下回ったら温室や室内に取り込む、5℃以上の日は戸外の日なたに。花を楽しみたい場合は10℃を切らない方がよい
植え替え 4~6月、9~11月の生育期が適期
増やす 4~10月の長い期間、繁殖(挿し芽や葉挿し)ができる
肥料 4~6月と9~11月に月1回程度の薄い液肥
開花 種類により11~3月頃に開花
多肉植物の休眠期とは?

多肉植物は自生地の環境と異なる日本で育てることになり、日本の暑さ寒さで生育が鈍ったり寒さで成長が止まったりします。その時期のことを「休眠」といいます。休眠期は生育が鈍るので根が水を吸収しなくなり、土の水が乾きづらくなりいつまでも土が湿っていると根腐れや蒸れを起こします。そのため休眠期には水やりを控え、挿し木や株分けなど株へ負担をかける作業を控えるようにします。

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育て方のポイント

水やり

水やり月兎耳は水やりに神経質ではなくどちらかというと(汚れますが)雨ざらしにしても大丈夫な種類でこうしないと枯れるなどの決まりはありません。しかしやはり多肉植物で、普通の植物のような与え方をすると腐ってしまうことがあります。水やりは鉢の水分が完全に乾燥してから与えます。また梅雨など雨降りが続く時期は雨よけがあるところに移動するのが好ましく、冬は寒さで休眠状態になるのでほとんど水を与えません。

具体的な頻度は4~6月、9~11月は生育期で1週間に1回ほどたっぷり与えます。7~8月は生育期であるものの暑さで根が煮えたり蒸れたりしないように2週間に1回ぐらいにとどめます。量も鉢底から流れ出るほどはやりません。生育が止まる12月~2月頃は少量の水を月1回だけ与えるか断水する。断水とは全く水を与えないことです。また室内に取り込んでいる場合は緩やかに生長を続けるので徒長に気をつけながら2週に1回程度与えます。

冬と夏は水やり時間のタイミングに注意しましょう。夏は涼しくなった夕方に、冬はこれから暖かくなる朝に与えます。5度以下になるときや35度を超えるように時は無理に水やりはしません。水をやる時は葉にかけるのではなく、根元に注ぐようにしましょう。月兎耳などは毛があり、毛に水が溜まって日光を浴びるとそこだけ焼けてシミになってしまいます。

置き場

置き場冬も夏も充分通気のある環境で育てましょう。そして4~6月、9~11月の生育期は日当たりのよい所に置きましょう。5~8月は若干日よけをしてもよいですが、他の多肉植物よりは強い光にあてて大丈夫です。日よけは明るい半日陰か30%程度の遮光ネットをかけるなどします。福兎耳などは特に白い毛が汚れて黒くなってしまうため雨ざらしは避けます。

月兎耳などウサギの耳は寒さに弱いです。12~3月は5℃を下回ったら温室や室内に取り込みましょう。寒さに当てると葉が黒ずむのでできれば8℃以上を保てるのが理想です。暖かい日は戸外の日なたに出して日光浴しましょう。室内に取り込むときも日当たりが確保できるところに置きます。

冬になると花芽をつけ春に花が咲きますが、寒いと花を咲かせないことがあるので花を楽しみたい場合は10℃を切らない方がよいですね。またカランコエは短日植物なので、夜に明るい所に置いているとつぼみをつけません。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

夏越し多肉植物の中では直射日光には強いほうで夏も遮光が不要~少なめでOKです。気になる場合は30%遮光シートをかける程度にとどめましょう。また日差しや高温には強いものの多湿には弱いので梅雨~夏は特に通気のよい所で育てましょう。風通しと土の乾燥、遮光の3つをしておけば直射日光下の45℃程度を耐えます。

越冬最低温度と冬越し方法

冬越し月兎耳や福兎耳などウサギの耳は冬の寒さに弱く越冬最低気温の推奨値は5℃以上(できれば7~10℃以上推奨)で、多肉植物の中では真っ先に寒さにやられるタイプです。凍結させたり霜が降りたり寒風が当たったりすると枯れてしまいます。枯れるまではいかなくても黒ずんだり黄色くなったりと株がダメージを受けます。また葉が凍っても根が凍っていなければ春に復活することもありますが、折角育てた月兎耳がゼロからのスタートに近くなってしまいます。花も咲かなくなってしまいます。冬は休眠しているので水やりは暖かい日に月1回程度少量、関東以北の寒冷地では室内への取り込みが必須になります。暖地でも寒い冬はあり寒波の際には室内にいれてあげましょう。

増やし方

殖やし方繁殖は簡単なグループでよく殖えます。4~10月の長い期間、繁殖(挿し芽、種類により葉挿し)、株分けができます。それといったコツはなく基本的に生育期に葉や枝を切っておいておけば自動的に根が出てきます。ただツキトジなどウサギの耳はカランコエの中では根の出る速さが遅いので気長に待ちましょう。

挿し木(挿し芽)の方法:

挿し木は生育期に親株から5~10cm程度の茎をカットし、4~5日程度空の瓶などに立てかけておきます。それから乾いた土に挿し、発根するまでは直射日光の当たらない室内で管理します。発根(1cm程度)したら水やりを始めます。月兎耳系は発根までにおよそ2~3週間かかります。カットした親株の枝からは1ヶ月後ぐらいに新芽が出ることが多いです。

葉挿しの方法:

月兎耳系は葉挿しに最適です。親株から葉をもいでトレイなどに転がしておくと根や芽が出てくるので、そうなったら土に植えてあげます。葉挿しは日なたではなく半日陰で管理しましょう。室内の窓辺などが最適です。兎系は1枚の葉の付け根から発根するほか、親葉がちぎれていてもそこから新しい株を再生します。

株分けの方法:

混み合ってきたら鉢から抜いて、根を少しつけて子株を切り取り別の容器に植え付けると株分けができます。子株は植え付けてから3~4日後から水やりを始めましょう。株分け前は1週間程度、水やりを控えて土をカラカラにしておくと根へのダメージを防げます。子株は2週間程度は半日陰で管理し、徐々に元の置き場所に戻します。

植え替え:

植え替えも株分けと同様に生育期の4~10月に行います。事前に水やりを1週間ほど控えて土を乾燥させておきます。月兎耳などは繁殖が旺盛なので1年に1回の植え替えが必要です。小さい苗のうちは半年に1回くらいの植え替えが必要ですが、鉢を大きくすればどんどん巨大化していってしまうので、あまり大きくしたくないのであれば、植え替え時に元の鉢に植え付けるほうがよいでしょう。

繁殖力の強いカランコエにとって、植え替えはとても大切な作業です。植え替えには土を新しくしたり、肥料を足したり古くなった根を整理するなど様々なメリットがあります。もし月兎耳を大きくしたくなければ、植え替え時に大きく根を切りつめて元の鉢に植えれば大丈夫です。

土他の種類ほど神経質ではありませんが、やはり水はけのよいもので肥料分が少ないものがよいでしょう。多肉植物用の土はもちろんのこと、自分でオリジナルの土を作ってもOKです。作る場合はくん炭やピートモス、ボラ土、赤玉土、鹿沼土(いずれも小粒)ことなる性質の土を複数混ぜ合わせて作ります。

(例)赤玉土3:鹿沼土3:ピートモスか腐葉土3
(例)赤玉土5:パーライト3:腐葉土2 +川砂 など

軽石を鉢底にしくと水はけがよくなります。

鉢は大きく分けて2種類あり、通気が悪いプラスチック鉢、通気のよい陶器の鉢(駄温鉢など)があります。うさぎ系はどちらも植えることができます。プラ鉢に植えると水やりの頻度が少なくて済みますし、陶器の鉢に植えれば頻度を増やす必要があります。また鉢のサイズを大きくする場合は、苗をいれて鉢と苗の間に指が1~2本入るくらいが適切なサイズです。

肥料

肥料基本的には普通の植物より少量でかまいません。早く大きくしたい場合は4~6月、9~10月に施肥しましょう。植え替え時に土に緩効性肥料を混ぜたり、または生育期にハイポネックス1000倍液のような液肥を月1回程度、水やり代わりに与えるとよいでしょう。肥料のやり過ぎは株が軟弱になるのでおすすめできませんが、全くないと生育が悪くなるので、普通の草花の半分~3分の2程度を目安にすると良いでしょう。

病害虫

病害虫
カランコエは病害虫がほとんど心配ありません。しかし害虫ではイモムシがややつきやすいので土に撒いて退治するタイプの殺虫剤(オルトランDXなど)を撒いておくとよいでしょう。また根にネジラミ(サボテン根コナカイガラムシ)がついて生育が止まることがあるので、生長不良の場合は掘り出して根を点検しましょう。病気ではありませんが、成長が旺盛なものほど根詰まり(鉢の中が根で一杯になる)しやすいので植え替えをしっかり行う必要があります。6月の梅雨時はカビ病に注意し適宜農薬を散布します。

ウサギの耳は春頃薄ピンクなどの花を咲かせる場合があります。しっかり外で育てていれば10月ごろからつぼみがつき始め、冬~春に開花します。1つの花の寿命は2週間くらいのようです。カランコエは短日植物で夜でも明るい環境で育てると花芽がつきません。種を採らない場合は、花が咲き終わったらハサミで花がら摘みましょう。種子を作るのに余計なエネルギーを使ってしまいます。

カランコエによくあるトラブル

  • 下葉が取れたり丸まって枯れる・・・育つにつれて下のほうの葉が落ちるのはある程度自然なこと(新陳代謝)です。特に月兎耳は上に伸び、下の葉が徐々に落ちて小さい木のようになっています。上の方まで葉が落ちる時は根詰まりを疑い適宜植え替えをしましょう。
  • 寒くなってきたら元気がなく茎が黒くなってきた・・・寒さに弱く5℃を下回ると成長が止まり葉や茎が黒ずみ元気がなくなるので室内に取り込んで予防しましょう。
  • つぼみがつかない・・・夜の長さが長くなることでつぼみがつく「短日植物」なので夜も明るい環境で育てると花芽がつかなくなってしまいます。その場合は暗い所に置くか、段ボール箱などをかけて暗くしましょう。
育て方のコツ
ポイント

  1. 寒さに弱く5℃、できれば8℃以下で室内に取り込む
  2. 夏でも直射日光に当てて育てられるが雨ざらしにしない
  3. 春から夏は水は土がカラカラに乾いてから、たっぷり与える
  4. 過湿に弱いので水はけの良い土に植える
品種ごとの育て方
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