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リトープス属(Lithops)の特徴と種類・育て方

リトープス属の写真

リトープスリトープスの群生 リトープスリトープス寄せ植え 花が咲いているリトープス
脱皮しているリトープス 実生(種まき)のリトープス 脱皮中のリトープス

以下の写真はWikipediaより

Lithops aucampiae 日輪玉日輪玉 Lithops_karasmontana 朱唇玉朱唇玉 Lithops_hookeri 富貴玉富貴玉
Lithops lesliei 紫勲紫勲 Lithops schwantesii 招福玉招福玉 Lithops olivacea オリーブ玉オリーブ玉

リトープス属(Lithops)の特徴

ツルナ科(ハマミズナ科・メセン類)
リトープス属(Lithops)
生育型 冬型
育てやすさ やや難しい
成長速度 遅い
殖やし方 株分け〇・分頭〇・種まき〇・葉挿し×
原産地 南部アフリカ

※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

リトープス属はこんな多肉植物
メセン類とは
リトープスはメセン類(玉形メセン)ともいわれます。メセン類の正式な名前はツルナ科またはハマミズナ科でたくさんの属が派生するグループです。ツルナ科の中でもリトープス属は代表種で、メセン類といえばリトープスかコノフィツムなどが真っ先に思い浮かべる方が多いようです。「玉形メセン」とはメセン類の中でも体(葉と茎)が高度に多肉化しており形として球に近いものをいいます。(メセン類には、葉がひょろ長いものや薄っぺらくなっているものなど多肉化レベルの低いものもあります)

リトープスの特徴
リトープスは多肉植物の中でも特徴的な形をしています。初めて本やネットでその姿を見たときはなんとも異様な印象を受けます。しかし実にいろいろな色や模様のものがあり、葉のてっぺんには光を取り込む「窓」がある、体を覆うような大きな花を咲かせる、植物なのに脱皮する、といったことを知っていくにつれて興味が湧き、引き寄せられていきます。原生地は南部アフリカの岩砂漠地帯で、ごつごつとした砂礫の中に埋まっており、まるで「石」のような姿をして生息しています。成長がゆっくりなので普通の植物のようにどんどん大きくならず、1年に1回だけ1対(2枚)の葉を出します。

育て方
リトープスは秋から冬~春にかけて成長する冬型の多肉植物でおよそ3℃程度まで耐えられます。いっぽう日本の環境では5~8月の夏の季節の管理が難しく、簡単に枯れて干からびてしまうことがあります。そのため育て方は多肉植物初心者にはやや難しく特に夏場の水やりで枯らしてしまうことが多いようです。まさに水やり三年といえます。俗に「溶ける」という表現もここから生まれています。夏は水を一切やらない「断水」で管理するとうまくいくことが多いです。

種まきが楽しめる
リトープスは種まきを楽しむこともできます。花が咲いたら簡単に交配でき、採れた種をまけばたくさんのリトープスが育ちます。種は肉眼でやっと確認できるくらいの小ささで、発芽も大変小さく、管理(腰水や遮光が必要など)はやや面倒ですが、案外大きな成株より溶けたりせず、元気に育ってくれます。種は低価格で購入することも可能です。

育て方のコツ

  • 夏に水やりで枯らしやすいので断水で管理する
  • 生育期はたっぷり日に当て週1回程度の水やりをする
  • 冬は3℃以下にしなければほとんど枯れない
  • 冬に花を咲かせて種を採ることもできる

年間栽培カレンダー

生育型 冬型
生育期 10~4月
休眠期 6~8月
緩慢な時期 5月、9月

年間栽培カレンダー

水やり
  • 10月~1月の週1回程度たっぷり与える
  • 2~4月は二重脱皮を防ぐため水やりは月1回程度
  • 5月から水やりを少しずつ減らし、6~9月は完全に断水する(月0回)
  • 実生株(種まき)は夏でも週1回くらい少量を与える
置き場所
  • 5~9月は風通しのよい明るい日陰
  • 10月~4月は基本戸外の日当たりと風通しの良い室内・温室
  • 冬は3℃を切ったら室内の窓辺に取り込む
植え替え
  • 10~11月(成長期に入ってから)
種まき
  • 9月下旬~11月上旬まで
殖やす
  • 種まき、株分け
肥料
  • 10~11月の成長期に月1回程度
開花
  • 種類により11~1月頃

主な種類名

日輪玉 (ニチリンギョク) Lithops aucampiae
富貴玉 (フッキギョク) Lithops hookeri
寿麗玉 (ジュレイギョク) Lithops julii
巴里玉 (パリギョク) Lithops hallii
トップレッド Lithops karasmontana ‘Top Red’
アルビニカ Lithops lesliei ‘Albinica’
レッドオリーブ Lithops olivacea var. nebrownii ‘Red Olive’
花紋玉 (カモンギョク) Lithops lesliei
紫勲 Lithops lesliei
朱唇玉 (シュシンギョク) Lithops karasmontana
招福玉 (ショウフクギョク) Lithops schwantesii
瑞光玉 (ズイコウギョク) Lithops dendritica
青磁玉 (セイジギョク) Lithops helmutii
福来玉 (フクライギョク) Lithops julii ssp.fulleri
弁天玉 (ベンテンギョク) Lithops lesliei v.venteri
李夫人 (リフジン) Lithops salicola
留蝶玉 (ルチョウギョク) Lithops ruschiorum
麗虹玉 (レイコウギョク) Lithops dorotheae

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育て方のポイント

水やり

水やり生育期と脱皮中の水やり
10月~4月の成長期は土が乾いたら月4~5回とたっぷり与えます。厳冬は生育が弱まるので少し控えめに(月2回程度)行います。また2~4月頃は脱皮が始まるので水やりは月1回程度にします。これは新しい葉も脱皮して体が小さくなってしまう二重脱皮を防ぐためです。新しい葉は古い葉の水分を吸収して育つので、古い葉が元気なうちは水をやらないくらいです。5月頃古い葉がカリカリに乾いたら水やりを再開します。

脱皮の過程についてはこちらを参照ください。
リトープスの脱皮はいつ?4ヶ月の様子を写真で確認!

真夏の水やり
それもつかの間でどんどん気温が上がり、5月の水やりは少なめです。6~9月は完全に水を与えない断水をします。6月から4ヶ月も断水すると株にしわがよって枯れそうな感じがして心配ですが、心配はありません。秋になり再び25℃程度になるまで水を切ってしまって大丈夫です。初心者のうちは特に大切だと思います。中級くらいになってきたら涼しい日にさらっと1ヶ月に1回程度水やりしても大丈夫になってきます。

※リトープスの真夏の水やりについては意見が分かれ、月1回ほど葉水をかけたほうがいいという意見もあります。参考までに管理人は完全な断水はせず、月に1~2回は軽く水を与えています。

種まきから育てた苗
リトープスは種まきから育てることもできますが、この株(実生株といいます)は乾燥に弱いので夏でも10日に1回程度、少量の水を与えます。このくらいのサイズの株は水やりで溶ける心配があまりなく、むしろ直射日光に当てて溶かすか、干からびさせて枯らすことが多いです。

秋の水やり
9月頃からまた生育が始まります。気温が25~30℃くらいになったら水やりを再開し、10月には週に1回ほど水を与えます。リトープスは葉に水がかかるのが好きなタイプなので、上からじょうろのはす口からじゃぶじゃぶかけてOKです。リトープスは下に根を伸ばすタイプなので、土の表面がちょっと濡れる程度では根に届かないため、鉢底の穴から流れ出るまで与えます。

置き場

置き場置き場所の基本
風通しと日照を特に気をつけましょう。成長期の10月~4月はなるべく直射日光が当たる外で管理します。

寒い時期の置き場所
地域によって12月~2月にマイナスを下回ってしまう場合は室内に取り込み、窓から日光を当てます。水やり直後の株は凍結に弱いので、3℃以内で室内への取り込みを推奨します。0℃まで大丈夫というのは枯れないぎりぎりのラインなので、できれば3℃以下にしないほうが初心者のうちは安全です。参考までに凍結するとそのときはなんともなくても、数日後に溶けてなくなってしまうので、管理人の場合は3℃を取り込みラインにしています。

室内に入れる場合は風通しを心がけましょう。通風不足だと冬でも腐敗菌が入り、腐ってしまうことがあるので注意が必要です。

夏は遮光する
5月~9月は生育が鈍り、また直射日光が強すぎるので30~50%程度遮光するか、明るい日陰に置きます。株がひょろ長くなる時は日照が足りない証拠なので、現在の位置より少し日当たりの良いところに置きます。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

夏越し耐暑性は弱くはない
耐暑性は決して弱くはなく、高温自体には結構耐えられます。ただし日よけは必要で、真夏の直射日光下だと溶けてしまいます。また暑い時期は休眠期でもあります。そのため半日陰(遮光率50%程度)の所に置きます。5~8月頃は50%程度の遮光ネットを張ると最良ですね。直射日光を避ければ35~40℃も耐えられます(実測値)。

水やりを控えて耐暑性を上げる
また耐暑性を上げるためには、水やりをかなり控えることが大切です。全く水を与えない断水すれば確実ですが、シワシワになってしまうので、それが嫌な場合は月1回程度涼しい日の夕方にさらっと水やりすれば、シワシワを避けられます。

置き場所の決め方
4月や9月辺りも日差しが強すぎると感じれば20%程度の遮光をしてもOKです。ただ茎が緑色になったりヒョロヒョロと伸び始めたら日光不足の意味なので、もう少し日当たりのよい所に置きましょう。最初のうちはどこに置けばよいのか分かりませんが、苗の様子を見ながら置き場所を変えていくことで、その地域ごとに感覚が掴めてきます。

種まきした苗の置き場
また種まきから1~2年以内の実生株は成株より直射日光に弱いので、6~8月はもちろんのこと、3~4月には30%遮光、9月も30%遮光が必要です。これをしないと溶けることがあるので、日差しの強すぎには注意しましょう。

越冬最低温度と冬越し方法

冬越し
できれば3℃で室内へ取り込む
比較的寒さには強く0~3℃ぐらいなら大丈夫です。しかし霜が当たったり株が凍ったりすると、すぐ枯れるわけではありませんが傷んでしまいます。土(根)が凍ると回復は望めません。マイナス5℃になると枯れるので0℃できれば3℃以下になったら室内に取り込みましょう。

順調に育てるためには
越冬温度ぎりぎりよりも余裕をもって冬越ししたほうが、年間を通した生育が良くなりますし、冬型の植物なので冬の生育期が充実します。特に初心者のうちは安全に冬越しさせるには3℃以下にしないようにしましょう。そして気温が低いときは水やりを控えることが大事です。

※参考までに、管理人が実際に実験したところ、水を毎日のように与えた株は0℃で凍結して枯れ、1週間に1回程度にしたものでは0℃を耐えることができました。

室内に取り込む場合は、暖房に当たったりせず窓辺などで一日中日差しが当たる所がベストです。少なくとも最低限1日4時間当たる所でないと、徒長してしまいます。乾燥した空気では干してしまうので時々葉水(水のスプレー)してもよいでしょう。

殖やし方

殖やし方リトープスは脱皮時に2対葉が出てきた時に、それを分けて植え付ける分頭(株分け)ができるほか、一般的には種まきで殖やします。リトープスは葉挿しができず、茎が根と直結しているので挿し木もできません。

株分けの方法:

通常、春の脱皮の時、次の1対の葉が出てきますが、生育がよいと2対出てくることがあります。(見た目では4枚の葉が見えます)そのような場合は、それぞれを切り離して別々に植える分頭(株分け)が可能です。株分けする場合は、作業前1週間程度は水をやらず土を乾かし、鉢から掘り出して丁寧に土を落とします。根が充分に生えていて2つに分けられることを確認してから、清潔なカッターナイフなどで根の部分を切り分けます。数日間切り口を乾かして土に植え、水を与えます。ここで根の付け根をどちらにも残るように切り分けないと、一方からしか根がでませんので注意しましょう。これが意外と難易度が高い処理なので、初心者のうちはやらないほうがよいかもしれません。

種まきの方法:

リトープスをたくさん育てたい場合は、通常種まきで殖やします。種まきのことを実生(みしょう)といいます。種まきは遮光や腰水(底面給水)など作業がやや面倒ですが、1つの種から1つのリトープスが誕生するので、大量の苗を手に入れることができます。種まきについては別のページに詳しく載せているので参考にしてみてください。

リトープス・コノフィツム(メセン)の実生(種まきの詳しい方法)
リトープスの実生記録(2019年版)
リトープスの種まき12ヶ月間の育て方

植え替え

年に1回植え替え
リトープスは通常1年に1回程度植え替えをします。時期は生育期の頭9月~10月頃で、前年から成長して窮屈になってしまった株間を広げたり、根を整理したりします。

植え替える際は事前に水やりを控えて土を乾かしておきます。土が乾燥すると掘り返した時根が切れにくいので、株へのダメージを抑えることができます。鉢から掘り出したら慎重に根をほぐして土を落とします。新しい容器に植え付ける際、根の先は切り詰めてしまって大丈夫です。植え付けたら数日待ってから水やりを始めます。植え替え後2週間程度は直射日光が当たらない半日陰に置きましょう。

種まきから育てた場合
種まきから育てた場合も、1回目の植え替えを種まきからちょうど1年後の9月~10月に行います。

土と鉢

土
市販の培養土でもよい
土は水はけの良い配合にします。市販の多肉植物の培養土を使ってもOKです。ただサボテン用の土など、粒の大きい土は避けたほうがよいでしょう。自分で配合する場合は、赤玉土小粒2、鹿沼土小粒2:ピートモス2、川砂、くん炭など。粒の細かめのものを使い水はけがよい種類をブレンドします。

水持ちの悪い土の配合にして、水をしっかり与えても乾きやすくする
リトープスは直根タイプ(ごぼう根)なので横にはあまり広がらず、下に長く伸びます。そのためある程度の深さのある鉢を使うことが多いです。その場合、土の量が多くなり水やりしたとき土が底まで湿り鉢が重くなります。そうすると水はけが心配ですし、徒長の原因になることがあります。そこで土を水持ちのあまりよくない配合にすると、うまくいきます。

具体的にはパーライトやくん炭、ピートモスなどを加えます。そうすると水やりしたときすぐに水が貫通して下から出てきますので、鉢の中に水が大量に残らず、底の方の土もすぐに乾きます。

肥料

肥料リトープスは肥料がいらないと思われがちですが、実は与えた方がよく育ちます。

まず植え付ける際に土の中にマグアンプKなどの細粒で緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。量はポット1つにひとつまみ程度で問題ありません。その後植え付けて生育期に月2回程度、1000倍程度のハイポネックスなどの液肥を1回分の水やり代わりに与えます。リトープスは成長がゆっくりで開花までも時間がかかりますが、よく生育して花を付けるためにも肥料が欠かせません。

ただ与えすぎると徒長して軟弱な株になり、直すのが大変になりますので早く大きくしたいからと与えすぎないようにしましょう。

病害虫

病害虫
リトープスはそれほど病害虫の心配がありません。ただ以下のような病害虫が付くことがあるので栽培時は注意して観察しましょう。

害虫
根にネジラミという白い虫が発生することがあります。根ジラミがつくと汁を吸われて生育が悪くなるので、生育が悪いと感じたら植え替え時期ではなくても、鉢から抜き出して根を点検しましょう。白い粉のようなものがついていたら根ジラミです。この場合はカットできる部分であれば切り捨て、そうでない場合は水で丁寧に洗います。その後薄めた殺虫剤を散布しておくとよいでしょう。根ジラミは特に園芸店から持ち帰った鉢に付いていることが多いので、買ってきたら一度植え替えるとよいでしょう。

花やつぼみにはアブラムシが付きやすく、地面に近い所に置いている鉢にはナメクジが花びらを食い荒らすこともあります。

病気
花がらや脱皮したカラカラの葉にはカビが生えやすいので、ピンセットなどで早めに取り除きましょう。

生理障害
夏の暑い時間に水をやると蒸れて溶けたりします。また徒長して軟弱な株には腐敗菌が入りやすく突然枯れることがあります。いずれの場合も正しく栽培すればだいぶ防げますので、夏場の水やりや日の当てすぎ・日光不足には特に注意しましょう。

リトープスによくあるトラブル

  • 知らぬ間に株がなくなった・・・水分の多すぎで腐敗菌が入ったり、日差しの強すぎで枯れています。夏は水やりを控え適度な日照に調節します。
  • 生育期の水やりの量が分からない・・・10月と11月は月4回ほど鉢底から流れるほどの水やりを、12月と1月は月2回程度、2月から4月は月1回程度を与えます。
  • なかなか大きくならない・・・年に1回新しい葉が出るだけなので、大きくなるまでには3年以上かかります。気長に待ちましょう。
  • 花が咲かない・・・リトープスは概ね3年以上成長し大きさが3cm程度になり、株が充実してこないと花が咲きません。そのためにはゆっくりな成長を待つことと、毎年10月から12月にしっかり水を与え、10月から4月に充分日に当てることが株を充実させるために大切です。
ワンポイント

  • 株にしわが寄っても心配しないくらいの心構えを
  • 成長した株の栽培に馴れたら実生(種まき)に挑戦してみよう
  • 年間を通して蒸れ(日照不足と水やりしすぎ)に注意が必要

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