このページではユーフォルビア(ユーホルビア)属の育て方や種類について解説しています。
目次
ユーフォルビア属の写真
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※2段目以降の写真はWikipediaより引用しています。
ユーフォルビア属(Euphorbia)の特徴
科 | トウダイグサ科 |
属 | ユーフォルビア属 |
生育型 | 夏型・春秋型 |
育てやすさ | 種類による |
成長速度 | 種類による |
増やし方 | 挿し木、種まき、根ざし |
原産地 | マダガスカル、アフリカ |
※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い
種類数がとても多い
ユーフォルビアは熱帯から温帯に2000種類ほど自生している大きなグループで、多肉化したものも500種類ほどあります。草姿もサボテンに似ているもの、塊根ができるもの、タコものと呼ばれる種類、木のような形になるタイプなど5つのグループに分けられています。多くは葉が退化してトゲが有りサボテンのように見えますが、刺座(しざ)がないためサボテン科と区別されます。
寒さと取り扱いに注意
ユーフォルビアは熱帯~温帯の植物なので日本の寒さは苦手です。冬は5℃以下になったら室内に取り込む必要があります。夏に生育する夏型のものと穏やかな気候を好む春秋型の2つがあります。花キリンなど育てやすいグループもあれば、難易度が高い品種もあります。ユーフォルビアは樹液に毒があり、手につくとかぶれてしまいます。挿し木の時に出てくる白い樹液は触らないようにし、ビニール手袋などを使ったほうがよいでしょう。植え替え作業の時は鋭い棘に気をつけましょう。根の極度の乾きには弱いので、鉢をカラカラにさせないようにします。
育て方のコツ
- 寒さが苦手なので5℃以下になったら室内に取り込む
- 多くは夏型だが、春秋型もありそれぞれ育て方が異なる
- 水やりを好むものは普通の植物なみに水を与える
- 一年を通して雨ざらしにしない
- 休眠期も根をカラカラにさせない程度の水やりが必要
年間栽培カレンダー
夏型の場合
生育期 | 5~10月 |
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休眠期 | 12~2月 |
緩慢な時期 | – |
水やり |
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置き場所 |
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植え替え |
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増やす |
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肥料 |
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開花 |
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春秋型の場合
生育期 | 9~11月と2~4月 |
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休眠期 | 7~8月 |
緩慢な時期 | 12~1月 |
水やり |
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置き場所 |
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植え替え |
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増やす |
|
肥料 |
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開花 |
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主な種類名
ユーフォルビアは5つに分類されている。
球形種 (玉サボテンに似ている) |
オベサ、ギムノカリキオイデス、シンメトリカ、スザンナエ、バリダ、ホリダ、峨眉山、群星冠、鉄甲丸など |
塊根性種 (塊根ができる) |
アエルギノーサ、奇怪ヶ島、トリカデニア、キリンドリフォリア、トルチマラ、飛竜など |
タコもの類 (茎がタコの足のように伸びる) |
フスカ、九頭竜、金輪際、孔雀丸 |
樹木型 (柱サボテンに似ている) |
キリン冠、五彩閣、姫キリン、勇猛閣、彩雲閣、墨キリン、大正キリンなど |
花キリン類 | 花キリン、大花キリン、アンカレンシス、ベハレンシス、ホロンベンセ |
花麒麟 (ハナキリン) | Euphorbia milii |
オベサ | Euphorbia obesa |
峨眉山 (ガビザン) | Euphorbia ‘Gabizan’ |
奇怪々島 (キカイガシマ) | Euphorbia squarrosa |
キリンドリフオリア | Euphorbia cylindrifolia |
金輪際 (コンリンザイ) | Euphorbia gorgonis |
ゴルゴニス | Euphorbia gorgonis |
白樺麒麟 (シラカバキリン) | Euphorbia mammillaris |
蘇鉄麒麟 (ソテツキリン) | Euphorbia ‘Sotetsukirin’ |
大正麒麟 (タイショウキリン) | Euphorbia officinarum |
多宝塔 (タホウトウ) | Euphorbia melanohydrata |
稚児キリン (チゴキリン) | Euphorbia pseudoglobosa |
鉄甲丸 (テッコウマル) | Euphorbia bupleurifolia |
白衣ホリダ (ハクイホリダ) | Euphorbia horrida |
プレシステンス | Euphorbia persistens |
紅彩閣 (コウサイカク) | Euphorbia enopla |
ホリダ | Euphorbia horrida |
ホワイトゴースト | Euphorbia lactea ‘White Ghost’ |
ミルクブッシュ | Euphorbia tirucalli |
瑠璃晃 (ルリコウ) | Euphorbia susannae |
孔雀丸(クジャクマル) | Euphorbia flanaganii |
怒竜頭(イカリリュウズ) | Euphorbia micracantha |
アエルギノーサ | Euphorbia aeruginosa |
クラビゲラ | Euphorbia clavigera |
キリンドリフォリア | Euphorbia cylindrifolia |
デカリー | Euphorbia decaryi |
蓬莱島(ホウライジマ) | Euphorbia decidua |
グリーンウェイ | Euphorbia greemwayii |
グロエネワルディー | Euphorbia groenewaldii |
ギムノカリキオイデス | Euphorbia gymnocalycioides |
レウコデンドロン | Euphorbia leucodendron |
パキポディオイデス | Euphorbia pachypodioides |
ペルシステンス | Euphorbia persistens |
ポイソニー | Euphorbia poisonii |
笹蟹(ササガニ) | Euphorbia pulvinata |
ルゴシフローラ | Euphorbia rugosiflora |
クアルチコラ | Euphorbia quartzicola |
闘牛角(トウギュウカク) | Euphorbia shoenlandii |
飛竜(ヒリュウ) | Euphorbia stellata |
ステノクラダ | Euphorbia stenoclada |
弁財天(ベンザイテン) | Euphorbia venenata |
青珊瑚(アオサンゴ) | Euphorbia tirucalli |
多肉植物の日本での栽培は自生地の環境と異なります。そのため日本の寒さや暑さに耐えられなくなると生育が鈍ったり成長が止まったりします。その時期のことを「休眠」といいます。時期は種類によって異なり、夏に休眠するタイプと冬に休眠するタイプがあります。休眠期は生育が鈍るので肥料や水やりを控え、挿し木や株分けなど株へ負担をかける作業を控えます。
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育て方のポイント
広い地域に生息しているので同じ夏型でも好む環境は異なります。花キリン類と樹木型は高温と強い光を好み、夏でもよく日に当てて育てます。球形型とタコもの類、塊根性種は穏やかな季節を好み、夏は直射日光に当てないようにします。
水やり
夏型の場合
生育期の3~10月は土が乾いたら鉢底から流れるまで、1週間に1回程度を与えます。暑さに弱い一部の種類は7、8月は月に2回程度を控えめの量与えます。9~11月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)、12~2月は断水か表面を濡らす程度を月に1回程度にします。根の乾きに弱いので冬は暖かい所に置いて月1回くらい水やりするのが理想です。
春秋型の場合
2~5月は生育期で土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)与えます。6~9月は土が乾いたら少なめを月に2回程度、10~11月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)、12~1月は断水させるか、表面を濡らす程度を月に1回程度にとどめます。
種まきで育てている小さな苗は親株より水切れに弱いので、こまめに水やりをしましょう。またユーフォルビアは根の極端な乾燥を嫌うので、休眠期でも土をカラカラに乾かさないようにします。
寒い時期は暖かい朝~昼に水をやり、暑い時期は涼しくなる夕方に水を与えます。水やりを控えめにすると耐暑性と耐寒性が強くなります。
花キリン類や樹木型のグループなど、強い品種は雨ざらしでも大丈夫で、他の種類より多めに水を与えます。
置き場
年間を通して風通しのよいところに置きます。花キリンなどは夏でも直射日光に当ててよいですが、弱い品種は遮光してやる必要があります。樹木型や花キリンは雨ざらしにできますが、それ以外は雨よけのある所で育てます。冬に5℃を下回ったら温室か室内に取り込みましょう。
夏型の場合
4~6月は直射日光の当たる屋外に、7~8月は明るい日陰(50%遮光)しますが花キリンや樹木型は日なたに出して大丈夫です。9~11月は直射日光のあたる屋外に置き、12~3月は雨の当たらない屋外で育てます。寒さに弱く冬に5℃を切ったら日当たりの良い窓辺や温室などに移動させます。
春秋型の場合
4~6月は直射日光の当たる屋外に、7~8月は明るい日陰(50%遮光)に置きます。9~11月は直射日光のあたる屋外で管理し、12~3月は雨の当たらない屋外、5℃以下なら日当たりの良い窓辺や温室などに取り込みます。
室内に取り込む場合、日光不足に気をつけます。日光不足と水やりのしすぎで間延び(徒長)するので1日最低4時間直射日光が当たる所が望ましいです。冬に取り込む室内に場合は断水ではなく少しずつ少量の水を与えるのが理想です。
耐暑性と最高気温・夏越しの方法
花キリンなど高温に強いグループは、直射日光によく当て水も充分に与えます。穏やかな環境を好む種類は、50%程度遮光するか明るい日陰に置き、水やりも少なくなるべく涼しく過ごさせます。
梅雨時は週1回など固定せず、鉢が乾くまで水やりをしないようにしましょう。
越冬最低温度と冬越し方法
ユーフォルビアの最低越冬温度は5℃と、寒さに弱いので冬は暖地でも室内や温室への取り込みが必要になります。外で越冬する場合は断水します(一切水をやりません)。室内に取り込んだ場合、断水せず少量の水を与えます。徒長を防ぐため、暖かい日は外に出して日光に当てましょう。
水やりを控えると耐寒性が上がり2~3℃でも耐えられるようになります。
増やし方
ユーフォルビアは挿し木と種まき、根ざしで殖やせます。時期は夏型の場合5~7月に、春秋型の場合は10~11月に行います。
さし芽の方法
生育型に応じて適期に元気な枝を切り取ります。切り取り後切り口から白い樹液が出ますが、これは根を出にくくする作用があるので水で洗い流すか拭き取ります。土を湿り気味にして半日陰に置いておくと2~3週間ほどで発根します。
種まき(実生)の方法
種まきも型によって春と秋に行います。種まきした小苗は生育をよくするため肥料を与え、水を切らさないようにします。
植え替え
全般的には2~3年に1回植え替えますが、生育の旺盛な花キリンは年に1回植え替え作業を行います。植え替え時は根を乾かさないよう手早く作業します。夏型は5~8月に、春秋型は9~11月頃が適期です。冬の間の植え替えは避けましょう。
土と鉢
土は他の多肉植物と同じように、水はけと通気性のよい土を使います。
肥料
植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜ込みます。夏型は5~8月頃に月1回液肥を与え、春秋型は9~11月頃に月1回液肥を与えます。
病害虫
冬に水やりをしすぎると根腐れすることがあります。乾燥時にはハダニ、梅雨時にはナメクジ、カタツムリがつきやすいので気をつけましょう。
ユーフォルビアによくあるトラブル
- 花が咲くのに種が採れない・・・ユーフォルビアは雌雄異株で雄花と雌花が別々に咲きます。そのため手作業で受粉させる必要があります。
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