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ハオルシア属(Haworthia)の特徴と種類・育て方

ハオルシア(ハオルチア)属の写真

ハオルシア不明種 ハオルシアアスペラタorトリブネリア ハオルシアのつぼみハオルシアのつぼみ
ハオルシア不明種 不明種

ハオルシア属(Haworthia)の特徴

アロエ科(ユリ科・ツルボラン科)
育てやすさ:
生育型:春秋型
成長速度:
殖やし方:品種により葉挿し、株分け、根伏せ
原産地:南部アフリカ、マダガスカル島など


※育てやすさ(4段階評価)
◎育てやすい–〇普通–△やや難しい–×難しい

※成長速度(4段階評価)
◎早い–〇普通–△遅い–×とても遅い

ハオルシアはこんな植物
一言メモ:大きいものでも15cm程度と小型の多肉植物で、南部アフリカ(モザンビーク、ナミビア、レソト、スワジランド、南アフリカ)が原産地になっている。原種だけでも200種見つかっており、色々な園芸品種も生まれている。一口に「ハオルチア」といっても色々な姿形があり、軟葉系・硬葉系・万象・玉扇などグループ分けされている。世界でも日本でも人気の高い多肉植物で、ホームセンターや園芸店の薄暗い棚に並んでいる。

特徴:生長がゆっくりの多肉植物。アロエ科に分類されている通りアロエの近縁種で、他にガステリア、アストロロバとも近い関係がある。半球形に生長し、光の取り込み口である「窓」を持つものは「軟葉系」、硬い葉を持ち周りに白い模様や縞、リングなどが入るものは「硬葉系」といわれる。その他「玉扇」「万象」などを別に分類することもある。

育て方:「やさしい光」と「風通し」を大切に栽培。日本では春と秋に成長する「春秋型」として育てる。もともと藪の中や岩陰など直射日光が当たらない所に自生している植物なので、日本では一年を通して日光の当てすぎに注意しながら育てる。日本では葉焼けや凍結、根腐れなどを起こしやすく、初心者には少し管理が難しい種類かもしれない。太根タイプなので植え替えや株分けの時などに根を切ったり乾かしたりしないように注意する。

◆硬葉系と軟葉系とは

  • 軟葉系・・・葉が密集し半球形に生長し、光の取り込み口である「窓」を持つものが多い。軟葉系でも葉の堅いものがある。
  • 硬葉系・・・硬い葉をもちアロエのように上に向かって成長する。葉先はとがっていたり三角形のような形が多い。透明な窓がなく、葉の周りに白い模様や縞が入りそれがリング状に見えて「ドーナツ」など名前がついているものがある。
  • レース系・・・葉先から細い毛や棘のようなものが生えているタイプ。透明な窓がない。

年間栽培カレンダー

水やり ・4~5月、9~11月の生育期は、土が乾いたら週に1回ほど鉢底から水が流れ出るまで与える
・6月は土が乾いてから、月に3回ほど
・7~8月は少し生育が鈍る(半休眠)ため月に2回ほどに抑える
・12月~3月は休眠期なので、月に2回ほど鉢の半分くらい(根を乾かさない程度)
置き場所 年間を通して雨よけがある通気のよい所が望ましい
・5~9月の生育期は室内の窓辺か、屋外の明るい日陰(70%遮光)
・10~11月、3~4月は屋外の明るい日陰(50%遮光)か室内の窓辺
・12~2月の5℃を下回る時期は温室か室内の窓辺
植え替え 4~6月、10~11月が適期
殖やす 4~6月と10~11月が適期。種類により葉挿し・根伏せ・株分け・挿し木ができる
肥料 ほとんどいらないが、3~5月に月1~2回、2000倍の液肥を与えてもよい
開花 4~7月頃、白い小さな花を咲かせる

主な種類名

玉扇 (ギョクセン) : Haworthia truncata ※軟葉系
万象 (バンショウ) : Haworthia maughanii ※軟葉系
オブツーサ (オブツーサ) : Haworthia obtusa ※軟葉系
十二の巻 (キンビフォルミス) : Haworthia fasciata ※硬葉系
冬の星座 (フユノセイザ) : Haworthia papillosa ※硬葉系
星の林 (ホシノハヤシ) : Haworthia reinwardtii var. archibaldiae ※硬葉系

アマゾナイト (アマゾナイト) : Haworthia ‘Amazonite’
カフィルドリフテンシス (カフィルドリフテンシス) : Haworthia reinwardtii ‘Kaffirdriftensis’
ギガス (ギガス) : Haworthia gigas
ギザギサハート (ギザギサハート) : Haworthia Gizagiza Heart
キンギアナ (キンギアナ) : Haworthia kingiana
キンビフォルミス (キンタイキョウ) : Haworthia cymbiformis
ストリアータ (ジュウニノマキ) : Haworthia striata
スプリングボクブラケンシス (ストリアータ) : Haworthia springbokvlakensis
霜降十二の巻 (スプリングボクブラケンシス) : Haworthia attenuatw ‘Simofuri’
天使の泪 (ソウコウジュウニノカン) : Haworthia ‘Tenshi-no-Namida’
ドドソン紫オブツーサ (テンシノナミダ) : Haworthia obtusa ‘Dodson Murasaki’
トランシエンス (ドドソンムラサキオブツーサ) : Haworthia transiens
錦帯橋 (トランシエンス) : Haworthia(venosa×koelmaniorum)’Kintaiyou’
ピクタ (ピクタ) : Haworthia emelyae ‘Picta’
ピグマエア (ピグマエア) : Haworthia pygmaea
ピリフェア錦白斑 (ピリフェアニシキシラフ) : Haworthia coperi var.pilifera variegated
プミラ (プミラ) : Haworthia pumila
ブラックオブツーサ (ブラックオブツーサ) : Haworthia obtusa f. variegata
ミセビバ (ミセビバ) : Haworthia semiviva
ミニドーナツ (ミニドーナツ) : Haworthia
ミラーボール (ミラーボール) : Haworthia ‘Mirrorball’
瑠璃殿白斑 (ルリデンハクハン) : Haworthia limifolia f. variegata

育て方のポイント

ハオルシア(ハオルチア)は多肉植物としては珍しく、強い光に弱い植物で他の多肉植物と同じように扱っていると葉がやけどしてしまう。そのため四季を通して日よけしてやる必要がある。またある程度湿度があるところを好むが、日本の夏のような高温多湿には弱く根腐れしてしまうこともある。室内や温室で育てる場合は、第一に風通しに気を配りたい。

水やり

◆4~5月、9~11月は生育期なので土が乾いたら、週に1回ほど鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与える。ハオルシアは下に根を伸ばす太根タイプなので、表面にちょろっと水をやっただけでは浸透せず、水を吸い込むことができない。必ず鉢底から流れ出るまで与える。

◆6月は夏にかけて生育が少し鈍る「半休眠」に入るので、月に3回ほどの水やりに控える。梅雨時なので土が乾かなければ完全に乾くまで待ってからやる。

◆7~8月は半休眠期になり水をあまり吸い上げなくなるので、月に2回ほどの水やりに控える。蒸れ対策のため、暑い日の朝方ではなく、比較的涼しい日の夕方に与えるようにする。

◆9~11月は再び生育期になり、週に1回ほど鉢底から流れ出るまで与える。

◆12月~3月は寒さのため休眠状態になり、根が水をほとんど吸い上げない。そのため水を控えめに、月1回程度。土を軽く湿らせる程度でよい。また0℃を下回る頃は必ず室内か温室に取り込み、根を乾かさない程度の水やりを月に2回ほど行う。室内が乾燥している場合、スプレーで葉水(葉に水をかける)したり、覆いを掛けて湿度を保ったりする。

◆3月頃からは再び生育が始まるので水やり回数を増やす。外で育てる場合は、寒い時期は午前中に水やりする。夏は逆に夕方に水やりする。そうすることで凍結や蒸れ腐りを防げる。

置き場

ハオルシアの原生地は藪や薄暗い岩影なので、年間を通して直射日光が当たらないように遮光する必要がある。また戸外で栽培する場合は、雨ざらしにしないようにする。

◆5~9月は日差しがとても強いので、室内の窓辺に置く場合レースなどをかける。または外に置く場合は日陰(70%遮光)に置く。

◆10~11月は日差しが若干弱まるので、屋外の明るい日陰(50%遮光)か室内の窓辺に置く。

◆12~2月は凍結対策のため、温室か室内の窓辺に置くとよい。暖地でも0度を下回るなら室内に取り込まないと溶けて枯れてしまう。

◆2月頃から急に日差しが強くなってくるので、屋外で育てている場合は50%程度の遮光をするか、明るい日陰に置く。室内の場合はそのまま窓辺で管理する。

◆種類によっても必要な日光の強さは微妙に異なる。そのためどのくらいがよいか判らない場合、ハオルシアを実際に置いてみて、もし株が赤みがかってきたら日差しが強すぎる、また白い茎が上に伸びるようなら日差しが足りなさすぎる。

ハオルシアは風通しが大切。外に置く場合は意識しなくても風が当たるが、室内に置く場合はどうしても不足してしまう。夏場は扇風機で人工的に空気を送ってやらないと根腐れを起こしてしまうこともある。一方、冬も室内に置く場合、空気が乾燥しすぎていることがある。いくら多肉植物といえども湿度が30%以下の乾いた空気を一日吹き付けられると干からびてしまう。ハオルシアを置く室内はなるべく暖房は控えめにしたい。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

◆耐暑性は中くらい。
◆直射日光に弱いが「暑さ自体」にすごく弱いわけではない。夏は室内に置いていて実測35度近くなることもあるが耐えられる。しかし蒸れや多湿には弱い。室内で育てる場合は、窓を開けたり扇風機で風を送ったりしたほうがよい。そうでなければ根腐れを起こしてしまう可能性が高い。

◆外で育てる場合は風通しは充分だが日よけの必要がある。ビニール温室で育てるなら、ビニールカバーを全開にして新聞紙やエアコンカバーなどで直射日光が絶対に当たらないようにする必要がある。水やりを控えている状態で、直射日光が当たっていなければ屋外で35℃は耐えられる。

越冬最低温度と冬越し方法

◆最低越冬温度は3℃程度
◆0℃まで耐えられるが、安全をみて3℃程度を保ちたい。外で育てる場合は必ずビニール温室などに入れ冷気を避ける。そして夜はビニール温室にプチプチ(エアキャップ)などを巻いて寒さをしのぐ。ハオルチアの上に不織布のシートをかけるのも効果がある。しかし簡易のビニール温室やプチプチなどは本格的寒さには耐えられないので、3℃を下回る予報が出ていれば室内に取り込んだほうがよい。1度でも凍結させると枯れてしまう。

◆室内に取り込む場合は最低一日4時間は日に当てる。種類によってはレースなどをかけたほうがよいものがある。日が当たらないと徒長してしまうので気をつける。また暖房のかけ過ぎには注意し、湿度計と温度計をおいてなるべく湿度40%以下、温度15℃以上にならないように調節したい。寒冷地の夜は室内でも窓辺はそこそこ寒くなるので、多肉植物を置いている棚などは分厚いカーテンをひいたり、部屋の真ん中に移動するなど工夫する。

殖やし方

種類によってできる方法が異なる。しかし葉が硬い系も柔らかい系も適切な時期は4~6月、10~11月頃。成長期にあたる。失敗を減らすために適切な時期に作業しておきたい。

軟葉系:株分け
硬葉系:株分け・葉挿し
その他:種まき(実生)、根挿し(根伏せ)

株分けの方法:

ハオルシアでは株分けが一番増やしやすい。親株を育てていると知らず知らずのうちに子株ができてくる。子株は茎で親株とつながっている。清潔なナイフなどで丁寧に切り分けて別々に植える。株分けするときは元気な根(白い根)を残し、死んだ根(茶色くフカフカした根)を取り除く。そして根が乾かないうちに素早く新しい鉢に植え替える。他の多肉植物は植え替え後すぐに水やりしてはいけないが、ハオルシアは根を乾かさないようすぐに水やりする

葉挿しの方法:

上の方の新しい葉ではなく、株の下の方の葉をやさしくもぎとり土に軽く挿して発根を待つ。もぎとるときは前10日ほど水やりを控え、葉がもぎとりやすくしておく。そして付け根の部分をつけてもぐ。ここに成長点(根や葉が出るところ)があるので上手にもぎとらないといくら待っても葉や根が出ないということになってしまう。土は霧吹きで常時湿らせている程度の濡れ具合にする。

根伏せの方法:

根伏せは根1本からハオルシアを育てることをいう。一部できない種類がある。根伏せするというより、植え替え時に同時にしてしまうとよい。ハオルシアを土から掘り出し、傷んだ根を取り除く。根伏せする根は、白くて太い根を2~3本選ぶ。1株から何本も太い根を切ると弱ってしまうので3本以内する。切った根を先5mmほど地上に出して埋め込む。風通しのよい半日陰で乾かさないように水やりをする。そうすると数ヶ月で芽がでてくるので気長に待つ。

種まき(実生)の方法

種まきの適期は9~10月の秋まき。

植え替え:

4~6月、10~11月頃が適切なタイミング。小さい鉢(3号鉢以下)のうちは1年に1回の植え替え、それ以上になったら2年に1回程度の植え替えが必要。鉢が根でパンパンになっていたら植え替えが必要なサイン。植え替えるときは鉢から株を掘り起こし古い土を丁寧に落とす。茶色く死んでしまった根は全て取り除き、生きている白い根を残す。そして一回り大きな鉢に植え替えるか株分けなどをして同じ鉢に植え戻す。ハオルシアは長年育てると生きている根もわさびのように硬くなってしまうのでその場合は三分の一くらいに切り落として植え付ける。

土は他の多肉植物と同じように水はけの良いものを選ぶ。市販の「多肉植物用の土」を使うのが手っ取り早い。自分で作りたいという場合は、赤玉土3:腐葉土2:ボラ土1などを混ぜる。また赤玉土、鹿沼土、ピートモス(または腐葉土)、軽石、川砂、くん炭、パーライトなどを同量混ぜても良い。ポイントは1種類の土ではなくいくつかの土を混ぜること。ピートモスは酸性でくん炭はアルカリ性が強いなど特徴があるので、混ぜることで均一になる。

肥料

◆基本的にハオルシアは肥料はいらない。しかしピートモスやボラ土など有機成分がほとんど入っていない土を使っていると、微量元素が不足して生育が悪くなることがある。そのため3~5月や10~11月の生育期の通常より薄い液肥を与えてもよい。ハイポネックスなら2000倍を与える。夏と冬の休眠期は与えないように注意。

◆固形肥料や緩効性肥料はすぐ効かない。水やりを繰り返してだんだんと成分が水に溶けて効果を発揮する。普通の植物より水やり回数が少ない多肉植物は、効き目が遅くなる点に注意したい。いっぽう液肥は水に成分が溶けていて、根に届くとすぐに効果がでる。

◆肥料はやりすぎると茎がヒョロヒョロと倒れる「徒長」や肥料焼けを起こしてしまうので、量が分からない場合は少なめから始めたい。

(例1)液肥の例、ハイポネックス1000~2000倍、生育期に月1~2回、水の代わりに与える
(例2)固形肥料の例、マグアンプ、有機肥料、植え替え時に土に混ぜ込む

開花

春から夏(3~6月頃)にかけて株から花茎をひゅっとのばして花を咲かせる。小さい白~ピンク色のユリのような形の花を咲かせる。一般的にはあまり鑑賞価値がないとされている。花を咲かせると株を弱らせてしまうため、花に興味が無い場合は花芽を切り取ってしまう。

病害虫

◆ハオルシアは一年を通して土をカラカラに乾かさないように育てるが、そのため夏や休眠期は蒸れや根腐れを起こしやすくなってしまう。また6月頃は溶けて悪臭を放つ軟腐病や黒斑病などを起こすことがある。カビが原因の病気はベンレートなどの農薬である程度防いだり治したりできる。細菌性の病気は治療が困難。

◆害虫ではカイガラムシが葉の付け根についたり、アブラムシがついたりすることがある。また根には小さな白い虫のネジラミが発生することがある。ネジラミがつくと生育が悪くなるため、生育が悪くなったときや植え替え時には根の様子を点検したい。多くの害虫は殺虫剤の「ベニカ」が効果がある。

◆生理障害(病気でないダメージ)直射日光に当てたり、日よけが十分でないと葉がやけどしてしまう「葉焼け」を起こす。また株が赤みを帯びてくることがある。病気ではないが、腐りや枯れの原因になることがあるので、日の当てすぎには気をつけたい。

育て方のコツ

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