目次
ブラウンシア属の写真
碧魚連 | 花(2月) | |
ブラウンシア属(Braunsia)の特徴
※ブラウンシア属は「エキヌス属(Echinus)」ともいいます。
※碧魚連には碧漁連、壁漁連などの表記もあります。
科 | ツルナ科 |
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属 | ブラウンシア属(Braunsia) |
生育型 | 冬型 |
育てやすさ | 難しい |
成長速度 | 遅い |
増やし方 | 種まき、さし芽 |
原産地 | 南アフリカ |
※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い
次々花が咲く
美しい花がさく「花ものメセン」のひとつで、冬から春にかけて紫色~ピンク色で直径2cmくらいの花を次々と咲かせます。育てていると自然と枝が分岐し伸び、這うように広がっていきます。南アフリカ原産の数種類しか見つかっていない属で、標高250m~1100mくらいの所に自生しています。1対の葉から葉が出てきて魚のような形に見えます。
夏の水やり加減が難しい
メセン類は水やりが控えめのものが多い中では、碧魚連はメセンの中では水やりを好むタイプです。しかし水の好きな碧魚連も夏はほぼ水をやらないでしわしわになっても我慢するのがポイントです。秋になり涼しくなってきたら水やりを再開するとしわしわはふっくら元に戻ります。リトープスなどと同じく日本の高温多湿の夏は苦手なので、遮光しなるべく風通しをよく涼しい所に置きます。成長速度が遅いことと挿し木が失敗しやすい点とで殖やすのは中級者以上向けです。
枯らさない育て方のコツは?
- 夏(6~9月)は水をほぼやらず、春と秋はしっかり与える
- 夏は70%程度遮光するか明るい日陰に置く
- 一年を通して通気をよくし、雨がかからないところに置く
- 冬に0℃を切るときは凍結防止のため室内か温室に取り込む
年間栽培カレンダー
ブラウンシアの「生育期」は春の短期間と秋で、具体的には3~5月と10~11月頃を指します。夏(6~9月)は休眠期、冬(12~2月)はやや生育が鈍ります。
水やり |
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置き場所 |
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植え替え |
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増やす |
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肥料 |
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開花 |
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多肉植物の日本での栽培は自生地の環境と異なります。そのため日本の寒さや暑さに耐えられなくなると生育が鈍ったり成長が止まったりします。その時期のことを「休眠」といいます。時期は種類によって異なり、夏に休眠するタイプと冬に休眠するタイプがあります。休眠期は生育が鈍るので肥料や水やりを控え、挿し木や株分けなど株へ負担をかける作業を控えます。
主な種類名
碧魚連(マキシミリアニ) (ヘキギョレン) | Braunsia maximiliani |
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育て方のポイント
水やり
リトープスやコノフィツムと同じように、ブラウンシア属も夏の高温多湿は苦手で水のやり過ぎで腐らせてしまうことが多いです。しかし春や秋の生育期は頻繁にやらないとシワシワになってしまうので、夏に向けた量やタイミングの減らし方に悩むことが多いです。夏越しがうまくいくようになれば、初心者を卒業できると言えそうです。
具体的な量とタイミングは、冬型とはいうものの3~4月は生育旺盛なので1週間に1回程度、鉢底から流れ出るまで与えます。5月中旬からは休眠の準備に入るので徐々に水量を減らし、10日おきに1回ぐらいに減らしていきます。6~9月は休眠期なので、1ヶ月に1回も水をやらない「断水」をするのが基本です。しかし実生(種まき)した1年目の子株などは断水に耐えきれず枯れてしまう危険があるので、月に1回軽く土を湿らせる程度与えます。10~11月は再び生育期、1週間に1回ほど、鉢底から流れ出るまで与えます。そしてだんだん冬に向けて量と回数を減らし12~2月は1月に1回ほどに抑えます。
コツは春秋は充分やること、夏はほとんど水をやらないこと、冬は寒い日に水やりしないことです。タイミングは生育期は朝方に、夏は涼しくなった夕方に、冬は凍結のおそれが少ない午前中にすると失敗しにくいです。
置き場
ブラウンシアなどメセン類を育てる上では、水やりと同じくらい風通しをよくすることも大切です。まず1年間を通して雨が当たらない所に置きましょう。外では軒下か簡易ビニール温室などに、室内では明るい窓辺に置きます。通風がなくなったとたん蒸れてカビが生えてダメになってしまうことがあります。
できるだけ外で管理し、冬の凍る時期のみ室内へ取り込むのが望ましいです。特に夏は密閉した室内での栽培は難しいです。春や秋も同様に外での栽培が望ましいです。室内で管理する場合は、必ず日の当たる所を選び最低1日4時間は直射日光に当てたほうがよいです。そしてエアコンの風が当たらない乾燥しすぎない湿度を保つことが大切です。暖かくて水分が多くそれに日光不足が加わると冬でも徒長(ひょろひょろになる)してしまいます。
3月~4月は直射日光の当たる屋外に出してしっかり光合成させましょう。5~10月は明るい日陰か遮光した屋外(50%程度)で管理します。特に6~9月は気温も高く日なたは50℃を上回ることもあるので、70%遮光くらいにしっかり日よけします。10月~11月から直射日光が当たる屋外に出せるようになります。12~2月のうち0℃以下になる日は温室か室内に取り込み、それ以外は直射日光の当たる屋外で管理します。
耐暑性と最高気温・夏越しの方法
夏の最高気温は、日なたでは30℃に耐えられませんが、日陰だと40℃程度は耐えられます。耐暑性は弱く冬型のブラウンシア属は夏、暑さのため休眠状態になります。この時期は半日陰に置くか70%遮光ネットをかぶせてしっかり日よけしましょう。
ほぼ水を与えない状態ですが、あまりにもシワがよって枯れてしまいそうな場合は、大さじ1杯くらいさらっと表土を濡らすくらいの水やりを月1回程度行います。数センチの小さい苗はそれより多くの水が必要です。水やりをほとんどしないと枯れてしまわないか心配になりますが、葉に少ししわがよるくらいなら問題ありません。この時期に水やりをしても休眠しているので水を吸わず、たっぷり与えると土に残った水が昼間の暑さで熱湯になり、それが根腐れを起こさせてしまいます。
越冬最低温度と冬越し方法
書籍値では、ブラウンシア属は冬型で最低越冬温度は0℃です。多肉植物の中では寒さに強いタイプですが、日本に自生している草花と比べれば寒さに弱いです。あくまでも多肉植物の中で5~20℃が一番生育するグループ(冬型)ということで、霜に当てたり凍結させたりすると枯れてしまいます。
最低温度は0℃になっていますが、できれば3℃以上を保ったほうが安全です。寒冷地では冬は室内か温室への取り込みが必須になります。暖地でも寒波の際は室内へ退避させます。室内では最低4時間以上日に当てるか、どうしても日が当たらないということであれば、植物育成ライトなどを使用します。
増やし方
ブラウンシアは挿し木か実生(種まき)で殖やすことができます。葉挿しはできません。適期は生育期の始まり頃である9~11月頃です。夏は休眠しているので挿し木はとても難しいです。
挿し木の方法:
挿し木は10~11月ごろが最適で、9月の暑い時期は避け少し涼しくなった月末頃から可能になります。挿し木は親株から5cmくらい枝を切り取り、切り口を4~5日乾かす。そして乾いた用土に挿し、3週間~1ヶ月くらいたったら水やりを始める。ただ挿し木は難易度が高く、なかなか成功しません。
株分けの方法:
種まきの方法:
植え替え:
生育期に入る少し前の9~11月頃が適期で、これから暑くなるという5~8月は植え替えに不向きです。9cm以内のポットであれば1年に1回の植え替え、それより大きいポットでは1~2年に1回程度必要になります。
植え替え前は1週間程度水やりを控えて鉢の中をサラサラにしておきましょう。土がサラサラに乾いたらポットから抜き出して古い根を取り除いたり3分の1程度根をカットし、新しい一回り大きい鉢に植えつけます。ブラウンシアは根が繊細で乾くのをいやがるので手早く行います。植え付けたら数日たってから水やりを開始します。
株が元気そうだと植え替えは面倒に感じますが、実は大切な作業です。古い根が一杯になると生育が止まってしまったり肥料が切れたり、とメンテナンスを行います。また根ジラミ(根につくサボテンコナカイガラムシという害虫)のチェックをする機会になもなります。
土
多湿に弱いので、水はけがよく水やり後すぐ乾く土が最適です。メセン類は土にこだわって自分で配合する人も多いです。以前は川砂が主に使われていましたが、砂は密度が高く重いので、根が潰れやすいです。根の張りと通気をよくするため、赤玉土や鹿沼土、くん炭、ピートモス、パーライトなども混ぜ込みます。
上手に育てるためには、鉢の種類と大きさ(口径)選びがポイントになります。あまりにも大きすぎる鉢に植えると水はけが悪くなり腐る原因になります。またプラスチックの鉢は水が蒸発しにくく、テラコッタなどの陶器の鉢は蒸発が早いです。どちらにも植えられますが、水やり頻度は異なります。(このページではプラ鉢を前提に解説しています。)
肥料
肥料は普通の植物と比べると大量に要りませんが、肥料切れした時など、生育をよくするために与えても良いです。施肥する場合は、生育期の始まり10~11月頃に薄い液肥(ハイポネックス2000倍など)を月1回程度、1回分の水やりの代わりに与えます。また植え替え時は土にマグアンプK細粒をひとつまみ混ぜ込んでおいても良いです。
花
花ものメセンともいわれるブラウンシア属、碧魚連(へきぎょれん)は冬から春に2cmくらいのピンク~紫の花をたくさん咲かせます。この時期はしっかり直射日光に当てないとしっかり花が開きません。強い光が必要で、曇り空の日などは開花しないこともあります。
病害虫
鉢が乾燥気味のブラウンシアは根ジラミがつくことがあります。生育が悪くなったら掘り返して根をチェックしましょう。またカイガラムシ(白い2mmくらいの害虫)が葉の付け根にいることがあります。また梅雨時から夏に腐敗菌が入って株が全部だめになったり、根腐れを起こすことがよくあります。
碧魚連によくあるトラブル
- 葉にシワがよっている・・・夏は仕方ないですが、秋・春にしわがよるのであれば、水不足の可能性もあります。春秋は土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。
- すぐ枯らして(腐らせて)しまう・・・夏であれば外で栽培し通期をよくします。水のやり過ぎは厳禁です。冬は0℃以下の寒さで枯れてしまうので、室内で管理しましょう。
- 下の方の葉が枯れている・・・成長するにつれてある程度は仕方ないものです。ただカリカリになるのではなく、ポロポロもげてしまうようであれば鉢の中で根が一杯になっているかもしれませんので、植え替えをしてみましょう。
- 花が咲かない・・・春秋に日光不足だとつぼみが付かないことがあります。また今年挿し木した株など小さい株は充実するまで花が咲かないことがあります。
- 夏(6~9月)は水をほぼやらず、春と秋はしっかり与える
- 夏は70%程度遮光するか明るい日陰に置く
- 一年を通して通気をよくし、雨がかからないところに置く
- 冬に0℃を切るときは凍結防止のため室内か温室に取り込む