- 春秋型は3~5月、10~11月、特に4月がベスト(20℃~25℃)
- 冬型は10~11月か3~4月がベスト(15℃~20℃)
- 夏型は5~6月か9~10月がベスト(25℃~30℃)
挿し木に向いている時期は?
ポーチュラカリア属雅楽の舞を挿し木する様子
多肉植物の挿し木ができる時期は、本によって色々書いてあり、どれを参考にして良いのか分からなくなってしまいます。また3~7月などと書いてあると、どの月が一番失敗しにくいか迷ってしまいます。
そこで実際に管理人が挿し木をしてみてベストだと思った月と温度を紹介します。
挿し木など繁殖作業をする時に大切なのが、生育型です。水やりはどのグループも似たり寄ったりで春秋に多めにすればよいですが、増やすときははっきりと適期が分かれます。
※ここでは代表として挿し木と書いていますが、株分けや葉挿しも同様に考えることができます。
春秋型
まずエケベリア、グラプトペタルム、コチレドンなどといった春秋型の多肉植物はベストな月はずばり4月です。温度が20~25℃保たれている4月は株が旺盛に生育しており、発根も早く腐ったりする失敗も少ないです。
また3月と5月も可能です。3月は発根がやや遅いですが、可能、5月は少し腐敗に気をつければ4月と同様スムーズに行えます。それに加えて秋の10~11月も可能です。寒くならないよう10月~11月中旬までに行いましょう。
逆に1~2月は寒すぎて根が出ないままになってしまい適していません。また6月、7月、8月は30℃を超えてしまい、とても腐りやすく失敗率が高くなってしまいます。
冬型
アエオニウム、冬型クラッスラ、リトープスなどのメセン類など冬型の多肉植物の挿し木(株分けも含む)にベストな時期は10~11月と3~4月です。この時期は15℃~20℃が保たれており株が旺盛に生育し失敗が少ないです。
ここで秋は10月は下旬から11月中旬までと短い間なので気温が下がったらすぐに作業に取りかかる必要があります。また春の3~4月はできれば3月に入ったらすぐ始めて暖かくなる前に根が出るのが理想です。
逆に9月は暑すぎて腐る心配があり、12月、1月、2月は寒さで根が伸びず干からびてしまうことがあります。また春に暖かくなりすぎると根が伸びず、腐るリスクも高まります。
夏型
アロエ、夏型コーデックス、カランコエなどの夏型の多肉植物のベストな時期は5~6月か9~10月です。この時期は25℃~30℃が保たれており、株が盛んに成長しており失敗が少ないです。
ここで5~6月はできれば梅雨時を避けた方がよいです。秋の9月~10月では、9月中旬から10月中旬の1ヶ月間程度が適しています。
逆に種類にもよりますが、7~8月は40℃を超す暑さで生育がやや鈍くなっており、避けた方が無難です。また10月中旬以降は寒くなってくるので、秋に増やすのであれば30℃を切った9月中旬から下旬に始めることが望ましいです。
適期に入ったらすぐに作業する
上のように多肉植物の繁殖の適期は長いようで実はそれぞれ1ヶ月間程度しかないことが分かります。そのため、適期に入ったらすぐに作業を始めることが大切です。
例えば3~4月となっている場合は、3月に入ったら開始、3月末~4月にしっかり発根して戸外におけるくらいの目安です。
というのは挿し木はすぐに完成するものではなく、根がしっかり伸びて活着する(根付く)までに時間がかかるためです。根が出るまでで早いもので1週間、通常2週間、長いものは3週間以上かかります。そのため適期の終わり頃始めてしまうと、間に合わなくなってしまいます。
それでは適期以外には絶対に繁殖はできないのでしょうか?実は環境さえ整えば適期以外でも作業ができ、また適期を過ぎてしまったら急にできなくなるわけではありません。
たとえば冬は暖かい室内で作業するときちんと発根してくることもありますし、風通しを良くしていれば夏に腐るのを防ぐこともできます。あくまで適期とはスムーズに増やすことができる時期で、厳格に守らないといけないということではありません。
ですが、やはり管理により注意が必要になるので、初心者の間は、繁殖適期を守ったほうが安全かと思います。