- 腐りやすい種類がある
- 徒長株のカット苗は腐ることが多い←重要
- 暑い時期(6~8月)は特に腐りやすい
- 一部の種類はすぐ水をやる必要がある(すぐ根が出る)
すぐに植えると腐ることがある
結論ですが、腐りやすいグループとそうでもないグループの多肉植物があります。また特に徒長した茎は腐る傾向にあります。さらに暑い時期はより腐りやすくなります。しかし一部の種類は土に挿してすぐに水を与えることですぐに根を出します。
今もしカット苗を植えてすぐ水やりしてしまったのであれば、すぐ抜き取って再度乾燥させれば大丈夫です。
また抜き取ってみて茎の断面が黒く変色しているようであれば、再度ハサミで短くカットし直せばそれ以上腐敗が進むことは少ないです。(たまに腐敗菌がカット苗全体に回ってしまって助からないことがあります。)
また、アエオニウムなど一部の種類は茎を乾燥させず、カットした苗をすぐ湿った土に挿すことで根を出します。
腐りやすい種類
すぐ水をやると腐りやすいグループがあります。それはグラプトペタルム、パキフィツム、セダムの硬葉系(草っぽくないタイプ)などです。以下は桜牡丹(グラプトセダム属、グラプトペタルムに近い種類)のカット苗を挿してすぐに水をやり1週間後に抜き出して確認した写真です。
茎が青黒っぽく枯れており、葉がバラバラになって落ちています。茎の切り口から腐敗菌が入り腐ってしまった例です。こうなると回復はできません。(ただ、バラバラに落ちた葉から葉挿しができることが結構あるので、葉をすぐ捨てるのはもったいないと思います。)
茎の下のほうだけが腐った場合は、カットし直して乾いた土に再度植えることが可能です。
このような種類は茎が腐りやすい傾向があります。
ただ全部が全部腐りやすいというわけではなく、しっかり日に当てて徒長させずにがっしりと強健に育てた株のカット苗や、繁殖適期ですぐ根が出る状態になっている苗は、すぐ水やりしても腐りにくいです。
また下の写真のような徒長株から採った茎は腐りやすいです。←徒長株から茎を取りし立て直すことが多いので、この点は結構重要です。そのためしっかり根の出る準備ができるまで水やりを待ったほうがよいです。
腐りやすい季節
夏はとにかくカット苗が腐りやすくなります。大きな苗も小さな苗も、土に挿さずに空中で乾燥させているだけでも腐ることがよくあります。
卵パックに乗せて乾燥させているカット苗
夏は下葉がまず透明になり溶けて落ちます。それがだんだん上に登ってきて、次第に苗が小さくなっていきます。
そのため6~8月は徒長株を仕立て直したり、カット苗を購入したりするのはおすすめできません。
また繁殖適期以外にさし木する場合の苗は、生育が鈍っており根の出るスピードが遅いため、カットから適期より長く待ってから水をやったほうが安全です。
カット苗に水をやるタイミング
カット苗に水をやるタイミングは時期や種類にもよりますが、概ね以下のようになります。
日数 | 属・種類・購入時期 |
---|---|
すぐ植える | アエオニウム、セネシオ、セダムのやわらかい草っぽいものやマンネンソウなど、ハオルチア |
1週間 | カランコエ、グラプトペタルム類、3~5月、9~10月に買ったカット苗 |
2週間 | エケベリア、クラッスラ、6月、7月、11月、12月に買ったカット苗 |
3週間 | クラッスラ、パキフィツム |
1ヶ月 | アドロミスクス、クラッスラの一部(金のなる木など) |
※種類ごとはそれぞれ生育期にカットした場合を考えています。
概ね生育速度が遅いものは発根も遅く、生育速度が早いものは早く根が出る傾向にあります。
最適なのは根が数ミリ出るか、あともう少しで出るかというタイミングです。といっても季節や種類によって異なるので、初心者の方では迷う場合もあると思います。
その場合は、挿した苗を少し引っ張ってみて、抵抗を感じたら根が出ているサインとなります。あまり強い力で引っ張ると根が切れるのでご注意ください。
最初は根張りが浅いため少量の水やりにします。鉢底から流れ出るほど水やりすると過湿となり腐りやすくなります。
すぐ水をやるべきカット苗
植えたらすぐ水をやるべき種類もあります。それは
- アエオニウム
- セネシオ
- セダムのやわらかい草っぽいものやマンネンソウなど
- ハオルチア
などです。これらは湿った土でないと発根しにくいので、カットして土にさしたらすぐ軽く水を与えてください。時々失敗することがありますが、乾いた土や空気中に放置していても乾燥してシナシナになってしまうばかりです。