このページでは多肉植物の5月の状態と育て方、するべきことについて解説しています。
目次
動きが活発な5月
5月は急に気温も高くなり、春秋型を中心に盛んに生育する季節となります。
夏型にも動きが出始めて冬型はだんだん休眠期に向かっていきますが、多くの種類が生育しており、年間の水やり量からしても4月と並んで一番多い季節です。
と同時に害虫や病気の発生も多くなってくる時期で、アオムシやカイガラムシ、ワタムシ、うどんこ病、さび病などの防除のために薬剤の散布が必要になる時期でもあります。
そして4月から続けて植え替えや株分け、挿し木や葉挿しにも最適な時期で、作業が楽しい(忙しい)時期になるでしょう。
気象と環境 | 東京 (関東) |
| 福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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気象について
- ※1.「最低気温」はその月の最低気温の平均の9年平均です。(2012~2020年)。毎年その月は1日の気温が平均的にこの温度まで下がります。
- ※2.「9年最低気温」は過去9年に実際にあったその月の9年間の観測史上の最低気温です。(2012~2020年)。数年に一度ですが、ここまで下がることがあります。
- ※3.「最高気温」「9年最高気温」についても同様です。
多肉植物の4月の状態と育て方・するべきこと
多肉植物の6月の状態と育て方・すべきこと
エケベリアなど主に春秋型
グループ1 主な種類 | ||
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エケベリア、アドロミスクス、オロスタキス、春秋型のクラッスラ、グラプトペタルム、グラプトセダム、グラプトベリア、コチレドン、シノクラッスラ、セダム、ヒロテレフィウム、セデベリア、センペルビウム、ダドレア、パキフィツム、パキベリア、ロスラリア、春秋型のセネシオ、アナカンプセロス、アプテニアなど | ||
生育状況 | 4月に引き続いて一番生育が旺盛な時期です。気温が高くなって紅葉が冷めて緑色に変わり始めます。コチレドンなど種類によっては花を咲かせます。センペルビウムやオロスタキスは子株をたくさん作り、セダムは一番生育の良い状態になります。 | |
置き場所 | 外での管理が基本になります。風通しがよい所に置いて蒸れを予防しましょう。 | |
日当たり(遮光) | 4月より増して日光が強くなっているため引き続き遮光(日よけ)を行います。かんかん照りの所では30~50%程度の遮光ネットにします。また急に日なたに出すと葉焼けを起こすことがあるので、だんだんに強い日差しにならしていきます。 | |
水やり | どんどん大きく成長させたい場合は、土が乾いたら鉢底から流れるまでたっぷり与えます。目安は1週間に1回程度です。コンパクトに抑えたい場合は、それほど水やりを増やさないで乾かし気味に育てます。 | |
作業 | 増やす | 一番繁殖が行いやすい時期で、発根や根付きが早く成功しやすいです。葉挿しや挿し木に向いています。 |
植え替え | 根詰まりしてしまった株などは、この時期に植え替えをするとその後の生育がよくなります。 | |
肥料 | 2000倍程度に薄めた液肥を月に2回ほど与えると良いです。大きく育てたい場合は多めに与えますが、コンパクトにしたい場合は与えません。 | |
病害虫対策 | カイガラムシ、ワタムシ、ハダニなどが付くことがあるので、株元に粒状の殺虫剤をまいておくとよいでしょう。(例 オルトランDX粒剤) 病気ではうどんこ病やさび病などを起こしやすい季節なので、あらかじめ病気用の薬剤(殺菌剤)をまいておくのも一つの手になります。 |
リトープスやコノフィツムなど
グループ2 主な種類 | ||
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玉形メセン類、コノフィツム、リトープス、ブラウンシア、ギバエウム、ケイリドプシス、プレイオスピロス、モニラリア、アルギロデルマ、フェネストラリア、フォーカリア、チタノプシス、アルギロデルマ、ラピダリア、オドントフィルム、グロッチフィルムなど | ||
生育状況 | リトープスなどが徐々に生長を止め、休眠期に向かい始めています。コノフィツムなどでは古い葉がしぼみしわがよってきます。プレイオスピロスでは古い葉が脱皮の兆候を見せ始めます。 | |
置き場所 | 戸外の雨の当たらない明るい日陰に移動させましょう。西向きの白壁の前などに置くのはやめ直射日光が当たらない涼しい場所に置きましょう。 | |
日当たり(遮光) | 日差しが強くなってくるので30%~50%程度遮光します。この時期は熱を遮るためにも日よけが欠かせません。 | |
水やり | 4月までは週に1回程度水をやっていたとすると、月に2回程度にだんだん水やりを減らしていきます。コノフィツムでは皮が被ってきたら休眠期のサインです。 | |
作業 | 増やす | 行いません。 |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 行いません。 | |
病害虫対策 | 生育期でなくても害虫はつくので、まめに観察しカイガラムシやワタムシなどが付いていないかチェックし適宜殺虫剤をかけましょう。 |
アエオニウムやセネシオなど主に冬型
グループ3 主な種類 | ||
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アエオニウム、冬型のクラッスラ、冬型のセネシオ、モナンテス、オトンナ(ルビーネックレス)、玉形メセン以外のメセン類(オスクラリア、ベルゲランタス、デロスペルマなど)) | ||
生育状況 | だんだん生育が緩慢になってきて水の吸い上げが悪くなってきます。セネシオやアエオニウムはまだ生育を続けており、水やりの頻度が若干落ちてきています。 | |
置き場所 | 雨が当たらない風通しの良いところにおきましょう。西日の当たる西向きの置き場所だと暑すぎるため朝だけ日の当たる東向きの所に移動できればベストです。 | |
日当たり(遮光) | 日差しが強くなっていますので、50%遮光ネットを張るか、半日陰に移動させます。斑入り種や葉が黒っぽいものは特に、強光と熱に気をつけます。 | |
水やり | アエオニウムやセネシオなどはだんだんと生育が鈍ってくるので水やり回数を減らしていきますが、完全にカラカラにはならないようにしましょう。月に2回は水やりをします。 | |
作業 | 増やす | 行いません。 |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 控えます。 | |
病害虫対策 | アエオニウムは特にカイガラムシが付きやすく、その他ワタムシ、ハダニなどが付くことがあるので、株元に粒状の殺虫剤をまいておくとよいでしょう(例 オルトランDX粒剤) 病気では冬型のクラッスラにさび病が発生しやすいので、殺菌剤(病気用の農薬)をまいておきましょう。 | |
特記事項 |
アロエやアガベなど主に夏型
グループ4 主な種類 | ||
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アロエ、カランコエ、夏型のクラッスラ、アガベ、アストロロバ、ポーチュラカリア、ユッカ、ペペロミア、トラデスカンティア、カリシア、サンセベリア、セロペギア、チランジア、ガステリア、夏型のユーフォルビア、クセロシキオスなど | ||
生育状況 | アロエなど夏型の多肉植物の生育が始まります。アロエやアガベなどでは新葉が始め、パキポディウムは開花期に入り、セロペギアはつぼみを付け始めます。 | |
置き場所 | 外の日の当たる雨のかからない所で管理しましょう。風通しの良いところを選びます | |
日当たり(遮光) | アロエやアガベなど日差しに強い種類はまだ遮光しません。カランコエは30%程度、セロペギアやサンセベリアなどは50%程度、ガステリアは70%程度の遮光環境や半日陰に移動させます。 | |
水やり | 大きく成長させたい場合は、土が乾いたら鉢底から流れるまでたっぷり与えます。頻度は週1回ほど。ただコンパクトに抑えたい場合は、それほど水やりを増やさないで乾かし気味に育てます。 | |
作業 | 増やす | だいぶ夜の気温が高くなってきて、繁殖の時期に入ってきます。挿し木や株分け、葉挿しなどに最適な季節です。 |
植え替え | 5月に植え替えをすると夏に向けての生育がよくなります。 | |
肥料 | 植え替え時に固形肥料を入れていない株には、少量の薄め(2000倍程度)の液肥を与えましょう。 | |
病害虫対策 | カイガラムシ、ワタムシ、ハダニなどが付くことがあるので、株元に粒状の殺虫剤をまいておくとよいでしょう。(例 オルトランDX粒剤) |
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ハオルチアなど
グループ5 主な種類 | ||
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ハオルシア(ハオルチア) | ||
生育状況 | ハオルシアの良く生長する時期の一つで、新葉を出しみずみずしい姿になります。一方徒長の心配もある季節です。 | |
置き場所 | 強い光に弱いので、風通しのよい室内の窓辺に置きましょう。室内に置く場合は風通しをよくするためサーキュレーターも稼働させます。 | |
日当たり(遮光) | 室内ではレースをひいた明るい日陰に置きます。外で管理する場合は70%程度の遮光ネットを使います。 | |
水やり | 生育期で土が乾いたら鉢底から流れるまでたっぷり与えます。頻度は10日に1回ほどです。 | |
作業 | 増やす | 5月いっぱいまでは繁殖の適期で、葉挿しや株分け、挿し木を行えます。 |
植え替え | 太い根のタイプなので、植え替えが大切です。できれば5月中に行っておきましょう。 | |
肥料 | 2000倍程度に薄めた液肥を月に1~2回与えるとよいでしょう。 | |
病害虫対策 | 害虫では根ジラミやカイガラムシが発生しやすいので観察を怠らないようにしましょう。室内で育てる場合、根腐れ病を起こしやすいので通気を心がけます。 | |
特記事項 |
主にサボテン科の植物
グループ6 主な種類 | ||
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サボテン科の多く(オプンティア、セレウス、テロカクタス、ツルビニカルプス、ロフォフォラ、ギムノカリキウム、エキノカクタス、アストロフィツム、パロディア、メロカクタス、マミラリア、エキノプシス) | ||
生育状況 | 4月は三寒四温で寒い日もありますが、5月になると安定し暑い日もでてきます。目覚めが遅い種類も5月には生育期に入り、活発に成長します。4~6月はサボテンが一番充実する時期です。 | |
置き場所 | 雨の当たらない戸外の日なたに置きます。温室では庫内の温度が上がりすぎないように窓を開けましょう。 | |
日当たり(遮光) | 日差しに弱いタイプ(アストロフィツム、ロフォフォラ、アリオカルプスなど)は30%~50%程度の遮光をします。マミラリアなど日光に強いタイプは0%~22%程度にします。 | |
水やり | 4月に引き続き生育が旺盛なので、鉢の土が乾いたら鉢底から流れ出るまでしっかり水やりをします。頻度は2週間に1回程度です。 | |
作業 | 増やす | 挿し木、接ぎ木、種まきが行えます。 |
植え替え | 4月と並んで植え替えの季節です。 | |
肥料 | 植え替え時に土に緩効性肥料を混ぜ込むか、液肥を月1回水やり代わりに与えましょう。 | |
病害虫対策 | サボテンは比較的病害虫に強いですが、完全にないというわけではありません。カイガラムシ・ワタムシ・ネマトーダ・アカダニ・ナメクジ・ヨトウムシなどに気をつけましょう。病気では根腐れやカビが原因の病気に注意しましょう。 |
主に夏型のコーデックス類
グループ7 主な種類 | ||
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夏型コーデックス類(多くのユーフォルビア、アデニア、アデニウム、ヤトロファ、パキポディウム、スタペリア、フェルニア、ディオスコレアの一部(メキシコ亀甲竜)、イポメア、ドルステニア、ホーディア、ブラキステルマ、コミフォラ、キフォステンマ、ディディエリア、ブーフォンの一部、トリコディアデマ、ボウイエア、ブルセラ、フォッケア、フィカス、ラリレアキア(トリコカウロン)、モナデニウムなど) | ||
生育状況 | 5月にもなると日に日に日光が強くなっていきます。夏型・春秋型のコーデックスは生育旺盛です。パキポディウムは花盛りで黄色い花を咲かせます。 | |
置き場所 | 日当たりのよい風通しがよい所に置きましょう。ただし外に出したばかりの株や強い日差しを好まないタイプは半日陰で管理します。 | |
日当たり(遮光) | 基本行いませんが、弱い品種は半日陰(50%遮光)にします。 | |
水やり | 土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。 | |
作業 | 増やす | 種まきが行えます。その他挿し木や接ぎ木、仕立て直しなども可能です。 |
植え替え | 植え替えに最適な季節なので植え替えをしつつ根の健康チェックも兼ねます。 | |
肥料 | 生育をよくするため、緩効性肥料を土に混ぜ込むか、置き肥をするか液肥を月に数回与えます。 | |
病害虫対策 | カイガラムシやアブラムシの発生時期です。またサボテン根ジラミが発生しやすいので適宜殺虫剤を散布、植え替え時に点検と土の交換をしておきましょう。 |
主に冬型のコーデックス類
グループ8 主な種類 | ||
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冬型のコーデックス類(オトンナ、チレコドン、ディオスコレアの一部(亀甲竜)、モンソニア(サルコカウロン)、ペラルゴニウム、一部のユーフォルビア、アボニア、フォークイエリア、ケラリア(セラリア)、ブーフォンの一部)など | ||
生育状況 | 5月にもなると日に日に日光が強くなっていきます。冬型コーデックスは休眠期に入り生育が止まります。 | |
置き場所 | 雨の当たらない戸外で栽培します。できるだけ涼しい所が理想で、午前中だけ日が当たり午後は日陰になる所が最適です。 | |
日当たり(遮光) | 朝だけ日が当たり、西日の差さないところが理想ですが、ない場合は50%遮光ネットを使うか半日陰に置きます。 | |
水やり | 葉が黄色っぽくなったり土が乾かなくなってきたら休眠期に向かっている合図です。水やりをだんだんと減らしていきます。 | |
作業 | 増やす | 行いません。 |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 与えません。 | |
病害虫対策 | カイガラムシやアブラムシの発生時期です。またサボテン根ジラミが発生しやすいので適宜殺虫剤を散布しましょう。 |