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植物育成ライトを使った多肉植物の育て方!設置例や距離・当てる時間など

植物育成ライトを使い始めて1年、植物育成ライトを使った多肉植物の育て方(設置例や当てる距離、点灯させる時間など)がある程度分かってきたので報告したいと思います。

植物育成ライトで多肉植物は育つ

多肉植物は植物育成LEDライトで育てることができます。

植物育成ライトなら何でもよいという訳ではなく、ちゃんと光合成できるほど明るい(またはPPFDが高い)ものであることが前提条件になりますが、太陽光がなくてもLEDのみでちゃんと大きくなっていきます。

効果の有無は以下のページをご参照ください。

植物育成ライトは効果ない?知っておきたいデメリットと限界
植物育成ライトは多肉植物に効果がない、育たないなどの情報をみかけることがありますが、本当なのでしょうか?実際に1年間使ってみて分かった植物育成ライトのデメリットと太陽光と比較した育成ライトの限界について解説します。

育成ライトを使った育て方

種類によって異なる必要な明るさ

照度計

多肉植物は種類によって必要な明るさが異なります。

外で育てる時、全く遮光しないもの、22%程度の弱く白い遮光ネットをかけるもの、半日陰や50%遮光ネットを使うもの、などさまざまですが、室内で育てる時もそれを参考にします。

※以下は管理人の個人的な目安ですので、育成ライトごと、その株の生育状況によって変わる場合があります。そのため実践する場合は弱い光から始めるようお願いいたします。

ハオルチア

ハオルチアは夏に屋外で70%以上遮光する必要があります。このような種類は植物育成ライトも3,000~5,000ルクス程度の明るさで充分です。育成LEDでも必要以上に強すぎると葉焼けしてしまいます。ただ一部のハオルチアは他のハオルシアより強い日差しを好むものもあり、そのような種類は強めの種類並みに扱った方がよいようです。

エアプランツ(チランジア)

エアプランツは夏に半日陰から70%程度の遮光が必要です。しかし銀葉種を中心にハオルチアよりやや強めを求めるため緑葉種5,000~銀葉種7,000ルクス程度にします。しかしテクトラムなど一部の銀葉種のチランジアは8,000~10,000ルクス照射しても葉焼けしないのを確認しています。

夏に半日陰にしておく多肉植物

夏に半日陰にしておく多肉植物(メセン類のコノフィツムなどや日差しに弱めのサボテンやアドロミスクスなどの普通の多肉植物)は10,000ルクス程度あればほとんど徒長しません。また強い日差しを求めるパキポディウムなども幼苗(種まきしてから数年以内の小さな苗)の間はこれぐらいが安全かと思います。同じくリトープスの実生苗なども通常より弱めにしています。

夏の日差しにやや強い多肉植物

エケベリアやカランコエなどベンケイソウ科の多肉植物、メセン類のリトープス、サボテン一般などは10,000~12,000ルクス程度がよいようです。

日差しに強い種類

夏もあまり遮光しないアデニウムなどは植物育成ライトも強いものが望ましいです。しかしLEDの熱が伝わらない程度には離す必要があります。また外では葉焼けしないアデニウムでも、植物育成ライトだと葉焼けしがちで、たった14,000ルクス程度で葉がまだらに葉やけしてしまったことがありました。これは育成ライトはずっと一面に照射し続けるためです。そのため日差しに強い種類でも、室内栽培するのであれば遠くから開始し徐々に近づけて明るさを調節していく必要があります。

製品の選び方

植物育成LEDライト 多肉植物

製品を選ぶポイントはいくつかありますが、

  • まずは育てたい種類に合う強さのライト(できれば高PPFDのもの)
  • 次に自分の栽培環境に設置できるもの
  • オンオフスイッチ、タイマーや調光機能など求める機能を備えているもの
  • 本体価格ができるだけ高くないもの
  • 消費電力効率がよいもの(電気代が安い)

が大切ではないかと思います。

ライトの明るさ
先ほどの何ルクス程度必要かはおよその目安ですが、照度は設置距離によって変わってくるので、何センチぐらいの所に置くのかシミュレーションしてみると良いと思います。もし購入したライトの明るさが希望と違った場合は、遠めに置いたり近づけたりして幾分かは調節できます。

設置のしやすさ
植物育成ライトは扇風機のようにどこでも設置できるものではありません。設置場所をやや選びます。そのため、吊すタイプかクリップ式のように何かに挟んで置くタイプか、テープで直接LEDの板を固定するものなどから一番設置しやすいものを選ぶことになります。

機能
育成ライトはオンオフスイッチさえないものから、光の強さや点灯するライトを選択できる調光機能のついたもの、自動でオンやオフにしてくれるタイマー機能を持つものもあります。またタイマー機能やスイッチがないものでも、コンセントタイマーと呼ばれる機器を挟めばタイマー機能はカバーできます。またスイッチがないものに関しては、スイッチ機能付き延長コードを使う方法も取れます。

本体価格の安さ
本体価格はできるだけ安いのがありがたいです。特に何台も設置する場合、電気代だけでなく本体費用もかさみます。しかし明るさや照射範囲を犠牲にするのでは意味がないため、タイムセールや割引クーポンなどを使って安くするのが現実的な方法ではないかと思います。

省エネか
植物育成ライトは本体代だけでなく、使い続ければ電気代というランニングコストがかかります。そのため少々本体代が高くても、消エネのもののほうが例えば5年使った場合の合計費用が安くすむことがあります。また明るくて消費電力が少ないものは、放熱が少ないため、多肉植物にも優しいです。

例えば4,500円の消費電力60WのLEDライトを1日8時間×365日使ったとすると、電気代は1kWh=30円として計算すると、5,256円となり本体以上の電気代がかかることになります。

設置方法

以下は管理人の個人的な設置例を含みます。あくまで一例なのでご自身の環境に合わせて工夫してみてください。

設置例1 スタンド式(クリップ式)

クリップ式で電気スタンドのような形をしているものは、何か棚やフラワーラック、設置する台などに挟んで固定します。メーカーページには何センチの厚みまで挟めると目安が書いてあります。管理人の購入したスタンド式のものは4cm程度まで挟めるものでした。

設置する台などがあまりにも薄いと設置したときグラグラしてしまいますし、あまりに分厚いと挟まりません。管理人の場合は簡易ビニール温室のラックの骨部分(プラスチック)に挟むようにして利用しています。

簡易ビニール温室の骨組みに挟んだ例(横棒に設置)(厚みは25mm程度)

簡易ビニール温室の骨組みに挟んだ例(縦棒に設置)

リビングの棚に挟んだ例

厚みは28mm程度

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設置例2 パネル型

GREENSINDOOR 植物育成ライトLED 400W

パネル型はどこかにつり下げて使う必要があります。

管理人の場合は室内に設置した簡易ビニール温室の段や温室間などからつり下げています。ポイントは水平につり下げることです。傾いて設置すると照射面にムラが出てしまいます。

製品付属のつり下げ具で吊した場合

つり下げ具だと長すぎるため針金とビニール紐で自作した例(室内の簡易ビニール温室に設置)


付属のつり下げ具は思いのほかワイヤーが長く、短く調節したい場合があります。その場合は、パネルの隅を2本のビニール紐でくくり、それを針金で吊すようにするとぎりぎりの距離で設置することができます。

簡易ビニール温室の最上段の渡し棒は支柱などで補強してください

そのままだと目に入りまぶしいです

直接目に入らないための覆い

設置例3 テープ直接貼り付けタイプ

植物育成ライト

上の写真のようなLEDチップが並んだスティック状の植物育成ライトをテープで貼り付けて固定するタイプがありますが、申し訳ないのですがこちらに関しては使用経験がないため、試し次第の記載とさせていただきます。

当て方・使い方

多肉植物との距離

多肉植物との距離は最低でも30cm以上のほうがよいです。

これはLEDからの放熱が多肉植物を煮えさせてしまわないようにするためです。それ以上の距離でも放熱はありますが離れるほど弱くなり、また扇風機などで風を送っていればほとんど問題にはなりません。

30cm以上離したら後は照射したい範囲と必要な強さでバランスが取れるところに調節します。ヒトの目ではアバウトな明るさになってしまうので、照度計(ルクスメーター)で測ってだんだんコツを掴んでいきます。また育成LEDの中には赤と青の色しか出ないものがあり、この場合ヒトの目には暗くみえるため目視では判断できず、やはり光度計が必要になります。

照射時間(当てる時間)

当てる時間は人それぞれ、製品によっても推奨値が分かれています。

例えば1日12時間当てる方もいらっしゃれば10時間、8時間の方もいます。また製品によっては18時間を推奨しているものがありますが、これは明らかに当てすぎなのではないかと思います。(自然界の明るさと比べて夜が短くなり、植物にとって不自然になってしまいと思います。)

管理人はまだ1年の使用のため、当てれば当てるほど成長が早くなるのか、それとも適切な時間があるのか検証できていません。そこで自然光に似せて、冬は短め9:00~16:00程度(7時間)、夏は8:00~17:00(9時間)など平均して8時間程度を当てるようにしています。

夜間はどうする?

自然界では夜間は基本的に明るさがないため真っ暗(弱い光も当てない)の時間が必要なのではないかと思います。(未検証)

ただ、多肉植物にとってどれぐらいの夜の長さが必要なのかは検証できていません。

ひとつの例ですが、カランコエなど短日植物はおよそ13時間以上、夜間の暗さがあることで花芽をつける特徴があります。そのためそのような種類は人工照明栽培でも光を当てない時間を13時間以上取る必要があるといえそうです。

様子を見ながら調節する(葉焼け対策)

直射日光

自然光は冬至から夏至まで日の長さが自然に変わっていきますし、明るさも冬至で一番弱く夏至で一番強くなります。また毎日東から昇り西に沈むなど動きがあります。また更に快晴なのか、曇りなのか、雨天なのかによっても照度が大きく変わります。

それに対して植物育成ライトは雨の日でも、常に同じ強さで光を出し、本体が動かないため植物の一面に当たり続けます。

そうすると自然光ではなんでもないような明るさなのに葉ヤケしてしまう、という現象が起こるケースがあります。

そのため

  • 最初は弱め、遠めから点灯し始めて葉焼けしないようなら徐々に近づけるか強くしていく
  • 時間も短めから徐々に伸ばしていく

という様子を見ながらの調節が大切になってきます。

管理人も植物育成ライトについて右も左も分からない状態で、様子をみながら調節してきましたが、最初は強光で葉の一部を葉焼けさせたり、株自体を枯らせてしまったりということも数回経験しました。

それも多肉植物は普通の植物のようにすぐには影響が現れず、遅れて徐々に枯れていくので気がついた時には重度の葉焼けになってしまうことがあります。

新しい種類を植物育成ライトで育てる時は、毎日の観察と鉢回しが大切です。

この記事が少しでも植物育成ライトでの室内での栽培の参考になれば幸いです。