このページでは多肉植物の11月の状態と育て方、するべきことについて解説しています。
目次
冬型の活発になる11月
一気に寒さがやってきて夏型は休眠へ、春秋型の多肉植物も生育が鈍る11月ですが、10℃~25℃を好む冬型は成長が活発な季節になります。リトープスは体内で次の球体を作りつぼみをつけ、12月には花を咲かせます。アエオニウムや冬型セネシオは芽をのばし葉を広げます。
一方生育が鈍くなるエケベリアやグラプトペタルム、カランコエといった種類も紅葉の季節となり、赤やピンク、オレンジなど色とりどりの姿になります。
夏型の種類は休眠させ、紅葉種は色の移り変わりを楽しみ、冬型は作業をてきぱき行いつつ生長を見守りましょう。
気象と環境 | 東京 (関東) |
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福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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多肉植物の10月の状態と育て方・すべきこと
多肉植物の12月の状態と育て方・すべきこと
エケベリアなど主に春秋型
グループ1 主な種類 | ||
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エケベリア、アドロミスクス、オロスタキス、春秋型のクラッスラ、グラプトペタルム、グラプトセダム、グラプトベリア、コチレドン、シノクラッスラ、セダム、ヒロテレフィウム、セデベリア、センペルビウム、ダドレア、パキフィツム、パキベリア、ロスラリア、春秋型のセネシオ、アナカンプセロス、アプテニアなど | ||
生育状況 | 急速に寒くなってきます。寒さが強くなってくると生育が鈍くなってきますが上旬までは10月に引き続きすくすくと生長します。同時に紅葉が美しくなってくる時期で、赤やピンク、黄色、紫などの紅葉が楽しめます。 | |
置き場所 | 日当たりの良い雨の当たらない戸外に置きましょう。寒冷地などで夜に5℃を切る場合は、それぞれの最低越冬温度を守って室内などに取り込みましょう。 | |
日当たり(遮光) | 日差しが弱くなってきています。このグループでの遮光は不要で良く日に当てることが大切です。 | |
水やり | 鉢の土が完全に乾いたらたっぷりの水を与えましょう。まだまだ生育期なので1週間から10日に1回の水やりが必要です。ただ乾いていない株には無理に与えないようにします。 | |
作業 | 増やす | 繁殖の季節です。挿し木、株分け、葉挿しなどが楽に行えるようになります。気温が15℃以下になってくると発根や芽吹きが遅くなりその後の管理が難しくなるので上旬までに行っておきましょう。 |
植え替え | 秋の植え替え時期です。今年生育が良かった株や春に植え替えていない株を植え替えます。作業と同じように上旬までには終わらせましょう。 | |
肥料 | 植え替え時に緩効性肥料を土に混ぜ込んだり、植え替えない場合は液肥を1回の水やり代わりに月2回ほど与えます。 | |
病害虫対策 | この時期になってくると病害虫の心配がなくなってきます。 |
リトープスやコノフィツムなど
グループ2 主な種類 | ||
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玉形メセン類、コノフィツム、リトープス、ブラウンシア、ギバエウム、ケイリドプシス、プレイオスピロス、モニラリア、アルギロデルマ、フェネストラリア、フォーカリア、チタノプシス、アルギロデルマ、ラピダリア、オドントフィルム、グロッチフィルムなど | ||
生育状況 | リトープスやコノフィツムがすくすく生育する時期です。春と並んで一番生育する時期です。この頃つぼみの準備や次の葉の形成が行われているので、株を充実させる大事な時期です。 | |
置き場所 | 雨の当たらない風通しのよい戸外に置きます。この時期しっかり日に当てることで株を充実させ分頭や開花株にすることができます。 | |
日当たり(遮光) | 日差しが弱く日照時間も短く遮光せずしっかり日に当てましょう。 | |
水やり | 鉢が完全に乾いたら、鉢底から流れるまでたっぷり与えます。だいたい1週間~10日に1回程度与の頻度になります。 | |
作業 | 増やす | 分頭した株の分割やさし芽、株分けが行えます。 |
植え替え | 植え替えの適期ですが、寒くなりすぎないよう上旬までには終わらせましょう。 | |
肥料 | 液肥を1回の水やり代わりに月2回程度与えましょう。植え替え時に緩効性肥料を土に混ぜ込んでもOKです。 | |
病害虫対策 | 特に心配は要りません。 |
アエオニウムやセネシオなど主に冬型
グループ3 主な種類 | ||
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アエオニウム、冬型のクラッスラ、冬型のセネシオ、モナンテス、オトンナ(ルビーネックレス)、玉形メセン以外のメセン類(オスクラリア、ベルゲランタス、デロスペルマなど)) | ||
生育状況 | 生育の真っ盛りです。活発に水分を吸って葉の枚数を増やし新芽を伸ばします。つぼみをつける種類もあります。 | |
置き場所 | 雨の当たらない風通しの良い戸外に置きます。冬型といえども0℃を切る寒さでは株が傷むので、3℃を切るようであれば室内に取り込みます。種類に応じて耐寒性は若干異なるので、それぞれの最低越冬温度を守ります。 | |
日当たり(遮光) | 日光が弱くなっています。戸外での栽培でも日が長くよく当たるようにし、室内では直射日光の当たる窓辺に置きます。遮光は必要ありません。室内では温度の上がりすぎに気をつけましょう。 | |
水やり | 用土が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。一番乾きの早い時期なので、乾かし気味などにせず欲しがったらしっかりと与えます。 | |
作業 | 増やす | 挿し木や株分けの季節です。冬型セネシオや冬型クラッスラ、アエオニウムなども根が出やすく一番繁殖に向いている時期です。 |
植え替え | 生育が活発になる気温15℃程度の11月は植え替えにも一番適切な時期です。しばらく植え替えていない株は抜き取って根を調べ、土もきれいにして植え戻しましょう。子株が出ているものは株分けも同時に行えます。 | |
肥料 | 施肥の時期です。植え替えの際、土に緩効性肥料を混ぜ込んだり、液肥を月2回程度与えたりしましょう。 | |
病害虫対策 | 根ジラミが出ることがあるので、生育が思わしくない時は、株を抜き出して根を調べてみましょう。 |
アロエやアガベなど主に夏型
グループ4 主な種類 | ||
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アロエ、カランコエ、夏型のクラッスラ、アガベ、アストロロバ、ポーチュラカリア、ユッカ、ペペロミア、トラデスカンティア、カリシア、サンセベリア、セロペギア、チランジア、ガステリア、夏型のユーフォルビア、クセロシキオスなど | ||
生育状況 | 急速に気温が下がり、アロエやカランコエなど夏型種の典型が休眠の準備に入っています。上旬と下旬は気温も育て方もだいぶかわります。 | |
置き場所 | 直射日光のあたる雨のあたらい戸外に置きます。寒冷地などで5℃を切るようであれば室内への取り込みの準備を始めます。 | |
日当たり(遮光) | 遮光は必要ありません。むしろ日差しは弱くなっているため、たっぷり日に当てることが必要です。 | |
水やり | カランコエなどは水やりを減らし月2回程度少量にとどめます。高温を好む種類は断水を始めます。断水することで耐寒性が強くなります。 | |
作業 | 増やす | 行いません。 |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 与えません。 | |
病害虫対策 | 室内ではハダニの発生に気をつけ、適宜葉水を行います。 |
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ハオルチアなど
グループ5 主な種類 | ||
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ハオルシア(ハオルチア) | ||
生育状況 | 生育期ですが下旬に寒くなってくると生育緩慢の時期に入ります。なるべく暖かくして生育期間が長くなるようにしましょう。 | |
置き場所 | 戸外の雨の当たらない日陰に置きます。5℃を下回る場合は室内の窓辺に取り込み、薄いレースをひきましょう。室内では閉め切るのではなく、なるべく風通しを良くすることが大切です。 | |
日当たり(遮光) | 室内でもレースをひくか、屋外では半日陰(50%遮光)に置きます。葉が茶色くなったら光線が強すぎるサインなので、遮光率を調節しましょう。 | |
水やり | 土がしっかり乾いたら多めでない量の水やりをします。水やり頻度は10月より抑え10日に1回程度になります。室内に入れる場合は、用土の乾き具合を見ながら月に2~3回行います。 | |
作業 | 増やす | 葉挿しや株分け、根ざし、挿し木などが行えますが、寒くなると根の出が悪くなるので中旬までには済ませましょう。 |
植え替え | 10月に引き続き行えますが、あまり寒くならない中旬までに済ませてしまいましょう。 | |
肥料 | 肥料は与えません。 | |
病害虫対策 | 寒くなり、この時期は特に心配いりません。 |
主にサボテン科の植物
グループ6 主な種類 | ||
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サボテン科の多く(オプンティア、セレウス、テロカクタス、ツルビニカルプス、ロフォフォラ、ギムノカリキウム、エキノカクタス、アストロフィツム、パロディア、メロカクタス、マミラリア、エキノプシス) | ||
生育状況 | 暖地でも寒さが厳しくなるこの時期、サボテンの生育はかなり鈍くなってきます。急速に冬に向かい上旬と下旬の育て方が異なります。室内に取り込めればしばらくは成長が見込めます。 | |
置き場所 | 5℃を下回るようになってきたら室内や温室に取り込みます。室内では暖かい日の当たる窓辺がベストです。種類によって耐寒性が異なり、強いものは0℃以上で越冬、ロフォフォラやアストロフィツムなど弱い種類では5℃以上保つようにします。 | |
日当たり(遮光) | 遮光は必要ありません。弱くなった日差しをしっかり当てることが来年の蕾みの形成にも役立ちます。 | |
水やり | 3℃以下になるのであれば断水します。室内への取り込みなどで5℃以上をキープできる場合は、月に1~2回軽く水やりして育てるほうが春の生育が良くなります。乾燥が気になる場合は霧吹きで葉水を行います。 | |
作業 | 増やす | 行いません。 |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 与えません。 | |
病害虫対策 |
主に夏型のコーデックス類
グループ7 主な種類 | ||
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夏型コーデックス類(多くのユーフォルビア、アデニア、アデニウム、ヤトロファ、パキポディウム、スタペリア、フェルニア、ディオスコレアの一部(メキシコ亀甲竜)、イポメア、ドルステニア、ホーディア、ブラキステルマ、コミフォラ、キフォステンマ、ディディエリア、ブーフォンの一部、トリコディアデマ、ボウイエア、ブルセラ、フォッケア、フィカス、ラリレアキア(トリコカウロン)、モナデニウムなど) | ||
生育状況 | 気温がどんどん下がってきます。夏型種のパキポディウムやアデニウムは黄色くなった葉が落葉し、いよいよ休眠期に入っていきます。春秋型は生育鈍り気味、冬型種は生育旺盛になります。パキポディウムなどは葉が落ちる前に日差しを充分に受け、塊根を太らせます。 | |
置き場所 | 夜の温度が下がり落葉するなど休眠期に入ったら室内の明るい窓辺に取り込みます。保温と同時に保湿にも気をつけましょう。 | |
日当たり(遮光) | なるべく室内の直射日光に当たる明るい環境を作ります。寒冷地ではアデニウム・パキポディウムなどは半年近く室内で育てることになりますが、できれば窓辺、難しい場合は植物育成ライトを使う方法があります。 | |
水やり | 本格的に寒くなってきたら水やりを減らし全くやらない断水を行います。乾かすことで耐寒性を上げることができます。ただ室内で15℃以上になっているとゆるく成長を続けて塊根がへこんだりしますので、水切れサインが出たら軽く水を与えます。 | |
作業 | 増やす | 行いません。 |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 肥料は与えません。 | |
病害虫対策 | 室内に取り込むと暖房の乾燥からハダニが発生しやすくなります。一年を通してみると11月は害虫の少ない季節です。 |
主に冬型のコーデックス類
グループ8 主な種類 | ||
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冬型のコーデックス類(オトンナ、チレコドン、ディオスコレアの一部(亀甲竜)、モンソニア(サルコカウロン)、ペラルゴニウム、一部のユーフォルビア、アボニア、フォークイエリア、ケラリア(セラリア)、ブーフォンの一部)など | ||
生育状況 | 気温がどんどん下がってきます。春秋型は生育鈍り気味、冬型種は生育旺盛になります。この時期暖かいと成長がよく、塊根の太りもよくなります。 | |
置き場所 | それぞれの最低越冬温度を確認し、耐寒温度を下回るようになったら室内の窓辺に取り込むようにします。冬型といっても0℃に耐えられるものは少ないです。窓のない部屋でも植物育成LEDライトがあれば育てられます。 | |
日当たり(遮光) | できるだけ光合成できるよう、直射日光があたる窓辺などに置きます。 | |
水やり | 室内などで育てていれば適度な温度で土も良く乾きます。鉢の中まで乾いたら様子をみながら与えましょう。 | |
作業 | 増やす | 15℃~20℃の温度を保つことで種まきができます。また株分けや仕立て直し、挿し木なども可能です。 |
植え替え | 適期ですが早めに終えるようにします。 | |
肥料 | 置き肥や液肥、緩効性肥料などを与えます。 | |
病害虫対策 | 室内に取り込むと暖房の乾燥からハダニが発生しやすくなります。一年を通してみると11月は害虫の少ない季節です。 |