このページでは、夏型コーデックスの季節ごとの育て方とその月の気象(温度など)を解説しています。
気象データは気象庁の「過去の気象データ検索」から取得し、Excelで処理してから記載させていただいています。また太陽光の入射角度のみCASIOの計算サイトから取得しています。
目次
夏型コーデックスの種類(属)
グループ7 主な種類 | ||
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夏型コーデックス類(多くのユーフォルビア、アデニア、アデニウム、ヤトロファ、パキポディウム、スタペリア、フェルニア、ディオスコレアの一部(メキシコ亀甲竜)、イポメア、ドルステニア、ホーディア、ブラキステルマ、コミフォラ、キフォステンマ、ディディエリア、ブーフォンの一部、トリコディアデマ、ボウイエア、ブルセラ、フォッケア、フィカス、ラリレアキア(トリコカウロン)、モナデニウムなど) | ||
※ページタイトルは夏型コーデックスと表記していますが、季節によっては春秋型にも当てはまる場合があります。
おおまかな育て方
属ごとの紹介ページ
気象について
- ※1.「最低気温」はその月の最低気温の平均の9年平均です。(2012~2020年)。毎年その月は1日の気温が平均的にこの温度まで下がります。
- ※2.「9年最低気温」は過去9年に実際にあったその月の9年間の観測史上の最低気温です。(2012~2020年)。数年に一度ですが、ここまで下がることがあります。
- ※3.「最高気温」「9年最高気温」についても同様です。
春(3~5月)の育て方
3月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
| 福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | 徐々に暖かい日が増え、日差しも一気に強くなってきます。冬型は適切な保温で元気に生長しモンソニアやペラルゴニウムは開花します。夏型はまだ休眠中ですが、早いものでは蕾みができることがあります。 | |
置き場所 | 日当たりのよい室内か温室に取り込み最低越冬温度を保ちましょう。窓辺では日中の暖かくなりすぎに注意が必要です。 | |
日当たり(遮光) | 行いません。 | |
水やり | まだまだ夜温が下がるため、基本は全く水をやらない断水します。また与えても葉水で乾かし気味で育てます。 | |
作業 | 増やす | 行いません |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 与えません。 | |
病害虫対策 | 暖かくなってくるとカイガラムシが発生したりごく暖かいとアブラムシがつくことがあります。殺虫剤での駆除が必要です。 |
4月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
| 福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | 日中は気温が高くなり日差しも強くなります。しかし夜間はまだまだ涼しくなり冬型コーデックスも生育を続けています。夏型コーデックスは休眠から覚めて新芽が動き始めます。またコーデックス代表のパキポディウム属は黄色い花を咲かせます。 | |
置き場所 | 下旬にいよいよ気温が上がってきたら風通しのよい戸外の日なたでの栽培に切り替えます。なるべく長時間暖かい環境で過ごさせるようにします。寒冷地で8℃を保てない場合は、まだ室内の窓辺などで管理します。 | |
日当たり(遮光) | 遮光は行いませんが、室内栽培していたものを急に直射日光下に置くと日焼けするので、徐々に慣らしていきましょう。 | |
水やり | 新芽の動きに合わせて水やりを再開します。初めは少量から始めます。 | |
作業 | 増やす | 種まきの適期なので塊根を楽しみたい場合は実生(種まき)を行いましょう。挿し木もできますが塊根が太らないことが多いので気をつけましょう。それ以外に挿し木や接ぎ木、株分けなども行えます。 |
植え替え | 生育期に向けて植え替えを行いましょう。 | |
肥料 | 与えません | |
病害虫対策 | カイガラムシやアブラムシの発生時期です。殺虫剤を散布しておきましょう。 |
5月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
| 福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | 5月にもなると日に日に日光が強くなっていきます。夏型・春秋型のコーデックスは生育旺盛です。パキポディウムは花盛りで黄色い花を咲かせます。冬型コーデックスは休眠期に入り生育が止まります。 | |
置き場所 | 日当たりのよい風通しがよい所に置きましょう。ただし外に出したばかりの株や強い日差しを好まないタイプは半日陰で管理します。 | |
日当たり(遮光) | 基本行いませんが、弱い品種は半日陰(50%遮光)にします。 | |
水やり | 土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。 | |
作業 | 増やす | 種まきが行えます。その他挿し木や接ぎ木、仕立て直しなども可能です。 |
植え替え | 植え替えに最適な季節なので植え替えをしつつ根の健康チェックも兼ねます。 | |
肥料 | 生育をよくするため、緩効性肥料を土に混ぜ込むか、置き肥をするか液肥を月に数回与えます。 | |
病害虫対策 | カイガラムシやアブラムシの発生時期です。またサボテン根ジラミが発生しやすいので適宜殺虫剤を散布、植え替え時に点検と土の交換をしておきましょう。 |
夏(6~8月)の育て方
6月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
| 福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | 梅雨に入り雨天や曇りの日が多くなります。気温は上がるので冬型コーデックスは休眠に入り落葉種は葉を落とします。夏型は新芽の展開が活発になり、アボニアやドルステニアなどは花も咲かせます。 | |
置き場所 | 風通しのよい戸外の日なたに置きます。梅雨の間は雨ざらしにしないようにしましょう。 | |
日当たり(遮光) | 基本的には遮光は行いませんが、強光を好まない種類は遮光ネットを張って30~50%遮光(半日陰)に置きます。 | |
水やり | 梅雨の間、土が乾かないうちは水を与えません。様子をよく見ながら乾かし気味にします。 | |
作業 | 増やす | 引き続き種まきが行えます。挿し木などもできるのですが、梅雨時は過湿で腐りやすいので避けた方が無難です。 |
植え替え | 植え替えに最適な季節ですが、根を切った後に充分乾かすようにし蒸れ腐りを予防します。 | |
肥料 | 施肥の季節です。緩効性肥料を与えるか置き肥、液肥を行います。 | |
病害虫対策 | カイガラムシやアブラムシの発生時期です。またサボテン根ジラミが発生しやすいので適宜殺虫剤を散布します。 |
7月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
| 福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | 梅雨が明けて厳しい暑さの中がやってきます。夏型は一番活発な時期でつるを伸ばしたり葉を茂らせたり太い塊根を充実させたりしますが、それほど高温を好まない種類はやや生育が鈍ります。冬型は完全に休眠に入っています。 | |
置き場所 | 風通しのよい戸外の日なたに置きましょう。風通しのよいという点が非常に大切で、蒸れや腐りを予防できます。一部は雨ざらしでも大丈夫です。 | |
日当たり(遮光) | パキポディウムやアデニウムなど強い光線を好む種類は、戸外の良く日が当たる所で雨ざらしも可能ですが、やや強い光に弱い種類は30~40%程度の遮光が必要になります。 | |
水やり | 土が乾いたらたっぷり与えましょう。ただ与える時間は夕方の涼しくなった頃が安全です。また高温多湿に強いものは水はけの良い土に植えていれば雨ざらしでも育てられます。 | |
作業 | 増やす | 引き続き種まきが適期です。挿し木や株分けは梅雨明けに行うと成功率が上がります。春秋型や生育が鈍くなっているものは行いません。 |
植え替え | 梅雨の間は避けて行いましょう。 | |
肥料 | 生育旺盛な種類は緩効性の化成肥料を与えたり、液肥を与えます。春秋型や鈍っているものは与えません。 | |
病害虫対策 | 高温乾燥時はハダニが発生します。ハダニは水が苦手なので水のスプレーをするか、専用の殺虫剤をまきます。 |
8月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
| 福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | 猛暑で暑さも日差しも厳しい時期です。アデニウムやパキポディウムなど高温性のものは最盛期を迎え、幹を充実させます。春秋型や冬型など高温をそれほど好まないものは休眠しています。 | |
置き場所 | 風通しのよい戸外の日なたに置きましょう。水はけの良い土なら一部のコーデックスは雨ざらしでも可能です。 | |
日当たり(遮光) | 夏型のものの中で高温性の種類はよく日に当てて育てましょう。強光に弱いものは30~40%遮光をするか涼しい半日陰に移動させます。 | |
水やり | 土が乾いたらしっかり与えます。昼間の水やりは蒸れることがあるので、必ず夕方や夜間に行うようにしましょう。 | |
作業 | 増やす | 種まきの季節です。種がとれたらすぐ蒔きましょう。また挿し木や株分けなどの繁殖作業も行えます。ただし暑さで休んでいる種類や春秋型のコーデックスは行わないほうが安全です。 |
植え替え | 引き続き生育している株は植え替えができます。春秋型は行いません。 | |
肥料 | 生育が盛んなものには液肥や置き肥など肥料を与えます。鈍っている種類や春秋型はやめておきましょう。 | |
病害虫対策 | 高温乾燥時はハダニが発生します。ハダニは水が苦手なので水のスプレーをするか、ダニ専用の殺虫剤をまきます。 |
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秋(9~11月)の育て方
9月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
| 福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | まだまだ日中は暑いですが、夜温は徐々に下がってきています。夏型コーデックスは成長がやや緩慢になってきますが、春秋型や冬型コーデックスは少しずつ動き出します。とはいってもまだまだ生育の盛りではありません。 | |
置き場所 | 引き続き風通しのよい戸外の日なたに置きます。夏型のなかで遮光して育てていた種類も直射日光を浴びせてもよくなってきます。また雨ざらしにしていた種類は雨よけがあるところに移動させます。 | |
日当たり(遮光) | 遮光していた種類も徐々に遮光が不要になってきます。その年の暑さに応じて異なるため調節しましょう。 | |
水やり | 生育が鈍ってきたら徐々に水やり量と頻度を少なめにしていきます。用土がしっかり乾いたのを確認してから与えるようにしましょう。 | |
作業 | 増やす | 春秋型やまだ生育している夏型は繁殖作業が行えますが、できるだけ早く終わらせましょう。 |
植え替え | 春秋型やまだ生育している夏型は植え替え作業が行えますが、できるだけ早く終わらせましょう。 | |
肥料 | 生育している株には与えますが、そろそろ施肥の終わる時期です。 | |
病害虫対策 | 根ジラミ、ハダニ、コナカイガラムシ、アブラムシなどを引き続き注意します。ハダニは普通の殺虫剤が効かないので殺ダニ剤を使います。 |
10月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
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福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | 10月はどのグループのコーデックスもそれなりに生育する時期です。夏型は緩慢になり、アデニウムやパキポディウムは葉が枯れて黄色くなってきます。逆に春秋型や冬型は生育が旺盛になり葉を出したりします。 | |
置き場所 | 風通しのよい戸外の日なたに置きましょう。直射日光に良く当てるようにします。ただ気温が下がってきたら室内や温室に取り込む必要があります。 | |
日当たり(遮光) | 遮光は不要です。 | |
水やり | 葉が黄色くなるなど生育が緩慢になってきたら、水やりも回数と量を控えめに乾かし気味にしていきます。落葉したら水やりは停止します。落葉しない種類は生育が鈍ってきたか確認して水やりをやめていきます。 | |
作業 | 増やす | 行いません。 |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 与えません。 | |
病害虫対策 | 根ジラミ、ハダニ、コナカイガラムシ、アブラムシなどを引き続き注意します。ハダニは普通の殺虫剤が効かないので殺ダニ剤を使います。 |
11月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
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福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | 気温がどんどん下がってきます。夏型種のパキポディウムやアデニウムは黄色くなった葉が落葉し、いよいよ休眠期に入っていきます。春秋型は生育鈍り気味、冬型種は生育旺盛になります。パキポディウムなどは葉が落ちる前に日差しを充分に受け、塊根を太らせます。 | |
置き場所 | 夜の温度が下がり落葉するなど休眠期に入ったら室内の明るい窓辺に取り込みます。保温と同時に保湿にも気をつけましょう。 | |
日当たり(遮光) | なるべく室内の直射日光に当たる明るい環境を作ります。 | |
水やり | 本格的に寒くなってきたら水やりを減らし全くやらない断水を行います。乾かすことで耐寒性を上げることができます。 | |
作業 | 増やす | 行いません。 |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 肥料は与えません。 | |
病害虫対策 | 室内に取り込むと暖房の乾燥からハダニが発生しやすくなります。一年を通してみると11月は害虫の少ない季節です。 |
冬(12~2月)の育て方
12月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
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福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | 寒さが厳しくなり日照時間も日差しも一番弱くなります。夏型は休眠し冬型は盛んに生長し開花する種類もあります。夏型、冬型関わらずできるだけ日照を確保することが大切です。 | |
置き場所 | 種類ごとの最低越冬温度を確認し、よく日の差す窓辺などに取り込みます。できるだけゆとりを持った越冬温度を保ちます。 | |
日当たり(遮光) | 室内や温室でなるべく光を取り入れながら暖かく過ごさせます。 | |
水やり | 耐寒性を強めるためにも基本的には断水を行います。 | |
作業 | 増やす | 行いません。 |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 肥料は与えません。 | |
病害虫対策 | 室内に取り込むと暖房の乾燥からハダニが発生しやすくなります。一年を通してみると12月は害虫の少ない季節です。 |
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1月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
| 福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | 一番寒さが厳しい時期となり、パキポディウムやアデニウムなどの夏型は休眠しています。一方涼しい気候が好みのオトンナやチレコドンなどの冬型は室内の窓辺でよく生育しています。花を咲かせるものもあります。それぞれの最低越冬温度を保つことが生き延びる上で大切です。 | |
置き場所 | 寒さに弱いので室内や温室に取り込み続けます。越冬最低気温より余裕をもって育てた方が心配がありません。 | |
日当たり(遮光) | 日差しが弱いので窓辺などでしっかり日光を当てます。 | |
水やり | 全く水をやらない断水が基本です。特に高温を好むパキポディウムやアデニウムなどは水を与えると弱るため完全な断水をします。 | |
作業 | 増やす | 行いません。 |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 肥料は与えません。 | |
病害虫対策 | 室内に取り込むと暖房の乾燥からハダニが発生しやすくなります。一年を通してみると害虫の少ない季節です。 |
2月の育て方 | ||
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気象と環境 | 東京 (関東) |
| 福岡 (暖地) |
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宮城 (寒冷地) |
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生育状況 | 夏型コーデックスは寒さのため完全に休眠しています。冬型は温度を保っていれば生育盛んです。2月は急に日差しが強くなるため、窓辺での高温になりすぎに気をつけます。それぞれの最低越冬温度を保つことが生き延びる上で大切です。 | |
置き場所 | 寒さに弱いので室内や温室に取り込みます。室内でも日当たりの良い窓辺などに置きましょう。夜間は窓辺は冷え込むため部屋の中央などに移動させます。 | |
日当たり(遮光) | 昼間なるべくガラス越しに日光を当てます。 | |
水やり | 夜間の温度はまだまだ最低で断水をつづけましょう。 | |
作業 | 増やす | 行いません。 |
植え替え | 行いません。 | |
肥料 | 肥料は与えません。 | |
病害虫対策 | 室内に取り込むと暖房の乾燥からハダニが発生しやすくなります。一年を通してみると害虫の少ない季節です。 |