スポンサーリンク

プレクトランサス属(アロマティカス)の特徴と種類・育て方

プレクトランサス属の写真

アロマティカスアロマティカス

プレクトランサス属(Plectranthus)の特徴

シソ科
プレクトランサス属
生育型 夏型
育てやすさ 育てやすい
成長速度 早い
増やし方 さし芽
原産地 南アフリカ、熱帯、亜熱帯など

※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

アロマティカスはこんな多肉植物
日本ではプレクトランサスの中で「アロマティカス」が一番身近に育てられています。シソ科からも分かるとおりとても強いハーブの香りを漂わせます。それは葉をさわるだけで手に香りが移るほどです。亜熱帯アジア、南アフリカ、オーストラリアなど広い地域でおよそ100種類が知られています。

育てやすく殖やしやすい
初心者でも育てやすい夏型のハーブ多肉植物です。繁殖力が強く挿し木していると、すぐ鉢が一杯になってしまいます。水もよく吸い上げ春から秋にかけては数日おきに水やりが必要になります。一方寒さには弱く、冬の間は5℃(できれば10℃)以上保てるところに置く必要があります。光線不足で葉が黄色になるので、しっかり日光に当てて緑色を鮮やかに濃くしましょう。多肉植物は紅葉するものが多いですが、アロマティカスは冬でも緑色を保っています。

育て方のコツ

  • 寒さに弱いので5℃以下になったら室内に取り込む
  • 真夏以外はしっかり直射日光に当てる
  • 生育期の間は他の多肉植物より水やりを多めにする
  • 休眠時は水やりを控えて低温にさらさないようにする

年間栽培カレンダー

夏型
生育期 4~10月
休眠期 12~2月
緩慢な時期 3月、11月
水やり
  • 4~6月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に2回程度)
  • 7~8月はやや控えめに鉢底から流れるまでを週に1回程度
  • 9~10月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に2回程度)
  • 11月と3月はやや少なめの量を2週に1回程度
  • 12~2月は鉢の半分くらいを濡らす程度を2~3週に1回程度
置き場所
  • 年間を通して雨の当たらない風通しのよい所に
  • 3~6月は直射日光の当たる屋外
  • 7~8月は明るい日陰(50%遮光)
  • 9~11月は直射日光のあたる屋外
  • 12~2月は5℃以下なら日当たりの良い窓辺に
植え替え
  • 5~9月頃が適期
増やす
  • 5~9月頃に挿し木
肥料
  • 4~9月頃の生育期は月1回液肥を与える
開花
  • 9~11頃

主な種類名

アロマティカス Plectranthus amboinicus
パステルミント Plectranthus ‘Pastel mint’
休眠期とは?
多肉植物の日本での栽培は自生地の環境と異なります。そのため日本の寒さや暑さに耐えられなくなると生育が鈍ったり成長が止まったりします。その時期のことを「休眠」といいます。時期は種類によって異なり、夏に休眠するタイプと冬に休眠するタイプがあります。休眠期は生育が鈍るので肥料や水やりを控え、挿し木や株分けなど株へ負担をかける作業を控えます。

スポンサーリンク

育て方のポイント

水やり

水やりアロマティカスは全体的に普通の草花感覚で育てられる多肉植物で、水やりも他の多肉植物よりかなり多めです。

多めといってもやはり多肉植物なので保水力があり、水やりを多少忘れても枯れたりはしません。鉢や土の種類によって幅が出るので、水やりは週1回と決めず、土がカラカラに乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与えるのが基本です。

具体的には生育期の4~6月は土が乾いたら鉢底から流れるまで、およそ1週間に2回ほど与えます。7~8月は高温での根腐れを防ぐためにやや控えめに鉢底から流れでない程度を週に1回ほど与えます。9~10月はよく生育し土が乾いたら鉢底から流れるまで、1週間に2回程度にします。休眠を控え11月から回数を減らしやや少なめの量を2週に1回程度です。12~2月は休眠中なので、鉢の半分くらいを濡らす程度を2~3週に1回程度与えます。3月から再び回数を増やしていきます。

寒い時期は暖かい朝~昼に水をやり、暑い時期は涼しくなる夕方に水を与えます。そうすると蒸れや凍結を予防できます。また夏・冬は水分を控えることで耐寒性・耐暑性が上がります。冬、室内で育てる場合は徒長防止に水を控えめにします。

置き場

置き場年間を通して雨の当たらない風通しのよい所に置きます。基本的には直射日光によく当てますが、7~8月は日差しが強すぎるので遮光するか日陰に移動します。光線不足で葉の色が薄く黄色っぽくなるので、様子を見ながら場所を決めていきます。

具体的には、3~6月は直射日光の当たる屋外に置きます。7~8月は明るい日陰(50%遮光する)に移動し、9~11月は直射日光のあたる屋外に、12~2月もできれば戸外で育てたいですが、5℃以下になる場合は室内に取り込みます。日当たりの良い窓辺などを確保しましょう。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

夏越し耐暑性は強く、真夏も直射日光に当てさえしなければ元気に育ちます。7~8月は遮光ネットで覆って、また風通しをよくし、夕方に水やりするようにすれば根腐れの心配もありません。

越冬最低温度と冬越し方法

冬越し最低越冬温度は5~10℃と耐寒性が弱いため、日本の冬ではほとんど室内で育てることになります。5℃を下回ってもすぐ枯れるわけではありませんが、葉の周囲が茶色くなったり葉が落ちたりするので、室内が安心です。(水やりを控えめにしていると、3℃程度に耐えられます。)

増やし方

殖やし方挿し木はかなり簡単にできるグループで、暖かな気候の5~9月に行うとうまくいきます。方法は株の中でも元気に生育している枝を5cmほど切り取って数日切り口を乾かします。夏場は自然と根がでるので、少し出たら土に挿して少量ずつ水を与え始めます。ここまでは明るい日陰に置いておきましょう。3週間ほどでしっかり根が出るので、その後は親株と同じ環境で育てます。

植え替え

成長が早いアロマティカスは定期的に植え替えしてやる必要があります。植え替えしないでおくと鉢いっぱいになった所で成長が止まってしまいます。植え替えは生育期の3~9月に行います。特に3~6月は適期で失敗が少ないです。寒い時期や休眠期に植え替えると、株にダメージを与えることがあるので避けましょう。

具体的な方法
土をほぐしやすくするため植え替え前4~5日は水やりを控えます。株を鉢から抜き出したら枯れた葉や傷んで茶色くなった根を取り除きます。白い根は生きている根なので切らないように気をつけます。根が鉢の中でパンパンになっている場合は、根の三分の一をカットして更新します。その後、緩効性肥料を少量混ぜ込んだ新しい土を用意し植え込みます。最初の1~2週間は明るい日陰で管理し軽く水を与えます。

土と鉢

土土を選ぶときは肥料分がほとんど入っていない多肉植物・サボテン要の土を使うか、自分で配合したものを使います。市販の多肉サボテンの土は水はけがよすぎたり粒が大きすぎたりすることがあるので、適宜水持ちをよくする小粒の赤玉土や鹿沼土などを入れ込んでもよいです。自分で作る場合は単用(1種類の土だけ)はせずできれば4種類以上の土を混ぜるのが理想です。

(例)赤玉土1:腐葉土1:鹿沼土1
(例)赤玉土3:ピートモス3:ボラ土2:鹿沼土1:川砂1:くん炭1

鹿沼土、ピートモスは酸性、くん炭はアルカリ性なので色々な土を混ぜることで性質を中和することができます。鉢は特に選びませんが、大きすぎる鉢は避けます。ただ繁殖力が強いので増やすぎ防止にはあえて小さなサイズの鉢に植えることもあります。

肥料

肥料肥料がなくても育ちますが、葉の色が悪くなったり微量要素が不足することがあるので、生育期の5~10月に月に1回ハイポネックスなど液肥を水やり代わりに与えると良いでしょう。

病害虫

病害虫病害虫は特に心配ありません。

アロマティカスによくあるトラブル

  • 葉が黄色くなってきた・・・肥料不足や日光不足が考えられるが考えられます。
  • 成長が悪くなってきた・・・根詰まりの可能性があるので植え替えして根を更新し土を新しくするとよいでしょう。
  • カットした苗からなかなか根が出ない・・・秋の遅くや冬だと根が出ないので、生育期に挿し木するようにしましょう。