多肉植物は育てていると下のほうの葉(下葉)が枯れてくることがあります。原因は新陳代謝、生理障害、病気などが考えられます。原因別の対策を見ていきましょう。
目次
健康でも下葉はいずれ枯れる
健康な黒法師 | 下葉は枯れている | 鉢の中にたくさん落ちている |
まず、多肉植物は健康でも下葉はいずれ枯れる運命にあります。新しい葉は茎のてっぺんから出てきて下の方になるほど古い葉になります。古い葉はやがれ枯れて落ちていくのは、自然なことととらえて良いでしょう。
特にアエオニウムなどは顕著で、枯れた下葉がついていた茎がだんだん積み重なって伸びていきます。
下葉はカリカリになったら摘み取る
健康に育っており、生長に伴い背が伸び、古い葉が枯れてきたら、自然に落ちるのを待つか、カリカリになってから手で摘み取って構いません。
生理障害が原因のことも
しかし、生理障害が原因で下葉が枯れ込むことがあります。生理障害は病気ではありませんが、このまま放っておくと生育が悪くなるため、対策が必要になります。
根詰まりしている
一番に考えられるのが「根詰まり」です。
鉢で長く多肉植物を育てていると土の中が根で一杯になり、これ以上根が伸びなくなってしまいます。そこで起こるのが「下葉の枯れ」です。(根詰まりで下葉が落ちるのはよくあることで、多肉植物以外の普通の植物にも共通で起こります。)
長く植え替えしていない株で下葉が落ちてきたら、まず根詰まりを疑いましょう。
根詰まりしている場合は、植え替えの手順で鉢から株を抜きだし、根の整理をして土を足して植え替えます。
植え替えの詳細は以下のページで解説しています。
水やりが足りない
次に考えられるのが「水やりが足りない」ことです。
腐るのが心配で水やりをいつも少なめにしていると、株は徐々に水分を失い、下の方の葉から徐々に水分を使っていきます。そうするとだんだん下の方から葉が枯れてカリカリになってしまいます。
このような極度の水分不足になると、いずれ上の方の葉まで枯れてしまい、果ては株全体が枯れてしまうことにもなりかねません。植え替えしているのに下葉が順に落ちていく場合は、水やりの不足を疑いましょう。
それではどのくらいの水やりが必要なのかですが、これは種類にもよりますが、株の下のほう~真ん中あたりについている葉を触ると僅かに柔らかくしんなりしているくらいが適期です。
日差しが強すぎる・高温
最後が「日差しが強すぎる・高温過ぎる」ことです。
日差しが強いまたは温度が高すぎる場合、下のほうの葉が枯れてポロポロ落ちてくることがあります。
このような状態を放置していると、下だけでなく茎全体の葉が落ち、茎だけになってしまうことがあります。こうなると復活させるのに時間がかかるため、遮光するか半日陰に移す、なるべく涼しい所に移動させるなど対処する必要があります。
このタイプの枯れ方は種類により、全く平気なものと弱いものに分かれます。高温や直射日光に弱い種類は、しっかり遮光ネットを張ったり涼しい室内に退避させるなど対策をとりましょう。
病気が原因のことも
下葉が落ちる原因には病気が隠れていることもあります。
例えば、うどんこ病にかかると地際の葉から白くなりやがて枯れていきます。サビ病では葉に茶色い点が出て最終的には葉が枯れます。しかし病気の場合は、下葉に限らず株全体の葉が罹患するので、下葉だけ落ちるということであれば、生理現象(自然なこと)か生理障害(根詰まりなど)の可能性が高いと思います。