スポンサーリンク

ガステリア属(Gasteria)の特徴と種類・育て方

ガステリア属の写真

ガステリア属(Gasteria)の特徴

ツルボラン科(ユリ科)
育てやすさ:
生育型:春秋型(種類により夏型のものも)
成長速度:×
殖やし方:葉挿し、株分け、種まき(実生)
原産地:南アフリカ


※育てやすさ(4段階評価)
◎育てやすい–〇普通–△やや難しい–×難しい

※成長速度(4段階評価)
◎早い–〇普通–△遅い–×とても遅い

ガステリアはこんな植物
一言メモ:ヘラのような平べったい形の葉を重ねるのが特徴のガステリア、葉の形や色をいかにきれいに育てるかが栽培のコツ。種南アフリカに80種類ほどが自生していて、交配種も多数生まれている。色も形も地味でエケベリアのように、決して一般好みではない。しかし斑入り種は濃い緑色に強い黄色の太い筋が入るなど華美なものもある。中でも「臥牛(ガギュウ)」は古くから日本でも愛好家の間で栽培されてきた。

特徴:アロエ科という性質からも分かるように、アロエやハオルシアと近縁の関係にある。育て方の基本もハオルシアとほとんど同じに育てられる。見かけは臥牛のようなザラザラ系とピランシーのようなつるつる系の2つがある。成長速度はとても遅く、根気が必要でみかけによらず日光に弱い。日よけしないと葉がヤケドして見苦しい状態になってしまう。

育て方:多肉植物の中では栽培しやすいグループ。強い日光に弱く「遮光した弱い光」と「水やり多め」、「暑さ寒さ対策」の3点も気をつければ簡単に栽培できる。臥牛は強健種だが、斑入り種は弱いなど種類によって差がある。一度できた葉の形は後で直らないので、葉焼けや日光不足、水切りに注意して栽培したい。

年間栽培カレンダー

ガステリアの「生育期」は春と秋を指し、具体的には3~6月頃と9~12月頃。
おおむね、春は3~5月、夏は6~9月、秋は10~11月、冬は12~2月をさす。

水やり 多肉植物の中では年間を通して水やりを好む
◆3~5月、9~11月の生育期は週に1回程度、鉢底から流れ出るまでたっぷり与える
◆6~7月の梅雨時期は土が乾くまで待ち、頻度を減らす
◆7~8月は2週間に1回程度の水やり
◆12~2月は2~3週間に1回、さらっと土を湿らせる程度を与える
置き場所 ・年間を通して遮光し雨が当たらない風通しのよいところが望ましい
・3~5月は屋外の明るい日陰に
・6~9月は直射日光が強いので必ず遮光するか日陰に置く
・10~2月は遮光するか明るい日陰に置く。この際、5℃を下回る日は室内か温室に取り込む
植え替え 3~4月か9~10月が植え替えに向いている。真冬や真夏は避ける。1年に1回行う
殖やす 3~5月が繁殖の季節で葉挿し、挿し木、株分け、種まき(実生)ができる。真冬や真夏は避ける
肥料 肥料はほとんどいらないが、与えると生育がよくなる。薄めの液肥を生育期の3~5月か9~10月に月に1~2回ほど与える
開花 春に薄いオレンジ色の花を咲かせる

主な種類名

臥牛 (ガギュウ) : Gasteria armstrongii
臥牛竜錦 (ガギュウリュウニシキ) : Gasteria ‘Gasteria×’Gagyu Ryu Nishiki”
エクセルサ : Gasteria excelsa
エラフィアエ : Gasteria ellaphieae
熊笹 (クマザサ) : Gasteria ‘Kumazasa’
グロメラータ : Gasteria glomerata
子宝 (シホウ) : Gasteria gracilis var.minima
春鶯囀 (シュンオウテン) : Gasteria batesiana
象牙子宝 (ゾウゲコダカラ) : Gasteria ‘Zouge Kodakara’
白星竜 (ハクセイリュウ) : Gasteria carinata var.verrucosa
ピランシー錦 : Gasteria pillansii
リリプターナ : Gasteria liliputana

◆臥牛は色々なタイプがある。葉先が丸く幅が広く短く厚みがある種は「だるま臥牛」といい、葉先がとがったタイプは「臥牛竜」、白い斑点があるものが「臥牛・スノーホワイト」、濃い黄色の斑入りが「臥牛錦」、葉が広く静電気で髪の毛が断っているような姿の種類を「恐竜臥牛」という。

育て方のポイント

ガステリアはハオルシアと似ていて強い日光に弱く、他の多肉植物と一緒に日なたに置いておくと葉がヤケドしてしまう。そのため多くの種類は年間を通して日よけ(遮光)する必要がある。また比較的寒さに弱いので、冬は室内に取り込むなどして5℃以上を保つ。とはいうものの多肉植物の中では栽培しやすいグループで、病気や害虫の被害もほとんどなく初心者でも枯らさないで育てられる。だが図鑑のような姿に育てるのはそれなりに経験が必要かもしれない。

水やり

春秋の生育期に一番水やりを多くする。夏の暑さが酷い時期と冬の休眠中は水やりは少なくする。

◆3~5月、9~11月の生育期は週に1回程度、1回の量は鉢底から流れ出るぐらいが目安。この時期は水やりは多めにするとよい形に育つ。

◆6~7月の梅雨時期は土が完全に乾き鉢が軽くなるまで待ってから水をやる。湿度や気温が毎年同じでないので一概にはいえないが、2週間に1回程度が目安になる。量は鉢底まで浸透するぐらい。

◆7~8月、本格的な暑さになると生育がやや鈍るので、鉢の中が完全にカラカラになるまで待つ。目安は2週間に1回程度、1回の量はさらっと表土を濡らす程度に。多くやり過ぎると蒸れや根腐れを起こす。また真昼に水やりすると土が熱湯のようになって根がダメージを受けるので、夕方涼しくなってから与える。

◆12~2月は寒さで休眠状態になり水を吸い上げなくなる。土の乾きが極端に遅くなるので鉢の中が完全にカラカラになるまで待つ。目安は1ヶ月に1回程度、量はさらっと鉢の半分くらいまでを湿らせる程度に抑える。寒冷地など毎日5℃以下になる地域では、室内や温室に取り込むが、その場合も土がカラカラに乾いてから少なめの量を与える。やりすぎに注意。

置き場

基本的に1年中日よけ(遮光)し直射日光が当たらないようにする。雨が当たらない風通しのよいところが望ましい。強い日光で葉焼け(日光でヤケドする)すると焼けた部分は元に戻らない。ただ過保護は禁物、あまりに日光が足りないと葉がとがった形になってしまいとがったままになる。普及している「臥牛」はそれほど神経質にならなくてよい。

◆3~5月は屋外の明るい日陰に置くか、50%遮光シートをかける。この時期は意外と日差しが強いので直射日光を当てると葉を傷めてしまう。

◆6~9月は直射日光が強いので必ず日陰に置くか、70%遮光シートをかける。室内に置く場合は窓辺でレースごしに日を当てる。室内は無風状態で根腐れしやすいので、窓を開けるか扇風機などで風を送る。

◆10~2月は明るい日陰に置くか、50%程度遮光する。5℃を下回る日は室内の窓辺か温室に取り込み保温する。室内に取り込む場合は、窓辺の明るいところで薄いレース越しにするとよい。窓際は夜とても冷えるので5℃以下にならないか温度計で測ったほうがよい。特に寒冷地は厚いカーテンなどで保温するとよい。

鉢をずっと同じ方向に置いているとだんだんと茎が日の方向に傾いてくる。そのため2週間~月に1回ほど鉢を逆方向に回してやるとよい。

日当たりのよいところに置くとすぐ枯れるわけではない。しかし葉が変色する。葉の色が緑から茶褐色になってきたら、日差しが強すぎる状態を表している。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

◆耐暑性はやや強い。福岡県実測38℃の気温でも屋外で栽培可能。種類により暑さに強いものと普通程度のものがあるので一概にはいえないが、「臥牛」は耐暑性がある。ガステリアは他の多肉植物よりは暑さに強く、気温が高くても生育を続けるものが多い。しかし遮光は必須で、直射日光に当てないよう遮光ネットなどをかけるか、日陰に置くか、すだれなどを使って日よけする。水やりは比較的涼しい日の夕方に、春秋よりやや控える程度でよい。

越冬最低温度と冬越し方法

◆耐寒性は弱い。5℃を下回ると生育が止まり休眠状態になる。最低越冬温度は0℃以上といわれているが、できれば5℃以上を保ちたい。0℃で霜に当てたり凍らせると枯れてしまう。(種類によっては虎の巻・子宝・青竜刀など0℃以下に耐えられるものもある)寒冷地や5℃を下回る時期は、暖かい室内や暖房付きの温室に取り込む。室内やフレーム、温室では、朝は直射日光が当たり、昼過ぎからはレースをかけるなどして50%程度日よけしてやるとよい。室内や温室では風がないので、風通しを心がける。

殖やし方

ガステリアは、葉挿し、挿し木、株分け、実生(種まき)で増やすことができる。葉挿しは葉が途中で切れたものも使える。

挿し木の方法:

ガステリアは茎がなく挿し木には向いておらず、通常葉挿しか、子株の株分けで繁殖させる。

葉挿しの方法:

葉挿しは生育期の3~6月、9~10月が一番適している。しかし真夏(7~8月)と真冬(12~2月)を避ければいつでもできる。葉挿しは葉の付け根からもぎとるように外す。もし途中で葉が切れてしまっても、ガステリアの場合はそこから根が出てくるので大丈夫。根が出るまで土に植える必要はなく、適当にトレーなどに転がしておけばよい。とても時間がかかるので、途中で諦めて捨ててしまわないように。

株分けの方法:

株分けは生育期の3~6月、9~10月が一番適している。子株が出てきたら(子吹きする)、子株を取り外して乾いた土に植える。根が出てきたら水やりする。ガステリアはよく子吹きするものが多く、株分けでふやすことが多い。

種まきの方法:

原種は種まきができる。種まきでは、ガステリアだけでなく、アロエなどの近縁種と交配することもできる。

植え替え:

ガステリアは定期的な植え替えをした方がよく育つ。基本は1年に1回、3~5月の生育期に行う。春にできなかったら秋でもよい。鉢から抜き取り古い根を切り捨てる。新しい白い根を残す。白い根は大切なので傷つけないように取り扱う。根が乾燥しないうちにすぐに新しい土に植え替える。そのとき土に緩効性肥料を少しいれると生育がよくなる。

土と鉢

◆鉢◆
ガステリアは多くが小型種で、また寒さに弱いので鉢植えにして冬に室内に取り込むなど、移動できるようにしておいたほうがよい。

ガステリアは根が太く長くまっすぐ下に伸びる「直根」なので、普通の多肉植物より深い鉢のほうがよい。深い鉢は土が乾きにくくなりがちなので、プラスチック製ではなく、通気のよい素焼きや駄温鉢など陶器製がよい。

◆土◆
土を選ぶときのポイントは水はけ(排水性)がよいこと、肥料分があまり含まれていないもの、粒が細かすぎないもの。一般の園芸用の土は肥料分が多く水持ちがよすぎるため、ガステリアには使わないほうがよい。多肉植物用の土を買うとよいが、このとき粒サイズが5mm以上のものが多い場合は、ピートモスや細かい赤玉土などを入れるとよい。どうしてもよい多肉土がない場合は、普通の園芸用土にパーライトや赤玉土や軽石などの水はけのよい土をたくさんいれて代用することも可能。

ガステリアは年に1回植え替えをするので、そのとき古い土の10%くらいの量の新しい腐葉土を入れ、マグアンプなどの緩効性肥料をひとつまみ混ぜ込むとよい。

◆ブレンド例
自分で土を作る場合は、1~2種類ではなく4~5種類以上の色々な土を入れることが大切。
(例1)ピートモス4:ボラ土5:赤玉土4
(例2)ピートモス2:赤玉土2:くん炭2:パーライト1:川砂1:鹿沼土2
(例3)市販の園芸用土1:ボラ土か赤玉土2:くん炭2

肥料

多肉植物の中でも生育が非常に遅いので、肥料は極力少なめにする。肥料を与える場合は、生育期の3~5月か9~10月に月に1~2回薄めの液肥を与える。固形の緩効性肥料は植え替え時に土に混ぜ込んでおく形で使う。肥料の特性として、液肥は鉢底から流れ出てすぐ効果がなくなってしまう。一方、固形肥料はそのままでは効果がなく、水やりの繰り返しで水に溶け出さないと効果が出ない点に気をつけたい。

(例1)液肥の例、ハイポネックス2000倍
(例2)固形肥料の例、マグアンプ、有機肥料

開花

一般にガステリアの花はあまり見ごたえがないとされている。(写真参照)春から夏にかけて長い茎をのばし、小さな薄いオレンジ色の花を咲かせる。その花の形は小さな胃袋のように見え、ガステリアという名前は「胃の」という英語の「ガストリック」からつけられた。

病害虫

ガステリアは他の多肉植物に比べ、病害虫の心配がほとんどいらない。だが生理障害である、「葉焼け」(日光が強すぎて葉がやけどする)、「根腐れ」(水のやり過ぎや風通し不足で起こる)には気をつける。また多肉植物全般にいえることだが、根には小さい白い虫「ネジラミ」(サボテンコナカイガラムシ)が発生することがあるので、植え替え時に、根に白い虫が付いていないかチェックする。

育て方のコツ

  • 臥牛を育てていたら葉先がとがってきた→日光が弱すぎるのが原因なのでもう少し日を当てる。残念ながら一度とがった葉は丸くはならない。
  • 葉の色が茶色っぽくなってきた→日光が強すぎる証拠、緑色に育てたい場合はもっと日差しの弱い所に置く。

コメント