目次
アエオニウム属の写真
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アエオニウム属(Aeonium)の特徴
科 | ベンケイソウ科 |
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属名 | アエオニウム属 |
生育型 | 冬型 |
育てやすさ | 育てやすい |
成長速度 | 普通 |
増やし方 | 挿し木 |
原産地 | カナリア諸島、マデイラ諸島、モロッコ、東アフリカ |
※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

アエオニウムは季節によって真っ黒や緑やクリーム色、紅葉など姿の移り変わりが楽しめる人気の種類です。夏は生育が止まり休眠状態に入り、秋から冬に育ちます。茎を切れば挿し木ができますし、切った親株からも脇芽が出て割と育てやすいです。長く育てていると直径が5~25cm、高さが25~100cmになることもあります。
育て方のコツ
- 年間を通して特に6月は通気をよく、雨ざらしは避ける
- 休眠期の6~9月は遮光して涼しく過ごさせる
- 夏の水やりはごく少量、秋冬春は乾いたらたっぷりと
- 冬3℃を切ったら室内か温室に
年間栽培カレンダー
生育期 | 3~5月と9~11月 |
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休眠期 | 7~8月 |
緩慢な時期 | 12~2月 |
水やり |
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置き場所 |
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植え替え |
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増やす |
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肥料 |
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開花 |
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主な種類名
黒法師 (クロホウシ) | Aeonium arboreum ‘Zwartkop’ |
夕映え (ユウバエ) | Aeonium ‘KEWEONIUM’ |
愛染錦 (アイゼンニシキ) | Aeonium domesticum f.variegata |
艶姿 (アデスガタ) | Aeonium undulatum |
小人の祭り (コビトノマツリ) | Aeonium sedifolium |
オーレア | Aeonium aurea |
サンデルシー | Aeonium saundersii |
ドドランタリス | Aeonium dodrantale |
ベロア | Aeonium ‘Velour’ |
まだら黒法師 (マダラクロホウシ) | Aeonium arboreum var. rubolineatum |
艶日傘 (ツヤヒガサ) | Aeonium arboreum ‘Luteovariegatum’ |
五月雨傘 (サミダレガサ) | Aeonium sp. |
光源氏 (ヒカルゲンジ) | Aeonium percarneum |
明鏡 (メイキョウ) | Aeonium tabuliforme |
姫明鏡(ヒメメイキョウ) | 不明 |
多肉植物の日本での栽培は自生地の環境と異なります。そのため日本の寒さや暑さに耐えられなくなると生育が鈍ったり成長が止まったりします。その時期のことを「休眠」といいます。時期は種類によって異なり、夏に休眠するタイプと冬に休眠するタイプがあります。休眠期は生育が鈍るので肥料や水やりを控え、挿し木や株分けなど株へ負担をかける作業を控えます。
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育て方のポイント
水やり
3~5月は土が乾いたら、およそ7日に1回ほど鉢底から流れ出るまでたっぷり水を与えます。休眠が近づくため6月からは10日に1回ほどに減らします。
7~8月は休眠期でほとんど水を吸わなくなるので、月に1回にとどめるか断水(一切与えない)を行います。9月から徐々に水やり回数を増やし、10~11月は土が乾いたら、およそ7日に1回程度鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。12~2月は生育期ではあるものの寒さが厳しい(5℃以下)と生育が鈍るため、土の乾きを見ながら月1~2回ほど与えます。
寒い時期は暖かい朝~昼に水をやり、暑い時期は涼しくなる夕方に水を与えて、蒸れや凍結のリスクを減らしましょう。また夏・冬は水分を控えることで耐寒性・耐暑性が上がります。冬、室内で育てる場合は徒長防止に水を控えめにします。
置き場
基本的に雨ざらしにせず、風通しのよいところで管理します。
季節ごとの具体的な置き場所は、3~5月は直射日光のあたる日なたに、6~8月は日差しが強すぎるので遮光するか明るい日陰におきます。9月から翌2月までは直射日光の当たるところに置いて大丈夫です。
基本は年間通して外で育てますが、氷点下になる日や寒冷地は3℃を下回らないよう、12~2月は室内か温室に取り込みます。室内で育てる場合は、直射日光が1日4時間以上当たるところで、エアコンなどの風が当たらない所を選びましょう。室内で育てるとどうしても日照不足になり徒長(ヒョロヒョロ)してしまうので、水やりを控え、できれば室温も15℃以下に保ちましょう。
耐暑性と最高気温・夏越しの方法
アエオニウムは涼しい気候が好きな多肉植物なので、夏の暑さ、特に蒸し暑さに弱いといわれます。しかし暑さが原因で葉が全部落ちてしまったり、腐ったりすることは少なくそれほど夏越しが大変という印象は受けません。
夏越し方法のコツは、直射日光にやられてしまうのを防ぐため、6~9月は50~70%遮光をします。遮光ネットをかけたり直射日光の当たらない明るい日陰に移動させたりします。直射日光下だと30℃も耐えられないですが、遮光しておけば(日陰なら)40~45℃を耐えます。暑さ対策で室内に入れる場合は、直射日光が最低4時間浴びられるところで風通しをよくします。
他の多肉植物に比べると蒸れたり腐りにくいものの、暑い日に水やりすると根が煮えてあっという間に枯れてしまうことがあります。水やりはしわがよるまで待つくらい、少なめにしたほうが安全です。
越冬最低温度と冬越し方法
アエオニウムは寒さにやや弱く最低越冬温度は3~5℃とされます。この気温を下回ると株が傷んだりせっかくの生育期なのに寒すぎると生育も鈍ってしまうので、できれば3℃を下回らないようにしましょう。
多肉植物は体の水分が少ないと耐寒性があがる性質があります。そのため寒さが厳しい間は、水やりは少なめにしておくのが安全で、うっかり0℃を下回ってしまった夜も、土と株が乾いていたら無事のこともあります。気温の低い夜、強い寒風に当たると枯れてしまうことがあります。
簡易ビニール温室は寒風を避けられるのである程度の寒さ対策効果がありますが、保温効果は非常に弱く庫内の温度は外と同じになってしまいます。簡易ビニール温室がない場合、プチプチシートや不織布シートで覆って寒風を避けましょう。
冬場に0℃を下回る寒冷地や寒波の時は室内に取り込みますが、最低半日、日の当たるところで15℃以下(理想は5~10℃程度)の室温が保てるところに置きたいものです。冬に暖かい室内で日光不足、過湿が重なると徒長してヒョロヒョロになってしまうので、大変ですができるだけ暖かい日は外に出すなど工夫しましょう。
増やし方
アエオニウムは挿し木、株分けで殖やすことが出来ますが、葉挿しは
できません。葉が分厚いものはできますが、薄いものは難しいです。
適期は生育期のうち気温が10℃~25℃の間です。10~12月、2~4月が適期で10℃を下回る真冬と30℃以上の夏は失敗しやすいです。作業開始が遅れて真夏や厳冬にずれないよう、季節が来たらすぐ繁殖作業を始めましょう。アエオニウムの繁殖難易度はやや難しく、やや根が出づらいです。そのため適期に行い成功率を上げましょう。
挿し芽の方法:
アエオニウムに一般的なのが「さし芽」でさし芽は挿し木ともいい、枝を切り取ってそこから増やすことです。やり方は親株の茎を適当な長さで切り取り、少し湿った土に挿します。1~2週間は明るい日陰で管理し、直射日光には当てないようにします。切り取った親株からは、2ヶ月後くらいに脇芽が吹くため親株も捨てずに育てましょう。
植え替え
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植え替えをするとその後の生育がよくなるので、植え替えのベストな時期は生育期前です。休眠期の作業は控えます。植え替え時は根へのダメージを減らすため、4~5日水やりを控えて土を乾燥させておきます。
株を鉢から抜き出したら枯れた下葉や茶色く枯れている根などを取り除きます。白い根は生きているので大事にします。根を切っているので株は数日乾かして、それから植え直し、植えて4~5日たったら水やりを再開します。
植え替え作業は一見不要な作業に思われますが、健康に生育するためにはとても重要で、古い土を新しくする、土に空気を混ぜ込む、根の整理をする、害虫を見つけるなどの役割があります。アエオニウムはそれほど繁殖が旺盛ではないので、3号鉢(口径9cm)までは年に1回ほどでよいです。
土と鉢
土は市販の多肉植物・サボテン用の土を用意するか、自分で混ぜ合わせて作ります。土選びのポイントは、排水性がよいこと、通気性がよいこと、できれば肥料が入っていないことです。逆に普通の園芸土のように保水性が高いもの、通気があまりよくないものはアエオニウムにはそのままでは使えません。
自分で作る場合は、赤玉土や鹿沼土、改良用土(バーミキュライトやピートモス)などを混ぜ合わせて作ります。ポイントはなるべく4種類以上の土を使うことです。土には酸性度や通気性などそれぞれ特徴があるので、バランスを整えるためには1種類より複数種類のほうがよいです。
(例)赤玉土1:腐葉土1:鹿沼土1
(例)赤玉土3:ピートモス3:ボラ土2:鹿沼土1:川砂1:くん炭1
鉢はその苗にちょうど良い大きさのものに植えましょう。大きすぎる鉢は底に水が滞りやすく根腐れや通気不足の原因になってしまいます。
鉢はプラスチック鉢と陶器の鉢がありますが、それぞれ性質が大きく違い、水はけ、水やり頻度や株の育ち方に差が出ます。陶器の鉢はやや難しいので、初めて育てる場合は管理しやすい小型のプラスチック鉢(プレステラ90など)がおすすめです。
肥料
アエオニウムは基本的には肥料をやらなくても育ちます。しかし赤玉土やピートモスなど無機質な土を使っていることもあって、肥料や微量要素が不足してくることがあります。そのような場合は肥料として補う必要があります。
肥料を与える場合は、4~5月と9~10月に薄めた液肥を月1回程度与えるか、または植え替え時に土に細粒の緩効性肥料を混ぜ込んでおくとよいです。アエオニウムはもともと肥沃でない土で育ちます。不足よりむしろ肥料のやりすぎが心配され、徒長や肥料焼けなどの副作用を起こすため、普通の草花の半分程度に抑えておいたほうが安全です。
病害虫
多肉植物の中では病害虫に強いですが、高温時期に雨ざらしにすると軟腐病を起こすことがあります。真夏の水やりでは根腐れを起こしてしまうこともあります。カビ病(うどんこ病やさび病など)はかかりにくいようです。
また害虫ではアエオニウムは乾燥させて育てているためか、葉の付け根にワタムシが付きやすいです。そのため時々チェックして発見したらつまみ出したあと、殺虫剤を撒いておきましょう。
アエオニウムによくあるトラブル
- 黒っぽさやピンクの紅葉が薄くなってきた・・・日光不足のサインなのでもう少し日に当ててみましょう。
- 葉と葉の間隔がのびて長くなった・・・水のやり過ぎや日光不足のサインなので、水を控え日に当ててみましょう。
- 下の方の葉がカリカリ枯れて落ちていく・・・これはアエオニウムの生理現象で問題ありません。カビの原因にならないよう、枯れた葉は取り除いておくとよいです。
- 冬が近づいてくると黒法師などの葉が伸びて乱れてくる・・・これもアエオニウムの正常な姿なのでまた春になると葉と葉の間が締まってきます。
アエオニウムの追記写真
- 年間を通して特に6月は通気をよく、雨ざらしは避ける
- 休眠期の6~9月は遮光して涼しく過ごさせる
- 夏の水やりはごく少量、秋冬春は乾いたらたっぷりと
- 冬3℃を切ったら室内か温室に
- 冬の徒長対策に日当たりを心がける
- 夏の暑さや多湿が苦手で乾燥には強い
- 大型に木立するものが多く数年かけて育て甲斐がある
- 季節で紅葉や斑の色など葉の色が鮮やかに変わるので楽しめる
- 花が咲いたらその株は枯れてしまう点に注意
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