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リプサリス属(Rhipsalis)の特徴と育て方

リプサリス属の写真

リプサリス メセンブリアンテモイデスメセンブリアンテモイデス
リプサリス バクシフェラバクシフェラ リプサリス メセンブリアンテモイデスメセンブリアンテモイデス リプサリス テレステレス
リプサリス セレウスクラセレウスクラ リプサリス セレウスクラの花セレウスクラの花

※2段目以降はWikipediaより引用

リプサリス属(Rhipsalis)の特徴

サボテン科
リプサリス属(Rhipsalis)
生育型 夏型
育てやすさ 普通
成長速度 普通
殖やし方 挿し木
原産地 北米~南米

※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

リプサリス属はこんなサボテン
リプサリス属とは
北米からメキシコ、ペルーなどが原産の森林性サボテンと呼ばれる、通常のサボテンとは異なる特徴を持つサボテン科の多肉植物です。南米の森林(熱帯雨林)に生えており、樹木や岩などに着生して育ちます。ただ熱帯雨林でも風通しはよく、室内のような無風の環境とは異なります。

特徴
葉や棘のないサボテンで、通常小型で垂れ下がって育ちます。普通のサボテンのように直立して上に伸びることはほとんどありません。そのためハンギングバスケットなどに植えて育てると下に枝をのばしていきます。非常に細い紐のような形状のものもありますが、平べったく太い茎のものもあります。春先に白や黄色の1cm程度の花を咲かせ、その後に球状の実をつけます。

ハティオラ属との違いは
ハティオラ属も同じ着生植物ですが、特徴が異なり別の属に分類されています。いくつかの種類は猿恋葦(サルコイアシ)と似ていますが、リプサリス属は刺座(茎の節目、棘が退化した部分)につける点が異なります。

育て方
生育型は夏型で春、夏、秋によく生育し、冬に休眠します。原生地では、木の陰に育っていることから、他のサボテンより弱い光が適しています。また根腐れを起こしやすいので、土が乾いてから水やりをするようにします。特に気温が低くなってからは土が乾かなくなるので、秋から冬の水やりのしすぎに注意が必要です。他の植物や岩などに生える着生植物ですが、家庭栽培ではもちろん土に植えて育てて問題ありません。

育て方のコツ

  • 年間を通して弱い日光で育てる(遮光下に置く)
  • 春から夏、秋にかけては土が乾いたらたっぷり水を与える
  • 冬は5℃を切ったら室内に入れる
  • 12~2月の休眠期は月1回程度の水やりに控える

年間栽培カレンダー

生育型 夏型
生育期 4~7月と9~11月
休眠期 12~2月
緩慢な時期 3月、8月
水やり
  • 4~6月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)
  • 7~8月は4~6月よりやや控えめにする
  • 9~11月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)
  • 12~2月は表面を濡らす程度を月に1~2回程度
置き場所
  • 年間を通して雨の当たらない風通しのよい所に
  • 4~5月は20%程度遮光シートをかける
  • 6~9月は明るい日陰(50%遮光)に移動する
  • 10~11月は20%程度遮光シートをかける
  • 12~2月は雨の当たらない屋外、5℃以下の場合は日当たりの良い窓辺に
植え替え
  • 4~5月頃が適期
殖やす
  • 4~5月頃に挿し木、または種まき
肥料
  • 植え付け時に緩効性肥料、4~7月頃、9~10月頃に月1回液肥を与える
開花
  • 4~7月頃

主な種類名

メセンブリアンテモイデス Rhipsalis mesembryanthemoides
テレス Rhipsalis teres
バクシフェラ Rhipsalis baccifera
セレウスクラ Rhipsalis cereuscula
ペンタプテラ Rhipsalis pentaptera
トリゴナ Rhipsalis trigona
カスッサ Rhipsalis cassutha
カピリフォルミス Rhipsalis capilliformis

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育て方のポイント

水やり

水やりリプサリスはサボテン科の多肉植物ですが、熱帯雨林に生えておりカラカラに乾燥させるのは苦手です。またサボテンの中では水やりが多く必要なほうです。といっても過湿(蒸れ)には弱いので、普通の植物のように毎日たっぷり与えるとあっという間に根腐れしてしまいます。

そこで土が乾いたら数日たってから水を与えるようにします。他のサボテンのようにカラカラになるまで放置すると干からびてしまう心配があるので、春から夏、秋にかけての生育期にはしっかりと水やりが必要です。

具体的な目安は4~6月は土が乾いたら鉢底から流れるまで、1週間に1回程度が目安です。ただし7~8月は日本の猛暑により若干生育が鈍くなるため、4~6月よりやや控えめにしましょう。再び生育期の9~11月は、土が乾いたら鉢底から流れるまで1週間に1回程度与えますが、11月からは徐々に減らしていきます。休眠中の12~2月は表面を濡らす程度を月に1~2回程度にとどめます。

冬は10℃を保ってもほとんど水を吸わなくなるので、水やりが極端に少なくなりますが、そうなると乾燥が心配です。しおれてみえるようであれば適宜、霧吹きで茎に水を与える「葉水」を行いましょう。

水やりのコツ
水やりには季節ごとのタイミングがあります。根が高温でだめにならないよう、真夏は夕方など涼しい時間帯に行います。逆に冬場は根が凍らないよう、暖かい昼頃に行います。

また小さめの苗は乾燥に弱いので、大株よりこまめな水やりが必要になります。特にタネを蒔いて育てている「実生株」は極度に乾燥に弱いので、土が乾いたら少量ずつをすぐに与えます。

置き場

置き場リプサリス属は熱帯雨林の影になったようなところに育っているため、直射日光には弱いです。そのため真冬以外は遮光(日よけ)が必要です。通常のサボテンは直射日光下に置くことが多いので、この点は気をつけましょう。また、雨ざらしにはしないほうが安全です。

具体的な置き場は、4~5月は20%~30%程度の遮光シートをかけて日差しを和らげます。6~9月はますます強い日差しなので、明るい日陰に移動させるか、シルバーや黒色の50%遮光ネットなどをかけます。10~11月は20%~30%程度の遮光シートに張り替えます。12~2月は遮光の必要はありませんが、5℃以下の場合は日当たりの良い窓辺に取り込みましょう。

風通しも大切
また置き場所は風通しをよくすることがとても大切です。耐陰性があり、日差しの強さ的には室内でも育てられるのですが、室内は無風なので蒸れる心配があります。できるだけ戸外で育てるようにしましょう。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

夏越し耐暑性は普通です。サボテンというと暑さに強い印象ですが、リプサリスの適温は15~30℃で、35℃を超える猛暑では生育が鈍くなります。実際にメセンブリアンテモイデスを育ててみたところ、遮光ネットを張った環境(日陰になる)だと40℃を耐えています。しかし直射日光があたる所では30℃も厳しいでしょう。

強い日差しに当たると葉ヤケというヤケドを起こすので、夏はくれぐれも直射日光に当てないようにしましょう。

夏は日差しの弱いガラス越しの室内でも、直射日光があたると日焼けします。そのため室内に置く場合でもレース越しにしたほうがよいです。

越冬最低温度と冬越し方法

冬越し耐寒性は弱いほうで、冬でも最低温度を5℃以上保つことが推奨されます。そのため日本のほとんどの地域では、冬に室内に取り込む必要があります。

冬室内で育てる時の注意点は、暖房のかけすぎと日光不足です。冬は月1回程度しか水をやらないため、苗が乾きがちです。そこに乾燥した暖房の空気がかかると、しなしなになってしまうことがあります。葉水を与えるか、暖房の風の当たらないところに置きます。室温も20℃を超えないようにします。

また冬はもともと日差しが弱く、室内では日光不足になることがあります。できるだけ窓辺に置いて、直射日光が当たるようにしましょう。

増やし方

殖やし方リプサリスは株分け、さし芽(挿し木)、種まきで増やすことができます。葉挿しはできません。繁殖には適切な時期があり、リプサリスの場合、4~6月頃の生育期です。真夏や冬は根が出にくく失敗しやすいので、できれば4~6月、または9~10月に行います。

挿し芽の方法:

挿し木は、切り取った枝から増やす方法です。

挿し木をする場合は、元気な親株から茎を5~10cm程度切り取り、乾いた用土に挿します。土が湿っている場合は茎を3~4日乾かしてから挿します。発根までは時間がかかるので、土にさして10日程度たったら少量の水を与えます。1ヶ月経ってしっかり根付いたら徐々に通常の水やり量に戻していきます。

株分けの方法:

株分けは株元から生えてきた子株を別に植え付けて増やす方法です。

株分けをする場合は、子株がある程度大きくなってから根をつけて親株から切り離します。まだ発根していない場合は挿し木と同じ方法で育てます。根をつけて分けた株は植え付けてからすぐ水やりして構いません。

種まきの方法:

春に花を咲かせると、その後実を付け、中から種を採ることができます。種を採ったら種まきでも増やすことができます。

種まきのやり方はやや手間がかかるのですが、清潔な新品の土を使い、種をまいた鉢を水をはった容器に浸して底面給水させる形で行います。詳細はサボテンの種まきのページで解説しています。

サボテンの種まき方法

植え替え

植え替えは、鉢植えしている植物を掘り上げて根を整理し、土を新しく更新することをいいます。全ての鉢植えの植物は健康的に育てていくために、定期的な植え替え作業が必要です。

リプサリスはサボテンの中では比較的生長が速いので、1年に1回の植え替えが必要です。植え替えにも適切な時期があり、生育期の始まり頃(4~6月頃)です。

手順
植え替えをする場合、前3~4日程度は水やりをせず土を乾燥させておきます。株を抜き出して丁寧に土をほぐし、根がパンパンになっていれば先のほうを3分の1程度切り落とします。枯れた茶色い根も切り捨てます。そして新しい土を用意し、一回り(鉢の直径が2cm程度大きい)鉢に植え付けます。植え替え後は3~4日経ってから水やりを行いましょう。

土と鉢

土リプサリスは腐植土のような土に自生しているため、他のサボテンとはやや異なる土を好みます。そこで通常のサボテン用土にピートモスや腐葉土などを多めに入れます。もし腐葉土やピートモスが手元にない場合は、多肉植物用の土に植えて、水やりの量をやや増やす方法で対処するのもOKです。

もちろん他のサボテン・多肉植物と同じく、水はけ・通気性がよく、適度に保水性があることが大切で、通常の花や野菜を育てる土などは不向きです。普通の植物用の土は水はけが悪く、根腐れしてしまうおそれがあります。

鉢の種類
鉢はプラスチックの鉢や陶器の鉢がありますが、陶器の鉢は水が乾きやすく乾くときに根を冷やしてしまうため、プラスチックの鉢が適しています。プラスチックの鉢は細かい穴が空いておらず適度に保水性があり、土がカラカラに乾くのを嫌うリプサリスに向いています。

肥料

肥料サボテンは通常の植物より生育が遅く、それほど肥料を必要としません。しかしリプサリスはサボテンの中では生長が速いほうなので、生育期に施肥します。

生育期の4~7月と9~10月は月1回程度液肥を与えましょう。または春の植え替え時期に土に緩効性の化成肥料を混ぜて元肥としてもよいです。

鉢で栽培するときは庭植えと異なり自然界から肥料分が補われず、また水やりでどんどん流れ出てしまいます。そのためサボテンといえども肥料が必要になります。

病害虫

病害虫病害虫の心配はほとんどありません。しかし乾燥気味に育てるためハダニがついたり、カイガラムシが吸汁する場合があります。水が苦手なハダニは、葉水で予防することもできますが、大量に付いてしまったら殺ダニ剤と呼ばれる、専用の農薬を使う必要があります。

カイガラムシは通常の殺虫剤が効きますが、多く発生している場合は、その部分を切り落とします。

その他、生理障害(病気ではありません)である葉ヤケや根腐れに気をつけましょう。

属ごと(サボテン科)
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