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フリチア「光玉(プルケラ)」の実生!種まき実践記録

メセン類の一つであるフリチア属「光玉」(コウギョク)プルケラを実際に種から育ててみた実生実践記録です。これまでメセン類ではリトープスやコノフィツムなどの実生をしたことがあるのですが、フリチア属は初めてです。できるだけ成功させるようにがんばりますので、よろしくお願いします。

光玉とは

フリチア属は「光玉」学名Fritthia pulchlaの一属一種の多肉植物です。珍しく夏型のメセン類で春から秋にかけて元気に生育し6~7月頃紫色の花を咲かせます。増やし方は株分けまたは種まきです。

フリチア属「光玉」はフェネストラリア属の五十鈴玉・群玉と似ていますが、これらは冬型のメセン類で生育も性質も異なります。

成株の育て方は以下のページで解説しています。

フリチア属(Frithia)光玉の特徴と種類・育て方
このページでは、多肉植物「フリチア属」について育て方の基礎や種類を丁寧に解説しています。

実生(種まき)で大切なポイント

フリチア光玉の実生にあたっては、以下のようなポイントが大切になります。基本はリトープスやコノフィツムの実生のコツと変わりませんので、リトープスやコノフィツムなどを種まきから育てている場合は、それと同じように扱えば問題ありません。ただし時期は異なりますので、その点は気をつけましょう。

  • 親株(成株・充分大きくなった株)とは異なる育て方をする
  • 堆肥や有機肥料はカビの原因になるため使わない
  • 使い回しではなく新品の用土を使う
  • 土は熱湯消毒してから使う
  • 移動しても土が崩れない硬質ポットを使う
  • 細かめで根が張りやすい用土にする
  • 直射日光下ではなく半日陰で管理する
  • 発芽までは100%近い湿度と湿った環境が必要なこと(蓋がいる)
  • 1~2ヶ月程度は水を切らさないようにする
  • 覆土はしない
  • フリチアの種まきは3~5月か9~10月に行う

種まきから1~2年以内の育て方
種まきから育てて1~2年経過するまでは、成株とは全く異なる育て方をします。

フリチアは冬の休眠期にはほぼ水をやらず生育期に水を与える方法をとりますが、種から育てていてまだ小さい小苗・幼苗は水切れに非常に弱いので、休眠期も断水させません。少しずつの水をこまめに与えます。フリチアは夏型多肉植物で冬場断水するのが普通ですが、種まき1~2年以内は時々水を与えます。

有機肥料は厳禁
種まきで使う土は肥料分がない土かごく少ない土にします。特に堆肥やぼかし肥料などの有機肥料は大量のカビが生える恐れがあるので絶対に使わないようにします。また発芽するまでの期間などは絶対に肥料を与えません。発芽から数ヶ月たったら徐々に緩効性化成肥料を与えるのはOKです。

清潔な用土
用土は新品で清潔なものを使います。他の株を植えていたものや庭の土、病気が出た土、虫の卵や雑草の種などが混入している恐れのあるものは使いません。

土は熱湯で殺菌してから使う
実生では新品の清潔な用土を使いますが、念のため熱湯消毒してから使うようにします。

硬質ポット
種まきするポットはなんでもよいのですが、移動が多いのでできれば持ち上げたときに形の変わらない硬質ポットが適しています。プレステラというプラスチック鉢を使う方が多いようです。

小粒で無肥の土
種は小さく根も弱いので使用する土は小粒の土が適しています。ゴロゴロと大きな土の塊だと根が伸びづらいです。また肥料分のあるものはカビや藻の原因になるので適しておらず、バーミキュライト単体や赤玉土、日向土単体などの土を用います。市販のさし芽用土でもよいですが、無肥のものを選びます。

遮光するか半日陰
また発芽したての芽は直射日光に弱いので、50%遮光下か半日陰に置きます。

高い湿度が必要
発芽までは土を充分に湿った状態にする必要があります。そのためラップなどで覆いをかけて高湿度にします。そして特に種まき直後から2ヶ月以内は水を切らさないように注意します。

フリチア種まきに適切な時期
種まきは3~5月または9~10月に行います。

種まき(実生)に必要なもの

フリチアの種まきではこれといった正しいやり方はなく、人それぞれやり方は異なり必要なものも変わってきます。ここでは、当サイトの実生でよく行っている方法をフリチアにも当てはめて実践してみました。

用意するもの

  1. 種をまく鉢
  2. 鉢をすっぽりいれられる容器
  3. 細かい種まき用の土
  4. カビ防止用の殺菌剤(ベンレート)
  5. ラップ
  6. 土の消毒用の湯1L以上
  7. 霧吹き

その他、土を混ぜるための「丈夫で透明な袋」、お湯を注ぐ「オタマ」、ベンレートを水に混ぜるための「空きペットボトル」などが必要です。

鉢の用意

このページでは誰もが入手しやすく安価な器具として、1番の種を蒔く鉢には「プレステラ90」というプラスチック鉢を、2番の鉢をすっぽりいれられる容器にはペットボトルの空き容器を準備しました。今回土の消毒は行い、プレステラに土をいれてそこにお湯をかける方法をとりました。※プレステラは直接お湯を注いでも溶けません。(実験済み)

土の種類と配合

土は様々な意見があり、赤玉土を単用する方や、市販のさし芽・種まきの土を使う方、色々な種類を混ぜてこだわる方などさまざまで、これといった正解はないようです。ただ共通するのは、肥料は入れないということです。

また種のサイズに合わせて土の配合も変わります。

フリチアの種まき

このような配合にしたのは、底の土は水はけをよくし、中間では根がしっかり張れるように細かめの土にし、上部では根が潜り込みやすいように細粒の土を入れた方がよいのではないかと考えたためです。

3パターンを用意し、どちらが根張りがよく大きく育つか実験も兼ねています。

自家メセン用土
自分で配合した土です。細粒~小粒の赤玉土・日向土・バーミキュライト・パーライト・ピートモスを1:1:1:1:4で入れたものです。通常の培養土よりピートモスが多く軽くてフカフカしているのが特徴です。

花ごころ さぼてん多肉植物の土
市販の土です。軽石・バーミキュライト・ゼオライトの細粒でできており肥料分が入っていないものです。「自家メセン用土」より細かいです。ゼオライト配合で水を腐りにくくさせる点を重視しました。

花ごころ さし芽・種まき用土
市販の土です。バーミキュライト・パーライト・ピートモス・鹿沼土が入っており肥料分が入っていないものです。粒の大きさは花ごころさぼてん多肉植物の土と同じくらいですが、ピートモスと鹿沼土が入っていてふわふわとやわらかいのが特徴です。

費用と入手先の参考


種をまく鉢 鉢をすっぽりいれられる容器 カビ防止の殺菌剤
プレステラ 実生プレステラ90
1個30円
メルカリ
実生空き容器
家にあったもの
実生ベンレート
ホームセンター
0.5g 10袋 800円
細かい種まき用の土 通常の培養土 市販の細かい土
実生 道具花ごころのさし芽・種まき用の土
2L 300円程度
実生自家メセン用土
赤玉土・日向土・バーミキュライト・パーライト・ピートモスを1:1:1:1:4で配合したもの
実生 道具花ごころのさぼてん多肉植物の土
2L 260円程度
殺菌剤スプレー 消毒用の湯1L~ スコップ
実生 道具ベンレート液スプレー
1,000倍に薄めたベンレート水を入れたもの
実生鍋で沸騰させたお湯1L程度
自宅
-円
実生 道具土入れスコップ
大小で300円程度

種をまく鉢は土をいれてフリチア(光玉)の種を蒔きます。そして鉢をすっぽり入れられる一回り大きないれものに水を張って、種まきした鉢を浸けます。これを腰水といいます。腰水については別ページで解説しています。

腰水とは

ベンレートは殺菌剤でカビ防止に使います。粉状なので水に溶いて種を消毒したり、腰水の水にも使用します。

フリチアの種はどこで入手する?

フリチアの種子はネット通販で購入することなります。自分で親株を育てており自家採取できるならそれが一番よいですが、それができない方はヤフーショッピングやヤフオク、メルカリなどで入手します。

また大量に種を購入する場合は、ケーレスなど直接海外のサイトから購入する方法もあります。ただこの場合検疫の費用がかかるため、少量なら多少割高でも国内の販売業者から購入した方が安くなります。

種の購入は信頼がおける販売者を選ぶことが大切です。メルカリなどで種子を採った親株の写真も載っており、交配種が正確に分かり、採取した年月が分かるものが一番安心です。

なお、管理人の場合はメルカリで出品者が自家採取されたものを購入しました。

ヤフーショッピングの多肉植物種子の専門店
多肉植物ワールド
プラントブラザーズ
seed stock

フリチアの種まきの実践

時期

フリチアは春蒔きと秋まきができるのですが、今回は春蒔きで気温が20℃程度(最高25℃、最低15℃程度)の4月に蒔くことにしました。

事前準備

種蒔き用のプラスチック鉢「プレステラ90」に挿すラベルを準備します。他に色々タネを蒔いた場合、どの鉢がなんの種類か分からなくなってしまうので、何らかの方法で区別できるようにしておきましょう。

実生 道具

腰水(底面吸水)用の容器は家にあったプラスチックの箱です。

カビや腐敗、雑菌防止のため、器具や鉢や鉢を入れる容器など、洗えるものは全て洗いましょう。鉢は前に何か植わっていたものの流用ではなく、新品のものを使うのが望ましいです。

土を鉢に入れて消毒する

土の消毒方法はいくつかありますが、プレステラに土をいれて上からお湯をかける、レンジ対応容器などに土をいれて湯気が出るまで加熱する、などのいずれかを行った後に殺菌剤であるベンレート1,000倍溶液を使って消毒します。

今回は、先ほどのように3通りに分けて土を準備しました。

まず底と中間に土を入れ、最後に上層の土を入れ、表土には薄く種まきさし芽用土を敷きます。

実生

充分にお湯を注ぎます。土の構造が壊れてしまわないよう、ゆっくり丁寧にお湯を注ぎます。鍋で沸かしたお湯をオタマで注いで消毒します。湯気がでるまで何度も注ぎましょう。湯気が出て充分消毒できたら、底面吸水用のいれものに鉢を浸けて、ベンレート水をかけます

実生
ベンレート0.5gを500mlの水で薄めます。(1,000倍)

アガベ 笹の雪 実生

ベンレート1,000倍溶液は土に水代わりに土にかけてよく、また鉢をつけるための腰水の水にそのまま使ってOKです。

腰水のやり方
鉢が1~1.5cmくらい水に浸かるようにすればOKです。

タネを蒔く

土が冷えたのを確認してから、種を蒔きます。熱湯消毒後はかなり長い時間熱を持つので土は充分に冷やします。

フリチアのタネは非常に小さくベンレート水などに浸したりできないので、そのまま蒔き、その上からベンレート水を吹きかけました。

フリチアの種まき

1つの鉢に何十個も蒔く方もいますが、後々植え替えが大変になるので、ある程度間隔を空けて蒔くほうが良いと思います。今回はプレステラ1個におよそ10粒ずつに分けて蒔きました。

覆土は行いません。また湿度を保つため種まき後はラップでおおいをしました。

発芽までの日数は

発芽までの日数は早く、初の発芽が播種6日目、10日程度で半分が発芽、2週間でほぼ全部が発芽しました。

置き場所(遮光環境)と水やり(腰水)

ラップをして穴をプチプチあける、霧吹きするなど始終土がしっとり濡れている状態にします。上から水をじゃぶじゃぶ掛けるとタネが流れてしまうので、腰水(底面吸水)を行います

鉢は半日陰に置き、発芽後も半日陰(50%遮光)に置きます。種まきした苗は直射日光に弱く、決してすぐ無遮光の環境(完全な日なた)に出さないようにしましょう。

実生 道具
通常はこのような環境に置きます。(半日陰・50%~70%遮光)

今回の実践では、室内の人工照明下(植物育成ライト)で栽培を行い、風通し対策としてミニ扇風機で風を送っています。

フリチアの実生

植物育成ライトを使わない室内では、日光不足なのでひょろひょろになってしまい栽培不可能です。また風通しをよくしないと高確率でカビが生えます。

発芽が揃ったら徐々にラップや蓋を外し外気にさらすようにします。

始終水を張った容器に鉢を浸ける(腰水)のは1~2ヶ月で終了します。その後の水やりは、土が半分ぐらい乾いたら鉢を水に浸けて充分に水を吸わせる方法をとります。

3ヶ月以上たったら苗もしっかりしてくるので、上からの水やりに切り替えます。

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フリチア属「光玉」の実践記録

1ヶ月目(4月)の様子

4/21に30粒播種しました。

4/27、一つ目が発芽しました。
4/30、計9個が発芽しました。
5/1、計13個が発芽しました。
5/4、計19個が発芽しました。
5/6、計27個が発芽しました。

フリチアの実生

フリチアの実生

これは5/7(種まきから17日目に撮影した光玉の様子です。ごく細かい芽が出ていることが分かります)

2ヶ月目(5月)の様子

5/18、発芽率はほぼ100%のようです。芽は順調に大きくなってきています。写真でも見やすくなっていることが分かります。芽が小さいのでまだ腰水は続けています。植物育成LEDライトを使っているのでまんべんなく日が当たり、徒長していません。またミニ扇風機で0:00~9:00まで送風をしています。カビが生えないとよいのですが・・・

フリチア 種まき1ヶ月目

これは5/18(種まきから28日目)の写真です。

3ヶ月目(6月)の様子

6/1付け、以降1ヶ月ごとの観察記録となります。

5月末頃から、フリチアの最初の発芽した葉の中から本葉らしきものが出てきました。位置は最初の芽の真ん中からニョキッと出てくるようです。こん棒状の葉なので、1本ずつ出てくるのかもしれません。

最初室内で植物育成ライトで栽培していましたが、通風対策をしていてもどうしてもカビが生えてきてしまう兆候があったので、5月下旬から戸外での栽培に切り替えました。その後、実際にカビが生えてきたため、5/31にスプーンで除去し、再度オーソサイドのスプレーを行いました。

戸外は簡易ビニール温室の前の列で直射日光が当たらず明るい日陰程度の場所です。場所としてはパキポディウムやアデニウムなどの幼苗と同じ列に置いています。

環境は最高気温が28℃、最低気温が20℃程度で快晴が続き、雨がほとんど降りません。

まだ腰水で管理しており、腰水の水深は3mm程度を維持しています。一度腰水をカラカラにして鉢がだいぶ乾いてしまったことがあったのですが、枯れなかったのでそろそろやめても良い時期が来ているかもしれません。

以下は2022/6/1に撮影したフリチア光玉の写真です。


拡大図

4ヶ月目(7月)の様子

7/1付け、今年は20日早く梅雨が明け、既に猛暑の日々となっています。(最高気温33~35℃、最低気温28℃程度)、雨もあまり降りません。

フリチアは本葉が1枚出てそれが長くなってきたところですが、まだまだ極小の苗で水切れさせないようにしているため、蒸れないかかなり心配な所です。

水やりは腰水管理ですが、10日に1回水深1cmくらい水を張って全部吸収し、常時びちゃびちゃしない状態です。

置き場所は直射日光の当たらない明るい所で、8,000lxぐらい、簡易ビニール温室の最下段の前列に並べています。直射日光が当たる環境の方は、60%以上の遮光ネットを張ったほうがよいと思います。(実際に7月末からそうします。)

10日に1回程度水を注ぐ以外は、特に作業もなく、ひたすら大きくなるのを待っています。

以下は2022/7/1のフリチアの様子です。
フリチア 光玉の実生4ヶ月目

フリチア 光玉の実生4ヶ月目

フリチア 光玉の実生4ヶ月目

フリチア 光玉の実生4ヶ月目

フリチア 光玉の実生4ヶ月目
拡大写真

5ヶ月目(8月)の様子

フリチアの種まきから5ヶ月目に入りました。

連日36℃が続くいつにない猛暑ですが、フリチアは元気に生育を続けています。

こん棒のような葉が3本出てきたものもあり、だんだんとフリチアらしい姿になってきました。思えばフリチアは夏型のメセン類、今が一番生育の盛りなのかもしれません。形がそっくりですが冬型のフェネストラリアは生育が止まっています。

育て方はほとんど7月と変わりません。土はカラカラに乾かさないように10日に一度ほど腰水で与えています。表土まで乾いてしまったらすぐに腰水するという感じです。

簡易ビニール温室にも日が差し込むようになってきたので前面に遮光ネットを張りました。そのため半日陰程度の日差しになっています。

以下は2022/8/11のフリチアの写真です。

6ヶ月目(9月)の様子

フリチアの種まきから6ヶ月目に入りました。

連日の36℃の猛暑も全然平気といった感じで、成長スピードが早く、こん棒のような葉が1枚、2枚と増えていきます。9月に入り最高気温が30℃程度と大分暑さが落ち着いてきました。これから夏型のフリチアは生育が少しずつ鈍っていくのでしょうか?

育て方、環境は特に変えていません。水やりだけは乾いて鉢が軽くなったら、底面吸水でしっかり行っています。9月になれば60%遮光ネットをかけた環境に置いてよいようです。

フリチアは成長に個体差が大きく、大きなものは葉が4枚程度、小さなものは1枚程度しか出ていません。また苗が倒れ気味でやや水のやり過ぎか日光不足で徒長気味かもしれません。

以下は2022/9/5のフリチアの写真です。

7ヶ月目(10月)の様子

半年を過ぎて葉のサイズも大きくなってきて、半透明の窓らしきものが葉先にみられるようになりました。ゆっくりですが、成長している証です。

苗が倒れるのが気になっていますが、このサイズでは植え替えも困難と思われ、これから冬に休眠期に向かうため来年の春までこのままでいくことなりそうです。

成長しないものとするものが分かれてきました。いつまでたっても成長しないものは双葉で止まっており、シイナではないですが、何か問題がある種だったのかもしれません。

メセンの種まきは、バラ蒔きせず爪楊枝で1個ずつ等間隔に植えること、それと必要な苗の量より多めに植えることが大切だと感じます。

育て方は9月と変わらず、10日に1回ほどジョウロで上からの水やりを行い、最近では土がカラカラに乾く時間も作るようにしています。環境は60%遮光ネット下でそれほど気を遣わないで育てています。

以下は2022/10/1のフリチアの写真です。

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