目次
チランジアの写真
キセログラフィカ | スカポーサ(コルビー) | ハリシー |
アンドレアナ | フックシー | イオナンタ |
ブッチー | ジュンシフォリア | ベルゲリー |
ブラキカウロス | ベリッキアーナ | コットンキャンディー |
カピタータ | テクトラム | カプトメデューサエ |
ベルティナ | ウスネオイデス(中太葉) |
チランジア属(Tillandsia)の特徴
科 | ブロメリア科(パイナップル科) |
属 | チランジア属(Tillandsia)※ハナアナナス属 |
生育型 | 夏型 |
育てやすさ | 育てやすい~やや難しい |
成長速度 | 種類による |
増やし方 | 主に株分け、実生(種まき) |
原産地 | アメリカ中西部~南米 |
※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い
チランジア(エアプランツ)の自生地と生態
チランジア(ティランジア)はアメリカからブラジルなど南米の広い範囲に自生している多肉植物です。生育環境は標高4,000メートルの冷涼な場所から、低地の直射日光が照りつけ40℃にもなる場所、森林地帯の木陰のほとんど日の当たらない所などさまざまですが、風通しがよいことは共通しています。
茎を持たないものが多く、茎があるものでも短いです。形は長細いものから、ロゼットを形成するもの、くねったものなど様々で、大小も1cmのものから1メートルを超えるものまで色々です。葉に水分を溜め込むものや、タンクと呼ばれる株元の膨らみに水を蓄えるものがあります。着生植物のひとつで、樹木から垂れ下がったり、樹幹に着生したり、電線や電柱に着生したり、はたまた地上を転がって棲息するものもあります。
水やりが要らない?
エアープランツという名前から間違いやすいですが、決して水やりがいらない植物ではありません。正しくは土のいらない植物です。根が出てくる場合もありますが、根は主に体を固定する役割を持ちます。自生地では夜に霧が発生し、それを葉から吸収することで水分を摂取しています。しかし日本では空気中の水分が足りずそのままでは生きていくことができません。そのため霧吹きなどで水を与える必要があります。日本で育てる時は、夕方から夜間にかけて霧吹き(葉水)やソーキング(水に浸す)を行いますが、自生地の環境になるべく近づけるためです。
育てる上でのポイント
栽培する上で大切なことは、適切な水やり、風通し、そして日光です。生育期には毎日霧吹きするなど水を欠かさず、そして風通しをよくし水やりの後は特に蒸れに注意します。無風の環境では腐りやすくなります。そして適宜遮光ネットなどで日照を調節し、強すぎず暗すぎない明るさの環境を作ります。また高温多湿や冬の寒さが苦手なので、温度管理も大切になってきます。
銀葉種・緑葉種とは
エアプランツには、大きく分けて銀葉種(ぎんようしゅ)と緑葉種(りょくようしゅ)の2グループがあります。銀葉種はトリコームと呼ばれる白い鱗片(りんぺん)を多数もつタイプで、緑葉種より乾燥や日光に強いです。緑葉種はトリコームが少ないタイプのエアプランツで、銀葉種より強い日光に弱く乾燥にも弱い性質を持ちます。
トリコーム(trichome)
トリコームは水分や養分を取り込む機能を持つ器官です。形や大きさは種類によって異なり、テクトラムのように毛の形をした長いものもあれば、イオナンタのようにお椀状になっているものもあります。またトリコームが少なく点在して緑色にみえるものもあります。なおトリコームは空気中の水分を直接吸い込むことはできず、霧や雨などに濡れることではじめて水を吸収することができます。そのため霧の発生しない日本の室内などでは霧吹きで株を濡らすことが欠かせません。
根の役割
チランジアも根を出すことがあります。気に入った環境で根を出す傾向があるため、発根しているのはよいことだといえます。根は主に岩や樹木などに着生し自分を固定するためのもので、通常の植物の根とはやや機能が異なります。しかし根からも水を吸う力はあり、根を出させて着生させると早く育つのも事実です。
着生させる
岩や木など他のものにくっついて生活している植物を着生植物といいます。チランジアもこの着生植物の一つです。エアプランツはそのままカゴなどに置いて育ててもよいですが、人工的に着生させることもできます。着生材(コルク・バーク板・ヘゴ板・サボテンの骨(カクタススケルトン)・流木など)に針金などを使ってチランジアを固定し根を出させ、吊り下げたり置いたりすることで、原生地のような自然な状態を再現することもできます。
クランプ
親株に子株が付いた状態で群生している状態をいいます。チランジアは花を咲かせると1~5個程度の子株が芽生えてきます。最初葉小さいですがだんだんと大きくなって親株と同じぐらいのサイズになります。ここで株を切り離すと株分けとなりますが、切り離さずそのままにしておくと群生し、これをクランプと呼びます。
育て方のコツ
- 生育期は1日1回の霧吹きを忘れない
- 風通しがよくないところでは育てられない
- 寒さに弱いので10℃を切らないように室内に取り込む
- 夏の直射日光は強すぎるため30%~50%遮光を欠かさない
年間栽培カレンダー
生育型 | – |
---|---|
生育期 | 4~10月 |
休眠状態 | 5℃以下の環境 |
緩慢な状態 | 10℃以下の環境 |
水やり |
※4~10月はソーキング(水に浸す)を月1回行う |
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置き場所 |
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植え替え |
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増やす |
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肥料 |
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開花 |
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※水やり・置き場所はあくまで目安です。種類や環境によって異なるため、実際の株の状態を見ながら調節してください。
主な種類名
アエラントス | Tillandsia aeranthos |
アルバーティアナ | Tillandsia albertiana |
アンドレアナ | Tillandsia andreana |
イオナンタ | Tillandsia ionantha |
イオナンタ・フエゴ | Tillandsia ionantha ‘Fuego’ |
イオナンタ・ピーチ | Tillandsia ionantha ‘Peach’ |
イオナンタ・ルブラ | Tillandsia ionantha ‘Rubra’ |
インターメディア | Tillandsia intermedia |
ウェルチナ | Tillandsia velutina |
ウスネオイデス(スパニッシュモス/サルオガセモドキ) | Tillandsia usneoides |
カエルレア | Tillandsia caerulea |
カピタータ | Tillandsia capitata |
カピラリス | Tillandsia capillaris |
カプトメドゥーサエ | Tillandsia caput-medusae |
キアネア | Tillandsia cyanea |
キセログラフィカ | Tillandsia xerographica |
コットンキャンディ | Tillandsia ‘Cotton Candy’ |
コルビー(スカポーサ) | Tillandsia kolbii |
ジュンセア | Tillandsia juncea |
ジュンシフォリア | Tillandsia ‘Juncifolia’ |
ストリクタ | Tillandsia stricta |
ストレプトフィラ | Tillandsia streptophylla |
セレリアナ | Tillandsia seleriana |
テクトラム(テクトルム) | Tillandsia tectorum |
ドゥラティー | Tillandsia duratii |
トリコロール | Tillandsia |
ネグレクタ | Tillandsia neglecta |
ハリシー | Tillandsia harrisii |
パレアセア | Tillandsia paleacea |
バンデンシス | Tillandsia bandensis |
プセウドバイレイ | Tillandsia pseudobaileyi |
フックシー | Tillandsia fuchsii |
ブッチー(ブッツイー) | Tillandsia butzii |
ブラキカウロス | Tillandsia brachycaulos |
プルイノーサ | Tillandsia |
ブルボーサ | Tillandsia bulbosa |
フンキアナ | Tillandsia funckiana |
ベイレイ | Tillandsia beileyi |
ベリッキアーナ(ヴェリッキアーナ) | Tillandsia velickiana |
ベルゲリ | Tillandsia bergerii |
ベルティナ | Tillandsia velutina |
マグヌシアナ | Tillandsia magnusiana |
種類について詳しくはこちらのページをご覧ください。
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育て方のポイント
水やり
チランジア(エアプランツ)も水やりが必要で、特に生育期は最大で毎日の霧吹きが必要になります。
水やり方法は他の多肉植物と異なり、葉、株に直接霧吹きやシャワーで水をかける方法で葉水、「ミスティング」といいます。水やり後に株を乾かすことが特に重要で、湿ったままにすると蒸れて腐ってしまうことがあります。また乾燥が激しい場合は、株を水に浸けて水分を補う「ソーキング」を行う場合もあります。
エアープランツは主に葉の表面から水分を吸収します。株全体が濡れるようにしましょう。また原生地では夜に大量の霧が発生しそれを吸い込むため、それを再現するように日本でも、夕方から夜にかけて水やりをするようにします。ただし冬のみ株の気化熱での冷えを防ぐため、温かい朝~昼に水やりをします。
また少々話しが細かくなりますが、本来ティランジアなどエアプランツは夜に気孔を開いて二酸化炭素や水を吸い込むCAM型光合成植物のため、朝や昼ではなく夜に水やりするのが理にかなっています。
頻度の目安と種類による違い
具体的には春4~5月は霧吹き(ミスティング)を週3回~1日1回、6~7月は雨が降らない日のみ霧吹き、盛夏の7~8月は霧吹きを週3回~1日1回、秋の9~10月は霧吹きを週3回~1日1回、冬の11~3月は霧吹きを週1~2回程度行います。
ここでミスティングの頻度は銀葉種と緑葉種で少し異なり、乾燥に強い銀葉種は少なめに、乾きやすい緑葉種は頻度を多めにします。また、種類によっても水切れに弱い種類とそうでない種類があり、水やり頻度が分からない場合は、こまめにエアプランツの重さを量って水分が足りているか変動を確認しながら行います。
夜に霧吹きしたあとは体重がずっしり重くなりますが、翌朝には多少の水分を吸収して元の重さ+数グラム増加しているのが適量です。
水やり後に株の中心に水が溜まってしまった場合は、しばらく逆さにして吊すなどして水が長時間たまらないようにします。
株を乾かしすぎた場合や購入した株の重さが非常に軽い場合など、乾かしすぎてしまった株は応急処置として「ソーキング」という方法で大量に水分を与えます。
ソーキングはバケツなどに水を張ってそこに株をどぼんと浸して1時間程度~6時間程度そのままにしておきます。非常に乾いてしまったエアプランツは6時間程度必要な場合がありますが、そこまで乾いていない場合は1時間程度でもそれなりに体重(水分)が重くなります。
また1週間に3回~毎日ちゃんとミスティングをできている場合も、普段ミスティングでは届かない内部にも水を与えるため、月に1回程度はソーキングを行いましょう。
ソーキングの間、チランジアは空気を吸うことができません。うっかり忘れて1日浸したままなどにすると窒息してしまうので気をつけましょう。また、ソーキングに使う水は20℃程度などに調節し、熱すぎず冷たすぎない常温の水を使いましょう。
またテクトラムやイオナンタなどソーキングしないほうがよい種類もあるので、そのような種類はミスティングで水を補うようにします。
水やりについて詳しくは以下をご覧ください。
置き場
チランジアなどエアプランツは風通しのよい所を好みます。現地では常に風が吹く環境なので、室内など無風に近い所では健康に育つことができません。
またチランジアは一年を通して環境の変化が少ない所を好みます。暑さ寒さ、過湿・乾燥など極端な環境の変化に弱いです。また冬の寒さに弱く、種類によりますが概ね10℃以下にならない場所でないと育つことができません。
それでは四季がある環境の変化が激しい日本では育てることができないのでしょうか?
いいえ、大丈夫です。日本でもたくさんのエアプランツが元気に生育しています。
風通しについて
まず、一年を通して風通しの良いところに置きましょう。室内で育てる場合はミニ扇風機などを回せば問題ありません。直接風が当たるよりは室内の空気が全体的に動くような環境がベストです。
温度と湿度変化について
冬の寒さは苦手で10℃以下になってしまう日本では、冬の間室内への取り込みが必須です。地域によりますが概ね11~3月は室内で育てることになります。室内では10℃以上を保ち、あまり温かすぎない、空気が極端に乾燥しない部屋がよいです。湿度は低いと葉先が枯れこむことがあり、湿度80%程度が理想的です。エアコンの効いている部屋などでは加湿器を使って湿度の下がりすぎを防ぐようにします。
またチランジアは冬の寒さが苦手ですが、温暖な所の植物なので日本の夏も大敵です。暑さは30℃程度までが好ましく、それ以上だと室内の冷房が効いた所にいれることがあります。その場合は扇風機も忘れずに回しましょう。
遮光・日当たりについて
冬は窓辺で直射日光に当てて良いのですが、春・夏・秋は直射日光は強すぎます。春・秋は5~8月の猛暑の時期を中心に50%遮光ネットを張り、3~4月、9~10月の比較的日差しが弱い時期は30%~40%程度の遮光ネットに張り替えます。
遮光ネットは遮光率によって白や銀色のものがあり、ネット通販やホームセンターなどで入手することができます。50%遮光環境は明るい日陰・半日陰など直射日光が直接当たらないけれど明るい環境です。
またトリコームをもつ銀葉種は日差しに比較的強く、緑色の葉色をしている緑葉種はそれより直射日光に弱いので、若干遮光を強くするとベストです。
ただ過保護にするのは禁物で、あまりにも日の当たらない所(暗い室内など)に置いておくと、日照を求めてヒョロヒョロと徒長し、性質が弱くなり枯れてしまいがちです。
光の強弱の判断が付かない場合は、株の状態をよく観察し、茶色っぽくなったりカサカサしたら日が強すぎ、茎が伸びてしまうようであればもう少し日当たりが良いところに移すようにしましょう。
耐暑性と最高気温・夏越しの方法
南米など暑そうな地域に住むチランジアですが、現地は1,000~4,000メートルの涼しい山が多く、よく風も吹くため30℃を平気で超す日本の夏の蒸し暑さや梅雨は苦手です。熱帯夜などに水をやったあと株が長く濡れていると腐る心配が大きくなります。
高山性(標高の高い涼しい所に生えているもの)の種類は特に暑さに弱いため、しっかり遮光ネットを張り熱を遮断するか、室内の冷房が効いた所に避難させます。
特に夏は水をやったら夜のうちにすっかり乾くことが大切で、長々と湿っていると蒸れてしまう心配があります。
越冬最低温度と冬越し方法
冬の寒さには弱いグループで最低越冬温度は5℃とも10℃ともいわれています。
実際には普及種で強健なものや、耐寒性がある種類は短時間なら5℃を耐えられますが、長く置いた場合の影響は不明です。5℃になってしまう環境ではほとんど水をやることができません。結果的にカラカラになってしまいがちですので、できるだけ室内にいれて10℃程度を保ちましょう。10℃程度なら週に1~2回程度の霧吹きはできますし安全に冬越しできます。
また冬でも室内で15℃程度を保てる場合は、むしろエアコンで湿度が低下しカラカラになりがちなので、翌朝しっかり乾いている程度の霧吹きを週に2~3回行えます。※株の状態をよく見て行ってください。
冬に問題になるのが室内での日光不足です。暖地でも11~3月、寒冷地なら10~4月まで10℃を切ることがあり室内に取り込みっぱなしになりますが、これだけの長い期間、日に当てないでいると健康に育てることができません。
その場合に有効なのが植物育成ライトです。植物育成ライトで適切な光を当てていれば室内でも健康に過ごさせることができます。植物育成ライトは消費電力が少なく熱くなりにくいLEDのものが、ネット通販を中心に販売されています。
冬越しについて詳しくは以下をご覧ください。
増やし方
花後の株分け
チランジアは主に開花後の株分けで増やします。
チランジアは開花後に1~5個程度の子株を出すことが多いです。一部の種類は開花に関係なく子株を生み出します。株分けしたい場合は子株が親株の3分の2程度の大きさになってから手で外します。あまり小さいうちに分離させると体力がなく弱ってしまうため、小さいうちは親にくっつけたままクランプ(親株に子株が付いた状態で群生させる)にしておきます。
クランプになっている場合、親株は子株や孫が出るまで生きていますが、だんだんと枯れていきます。
またその他、花芽から子株ができる「ヴィヴィパラ」になるものや、ランナーを出してその先に子株をつけるもの、小さな子株をたくさん出す「グラス」になる種類もあります。
いずれにしても親株が充実し体力がある場合に開花や子株を出すので、強健・健康に育てることが大切です。
実生(種まき)
チランジアは種まきでも増やすことができます。花が咲いて受粉すると綿毛のついたタネをつけます。これをヘゴ板・流木などにくっつけて水をこまめにスプレーしていると発芽し成長します。
しかし通常チランジアは種からの生長は非常に遅く、5年以上の歳月が必要になります。一方タンクタイプのエアプランツは実生でも早く成長し、1年でそれなりの大きさになります。
実生(種まき)はやや管理が面倒で中上級者向けなので、初めての方はチランジアの親株をしっかり育てて花を咲かせ、開花後に出た子株を株分けする形で増やしてみましょう。
飾り方や置き方・着生方法
飾り方や置き方
チランジアは通常の多肉植物のようにカゴなどに入れて管理するほか、インテリア小物のように室内に飾ることもできます。
まず置き方についてですが、チランジアは空気が常に動いている状態でないと健康に育てられないため、密閉容器や深いガラスの容器などには入れることができません。またカゴなどに入れる場合は全面に穴が空いていて風通しのよいもの、水やり後の水が溜まらない底にも穴が空いているタイプのプラスチックカゴがおすすめです。
室内でプラントハンガーなどにいれて吊り下げたり(ハンギング)、流木などに着生させて置いたりすることもできますが、その場合でも風通しは必要なので、サーキュレータや小型扇風機などで常にやわらかい風が当たるようにします。特に夏の通気は大切です。
そして日が差し込まない室内や窓から遠い所に飾る場合は日光が不足するため、植物育成LEDライトなどを当てて日照不足を解消しましょう。
着生方法
現状エアプランツとして出回っている多くの種類は、本来は岩盤や樹木などに根を張り、着生して生きています。そのため単にカゴなどに転がしておくよりバークチップやカクタススケルトンなどに着生させてあげるほうが自然です。
着生のさせ方は別ページで詳しく解説しますが、着生材を用い、穴に挿したり株元を針金などで固定したりして、根を出させます。根が出ているものは根を直接穴に通して着生材の後ろで固定することもできます。
着生材には以下のようなものがあります。
- ヘゴ板
- バークチップ
- コルク
- カクタススケルトン=サボテンの骨
場合により鉢に細かくしたバークチップなどいれて、そこに根を張らせることもあります。
着生材はそれぞれ性質が異なり、保水力や固定の仕方なども変わってきます。水を好む種類には保水力があるものを、まだ根が出ていないものはカクタススケルトンの穴に差し込むなど、最適な素材を選んでみてください。
またホットボンド(グルーガン)で固定する方もおられますが、熱でエアプランツを傷めたり、通気が悪くなったりすることがあるので注意が必要です。
肥料
基本的に肥料はそれほど要りませんが、与えると健康に育ちます。施肥は液肥を1,000~2,000倍程度に薄めたものを1回の水やり代わりに霧吹きで与えます。夏や冬は控えて、生育期の春秋の涼しい気候の時がベストです。
エアプランツは養分も水と同じように葉から摂取します。そのため希釈した液肥の入った水で株全体が濡れるようにミスティングします。液肥を与えた日の翌日は通常の水を霧吹きし、あまった肥料分を洗い流します。
病害虫
病気は特別心配ありませんが、高温の時期に株を水に濡れたまま無風の状態で長く放置すると腐ることがあります。一度芯まで腐ってしまうと回復は望めず、葉がバラバラになって枯れてしまいます。予防方法はサーキュレーターなどで常に空気を動かすことです。
害虫も特に付きやすいものはありませんが、乾燥した植物なのでハダニが湧いたりコナカイガラムシがついたりすることがあります。葉がかすり状になってきたらハダニがいないか確認し殺ダニ剤(ダニ太郎、バロックフロアブルなど)を散布します。ハダニはマメなミスティングでかなり防ぐことができます。またコナカイガラムシは通常の殺虫剤(オルトラン、ベニカXファインスプレーなど)で駆除することができます。
ティランジアの花
花は花弁が重なって筒のようになる筒状花、花弁が開く三弁花があり、大きさはさまざまです。
色は紫から青色、ピンク、赤など鮮やかな色の花、また薄ピンクなど控えめな色のものもあります。種類によってよい香りがあるものもあります。花弁(花びら)が美しいのはもちろんですが、花苞(花びらを包む部分)がきれいに色づくものも多くあります。
中には花が咲く時期になると株全体の色がピンクや赤、黄色などに染まる種類があります。開花中は一番色濃く、開花後は再び発色が冷めていきます。
花茎は株のサイズより遥かに長く出すものもあります。花の時期や開花日数などは種類によりますが、概ねつぼみを付けてから開花するまで2週間~数ヶ月かかります。花芽をつけるためには株のサイズが充分に大きく(それぞれの種類ごとの開花サイズ)なるまで育てる必要があります。
開花した株はそれ以上大きくならず、子株を出し、その子株が開花すると孫株が作られます。
エアプランツを売っている所
ティランジアはダイソーなどの百均からホームセンター、園芸店など実店舗はもちろんのこと、ネット通販やフリマアプリなどでも入手することができます。
専門のネット通販などでは品質についてはそれほど心配ありませんが、百均やホームセンターなどではエアプランツの知識が乏しく水をやらないで販売しているなど枯れかかった株も販売されています。
選ぶ時には、できるだけ入荷したてのものを、実際に持ってみて重みがあるもの、葉が枯れ込んでいないもの、シナシナになっていないもの、逆に水やりのしすぎで株がブヨブヨに腐っているものなどを避けるようにしましょう。
ネット通販では楽天市場、ヤフーショッピング、アマゾンなどで取り扱いがあります。
Amazon
楽天市場
ヤフーショッピング
購入時の注意点として、冬の寒さが厳しい時や夏の暑さが激しい時などは、輸送中に凍結(冷害)したり蒸れたりする危険があるため、春や秋など極端な気候でない時が安全です。特に冬は第四種郵便など時間のかかる配送方法では、寒さで枯れてしまうことがあるので速達をつけることも検討しましょう。
エアプランツを販売しているところについて詳しくは以下をご覧ください。
チランジアによくあるトラブル
- 葉先がすぐに枯れてしまう・・・空気中の水分が足りない(湿度が足りない)場合によく起こります。冬に室内でエアコンを入れると湿度が40%以下に下がってしまう場合もあります。加湿器を使うと適度に湿度を上げることができます。
- 外葉が枯れてしまう・・・外葉が枯れるのはある程度は自然なことで、新しい葉が出て古い葉が枯れる新陳代謝の一つです。しかし新葉が出るより枯れるスピードが早いのは問題で、水やり不足や環境不適合が考えられます。
- チランジアを色づかせたい・・・普通の多肉植物なら冬によく日に当て水を控えめにすることできれいに紅葉させることができますが、チランジアの場合は発色といい開花時期に葉に色が付きます。そのため花芽を付けることが必要です。花芽を付けるには適度に日に当てて健康に育て体力をつけることが大切です。
- 適切な水やりの目安が分からない・・・葉の開き具合(葉の付き方)や持ってみた時の軽さ、葉の丸まり方などから判断します。葉が丸まっている、全体的にしゅんとやわらかい、葉の付き方がつぼんでいる、などは水分不足を表しています。その他エアプランツの重さを毎日量って記録をつけ照らし合わせることも、最初のうちは大切です。
チランジアによくあるトラブルについて詳しくは以下をご覧ください。