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病気と間違いやすい多肉植物の生理障害

このページでは、病気や虫害と間違いやすい「生理障害」について解説しています。

生理障害とは

枯れる

生理障害は不適切な環境での栽培や肥料の多すぎ少なすぎなどで、植物が健全に成長しないことをいう。多肉植物では、夏場に日差しが強すぎて起こる「葉焼け」(葉のやけど)、冬の寒い時期に低温にさらして起こる「凍結」、水のやり過ぎで起こる「根腐れ」などがよく知られている。

その他に肥料のやりすぎで起こる「肥料焼け」や逆に足りなくて起こる「肥料切れ」など、普通の植物と同じような症状が出ることもある。

生理障害は病原菌やカビなどが原因ではないので、うつる心配はないが決して軽い症状ばかりではなく枯れてしまう可能性もあるので、病気と同じようによく観察して防ぐことが大切になる。

主な生理障害

生理障害は起こりやすい多肉植物とそうでない種類がある。日本と同じ環境が自生地の多肉植物は、気象にまつわる生理障害は起こしにくいが、自生地が外国の種類は低温や高温でだめになってしまうこともある。また多肉植物は水分の多い植物なので、全般に長雨で腐りやすく低温で凍結しやすい。

多肉植物は病気や害虫はそれほど心配ないものが多いが、自生地との環境の違いからむしろ生理障害に気をつける点がたくさんある。整った姿・本来の色で健康に育てるには、以下のような点に注意したい。

葉ヤケ(光線の強すぎ)

葉が焼けたコチレドンの熊童子

夏(5~9月頃)太陽が高く昇る時期、天気や種類によっては5月から、葉ヤケという生理障害が起こりやすくなる。葉ヤケはそのまま太陽光線(直射日光)が強すぎて葉が枯れたり傷んだり変色したりする状態のことをさす。なりやすい種類(属)は必ずなってしまうので、事前に遮光ネットをかけて予防することが一般的になっている。現在では白と黒だけでなく、シルバーやアルミでできたシート、ネットも選べるので日射が強くなってきたら遮光率が高いものに交換していき、日差しが弱まってきたら白いシートに取り替えるとよい。

葉ヤケでは、葉の一部が枯れることもあれば、日の当たったところ全部が焼けて枯れてしまうものまで程度が異なる。また種類によっては葉が枯れるまでは行かないものの、株全体が赤っぽくなったり茶色っぽくなったりするものがある(ハオルシアなど)

また午前や真昼に水をやって葉にその水が残り、レンズ状になって焼けることもある。そのため5月に入ったら水やりは夕方にするようにする。またエケベリアなどロゼット状に葉がついているものは、真ん中に水がたまらないように水を吹き飛ばすか拭いたほうがよい。

特に葉ヤケしやすい属:ハオルシア、ガステリア、アストロロバ、など
葉ヤケしやすい属:エケベリア、アエオニウム、など

高温障害

高温障害

夏の高温で下葉が落ちたセネシオ

気温の高さに適応できず、日本の夏の暑さやられてしまうこと。多肉植物は自生地が穏やかな気候のところ、蒸し暑くないところが多いので、高温障害がでる種類は多い。

症状は葉がポロポロ落ちる、全部取れてしまう、茎まで全部枯れるなど程度はさまざま。株全体が太陽光線と暑さにやられてしなびることを俗に「溶ける・溶かす」という。こうなってしまうと株はそのまま枯れてしまう。

葉が落ちやすい属:セネシオ、コチレドン、など
株全体が溶ける:リトープス、コノフィツム(玉ものメセン)

凍結(低温)

冬越し
寒さで葉や株がやられることを低温障害という。多肉植物は自生地が氷点下にならず温暖なところが多いので、日本の寒さにやられてしまうものが多い。

多肉植物では冬に何度まで耐えられるかを最低越冬温度というが、5℃以上のもの、3℃以上のもの、0℃以上のもので大半を占める。(センペルビウム属だけは例外的に-5℃まで耐えられる)そのため多くは室内に取り込む必要がある。

冬越しの温度は多肉植物の栽培でかなり重要なポイントで、多肉植物の本などには必ず載っているので、書いてある温度を守るようにする。(一般的な植物は0℃以上のものを耐寒性がない・弱いといい、0℃以下でも大丈夫なものを耐寒性があるという)

最低7℃以上:コーデックスの多く
最低5℃以上:カランコエ、
最低3℃以上:コチレドン、セネシオ
最低1℃以上:エケベリア、
最低0℃以下を耐える:セダム、センペルビウム、
※同じ属でも例外はあるので注意する

根腐れ(水のやり過ぎ)

ラウイが腐る

過湿で根腐れしたエケベリアのラウイ

過湿で根が腐ることも根腐れという。水のやり過ぎで起こるほか、排水が悪い、風が吹かずじめじめした環境などが原因でも起こる。

多肉植物は根腐れしやすいものが多いが、特に夏場の高温多湿に弱い。また休眠期に水をやると根腐れのリスクが高くなる。

根腐れを予防するには水はけの良い土に植え、ゼオライトのような根腐れ防止の土を数パーセント混ぜ込み、鉢底穴のあいている容器に植える。特に関東以南では、夏の蒸れに備えた土をブレンドする必要がある。

水やりは土がカラカラに乾いてから与えるようにする。また休眠中は全く水をやってはいけない属もある。水のやり方は多肉植物の本などに書いてあるので、注意深く読み特に慎重に行う。

特に根腐れしやすい種類:メセン類(ツルナ科の多肉植物)

肥料焼け(多すぎ)

肥料

多肉植物は水やりの頻度が少なく土の中の養分の入れ替わりが遅いので、肥料をやりすぎると長い間土にとどまり続けて根が傷む「肥料焼け」を起こしてしまう。

また一般の植物と同じように多肉植物の肥料にもチッソ・リン酸・カリがあるが、チッソを与えすぎるとひょろっと長くのびて株が倒れやすくなり、徒長した状態になる。そうすると室内で育てた植物のように軟弱な体になってしまい、害虫や病気の被害に遭いやすくなる。

多肉植物は原生地で痩せた土に生えていることが多く、肥料は普通の草花の半分~3分の2程度で足りる。一般的な草花より施肥には注意深くなりたい。

肥料切れ(少なすぎ)

肥料
多肉植物は肥料がいらないと思われがちだが、肥料や微量要素を全くやらないでいると不足してしまう。肥料には3大要素があるがチッソが足りないと生長が悪くなり、リン酸が少ないと花がつかなくなり、カリが足りないと株が弱くなってしまう。

その他にも15程度の要素があるが、多肉植物も植物なので全く与えないでいると生理障害を起こす。多肉植物の本などには、それぞれの種類でいつどんな肥料をどのくらい与えればよいか書いてあるので、肥料も適宜与えるようにする。

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