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セデベリア属(Sedeveria)の特徴と種類・育て方

セデベリア属の写真

静夜つづり静夜つづり レティジアレティジア ファンファーレ

セデベリア属(Sedeveria)の特徴

ベンケイソウ科
Sedeveria
生育型 春秋型
育てやすさ 育てやすい
成長速度 早い
増やし方 葉挿し、さし芽
原産地

※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

セデベリアはこんな植物
セダム属とエケベリアを交配して生み出されたのが「セデベリア」です。特徴や生育がセダム、エケベリア、グラプトペタルムとほとんど変わらないため、ここではエケベリアの育て方を掲載しています。

以下エケベリア属のページから引用

育て方のコツ

  • 夏の蒸し暑さは苦手なので風通しのよい涼しい環境に
  • 夏は月1回程度、春秋は週に1回程度の水やり
  • 6~9月は半日陰に、それ以外はよく日に当てる
  • 年間を通して雨ざらしにしない
  • 冬は0℃以下になったら室内へ取り込む

年間栽培カレンダー

生育期 3~5月と9~11月
休眠期 7~8月、1~2月
緩慢な時期 6月、12月
水やり
  • 3~5月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)
  • 6月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(2週間に1回程度)
  • 7、8月は表面を濡らす程度を月に2回程度
  • 9~11月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)
  • 12~3月は表面を濡らす程度を月に1回程度
置き場所
  • 年間を通して雨の当たらない風通しのよい所に
  • 4~5月は直射日光の当たる屋外
  • 6~9月は明るい日陰(50%遮光)
  • 10~11月は直射日光のあたる屋外
  • 12~3月は雨の当たらない屋外、0℃以下ならは日当たりの良い窓辺や温室など
植え替え
  • 3~6月と9~10月が適期
増やす
  • 3~6月と9~10月に葉挿しや挿し木、株分けができる
肥料
  • 4~6月に月1回の液肥を与えるか、植え替え時に緩効性肥料
開花
  • 種類により春から夏(3~5月)頃

主な種類名

名前 学名 交配種
静夜つづり (セイヤツヅリ) Sedeveria ‘Superbrow’ E.derenbergii × Sedum morganianum
レティジア Sedeveria var.ciliata ‘Letizia’ Sedum cuspidatum×E.setosa
ファンファーレ Sedeveria ‘Fanfare’ 不明
ソフトライム (樹氷) Sedeveria’Soft Rime’ Sedum morganianum × E.spec.
群月冠 (群月花) Sedeveria ‘Spring Jade’
ホワイトストーンクロプ Sedeveria ‘Whitestonecrop’ E.prolifica×Sedum stahlii
オレンジドリーム
ブルーミスト Sedeveria ‘Blue Mist’ Sedum craigii × E.affinis
休眠期とは?
多肉植物の日本での栽培は自生地の環境と異なります。そのため日本の寒さや暑さに耐えられなくなると生育が鈍ったり成長が止まったりします。その時期のことを「休眠」といいます。時期は種類によって異なり、夏に休眠するタイプと冬に休眠するタイプがあります。休眠期は生育が鈍るので肥料や水やりを控え、挿し木や株分けなど株へ負担をかける作業を控えます。

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育て方のポイント

セデベリアは10~25℃で最もよく生育し、日本では春・秋・初夏・初冬にあたります。30℃を超す夏や5℃以下の冬には休眠します。春秋型ですが、割と初夏、初冬も生育を続けます。耐寒性はやや弱く0℃を切ったら室内に取り込む必要があります。

水やり

水やり10℃~25℃で最も生育する春秋型なので、生育期の春(3~5月)と秋(9~11月)は土が乾いたら土の乾き具合を見ながら、およそ1週間に1回程度鉢底から流れ出るまで与えます。6月からは夏の休眠に向けて2週間に1回程度、1回分の量もやや少なめにします。30℃を超える7~8月は休眠するので月1~2回ほど、鉢の表面が濡れる程度に減らします。12~2月も水やりを減らし、5℃以下の厳冬時は月1回程度に抑えます。0~3℃の場合は水やりをまったくしない断水か、室内に取り込んでごく少量与えます。

セデベリアは割と寒さ暑さと水切りに強いので、相当水やりを控えてもしわがよったりしません。逆に徒長を防ぐため、室内取り込み中に水やりをしすぎないように気をつけます。

寒い時期は暖かい朝~昼に水をやり、暑い時期は涼しくなる夕方に水を与えます。水やりを控えめにすると耐暑性と耐寒性が強くなります。水やりするときは葉の中心に水が溜まらないように細いじょうろで土にかけましょう。

置き場

置き場どの季節でも雨ざらしにしないようにしましょう。

季節ごとの具体的な置き場所は、6~9月は雨がかからない屋外の明るい日陰(50%遮光)で、10~11月と3月~5月は雨がかからない日当たりのよい屋外です。0℃を下回る12月~2月は温室か日当たりの良い窓辺に取り込みます。日光不足では徒長してしまうので、真夏以外はできる限り日に当てるようにします。

関東以北の寒冷地では、霜に当てないように温度に注意します。関西以南の0℃を下回らない地域では年中戸外で栽培できますが、寒波で0℃以下になるような日は、室内の日当たりのよい場所に取り込みます。室内に置く場合は1日最低4時間以上日の当たる所が望ましいです。

夏の暑さに弱い品種は、できるだけ遮光率をあげ休眠しやすいようにします。どの季節も風通しの良いところに置くことがポイントです。雨ざらしにならない軒下やベランダ、室内に置く場合は特に風通しが悪くなるので扇風機を回すなど工夫しましょう。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

夏越し全体的にセデベリアは夏の暑さに強いですが、一部弱い品種もあります。また暑さ自体は大丈夫でも梅雨時のような日本の蒸し暑さは苦手なので風通しを心がけましょう。

具体的には夏の直射日光は強すぎるので、6~9月は50~70%遮光します。遮光ネットをかけたり直射日光の当たらない明るい日陰に移動させたりします。直射日光下だと30℃も耐えられないですが、遮光しておけば(日陰なら)40~45℃を耐えます。

越冬最低温度と冬越し方法

冬越し最低温度は0~3℃まで耐えられるものが多いですが、安全を見ると5℃程度までが望ましいです。セデベリアは全体的には寒さに強いタイプですが、全部がマイナスに耐えられるわけではありません。また強い寒さに当たると株が傷み、傷みが激しいと夏になったとき弱って枯れてしまうことがあります。

多肉植物は体の水分が少ないと耐寒性が上がります。そのため0~3℃の時は水やりは控えておきます。また寒風に吹きさらされると気温がマイナスにならなくてもやられてしまうことがあります。そのときは簡易ビニール温室で風や雪を避けられますが、保温効果はないので過信はしないようにしましょう。

冬場に0℃を下回る寒冷地や寒波の時は室内に取り込みますが、最低1日4時間日の当たるところで、湿度40%以上を保ち、15℃以下(理想は5~10℃程度)の室温が保てるところに置きましょう。冬に暖かい室内で日光不足、過湿が重なると徒長してヒョロヒョロになってしまうので、大変ですができるだけ暖かい日は外に出すなど工夫しましょう。

増やし方

殖やし方セデベリアは葉挿し、株分け、挿し木で殖やせます。葉挿しやさし芽は4~6月頃と10~11月頃がうまくいきやすいです。7、8月や12~2月など酷暑・厳冬時にかからないように、繁殖の季節になったらなるべくはやく取りかかりましょう。

真夏は休眠しているので発根しにくく成長がとても遅いです。冬は10℃以下で増やしにくくなります。

挿し芽の方法:

まずセデベリアでは挿し木ができます。挿し木はさし芽とも呼び、親株から茎を切り取って殖やすことをいいます。親株の茎を5cmほど切り取るか徒長株の剪定の時に出た枝を使います。そして下の方についている葉をもぎ取ります。セデベリアはこのもぎ口から根が出てくることが多いので、もったいないですが下葉は落とします。また落とした葉は葉挿しにできます。そして乾燥している瓶などに立てかけて発根を待ちます。

気温の穏やかな適期だと2週間ほどで出ますが、寒さ暑さが厳しいと1ヶ月くらいかかることもあります。この間は明るい日陰で管理し、直射日光は当てないようにします。根が出てきたら土に植えて水やりを開始します。切り取った親株からは、切り取った地点に2カ所ぐらい脇芽が吹くことが多いので棒状になってしまった親株も捨てずに育てます。脇芽が出るまでは1~2ヶ月くらいかかることがあります。

葉挿しの方法:

種類によって葉挿しもできます。葉挿しは親株からもいだり勝手に落ちたりした葉から、新しい株を作る方法で、挿し木と比べて時間がかかりますが、一気にたくさんの子株を作ることができます。

まず挿し木の時に出た下葉や、親株からもぎとった葉をトレーに並べておきます。葉は丁寧にそっと付け根から剥がすようにもぎ取りましょう。セデベリアの葉挿しは葉の付け根(茎とつながっていた部分)から子株が出るので、葉の途中で切れてしまったら芽はでません。

早い種類では2週間程度で発根してくるので、根が出たら細かめの土の上に乗せます。根は軽く覆土し、新芽には土をかぶせないようにします。その後もぎ口から芽が出てきて2~4ヶ月でゆっくり子株に成長していきます。この間は直射日光に当てず風通しのよい半日陰で管理します。親葉が完全にカリカリになったら水やりを始めます。その後だんだんと親株と同じ環境に慣れさせていきます。

株分けの方法:

セデベリアは長く育てていると株元から子株が出てくることがあります。その場合既に根が生えてきている子株はそのまま植えて水をやってよいですが、根のない脇芽であれば発根まで待ってから水やりをします。株分けは親株の植え替えと同時に行う場合もあります。

植え替え

植え替えも休眠期は控え、生育期の少し前に行います。植え替えをするとその後の生育がよくなるので生育期前がベストな時期です。植え替え時は根へのダメージを減らすため、4~5日水やりを控えて土を乾燥させておきましょう。

株を鉢から抜き出したら枯れた下葉や茶色く枯れている根などを取り除きます。セデベリアの場合は植え替え時に根を三分の一程度切り落とし、新しい根を生えさせるようにすると生育がよくなります。根を切っているので株は数日乾かして、それから植え直します。植えて4~5日たったら水やりを再開します。植え付け時はこれまでより一回り大きな鉢を用意しますが、コンパクトに今の形のままにしたい場合は、根と葉を整理した後、元の鉢に植え付けます。

植え替えは肥料不足を補ったり、土を新しくしたり、古い根を整理したり害虫を駆除したりする効果があります。セデベリアは生育が割と早く、植え替えは1年に1回は行いましょう。

土と鉢

土土は通気性と排水性のよい用土を選びます。市販の多肉植物用の土でもよいですし、自分でブレンドするなら赤玉土をメインに鹿沼土:ピートモス:川砂:くん炭をそれぞれ1:1:1:1で配合したりします(一例です)

植物には適切な鉢の大きさがあり、大きすぎる鉢に植えると根がしたまで届かず水が溜まり、根腐れや酸素不足を起こしてしまいます。セデベリアでは特に根腐れや徒長、ロゼット(バラの形をしたようなエケベリアの本来の形)のくずれを起こしやすいので、葉が少しはみ出るくらいの小さめの鉢に植えます。一回り大きい鉢または、コンパクトにしたい場合は下葉を取り除いてこれまで植えていた鉢に植えてもよいです。

肥料

肥料

病害虫

病害虫深く植えると通気が悪くなり、灰色カビ病などのカビ病が発生しやすくなるので深植えしすぎないようにしましょう。下葉は摘み取った方が良いものと、風通しのために残しておいた方が良いものがあります。

害虫は乾燥気味の根にネジラミがつきやすいです。またアブラムシやカイガラムシ、アザミウマが発生することもあります。オルトランDX(粒剤の緩効性殺虫剤)を撒いておくと、スプレー剤のように葉を汚さずに虫を駆除できます。

セデベリアによくあるトラブル

    きれいに紅葉させたいのに色が付かない・・・春と秋に充分に日に当てておくときれいに紅葉します。
  • 図鑑のバラのような形がくずれて葉が外に開いてきた・・・日照不足と水やりのしすぎで徒長しています。日が当たる所に移動させ、水やりの回数を週1回以下に減らしましょう。
  • 買ってきた時の鉢が小さい。植え替えするべき?・・・大きすぎる鉢は根腐れ・徒長の元なので1cm程度葉が鉢の外に出るくらいの鉢ならまだ大丈夫です。
  • 葉挿しするならどの葉を選べば良いのか・・・大きい葉より小さめの葉が生育が早いです。葉をとる1週間くらい前から断水しておくと葉がきれいにもげやすいです。
  • 下葉が枯れてきたのはなぜか?・・・鉢の中が根で一杯になってしまう根詰まりを起こしている可能性があります。根を整理して少し大きい鉢に植え替えるとよいでしょう。
  • つぼみがついたり花が咲いたらどうしたらいいか・・・花を楽しむ予定がないなら株の体力を落とさないために切り取ってしまいましょう。また花が咲いたら種を採ることもできます。