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カリシア属(Callisia)の特徴と種類・育て方

カリシア属の写真

桃色カリシア桃色カリシア 桃色カリシア(紅葉時)桃色カリシア(紅葉時) カリシア ロザートロザート

カリシア属(Callisia)の特徴

ツユクサ科
カリシア属
生育型 夏型
育てやすさ 育てやすい
成長速度 早い
増やし方 挿し木
原産地 アメリカ・メキシコ

※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

カリシアはこんな植物
三角形の花を咲かせる
メキシコから南米に10種類ほど知られる小さなグループで、日本ではロザート、桃色カリシアがよく栽培されています。カリシア属は珍しい三枚の花びらで小さな三角形のような花を咲かせます。葉には斑入りのうすい筋が入ったり、葉の裏と表で色が違ったり、紅葉すると緑がピンク色になったりと美しい色調です。

どんどん殖えるが寒さに弱い
カリシアは暴れ系といわれる繁殖が早い多肉植物で、1本挿し木にしておくだけであっという間に鉢いっぱいになってしまいます。育てやすく水不足にも強く、強健な種類なので初心者でも簡単に栽培できます。しかし寒さには弱く0℃で溶けてしまうため、冬は5℃以上を保って室内で育てましょう。さし芽なども冬以外の暖かい時期に行わないと失敗しがちです。

育て方のコツ

  • 丈夫で増やしやすく水不足にも強い
  • 冬の寒さには弱く5℃以下で室内に取り込む
  • どんどん伸びるので適宜剪定・植え替えをする
  • 夏は直射日光に当てず、半日陰に置く

年間栽培カレンダー

夏型
生育期 4~10月
休眠期 12~2月
緩慢な時期 3月、11月頃
水やり
  • 3~6月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)
  • 梅雨時は土が乾いたら(月に2回程度)
  • 7~8月は土が乾いたら鉢が半分程度濡れるまで(2週間に1回程度)
  • 9~11月は土が乾いたら鉢底から流れるまで(1週間に1回程度)
  • 12~2月は表面を濡らす程度を月に1回程度
置き場所
  • 年間を通して雨の当たらない風通しのよい所に
  • 4~6月は直射日光の当たる屋外に
  • 7~9月は明るい日陰(50%遮光)
  • 10~11月は直射日光のあたる屋外
  • 12~3月は雨の当たらない屋外だが、5℃以下ならは日当たりの良い室内へ
植え替え
  • 5~6月頃が適期
増やす
  • 5~9月頃に挿し木、株分け
肥料
  • 植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜ込む
開花
  • 5~10月頃、白やピンクの花を咲かせる

主な種類名

桃色カリシア
ロザート Callisia ‘Rosato’
エレガンス Callisia elegans
重ね扇(カサネオウギ) Callisia navicularis
休眠期とは?
多肉植物の日本での栽培は自生地の環境と異なります。そのため日本の寒さや暑さに耐えられなくなると生育が鈍ったり成長が止まったりします。その時期のことを「休眠」といいます。時期は種類によって異なり、夏に休眠するタイプと冬に休眠するタイプがあります。休眠期は生育が鈍るので肥料や水やりを控え、挿し木や株分けなど株へ負担をかける作業を控えます。

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育て方のポイント

水やり

水やり夏型の多肉植物ですが、蒸れに弱いため夏は若干水やりを控えます。春秋はよく生育するのでたっぷり与えます。冬は休眠するので僅かにとどめましょう。

季節ごとの水やり
休眠が明ける3月から徐々に水やりを増やします。4~6月は生育期で土が乾いたら鉢底から流れるまで、1週間に1回程度与えます。しかし梅雨時は土が乾いたら与えるようにしましょう。土や鉢の種類にもよりますが、およそ月に2回程度です。7~8月は高温で根腐れするのを防ぐため、土が乾いたら鉢が半分程度濡れるまで(2週間に1回程度)にとどめます。9~11月は再び生育期で、1週間に1回程度、土が乾いたら鉢底から流れるまで与えます。休眠期の12~2月は暖かい日に土の表面を濡らす程度を、月に1回程度にとどめましょう。

水やりのコツ
寒い時期は暖かい朝~昼に水をやり、暑い時期は涼しくなる夕方に水を与えましょう。そうすることで蒸れや凍結を予防できます。また夏・冬は水分を控えることで耐寒性・耐暑性が上がります。冬は室内で育てることが多いですが、徒長防止に水を控えめにしましょう。

置き場

置き場他の夏型多肉植物と同じく春から秋によく生育するので、外で日光によく当ててますが、冬には室内に取り込むのが基本です。密集して蒸れやすいので、年間を通して雨の当たらない風通しのよい所に置きましょう。

具体的には4~6月は直射日光の当たる屋外に置きます。7~9月も生育期ですが、日本の日差しは強すぎるので明るい日陰(50%程度遮光する)に移動します。10~11月は直射日光のあたる屋外に出します。引き続き12~3月も雨の当たらない屋外が基本ですが、5℃以下になる場合は日当たりの良い室内へ取り込みましょう。

生育期も休眠期もしっかり日に当てないと間延び(徒長)するので1日最低4時間日に当てられるよう日光不足に気をつけましょう。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

夏越しカリシアの耐暑性は強く最近の真夏の高温でもそれほど弱らず育てやすいです。ただ高温下で直射日光に当てると溶ける(枯れる)ことがあるので、夏場は遮光するか朝だけ日差しが当たる所に置いたほうが安全です。きちんと遮光していれば(日陰であれば)実測値で45℃を耐えることができます。

越冬最低温度と冬越し方法

冬越し越冬最低温度は5℃と多肉植物の中でも寒さに弱いです。0℃では完全に溶けて枯れるので、5℃以下になったら室内へ早めに取り込みましょう。

増やし方

殖やし方カリシア属はさし芽か株分けで増やすことができます。適期は5月~9月頃までの暖かい時期で、生育期中に行います。

挿し木の方法はとても簡単で、さし芽は茎を5cmほどカットし、少し湿った土に割り箸で穴を空けて挿します。数日から1週間ほどで活着します(根が出ます)。カリシアは寒さが苦手で10月を過ぎると根が出るのに時間がかかり、挿し穂が腐ったり枯れたりするので、春夏の間にしておいたほうがよいでしょう。

桃色カリシアなどは群生し株元から新芽がよく吹くので、土がついたまま親株から外して植え付ければ株分けでも殖やすことができます。

植え替え

生育旺盛なので植え替えは必須作業です。1年に1回は作業するようにしましょう。植え替え時期は、生育期かその少し前で4~6月が適期ですが8月頃まで行えます。休眠期は根がでづらく株にダメージを与えるので避けましょう。

植え替え方法
植え替え時期の数日前から、水やりをせずに土を乾かしておきましょう。乾いて土がほぐれやすくなったら鉢から苗を抜き出し、周りの土を落とします。根元の枯れ葉や傷んだ根などを取り除き、白い害虫(根ジラミ)がいないかチェックします。そのあと根を三分の一ほど切り落として切り詰め、元の鉢か一回り大きな鉢を用意し新しい用土で植え付けます。植え付け4~5日後から水やりを再開します。

土と鉢

土土は他の多肉植物と同じく水はけがよく通気性のよいものを用意します。市販している多肉植物・サボテンの土を使ったり、自分でブレンドしてもOKです。

自分で作る場合は、赤玉土や鹿沼土、改良用土(バーミキュライトやピートモス)などを混ぜ合わせて作ります。ポイントはなるべく4種類以上の土を使うことです。土には酸性度や通気性などそれぞれ特徴があるので、バランスを整えるためには1種類より複数種類のほうがよいためです。

(例)赤玉土1:腐葉土1:鹿沼土1
(例)赤玉土3:ピートモス3:ボラ土2:鹿沼土1:川砂1:くん炭1

鉢の選び方
鉢はその苗にちょうど良い大きさのものに植えます。といっても桃色カリシアなどは生育旺盛ですぐに鉢一杯になってしまうので、好みのサイズの鉢に植え付けて繁殖をコントロールするのが実情です。

鉢はプラスチック鉢と陶器の鉢がありますが、それぞれ性質が大きく違い、水はけ、水やり頻度や株の育ち方に差が出ます。陶器の鉢はやや難しいので、初めて育てる場合は管理しやすい小型のプラスチック鉢がおすすめです。

肥料

肥料カリシアはよく育つので肥料はあまり必要としませんが、多肉植物の土を使っていると微量要素が不足しがちなので、植え替え時か植え付け時に緩効性の肥料を土に混ぜ込んでおくと生育がよくなります。与えすぎは徒長などの副作用を起こすのであくまで活力剤代わり、微量要素を補う程度で充分です。

病害虫

病害虫病害虫には強いほうですが、バッタなどの食害にあうことがあるので、オルトランDX(粒剤)を土にぱらぱら撒いておくとよいでしょう。

カリシア属によくあるトラブル

  • 葉が紫色にならない・・・日光不足や水やりのしすぎが考えられます。
  • 葉が巻かず葉の間隔が広がった・・・徒長(間延び)しているので、日によくあてて水と肥料を控えるとよいです。ただ真夏の高温では温度で徒長してしまうのはある程度仕方ありません。翌年春頃株を整理したり挿し木をしたりして仕立て直します。
  • 殖えすぎて困ってしまう・・・基本的に鉢の大きさ以上にはならない(生育が止まる)ので好みの大きさの(小さい)鉢に植えればコンパクトに仕上がります。