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十二の巻(ジュウニノマキ)の育て方!株分けや置き場所も解説

ハオルチア(ハオルシア)の十二の巻、十二の爪(星の林)について増やし方や置き場所、水やり方法などを解説しています。

十二の巻の写真

ハオルシア 十二の巻十二の巻

十二の巻の基本情報

アロエ科(ユリ科・ツルボラン科)
ハオルチア属(Haworthia)
正確にはハオルチオプシス属(Haworthiopsis)
学名 十二の巻(Haworthiopsis fasciata)
十二の爪(星の林)(Haworthiopsis reinwardtii var. archibaldiae)
生育型 春秋型
育てやすさ 育てやすい
成長速度 普通
増やし方 株分け
耐寒性 普通~やや弱い
耐暑性 普通~やや弱い
耐寒温度 3℃
実測温度 1℃~40℃
原産地 南アフリカ

※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い
耐寒性-強い・普通・やや弱い・弱い
耐暑性-強い・普通・やや弱い・弱い

※耐寒温度は水やりを控えた場合の目安値(書籍などによる推奨値)で、状況によりこれより狭くなることがあります。
※実測値は半日陰の場合で直射日光下ではこれより低くなります。

十二の巻・十二の爪の特徴

硬葉系の代表種
十二の巻は硬葉系のハオルチア(ハオルチオプシス属)の代表種で、先が尖った細長い葉にバンドと呼ばれる白い模様が入ります。模様は細いもの、太いものなど個体差があり、選抜された太いバンドをもつ種類もあります。十二の巻は星の林(レインワルディ)と少し似ていますが、星の林は上に伸びていく(最大20cm程度)のに対し、十二の巻はそれほど伸びず子株を出します。そして十二の巻は1枚の葉の大きさが大きく長いです。

硬葉系のハオルチアとは
硬葉系とは、葉が硬く葉先が尖ったものが多く、ザラザラとした手触りやごつごつとした質感をもつハオルチアの種類です。全体的に軟葉系より成長速度が遅く、ゆっくりと葉を増やしていきます。また正確にはハオルチア属ではなく、最新の分類体系でハオルチオプシス属かトゥリスタ属に分類されています。

強い日差しに弱い
十二の巻、星の林は強い日差しに弱く、4~10月頃の間に直射日光に当てると赤茶けてきたり、模様が見えづらくなることがあります。そのまま放置していると葉焼けで最悪の場合枯れてしまいます。硬葉系は軟葉系より遮光率は弱めでいいといわれることがありますが、大差はなく実際には同じぐらい日よけに気を配る必要があります。

育て方のコツ

  • 強い日差しに弱いため、春・夏・秋はしっかり遮光する
  • 室内栽培もできるが植物育成ライトと扇風機が必須
  • 春秋の生育期は土が乾いたら鉢底から流れ出るまで水を与える
  • 生育期の植え替えと同時に株分けで増やす
  • 3℃を下回ったら室内へ取り込む

育て方
元々植物に覆われた岩肌などに隠れて自生するので、かんかん照りの所に置くと簡単に日焼け・葉焼けしてしまいます。春~秋は半日陰に置くか、50%遮光ネットを張りましょう。硬葉系は軟葉系より直射日光に強そうにみえますが、実際にはそれほど強くなく、ほとんど同じ扱いをしたほうがよいです。

耐寒性・耐暑性共にそれほど強くないので、夏には蒸れ・根腐れに気をつけ、冬は3℃以下で室内などに避難させましょう。また植え替え、株分け時は根をカラカラに乾かさないようにしましょう。

年間栽培カレンダー

生育型 春秋型
生育期 3~6月と9~11月
休眠期 12~2月
緩慢な時期 7~8月頃
水やり
  • 3~5月、9~11月は土が乾いたら週に1回ほど鉢底から流れるまで
  • 6月(梅雨時)は月に2~3回程度
  • 7~8月は月に2回ほどに減らす
  • 12~2月は土の表面を濡らす感じで月に2回程度
置き場所
  • 年間を通して雨の当たらない風通しのよい所に
  • 3~4月、10月は明るい日陰か50%遮光程度
  • 5~9月は70%遮光程度
  • 12~2月は雨の当たらない屋外(遮光なし)、3℃以下の場合は日当たりの良い窓辺に
  • 年中室内栽培の場合は3,000ルクス程度の植物育成ライト
植え替え
  • 3~5月頃、9~10月頃が適期
増やす
  • 4~5月頃に株分け、または実生(種まき)
肥料
  • 植え付け時に緩効性肥料、または3~5月頃に合計3~4回液肥を与える
開花
  • 4~7月頃、小さな白ピンクの花を咲かせる

※栽培カレンダーはあくまでも目安です。実際は土や鉢の種類、地域によって大きく異なります。この表は福岡県平野部で多肉植物用の棚を使って育てている場合の情報です。お住まいの地域や使っている土、置き場所によって適宜読み替えて下さい。

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育て方のポイント

十二の巻、星の林などハオルチアは本来、他の植物の陰になる所や藪の中などに棲息しています。そのため強い日差しに弱く、他の多肉植物(エケベリアやセダムなど)と同じ扱いをしていると簡単に葉がやけど(葉焼け・日焼け)してしまいます。そのため日よけをしてあげる必要があります。

水やり

水やり
ジュウニノマキ、星の林(レインワルディ)などハオルシアは葉や茎に水分を溜め込むことができ、普通の植物のような頻繁な水やりは不要です。

また季節に応じて水やりの量や頻度も変わりますし、環境(土の種類や地域など)によってもかなり変動します。そのため以下の情報はあくまで目安としてお考えください。

水やりの基本
水やりは土がカラカラに乾いてから数日経って与えます。乾いたらすぐ与えていると水やりのしすぎになってしまいます。

土がカラカラに乾いているかは、串や割り箸を鉢底まで挿しておき時々抜いてみて確認したり、鉢の重さが軽くなったりして判断できます。乾いていないようであれば無理に与えないようにしましょう。

生育期の水やり(3~5月、9~11月)
生育期には土が乾いたら数日経って、(目安は週に1回ほど)鉢底から流れ出るまで与えましょう。この時期にしっかり水をやることで、体に水分を溜め夏や冬の間少ない水やりで耐えられるようにします。もし土が乾いていないようであれば10日に1回程度に減らしてください。また例外として6月は梅雨時で土の乾きが遅くなるため、若干回数・量ともに控えめにします。

半休眠期の水やり(7~8月)
多くの春秋型多肉植物と同じように、35℃を超える7~8月は生育が緩慢になります。そのため水やりも少なめにします。月に2回ほど、量も控えめに鉢の深さ半分程度が湿る程度にします。与える時間帯は夕方から夜間のできるだけ涼しい時間帯です。

休眠期の水やり(12~2月)
温度が10℃以下に低下する12~2月は休眠状態になっています。そのため水やりはかなり減らし、土の表面を濡らす程度を暖かい時間帯に月に2回ほどにします。5℃を切る場合は冷害を避けるため、水やりはほとんどしないようにします。

冬に室内栽培の場合は?
また寒冷地で長期間室内にいれている場合、室温が高いと休眠せずに水を吸い上げて鉢が乾くことがあります。その場合、日照が確保できているのであれば、土がカラカラになればしっかり水を与えて大丈夫です。しかし暗くて暖かい室内で水をやると徒長(間延び)するため、土が乾いてもあまり与えないようにします。

乾燥が気になる場合は、葉に水のスプレーをする葉水をしたり、透明容器をかぶせて保湿したりします。

年中室内栽培の場合は?
暑い時期も寒い時期も年中室内で栽培する場合、温度変化が著しくないため半休眠、休眠をしないことがあります。その場合は、しっかり日照と風通しを確保した上で、欲しがる分だけ水も与えます。(欲しがるとは、根が水を吸い土がカラカラに乾くこと)

置き場

置き場ジュウニノマキや星の林は藪や薄暗い所に本来育つため、日本の環境ではほぼ一年を通して、遮光する(日照をコントロールする)ことが必須になります。やわらかい日差しをできるだけ長く当てるのが目標です。

また、基本的に屋外で栽培しますが、植物育成ライトなどの設備が準備できる場合は室内でも栽培できます。ただ意外に思われるかもしれませんが、栽培難易度は室内のほうが上になります。

置き場所の決め方
初めて買ってきた時はどこに置いたらよいのかさっぱり分からないことがあります。その場合、まずは暗めの環境に置いて株の様子を観察します。赤みを帯びてきたら日差しの強すぎを意味しているため、暗い所に移動させます。逆に白い茎が伸びそうになってきたら日照が不足していますので、もう少し明るい所に置くようにします。

屋外栽培

ハオルシアの遮光ネット

5~9月
日差しが強いため、遮光率は最大にします。70%遮光ネットを張った環境にします。明るい日陰(50%遮光ネット)だと葉焼けすることがあります。

10~11月
10月までは50%遮光ネット、次第に30%遮光ネットに切り替え、11月中旬頃からほとんど日よけがいらなくなりますので、直射日光下で栽培します。

12~1月
引き続き直射日光下でよいのですが、3℃を下回る日は室内の窓辺などに移動させます。

2~4月
2月頃から急激に日差しが強くなってきますので、30%遮光ネットを開始します。3月は50%遮光ネット、4月も終わりになる頃になれば70%近い日よけが必要になります。

室内栽培

室内では3,000ルクス程度の植物育成ライトを1日7~8時間程度(季節ごとの昼の時間に合わせる)を照射します。また合わせて扇風機、サーキュレーターなどで送風を行い、常に空気が動いているようにします。

秋から春にかけて太陽光が窓辺に差し込む場合は、12~1月はレースなし、それ以外の月はレース越しの光を当てるようにします。

風通しと蒸れ防止
十二の巻を含むハオルチアは、風通しがよいことがとても大切です。

屋外では自然と風が吹くので特別な対策はいらないのですが、室内は無風なので特に5~10月は風通しの悪さによる蒸れ・腐りが問題になります。特に春から秋にかけては扇風機やサーキュレーターを一日中回して空気を送り、根腐れ、茎腐れを防止するようにしましょう。

また室内では冬の暖房(エアコンなど)による空気の乾燥しすぎで、十二の巻、十二の爪が干からびてしまうことがあります。暖房のかけすぎに注意するほか、葉水(水スプレー)で消耗を防ぐことも大切になります。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

夏越し耐暑性は中くらいです。真夏の直射日光には大変弱いですが、暑さ自体へはすごく弱いわけではありません。実測値35℃を問題なく耐えています。

夏の管理

外での管理
夏も屋外で枯らさず育てるためには、水やりをかなり控えることが大切です。また遮光ネットを張ることで強光を遮るのはもちろんですが、同時に熱を遮ることも大切になります。簡易ビニール温室で育てている場合は下段のなるべく涼しい所に置いて、ビニールカバーを全開にして熱がこもらないようにします。

室内での管理
室内ではエアコンをかけるため、30℃を超えることはほとんどないので熱対策はしなくてよいのですが、風通しと日照不足に注意してください。空気がよどんでいるとたちまち根腐れ・茎腐れをしてしまいます。また、外ほどストイックにならなくてよいですが、水やりは2週間に1回程度などできるだけ少なめにすると安全です。

越冬最低温度と冬越し方法

冬越し
耐寒温度は3℃程度です。実測値では0℃を耐えていますが、長期に及んだ場合の影響は不明です。

冬の管理

屋外の場合
外で育てる場合は、雪や冷たい雨、冷気を避けるためにできるだけ簡易ビニール温室などにいれるようにしてください。ただ簡易ビニール温室には保温効果はほぼないため、本格的に寒くなる場合は無力で、室内にいれるしかありません。プチプチで覆ったら保温効果が上がるかと思いましたが、実際の実験で夕方多少暖かくても、深夜には外と同じ温度になってしまいました。

室内の場合
室内にいれる場合の最大の難関は日照不足です。一日最低4時間は直射日光が当たる所がいいです。もし難しければ植物育成ライトを導入してください。また暖房のかけ過ぎによる乾燥のしすぎ、温度の上がりすぎにしてください。

寒冷地での寒さ対策

寒冷地では夜間室内でも暖房が入っていないと0℃以下になることがあります。夜間に室温が下がりすぎてしまう場合は、植物ヒーターマットが便利です。これは防水性のホットカーペットのようなもので、鉢の下に敷いて鉢や土を温めることができるものです。(室温にプラス10℃程度)夜のみ段ボール箱をかぶせるなどすれば、更に保温効果が高くなります。

参考までに植物ヒーターマットと植物育成ライトの詳細ページを掲載しています。

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増やし方

殖やし方
十二の巻は通常、株分けで増やします。

適期は生育期の3~5月、9~11月頃です。真冬や真夏は根の伸びが遅くなるのでできるだけ避けてください。

株分けの方法

ハオルシアの株分け作業
ハオルシア①今回は子株がだいぶ大きくなってきている、写真の十二の巻を株分けします。 ハオルシア②まず鉢から抜き出します。よほど子株が生長してせり出していない限り、植え替えと同時に土を落として作業したほうがうまくいきます。 ハオルシア③丁寧に土をほぐしていきます。枯れた根はふわふわになっているので捨てます。指先で示しているところが、白くて生きている根です。
ハオルシア④子株の根元をしっかり握って、軽くスライドさせるようにしながら親株と離します。 ハオルシア⑤今回は子株2個とも根を1~2本つけて分けることができました。 ハオルシア⑥株を真ん中に据えて、周りに土をいれます。
ハオルシア⑦親株、子株をそれぞれ植え付け、軽く水を与えます。そして遮光している置き場に戻します。

ハオルシアの株分け作業
ハオルシア①今回は子株がだいぶ大きくなってきている、写真の十二の巻を株分けします。 ハオルシア②まず鉢から抜き出します。よほど子株が生長してせり出していない限り、植え替えと同時に土を落として作業したほうがうまくいきます。
ハオルシア③丁寧に土をほぐしていきます。枯れた根はふわふわになっているので捨てます。指先で示しているところが、白くて生きている根です。 ハオルシア④子株の根元をしっかり握って、軽くスライドさせるようにしながら親株と離します。
ハオルシア⑤今回は子株2個とも根を1~2本つけて分けることができました。 ハオルシア⑥株を真ん中に据えて、周りに土をいれます。
ハオルシア⑦親株、子株をそれぞれ植え付け、軽く水を与えます。そして遮光している置き場に戻します。

挿し木

取った子株に根がない場合や根が取れてしまった場合は、挿し木の手順で引き続き育てることができます。

根のない株は切り口に水気があるため、3日ほど乾燥させます。そしてやや湿った用土に挿して発根を待ちます。この時カラカラに乾いた土だと根が出にくいので、少し湿らせた土にします。

1週間ほど経って、ごく軽い力で上にひっぱり抵抗を感じれば、根が伸びている証拠なので水やりを開始します。

この間は室内の窓辺や3,000ルクス程度の明るさなど、くれぐれも外の直射日光に当てないように注意してください。

植え替え

ハオルシア

株が大きく育ってきたり根詰まりを起こしたりしたら植え替えをしましょう。

時期はやはり生育期の3~5月、9~11月頃が適期ですが、一番ベストなのは3~4月頃のこれから生育が盛んになるという時期です。

頻度は1年に1回ですが、9cm以上の大きな鉢になれば2年に1回程度でよくなります。

植え替えでは硬くなった土を新しいフカフカのものにしたり、枯れた根を除去したり、鉢が小さくなり根詰まりしたりするのを解消する効果があり大切な作業です。

手順
植え替え時は土はびしょびしょだと土を落とすとき根も切れて落としてしまうことがあるので、やや湿っている程度の状態で行うようにしてください。

株を丁寧に鉢から抜いて、土を落としていきます。触ってみてフカフカして茶色くなって中身がなくなっている根は枯れているので取り除きます。また根ジラミ(白い粉のようになって根にまとわりついている害虫)がついている場合は、丁寧に水で洗い流すか、ひどいところは除去します。

引き続き大きく育てたい場合や、群生させたい場合は株分けなどをせず、一回り大きな鉢に植え付けてください。あまり大きくしたくない場合は、根を少し切り詰めて元の鉢に植え戻します。

土と鉢

土十二の巻や十二の爪には、水はけがよく、通気性がよい、細かすぎない土が適しています。草花や果樹、野菜用の通常の土は水持ちがよすぎて肥料も多すぎるので、あまり向いていません。

市販品を購入する
まず多肉植物用の土を購入することが考えられます。

多肉植物用土といっても実にさまざまな種類がありますが、粒サイズは細粒ではなく小粒のものでゴロゴロとおおきすぎないものが適しています。また素材は赤玉土や鹿沼土、軽石、ピートモスなどが適度に混ぜ合わさっているものがよいと思います。

以下は市販の多肉植物用土の比較ページです。

市販の多肉植物用の土の性質を比較!おすすめも紹介
市販されている7つの多肉植物・サボテン培養土を実際に購入して内容を調査してみました。使用したところ、水もちや水はけ、その土の特徴などさまざまなことが分かりましたので表にしてみました。またその中でおすすめできると思った土も紹介しています。

自分で配合する
ハオルチア向けの用土を自分で配合する方法もあります。

赤玉土小粒や鹿沼土小粒をベースに軽石小粒やパーライト、ピートモスまたは腐葉土などを加えて水はけや通気性を調節します。土は素材により通気性、水はけなどの他に酸性度など性質が異なるので、複数種類を混ぜて偏りをなくすことがポイントになります。

(例)赤玉土小粒1:軽石小粒1:ピートモス1

鉢底石
鉢底石は底のほうの水はけをよくしたり、土の流出を抑えるものですが、十二の巻などハオルチアは根が深く伸びるタイプなので、根が鉢底に到達していれば鉢底石は正直不要です。

小さい苗や大きめの鉢に植えている時は、軽石でできた崩れにくい鉢底石をいれてあげてください。

鉢の選び方

深めの鉢を選ぶ
エケベリアやカランコエなどと比較して、ハオルシアは太い根が深くまで伸びることが多いので、普通鉢(鉢の口径と高さが同じもの)より深鉢(高さのあるもの)が適しています。

しかし株分けしたてで根があまり生えていない苗などであれば普通鉢にするなど、生育過程に応じて植え替えていくとよいと思います。

鉢の種類とおすすめ
鉢はプラスチックをはじめ、陶器製や金属製のものがあり特徴・性質も異なります。

陶器製の鉢は多孔質で通気性がよく比較的速く土が乾きます。また夏に鉢を冷やす効果があります。一方プラスチック鉢は水持ちがよく、水やりの頻度が少なくてすみます。

どちらに植えてもよいのですが、管理人は水やり頻度の低さや鉢の軽さからプラスチック鉢に植えています。プラ鉢といってもさまざまなメーカーが販売していますが、おすすめなのは日本ポリ鉢製の「プレステラ」(深鉢タイプ)です。

プレステラ 実生

プラステラはスリット構造で根の生育によく、深鉢と普通鉢タイプが選べます。またホワイトのカラーのものは夏に土の温度が上がりにくくおすすめです。

肥料

肥料ジュウニノマキや星の林などにも肥料が必要です。

十二の巻などハオルシアはほとんど有機質の含まれていない赤玉土や軽石などに植えるため、肥料分が不足してしまいます。微量要素が不足することで成長障害が出ることもあります。

そのため植え替えをしない年は生育期に液肥を合計3~4回与えたり、植え替えする年は緩効性肥料を土に混ぜたりします。

肥料の例
緩効性化成肥料にはマグアンプK小粒などがあり、植え替えする年には土に2つまみほど混ぜ込みます。

液肥(液体肥料)にはハイポネックス原液花工場原液などがあり、植え替えない年の春に1,000倍程度に希釈して合計3回ほど与えます。

微量要素が不足する場合はリキダスなどの植物活力剤や、ハイポネックス原液・花工場原液など微量要素入りの肥料を与えます。

※もともと肥料が入っている土(元肥済み)を使う場合は、植え付け後1年間は追加で肥料をあげる必要はありません。

開花

春~夏にかけて、長い花茎をのばして白い花を咲かせます。

日照不足だと開花時期になっても花芽をつけないことがあります。一年を通して適度な日光、育成LEDライトに当てることで花芽をつける準備が整います。

病害虫

病害虫
病気対策
梅雨・夏を中心に軟腐病、黒腐病などに注意しましょう。通気をよくしておくとある程度予防できます。カビ病で他の株に移るため、罹ってしまったら残念ですが早めに処分する必要があります。

害虫対策
カイガラムシ、ハダニ、ネジラミなどが付きやすいです。徒長した弱い株は害虫被害・病気が起こりやすいので、強健に育てることが大切です。速効性のある殺虫剤をまいて退治します。

生理障害
強い日光に当てると株が赤茶色になる葉焼けを起こしてしまいます。季節により適度に日よけを行いましょう。また夏は根腐れ、茎腐れを起こしやすいので、通気をよくして乾燥気味に育て、水やり時間帯も夕方から夜にしましょう。

冬は3℃以下の寒さに当てると冷害を起こすことがあるため、特に夜間の温度の下がりすぎに注意しましょう。

販売店や値段など

十二の巻はハオルチアの中でも人気の入門種で、ホームセンターや園芸店にもよく並び、また通販サイトでも充実したラインナップがあります。

店頭によく並ぶのは、春や秋など温暖冷涼な時期です。緑色が濃く白色の模様(バンド)がくっきり浮き出て、葉先がつぼまっており、間延びしていないものを選びましょう。赤茶けた色になってしまっているのは置き場所が明るすぎるためで、ダメージを受けている可能性があるのでできれば避けた方がよいです。

また土がびしょびしょで鉢がずっしりと重いものは、水のやり過ぎで弱っていることがあるので、こちらも避けた方が安全です。

価格帯はハオルチアの中でも最安です。サイズにもよりますが、1苗300~400円程度で買える低価格のハオルシアです。ただおしゃれな容器に入っていたり、子株がわんさか出ている大株だったりすると600円~1,000円する場合もあるようです。

通販
また店頭以外でもネット通販でも販売が盛んです。

近くに園芸店がない方でも、店頭に並ばない時期でも、通販ならいつでも買えます。楽天市場、ヤフーショッピングなど、またメルカリやヤフオクでも多数の出品がみられます。

通販で購入する場合の注意点として、気温があります。数日間トラック等で輸送されてくるので暑い時期、寒い時期は蒸れ、凍結などの心配があります。やはり店頭に並ぶ温暖冷涼な時期(春・秋)に買うのが安全かと思います。

オンラインショップでも購入できます
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よくあるトラブルとQ&A

疑問 質問 答え

トラブル事例

葉が開いてきた

葉が外側に開いてくるのは、ある程度は正常なことです。乾かし気味に育てていると葉をつぼめるのですが、適度に水をやっているとある程度葉を開いた状態を維持します。その他考えられるのは日照不足です。日を求めて葉を外側に開くので、少し明るい所に移動させます。

葉が赤茶色になってきた

葉が赤みを帯びて次第に茶色くなってくるのは、日光が強すぎることを表しています。これを葉焼けといいます。茶色くなったまま放置していると、光の強さによっては株が枯れることがあるので、もう少し暗い所に移動させて葉が緑色に戻るのを待ちます。

間延び(徒長)してきた

間延び(徒長)の原因は日照不足、水のやり過ぎ、通風不足の3つが考えられます。充分に日が当たっていても、水をやりすぎていたり風通しの悪いところに置いていると、徒長することがあります。特に室内に置いているとき起こりやすいです。

Q&A

室内で育てる場合のコツは?枯らさないためには?

室内で健康に育てるコツは、風、日照を屋外並みに再現できるかにかかってきます。サーキュレーターなどで常に空気が動くようにし、植物育成ライトなどで明るさを確保すれば、室内でも枯らさないで育てることができます。

室内で育てる場合の必要なルクスは?

室内での必要な照度は現在実験中ですが、6ヶ月問題なく生育した明るさは3,000ルクス程度でした。冬はもう少し(2,500ルクス程度)照度が下がっても大丈夫でしたが、春~秋は3,000ルクスはあったほうがよいです。

品種ごとの育て方
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