目次
セダム属の写真
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セダム属(Sedum)の特徴
科 | ベンケイソウ科 |
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属 | セダム属(Sedum) |
生育型 | 春秋型 |
育てやすさ | 育てやすい |
成長速度 | 種類により遅い~早い |
増やし方 | 種類により葉挿し〇、挿し木〇、株分け〇 |
原産地 | アジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ |
※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い

セダムは日本を始め、ほぼ世界中に生息している身近な植物です。とても育てやすく、道路のわきや庭などに勝手に自生するくらいで、初心者でも簡単に育てられます。種類にもよりりますが、草のようなタイプは繁殖力が強く成長も早いので、多肉植物というよりは普通の草花の様な感覚で育てやすいです。
小さいものから大きなものまで
同じセダムでも種類によって様々な形や大きさ、色があり同じ属とは思えない個性の豊かさがあります。たとえば銘月や黄麗、虹の玉などはグラプトペタルムのような肉厚の葉をもちます。いっぽうマンネングサのような「草」の姿をしているものもあります。原種は600以上が確認されていて、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカにも分散しています。
育て方
セダムは10~25℃でよく育ち、日本では生育型が「春秋型」で育てられるものが多いです。育てやすいですが夏に蒸れて腐ってしまったり、徒長してしまうこともあります。そうならないためには、日が良く当たるところで水やりを少なめに、通気も心がけて育てましょう。
- 草のタイプは他の多肉植物のより水やりを頻回に
- 真夏の日差しは強すぎるので50%遮光する
- 冬は地表部が枯れる種類もあるが、春に芽吹く
- 年間を通して特に6月は通気をよく、雨ざらしは避ける
年間栽培カレンダー
生育期 | 3~5月と9~11月 |
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休眠期 | 7~8月 |
水やり |
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置き場所 |
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植え替え |
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増やす |
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肥料 |
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開花 |
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主な種類名
名前 | 学名 |
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アラントイデス | Sedum allantoides |
薄化粧 | Sedum palmeri |
黄麗 | Sedum sp. |
オーロラ | Sedum rubrotinctum cv.Aurora |
乙女心 | Sedum pachyphyllum |
グラウコフィラム | Sedum glaucophyllum |
小松緑 | Sedum multiceps |
サンライズマム | Sedum ‘Sunrise Mom’ |
玉葉 | Sedum stahlii |
トレレアシー(天使の雫) | Sedum treleasei |
虹の玉 | Sedum rubrotinctum |
春萌 | Sedum ‘Alice Evans’ |
新玉つづり(ビアホップ) | Sedum burrito |
姫玉綴り | Sedum burrito |
宝珠 | Sedum dendroideum ssp. praealtum |
宝珠扇 | Sedum dendroideum |
松の緑 | Sedum lucidum |
緑亀の卵 | Sedum hernandezii |
銘月 | Sedum adolphii |
モシニアナム | Sedum mocinianum |
八千代 | Sedum allantoides |
ワイルドファイヤー | Sedum |
玉蓮 | Sedum furfuraceum |
名前 | 学名 |
---|---|
黄金細葉万年草 | Sedum |
カメレオン | Sedum reflexum cv. ‘Chameleon’ |
ゴールデンカーペット | Sedum |
ゴールドビューティー | Sedum |
笹姫(覆輪万年草) | Sedum |
サルサヴェルデ | Sedum |
ステファニーゴールド | Sedum |
タイトゴメ | Sedum oryzifolium |
ダシフィルム | Sedum dasyphyllum |
チョコレートボール | Sedum |
ツル万年草 | Sedum |
ドラゴンズブラッド | Sedum spurium ‘Dragon’s Blood’ |
トリカラー | Sedum spurium ‘Tricolor’ |
パープルヘイズ | Sedum dasyphyllum |
パリダム | Sedum pallidum |
ヒントニー | Sedum hintonii |
ブレビフォリウム | Sedum brevifolium |
細葉万年草 | Sedum |
丸葉万年草 | Sedum makinoi |
ミクロスタチウム | Sedum microstachyum |
ミモザ | Sedum |
森村万年草 | Sedum |
ルテア | Sedum lutea |
六条万年草(コーラルカーペット) | Sedum |
プロリフェラ | Sedum Prolifera |
ウィンクレリー | Sedum winkrelii |
多肉植物の日本での栽培は自生地の環境と異なります。そのため日本の寒さや暑さに耐えられなくなると生育が鈍ったり成長が止まったりします。その時期のことを「休眠期」といいます。時期は種類によって異なり、夏に休眠するタイプと冬に休眠するタイプがあります。休眠期は生育が鈍るので肥料や水やりを控え、挿し木や株分けなど株へ負担をかける作業を控えます。
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育て方のポイント
水やり
セダムは日本では3~6月、9~10月、10℃~25℃くらいで最も良く成長するものが多く、この時期は鉢底の土まで乾いたらたっぷり水を与えます。目安は週に1回くらいです。
雨が続く6月の梅雨時期は水やり回数を減らします。夏に向かって少しずつ水やりを減らしていきます。そして30℃を超える7~8月は休眠気味になるので10日に1回くらいの水やりに減らします。
また12~2月の厳冬時期も休眠するので水やりは月に2回くらいにします。水やりのコツは夏には涼しくなる夕方に水をやり、冬は暖かくなる朝に水をやることです。これで蒸れ腐れや凍結をある程度防ぐことができます。
置き場
セダムは雨ざらしでもよいと書いてあることもあり、確かにそうなのですが最近の異常気象での雨の降り方はセダムにとっても厳しいので、できる限り雨のかからない所に置いたほうがきれいに育ちます。また硬葉系(当サイトの造語です。乙女心や天使の雫など、万年草より葉が分厚く多肉質の種類の意)はセダム以外の多肉植物(グラプトペタルムなど)と同じ扱いをしたほうが安全です。
具体的には3~5月は直射日光のあたる日なたに、6~8月は日差しが強すぎるので遮光するか明るい日陰におきます。9月から翌2月までは直射日光の当たるところに置いて大丈夫です。基本は年間通して外で育てますが、氷点下になる寒冷地や耐寒性が弱いものは12~2月は室内か温室に取り込みます。
万年草は雨ざらしでもよいとされていますが、梅雨時や台風シーズンは雨のかからないところが望ましいです。また毛がはえている種類や斑入り種のもの、日本原産ではないもの(虹の玉や玉つづりなど)は年中雨を避けて軒下などに置きましょう。年間を通して風通しのよいところに置くことが大切で、群生しているものは特に蒸れに注意します。また万年草系はあまり紅葉しませんが、オーロラや乙女心、銘月など紅葉種は7~8月以外はたっぷり日を当てると良く紅葉します。
耐暑性と最高気温・夏越しの方法
セダムは多肉植物の中では直射日光には強いほうですが、直射日光に近年の猛暑が加わると溶けたり葉焼けしてしまうことがあります。そのため6~9月は30~50%程度遮光したほうが安全です。
また斑入り種は5~10月までしっかり50%遮光したほうがよいです。またセダム属は高温には強いものの湿気には弱いので梅雨~夏は通気のよい所で育てます。夏は室内に置くと蒸れて枯れやすいので、できれば戸外で50%遮光ネットをかけるか半日陰に置きましょう。風通しと土の乾燥、遮光の3つをしておけば40~45℃程度を耐えることができます。
越冬最低温度と冬越し方法
セダムは種類によって耐えられる最低温度が異なります。しかし全般的には3℃程度を守れば安全に育てられますが、1℃程度ならほとんど問題ありません。日本で昔から栽培されているものはマイナスにも耐えられます。
寒い冬の間は水やりにコツが必要で、水分を少なめに断水気味に育てると耐寒性が上がります。セダムは冬に水やりをゼロにすることはできません。しかし水やりは凍りそうな日を避け、なるべく温かい日の朝にすると凍結の危険性が小さくなります。またセダムは冬に地上部が枯れて根だけで越冬し、春に新芽が吹くものがあります。秋に葉が散ったとき、枯れたと思って捨ててしまいわないようにしまししょう。
増やし方
セダムは種類ごとに異なりますが、葉挿し、挿し木、株分けで殖やすことが出来ます。
適期は生育期の3~6月、9~11月頃、気温が10℃~25℃の間です。作業開始が遅れて休眠期の7~8月の真夏や12~2月の真冬にずれないよう、季節が来たらすぐ繁殖作業をしましょう。セダムは全体的にすぐ殖えてしまうほど繁殖しやすいので、初心者でも簡単に繁殖できます。
さし木:
万年草系、硬葉系(黄麗など)もどちらも挿し木で増やます。
万年草系のさし木の方法
まず元気な株から5~10cmほど枝を切り取り挿し穂とします。そしてすぐに少し湿った土に植えて少し水を与えます。多くの多肉植物は切り口を乾かしますが、万年草系はしなっとしやすく土が湿っているほうが根が出やすいので水を与えても大丈夫です。(たまに失敗して腐ることがあります)
硬葉系のさし木
(銘月や虹の玉、天使の雫など)元気な株から茎を5~10cm切り取り、土に挿せるように下の方についている葉を数枚むしりとります。これを挿し穂とします。挿し穂は4~5日程度切り口を乾かし、その後乾いた用土に挿します。種類により1~2週間で発根するので、根が生えてから徐々に水をやりはじめます。
葉挿し:
葉っぱ類(万年草)は葉挿しができませんが硬葉系は可能です。
まず元気な親株から葉を横に滑らせるように丁寧にもぎとり、トレーに並べておきます。早いものは1週間程度で根が出てくるので、乾いた土の上に置いてもぎ口に少し土をかぶせます。芽が出てきて葉挿しが成長し親葉がカリカリになったら、子株の水やりを始めます。
※注意:硬葉系は正式名称ではなく造語ですのでご注意ください。(虹の玉、オーロラ、乙女心、銘月、黄麗、緑亀の卵、玉連、玉つづり、天使の雫など)
株分け(上の2種類ともに可能)
株分けという形で殖やすこともできます。植えてそれなりに栽培していると、だんだん新芽が出てきて混み合ってきます。そうなったら鉢から抜いて、根を少しつけて別の容器に植え付けます。植え付けてから3~4日後から水やりを始めます。株分け前は若干水やりを減らして土をほぐしやすくしておくとよいです。
植え替え
植え替えも繁殖と同様に生育期である3~6月、9~11月に行います。一見不要な作業に思われますが、健康に生育するためにはとても重要で、古い土を新しくする、根の整理をする、害虫を見つけるなどの役割があります。
多くの多肉植物はだいたい小さい鉢(3号鉢以内)で1年に1回程度の植え替えが必要ですが、セダムは成長速度が速いので年に2回植え替えが必要なこともあります。
土と鉢
土は他の多肉植物と同じように排水性がよい土を選びます。手軽にしたい時は市販の多肉植物の土を使ってもよいですし、自分でブレンドしてもOKです。
自分で土を作る場合は、赤玉土をメインに、排水性の良い軽石やパーライト、保肥性のよいバーミキュライトやピートモス、改良材としてボラ土や川砂などをブレンドします。
鉢はエケベリアなどと比べてそれほど選びません。大きい鉢に植えればそれだけ株も大きくなり、小さい鉢に植えればこじんまりと成長します。あばれ系といわれるように繁殖力が強く、庭植えなどにすると爆発的な速度ではびこってしまうこともありますが、小さな器に植えれば小さくまとまりますのでサイズはコントロールすることができます。
肥料
セダムは基本的には肥料が要りませんが、与えると生育がよくなります。ただ万年草系のセダムは徒長しやすくなるので施肥は避けます。
硬葉系(虹の玉、乙女心、月の王子など肉厚の)では成長速度を上げたり、葉を大きくしたりしたい場合は、液肥などを与えます。また赤玉土をメインに使っているなどで土の微量元素が不足している場合は、3~6月、9~11月に月1回程度の液肥か植え替え時に緩効性肥料を施すとよいです。
病害虫
残念ながらセダムは他の多肉植物と比べて比較的、病害虫に遭いやすいです。4月春先、モンシロチョウやシジミチョウが卵を産んで青虫が湧き、葉っぱが食害されます。
また梅雨時になるとウドンコ病などカビ病にかかりやすく、あっという間に広がり全滅することがあります。その他ナメクジ、アブラムシなどが付くことがあります。そのため予防が必要になってきます。
まずカビ病を防ぐために、6月に入ったらベンレートやサプロールなどの殺菌剤を散布しておきましょう。そしてアオムシやアブラムシ対策にベニカなどの殺虫剤を散布します。オルトランDX粒剤だと葉を汚さず、土にまくだけでかなりの範囲の害虫の駆除ができます。効果はアブラムシで1ヶ月程度です。
セダム属によくあるトラブル
- カット苗セットなどを買ってきたらすぐ水やりしていいの?・・・一般的に多肉植物は根が出るまで水やりはダメですが、セダムの葉っぱ類は異なります。多少湿らせた土にカット苗を挿した方がすぐ根付きます。
- 銘月・黄麗の根が出てこない・・・セダムの中でも銘月や黄麗は根が出るのが遅いので辛抱強く待ちます。このタイプは発根まで水やりしない方が腐る心配を防げます。
- 虫に食われてしまった・・・セダムは害虫が付きやすいので、他の多肉植物と異なり予防的に殺虫剤を撒いた方が良いです。(必須といえそうです)
- セダムがひょろひょろに伸びてしまった・・・多肉植物の中でも日光が必要なタイプで、日光が足りない時や水やりを多くしてしまうと徒長してしまいます。7~8月以外はなるべく丸一日太陽の光に当てると徒長を防げます。
- セダムは多肉植物の中では育てやすいので、初心者におすすめです。
- 草花に近い姿で花も良く咲き、花と葉っぱの両方が楽しめます。
- 馴れてきたら、エケベリアやグラプトペタルムなどときれいな寄せ植えが作れます。
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