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チレコドン ワリチーの実生方法(種まき)と栽培記録

コチレドンから分離されたチレコドン、名前がややこしいですが、冬型コーデックスを代表する種類です。ナミビアから南アフリカに50種類ほどが棲息しています。

このサイトでは2022年秋に種まきをして、初めて種から育てていくことになりました。チレコドンの成株は育てておらず、予備知識がないのですが、実際に育てることで栽培経験を積んでいきたいと思います。

チレコドンを種まきで育てる

チレコドン「ワリチー」の実生と種子

チレコドン「ワリチー」の種子

冬型コーデックスは夏型コーデックスより発芽に苦労する種類が多く、栽培難易度が高いとされています。更に腰水(底面吸水)や遮光(日よけ)を必要とする、寒さに弱く室内への取り込みが必要など管理が面倒です。

しかしチレコドンを育てる意義はごっつい感じに太っていく「塊根」です。この塊根を作るためには、種まきから育てていく必要があります。

今回実生するのはチレコドン「ワリチー(奇峰錦:キホウニシキ)」です。後で分かりましたが、チレコドンの中では発芽難易度が高いそうです。当面はワリチーを育てていきますが、あまりにも発芽率が悪い場合は、万物想(レティキュラツス)に変更するかもしれません。

以下はメルカリからお借りした育ったときのワリチーの写真です。
チレコドン ワリチー

画像引用:https://jp.mercari.com/item/m77528633486

実生(種まき)に必要なもの

用意するもの

  • 種子
  • 種を蒔く鉢
  • 鉢を浸ける容器
  • プラスチックのラベル
  • 種まき用の土
  • 通常の多肉植物用土
  • 土を混ぜる厚手の袋
  • 殺菌剤(オーソサイド)
  • 殺菌剤を溶かすペットボトル
  • 霧吹き
  • 消毒用のお湯

鉢の用意

プレステラ 実生

ここではホームセンターなどで入手しやすく安価な「プレステラ90」というプラスチック鉢を使いました。この鉢に土を入れて種を蒔きます。他の鉢をお持ちの方はそれでも良いですし、鉢がない場合は、百均などにあるプラスチックトレイでもよいですし、カップ麺や食品の空き容器に蒔く方もいます。

そして鉢を水に浸けるための大きめの容器が必要です。ここでは家にあった空きのプラスチックケースを使いました。適当な入れものがない場合は、百均に売っているプラスチックケースや、家にあるもので済ませたい場合は、2Lのお茶や水のボトルを切って加工したものでも代用可能です。

また土の消毒にお湯を使いますが、プレステラ鉢は土をいれてその上から熱湯を注いでも変形しないことを確認しています。

土の配合と種類

土は様々な意見があり、赤玉土を単用する方もいれば、何種類も混ぜてこだわる方など様々でこれといった正解はないようです。ただ、腰水(底面吸水)をするため肥料を入れないという点は共通のようです。

今回の配合
土は3層にしました。プレステラの深さを3等分にし、底3分の1に花ごころサボテンの土を敷きました。その上に通常の多肉植物の土を入れ、表土には花ごころさし芽種まきの土を入れました。通常の多肉植物の土というのは、赤玉土や日向土、ピートモス、パーライトなどを自分で混ぜた小粒のものですが、用意できない場合花ごころさぼてんの土で代用することも可能です。

ペラルゴニウムの実生の土

チレコドンの種はかなり小さく、発芽したての芽はとても小さく根張りも最初は弱いです。そのため目の粗い土は避け、種まき用の市販の土を使いました。一方中間から底の部分ではやや水はけがよく根をしっかり張らせたいため、通常の多肉植物の土を使いました。

種をまいたら半年程度は植え替えができません。そのためポットの底から表面まで種まきの土を入れるより、中間部以下は普通の多肉植物の土がよいのではないかと思います。

市販でも充分可能
ただしこれはやり方の一例に過ぎず、全部市販の土で代用することもできます。大切なのは表土には3mm程度のふるいでふるった極細かい土を敷き、底から中程に入れる土は5mm程度のふるいでふるった細かめの土を使うことです。ふるいは100均やホームセンターなどで販売されています。

また、肥料は腰水の間はないほうがよいため、最初から肥料入りになっているのは避けた方が良いと思います。(腰水が終わってから与えます。)

土の種類解説

花ごころさぼてん多肉植物の土
花ごころ さぼてん多肉植物の土
花ごころの市販用土で軽石・バーミキュライト・ゼオライトなどが入っている土で、肥料が入っていない土です。水はけと根腐れ防止に重点を置いています。

花ごころさし芽種まきの土
花ごころ さし芽種まきの土

花ごころの市販用土で、バーミキュライト・パーライト・ピートモス・鹿沼土でできており、肥料が入っていないものです。さぼてんの土より細かく細粒で種まきの表土に適しています。

通常の培養土(自作)
通常の多肉植物用土

自作の土で、細粒~小粒の赤玉土・日向土・ピートモス・パーライト・くん炭を1:1:1:1:0.5で混ぜたものです。多肉植物の成株に使っている土で、適度な水はけと水持ちがあります。(管理人は自分でブレンドしましたが、単体の土が用意できない場合は、花ごころのさぼてん多肉植物の土で充分代用可能です。)

例えば
実生の土の層
花ごころさし芽種まきの土と、さぼてん多肉植物の土をこのような層で入れる方法が考えられます。

必要なものと費用


種をまく鉢 鉢をすっぽりいれられる容器 殺菌剤
プレステラ 実生プレステラ90
1個30円
ホームセンター
実生 道具プラスチックケース
家にあったもの
オーソサイドオーソサイド
1箱 800円
Amazon
細粒の土(表面用) 細かい土(中間用) 通常多肉用土
花ごころ さし芽種まきの土花ごころのさし芽・種まき用の土
5L 600円程度
Amazon
花ごころ さぼてん多肉植物の土花ごころのさぼてん多肉植物の土
5L 600円程度
Amazon
実生通常の培養土
赤玉土・日向土・バーミキュライト・ピートモス・パーライトを同率で混合
ふるい(5mm) ふるい(3mm)
実生 道具中間の土を作るためのふるい(5mm程度)
Amazon
実生 道具表面の細かい土を作るためのふるい(3mm程度)
Amazon
殺菌剤スプレー 消毒用の湯1L~ スコップ
実生 道具オーソサイド用のスプレー容器
800倍に薄めたオーソサイド用のスプレー容器
Amazon
実生鍋で沸騰させたお湯1L程度
自宅
-円
実生 道具土入れスコップ
大小で300円程度
ワンポイント

オーソサイドは殺菌剤で種子のカビを防ぐためのものです。ベンレートでもよいのですが、オーソサイドのほうが藻や青ゴケを防ぐ効果が高いので、最近はオーソサイドを使うようにしています。

水を1cm程度張り、そこに鉢をつけることができれば、腰水用の容器はなんでも構いません。

種の購入方法

多肉植物植物ワールド 種子
チレコドンの種子は主にネット通販で入手します。自分で成株を育てて受粉し種を採取している場合はそれが一番よいですが、無理な場合はヤフーショッピング、ヤフオク、メルカリなどで入手します。

また種を大量に購入する場合は、海外のオンライン通販ショップ(ケーレスなど)で購入する方法もありますが、検疫の費用などを考えるとよほどたくさん買わない限り割高になってしまいます。

種を購入するとき一番大切になるのが、「種の信頼性」です。信頼が置ける販売業者か、メルカリやヤフオクでは出品者が信頼できるかをしっかりチェックしましょう。

特にメルカリやヤフオクでは偽物(チレコドンではない種子が届く)を掴まないよう、また採取年月が分かっており、交配親の写真などが載せられている、検疫証明書の画像が載せられているかなどの点が大切です。

以下ではいくつかの入手方法を解説しています。

ヤフーショッピングの多肉植物種子の専門店
多肉植物ワールド
プラントブラザーズ
seed stock

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種の蒔き時(適期)

チレコドンは秋から春にかけて成長する「冬型」の多肉植物です。そのためタネの蒔き時は9月~10月が適期とされます。

まだ実験中なので確証はありませんが、夏に蒔いてしまうと芽が溶ける、高温で発芽しないなどの可能性があります。また冬型コーデックスですが、ペラルゴニウムのように低温にさらさないといけないということはなさそうで、冷蔵発芽処理は不要で、通常の戸外の環境で発芽すると思われます。

※冬型コーデックスの冷蔵発芽処理については、以下のページをご覧ください。
冷蔵発芽処理について

チレコドンの実生で大切なこと


大切なことの基本は、他の冬型コーデックスと変わりません。

  • あまり古い種は使わない
  • 秋に涼しくなってから蒔くこと
  • 土を殺菌してから使うこと
  • 最初から肥料は与えない
  • 種まきから2ヶ月程度は腰水(底面吸水)にすること
  • 直射日光下はダメで半日陰で管理すること
  • 覆土しないが蓋をする
  • 硬質ポットに植えること
  • 成株とは異なる育て方をすること

種の新鮮さ
チレコドンはパキポディウムほど種の新鮮さは求めないようですが(注意:実際に試したわけではありません。)、何年も寝かしておけるメセン類と比べると、新しいもののほうがよいでしょう。

蒔き時
発芽の適温は現時点では不明ですが、10~20℃程度という説があり、また種類によっては20℃以上を保てる春に蒔く必要があるようです。発芽次第このページで報告させていただきます。

土の殺菌
土は必ず新品のものを使いましょう。病気や虫などがいる可能性がある古い土は避けたほうがよいです。また新品であっても使う前に必ず熱湯で消毒し、さらに殺菌剤をスプレーしておく必要があります。

土の細かさ
チレコドンのワリチーの種はかなり小さく、発芽時の芽はとても芽は小さいので表土は細かめ、中間から底までは適度な水はけのある普通の多肉植物の土を使うとよいでしょう。

肥料のやり方
種まきからごく初期(3ヶ月以内)は、肥料をやるとカビや藻が出やすいので与えないようにします。またもともと無肥の土(肥料が入っていない土)を使います。4ヶ月後以降は希釈した液肥を時々水やり代わりに与えて成長を促進させます。また有機肥料はカビの元となるので、必ず化成肥料(化学肥料)を使うようにします。

腰水(底面吸水)
根がしっかりと生え充分成長するまで、水やりは腰水(こしみず)=底面吸水という形を取ります。発芽から数ヶ月以内の間は土がカラカラに乾くと芽も枯れてしまいますし、ジョウロで与えると苗が倒れがちです。

そのため発芽して2ヶ月程度は腰水で管理し、絶えず表土が濡れるようにします。腰水の水は腐らないように時々交換します。苗がしっかり立ってジョウロからの水やりに耐えられるようになったら、底面吸水を終了します。
腰水の解説ページ

時期ごとの管理場所
直射日光下に置くと強い日光で芽が枯れるので、必ず半日陰か50%遮光ネットを張ったところで管理します。11月以降は遮光無しで問題ありません。また暗すぎる所はダメで、室内などに設置すると芽がヒョロヒョロと伸びて倒れてしまう「徒長」を起こします。また室内管理だと風が吹かず高確率でカビが出ます。そのため戸外の半日陰・50%遮光ネットの下に置くようにしましょう。(初秋の9~10月中旬頃)

硬い素材のポット
腰水の交換などポットを移動させることが多いので、持ち上げても形が崩れないプレステラなどの硬質ポットが適しています。薄いビニールポットは持ち上げたとき形が変わり、土がぐちゃぐちゃになってしまうため適していません。

覆土はしないでラップも使わない
覆土はしません。また種が小さく充分に土から湿り気を吸えるため、ラップで覆う必要はありません。

種まきから1~2年の苗の管理
チレコドンは冬型の多肉植物なので夏は水をやってはいけないと思いがちですが、小さく弱い芽で保水性も少ないため、真夏でも月に1~2回の水やりを続けます。特に1回目の夏は水切れに注意します。

なお、チレコドンの種まきの方法はこれが正解というやり方はなく、人によりそれぞれ蒔き方が違います。土の配合や肥料の与え方、使う鉢の種類、使う殺菌剤の種類・・・みな、自分のやり方で試行錯誤を繰り返しながらだんだんと上手になっていきます。

そのため、このサイトに書いてあるやり方が唯一ではありません。あくまでも参考程度にしていただければ幸いです。

チレコドンの種まき方法

準備

まずラベルを作ります

実生 道具

用意したプラスチックラベルに蒔く種の名前と日付などを書いておきましょう。他にも色々種をまくとどの鉢がどの苗だったか分からなくなってしまいます。

実生 道具

カビや腐敗、雑菌の防止に用具や鉢、鉢を浸ける容器などをしっかり洗っておきましょう。理想をいうと、種を蒔く鉢は新品のものが望ましいです。

次にオーソサイド800倍希釈液を作ります
オーソサイド

ペットボトルのような細い口の容器に入れる場合は、折った紙を使うとこぼしにくいです。

オーソサイド

オーソサイドはかなり沈殿しやすいので、必ず使うたびに振ってください。

オーソサイド

土をふるう

土はあらかじめふるって粒サイズを小さく均一にしておきましょう。ここでは3mmのふるいでふるった土を表土(一番細かい)にし、中間の土は5mmのふるいでふるいました。

実生 道具

実生 道具

さし芽種まきの土も同様にふるっておきます。

実生 道具

実生 道具

日当たりを考えて、土は鉢の上から5mm~1cmほどの深さまで目いっぱい入れたほうがよいです。

土の消毒をする

土の消毒方法はいくつかありますが、ここではプレステラ90に土を入れ、その上からお湯を充分に注ぐ方法にしました。更に殺菌剤のオーソサイドを800倍に薄めたものを土に注ぎ、表土にはくまなくスプレーしました。

実生

土は階層を作っているので注いだ時に構造が崩れないよう、慎重にお湯を注ぎます。

実生 道具

鉢底から充分お湯が流れ出てきたら底面吸水用のプラスチックケースに鉢を並べ、土の上からオーソサイド800倍液を注いでいきます。

腰水

腰水に使う水は鉢が1cm~1.5cm程度浸かる程度の量で問題ありません。

種をまく

チレコドン「ワリチー」の実生と種子

チレコドン「ワリチー」の実際の粒サイズ

熱湯で土を消毒し、オーソサイドを溶かした水をたっぷりかけておきます。土が充分に冷めたのを確認してから土にのせます。

発芽までの日数は?

管理人の環境(白い遮光ネット3枚重ねで気温は最高22℃/最低13℃程度)では、播種から7日目に初めて発芽しました。しかし発芽率は良くなく17日経過後の発芽は7個で25%となっています。

置き場(遮光環境)と水やり(腰水)

置き場所
遮光ネット

10月中旬までは日差しが強いため、半日陰の環境に置きます。10月下旬は22%の白い遮光ネットを3枚程度重ねるだけでよくなります。11月からは遮光ネットを外して問題ありません。最低温度は5℃程度のため、5℃を切るようになったら室内の日の当たる窓辺に移動させます。

室内では土にカビが生えやすくなるため、適度に通気が良いところが最良です。難しいようであれば、USBミニ扇風機などで時々風を送りましょう。

また窓のない室内でも、植物育成LEDライトがあれば育てることができます。
植物育成ライトでの多肉植物の栽培

チレコドンの実生記録

1ヶ月目(2022.10)

2022/10/11
28個播種しました。

2022/10/13
戸外の環境に移しました。60%遮光ネット(シルバー)に加え白い遮光ネット4枚を重ねています。

2022/10/15
60%遮光ネット(シルバー)を外しました。これで白い遮光ネット4枚のみになりました。

2022/10/18
合計3個発芽しました。

2022/10/19
白い遮光ネットを3枚重ねにしました。

2022/10/24
合計5個発芽しました。

2022/10/28
合計7個発芽しました。

2ヶ月目(2022.11)

色々なタネを蒔きましたが、管理を簡単にするため10月を1ヶ月目、11月を2ヶ月目にカウントさせていただいています。

2022/10/31
合計8個発芽しました。

2022/11/3
合計9個発芽しました。鉢の一方にハイポネックス500倍を散布しました。

2022/11/6
9個のままです。この日から遮光ネットを完全に外しています。

2022/11/9
変わらずですが少し大きくなったような気がします。

2022/11/12
やはり9個止まりです。気候は最高22℃/最低12℃程度を続けています。腰水はしっかり行っています。

撮影日:2022/11/12

写真では小さくて分かりづらいですね。

2022/11/15
合計9個を維持

一鉢のみにハイポネックス500倍をスプレーしましたが、成長が良くなったため残りの一鉢にもスプレーしました。コーデックスは塊根をしっかりさせるためには肥料はないほうがよいと書いてありましたが、ワリチーのように初期に芽があまりにも小さい場合は与えても良さそうな感じがしてきました。

2022/11/18
合計9個を維持

2022/11/21
合計9個を維持

11月末にもなりますが気温は10月下旬のような感じが続き、最高気温が20℃、最低気温が12℃程度となっています。
まだ双葉のみで、本葉が生える兆候はありません。引き続き腰水と直射日光下での管理を続けていきます。

撮影日:2022/11/20

2022/11/21
鉢2つ両方にハイポネックス500倍液をスプレーで与えました。

2022/11/24
合計10個

2022/11/27
合計10個

2022/11/30
藻の防止のため、オーソサイド800倍スプレーを散布しました。

※11月末をもって3日おきの発芽数確認は終了させていただきます。

3ヶ月目(2022.12)

【12/1記】この11月は気候もよく暖かかった(最高気温22℃/最低気温12℃程度)ですが、この2日急に寒くなってきました。今後2週間の予測気温は、最高気温13℃/最低気温8℃となっています。

チレコドンのワリチーは相変わらず小さな芽ですが、ハイポネックス500倍で葉が大きく分厚くなりました。

また、10/11に種まきして3日おきに芽の数を確認してきましたが、10/31までの20日間でほとんどの芽(9個)が出てそれ以降は1個しか発芽していないことから、気温が下がると発芽しにくくなるのではないかと感じました。ただこの間の気温の変化はほとんどなかったため、気温だけが要因とも考えにくいです。

また、ワリチーは直射日光に当てないと発芽しない「好光性種子」かもしれないと考えましたが、日よけを外して直射日光栽培に切り替えた後も発芽数は増えなかったので、日光が原因とも考えにくいです。

発芽率が悪かった原因は今のところ分かりません。

栽培は、現在も戸外の直射日光下で、水やりはとてもジョウロではできないので底面吸水です。5℃を切ったら室内に取り込みますが、まだ2週間以上先の見込みです。

撮影日:2022/11/29

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