多肉植物は鉢選びが大切な理由
多肉植物を栽培するとき、土の種類や水のやり方はとても大切です。しかしそれと同じくらい重要なのが「鉢選び」です。なぜそんなに大切なのでしょうか?それは選んだ鉢の種類でその後の成長や育て方がかなり変わってくるためです。
育てたい多肉植物の種類によっても選び方は変わってくるので、まず鉢と成長の関係を確認してみましょう。
- 種類によって乾く速度が違う
- 色によって土の温度が変わる
- 鉢の大きさで苗の成長が変わる
種類によって乾く速度が違う
まず鉢の種類によって土の乾く速度がかなり異なります。それではどれが乾きやすいのでしょうか?
- 素焼き鉢
- 駄温鉢
- ペットボトル鉢
- プラスチック鉢
- 穴の無い容器
の順に乾きやすい。
素焼き鉢は鉢の材質に無数の小さな穴が空いていて、一番水分が蒸発しやすい特徴があります。また素焼き鉢は水分が蒸発するとき気化熱で鉢を冷やすので温度にも関係してきます。駄温鉢は素焼き鉢より高い温度で焼いた陶器の鉢で、素焼き鉢ほど乾きは早くないですが、プラスチック鉢よりは速いです。
次にプラスチック鉢、ペットボトル鉢も同じくらいで、プラスチック鉢より乾きが遅いのが、穴の無い容器(ブリキやガラスなど)です。
驚くことに早く乾く鉢とそうでない鉢では、同じ品種を育てるのに別の種類か?と思えるほど水やりの量や頻度が変わってしまいます。
色によって土の温度が変わる
実は鉢の色で土の温度が変わります。色はそれぞれ熱の吸収率が違って、黒色の鉢が一番熱くなります。その次は茶色・深緑色、一番熱くならないのが白色の鉢です。色でそんなに変わるのかと思いがちですが、実際に黒から白のポットを並べて土をいれて置いておくと、夏に黒い鉢は握れないくらい熱くなり、白い鉢は温かく感じるくらいの差が出ます。
どれが一番良いということではなく、植えたい多肉植物の種類によって使い分けることが大切です。例えば夏に休眠する暑さが苦手な種(リトープスやアエオニウムなど)を育てる鉢は、春に植え替えをするなどして夏は熱くなりにくい白い鉢を使います。また冬に弱い品種で、根を温めたいという場合は黒や茶色などのポットを使います。
鉢の大きさで苗の成長が変わる
次は苗の大きさが鉢のサイズによって変わってくる点です、大きすぎる鉢に植えると生育不良を起こすため、鉢のサイズを選ぶのもとても重要な課題です。
まず苗の育ちは鉢のサイズ(土の量)によって変わります。結論は大きい方が苗が大きくなります。小さい鉢に入れっぱなしの多肉植物が、どんどん大きくなることは稀です。小さい鉢では鉢内が根で一杯になってしまい、それ以上大きく成長できなくなってしまうことがあります。逆に大きい鉢に植えるとその鉢の土の量で大きくなれるまで大きくななることがあります。※もちろん種類によって異なり、小型種は小さいままです。
次が大きすぎる鉢に植えると生育不良を起こす点です。植え替えが面倒で6cmくらいの多肉植物を18cmくらいの鉢に植えたとしましょう。そうすると植物の大きさと土の量が不釣り合いになってしまいます。そのため水やりしたときに根が鉢全部の水を吸い上げられません。古い水が残り常に湿った状態が続くと根腐れしたり、徒長したり、酸素が行き渡らず根が窒息したりしてしまうとったトラブルが起こります。
鉢の大きさ、色、素材はその後の生育を左右するのでぜひ頭に入れておきましょう。