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多肉植物に向いている鉢の特徴と選び方

鉢選びの3つのポイント

土や肥料などのように「多肉植物用の鉢」というものは売っていません。多肉植物を育てる鉢はどんなふうに選べば良いのか?ここでは多肉植物によい市販の鉢の選び方を見ていきましょう。

鉢選びの原則は育てる種類に合わせて選ぶことです。多肉植物と一口にいってもそれぞれ求める鉢の特徴は違っており、特に排水性がよいものを好む種類もあれば、カラカラに乾かない鉢を好む種類もあります。その中でも共通するものを確認してみましょう。

良い鉢の5つのポイントの詳細は多肉植物にとって良い鉢は?のページに書いてあるため、ここでは要点を整理してみました。

水はけや乾き

鉢底
まず

  • 水が乾きやすい鉢
  • 水が乾きにくい鉢

があります。

素焼き鉢や駄温鉢、木製コンテナなどは側面に小さな穴がたくさん空いているので、通気性がよく水が乾きやすい特徴があります。一方プラスチック鉢や金属の鉢、ガラスの鉢などは側面に穴がない素材なので通気が悪く、土の乾きも遅いです。

また

  • 排水性の良い鉢
  • 排水性の悪い鉢

があります。

鉢底の穴の空き方が左右していて、鉢底穴が空いていないものはもちろんのこと、穴が空いていても底が地面にべったりついてしまう簡易なものは水はけが悪いです。逆に鉢底を地面から浮かせるための処理がしてあるものは、ざーっと水がはけて水はけが良いです。

水はけのよい鉢、やや水持ちのよい鉢、は育てたい多肉植物の種類に合わせて選ぶ必要があります。

色と形

  • 温まりやすい色の鉢
  • 温まりにくい色の鉢

がある。

黒い鉢や濃い色の鉢は、鉢が温まりやすく土の温度が上がりやすいです。一方薄い色や白い色の鉢は直射日光を受けても跳ね返してしまうため温まりにくいです。

黒い鉢は冬に保温性が高いですが、夏にはそれがネックになり根が熱くなりすぎてしまいます。白い鉢は夏温まりにくく根が煮えてしまう心配が少ないですが、冬には保温性が弱いのがデメリットです。

また

  • 根が深くなる多肉植物
  • それほど深くならない多肉植物

があります。

リトープスやメセン類などは、ごぼう根といい1本の太い根が深くまで伸びやすく、鉢の高さが必要になります。一方エケベリアやグラプトペタルムなどは細い根がたくさん生えるタイプで、横張りはしますがあまり深くまでは伸びません。そのような種類には深い鉢は不向きです。

これもやはり必要に応じて、色や形を選んでいく必要があります。そのため色々な種類を育てていると色々なサイズ、色の鉢が混在するようになっていきます。

適したサイズ(口径)

多肉植物は

  • 大きすぎる鉢
  • 小さすぎる鉢

のどちらも避けます。

大きい鉢に植えておけば育つまでずっと植え替えが不要で楽ちんだと思いがちです。実はそれは苗にとってはよくありません。大きすぎる鉢は根が鉢の水を全部吸えないので、古い水や空気が残り、根腐れなどの原因になっていまいます。そのとき必要なサイズの目安は、ちょうど根のかたまり(根鉢)が入りプラス指1本が入るくらいの幅(口径)です。

多肉植物に向いている鉢

 
それでは次に多肉植物に向いている鉢を具体的にチェックしていきましょう。

プラスチック鉢

鉢 はち多肉植物の多くに使われているのがプラスチック鉢(プラ鉢)です。

軽い、割れない、丈夫、清潔、小さなサイズから大きなものまで揃っている、安価などの理由が人気のポイントです。現在は排水口や鉢底の形も工夫されているものが多く、そうした鉢を選べば水はけの問題はクリアすることができます。(ポリポットは鉢底の穴がべったり地面について水はけが悪いので、底に穴があるタイプのかごに並べるなど工夫は必要になります)

デメリットは陶器の鉢より通気性が悪いことですが、その分を通気性のよい土を多めにするなどで補えばほとんど問題ありません。
やや土が乾きにくい性質から、セネシオなど根の極端な乾燥に弱い多肉植物も植えられます。

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駄温鉢

鉢 はち素焼き鉢より割れにくい、通気が良い、見栄えが良いなど駄温鉢もよく使われています。駄温鉢というと聞いたことがないという方もいるかもしれません。しかし、とても身近な鉢で見たら、ああこれかとすぐに分かるはずです。

デメリットは重い、病気が発生してしまったとき処置が大変など。どうしても陶器の鉢なので重くなる点は仕方ないですが、もう一つ病気にかかってしまったとき、病原菌が側面に無数にある通気口に入ってしまい、消毒が必要になる、というデメリットがあります。

プラスチック鉢より、見た目がよいので鑑賞目的の多肉植物はこれに植えられていることが多いです。
また素焼き鉢より乾きが早くなく、水やりのコントロールをしやすいです。エケベリアやグラプトペタルムなど多くの多肉植物が植えることができます。

素焼き鉢(テラコッタ)

鉢 はち側面に多数の小さな穴があいていて、通気が抜群なので通気を求める植物に向いています。また水蒸気が蒸発するとき土の温度が奪われ(気化熱)鉢を冷やす効果があるので、真夏に涼しくさせたい植物にも向いています。

デメリットは割れやすいこと、プラ鉢に比べれば重いこと、病気の発生で消毒が必要になることなど。

多肉植物にとっては水はけが良すぎて水やりが頻回になる、根が乾く・湿るの繰り返しが急激になる、などの点から植えられる種類は限定的です。

木材でできたコンテナ

木材コンテナ

木でできた小さなコンテナも、多肉植物を植えるよいいれものになります。

木材コンテナ
もし鉢底穴がない場合は、キリで穴をあけるなどして排水性をよくして使います。

ペットボトルを利用した鉢

ペットボトルの鉢
2L入りのペットボトルを鉢に改造して使うこともできます。

ペットボトルを横にして上部を切り取り、鉢底には穴をあけて土を入れると、カット苗など根張りの浅い多肉植物をたくさん植えることができます。

また透明なので成長過程での根の伸びを観察することができるメリットもあります。