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多肉植物を室内で長期間育てる方法!環境作りの実例も紹介

このページでは、多肉植物を室内で長期間育てる方法を解説しています。

環境整備次第で室内で育てられる

かつて、多肉植物は室内で栽培することが難しいと書きましたが、環境作り次第では長期間栽培することも可能ということが分かりました。

夏越しに成功!冬越しに挑戦中

植物育成ライト使用時の人口送風 ミニ扇風機

この栽培の実例としては、2022年夏5/1~9/6までの4ヶ月間、リトープス(夏場の暑さに弱く、蒸れて溶けることが多いです)を完全室内で栽培しました。一度も太陽光に当てず、植物育成LEDライトとミニ扇風機の風に当てるのみで、ほとんどの苗を枯らすことなく育てることに成功しました。

また、2022年冬11/27から、パキポディウム、ディオスコレア、ユーフォルビアなど寒さに弱い多肉植物を3/10頃まで室内で栽培する実験を行っています。

このページの方法を実践すれば、真夏でも真冬でも、多肉植物を室内で育てることができます!しかし、室内栽培ならではの難しさや費用の面の心配、手間などはあります。

関東以北では冬場は0℃を下回り、室内に入れないといけない、西日本では夏は暑さで腐る種類を室内の冷房の効いたところに移さないといけない、などの場合があると思いますが、そんなケースに参考にしていただければ幸いです。

そもそも室内で育てられない原因とは?

そもそも多肉植物は室内で育てられない原因は2つあります。

それは

  • 日光不足
  • 通風不足

です。

室内では窓辺でも戸外の明るさには劣りますし、自然の風が吹かないので空気がよどんでしまいます。しかし裏を返せば明るさと風通しの2つを確保すれば、室内栽培は可能になります。以下のページに多肉植物の室内栽培が難しい理由が書いてあります。

多肉植物は室内や窓辺で育てられる?外にしか置けない?
多肉植物は室内や窓辺で育てられるのでしょうか?それとも外でしか栽培できないのでしょうか?外にしか置けない理由と例外的な条...

室内で育てる方法

用意するものは2つです。

1.植物育成ライトを使う

まず、植物育成ライトを導入します。

植物育成LEDライト 多肉植物

植物育成ライトは、人工的に光を補うもので植物の生育に必要な光の波長を含んでいます。太陽光には植物が育つ特別な成分が入っている、人工的な明かりでは育たないと思いがちですが、植物に必要な光の波長は可視光線であり、全く特殊なものではありません。

植物育成ライトには色々な種類がありますが、個人向けのライトではLEDのものが主流です。LEDは植物の生育に必要な青・赤・緑の波長を含み、低消費電力で発熱しにくいというメリットがあります。

問題は、必要な明るさに足りない(暗い)製品が多い、本体代が高いものが多い、電気代がかかるという点です。

暗い製品が多い

多肉植物は種類によりますが、一般的な観葉植物と比べて強い光を必要とし、光が足りない徒長してしまいます。しかし多肉植物に必要な明るさに足りない商品が多いのが現状です。

値段が高い

また明るさが確保できても1台あたりの値段が高く、3,000円以上、4,000~5,000円のものも少なくないです。たくさんの多肉植物を育てるには台数が結構必要になるので、本体代が高いのはネックですね。

電気代がかかる

最後が電気代がかかるという点です。明るい製品は消費電力も高く、LEDであっても1台60W使うものがあります。照射時間は1日6~8時間程度で、台数分の電力を使いそれなりに電気代がかかります。

実際にどれぐらいの電気代がかかるかですが、それは選ぶ植物育成LEDライトの消費電力によります。といっても参考にならないので、管理人の栽培環境の例で紹介します。

写真のような写真の状況を作るために、66Wのパネル型植物育成LEDライトを2枚設置し、9:00から17:00まで照射しています。7時間稼働で電気代を1kWh 30円とすると、1ヶ月あたり2台合計で858円となります。

計算方法は、
1kWh当たりの電気料金(30円程度)×1日当たりの使用時間×日数(31日)×消費電力をkWhに直したもの
です。

例えば、先ほどの例の2台のライトを使った場合、30円×7時間×31日間×0.006wWh×2台=858円となります。

植物育成ライトの詳細については以下のページで解説しています。

多肉植物への植物育成ライトの種類と効果・選び方とおすすめ
多肉植物やサボテン、コーデックス、エアプランツなどを育てるためには、日当たりの良い場所を確保しなければなりませんが、住宅...

植物育成ライトはこのように色々なメリット・デメリットがありますが、室内で多肉植物を長期間栽培するためには必要不可欠な道具です。

2.扇風機を使う

次にミニ扇風機を導入します。

ミニ扇風機

ミニ扇風機は多肉植物の通気を良くするために使い、夏はほぼ一日中回す必要があります。冬はそれほど必要ありませんが、室温が20℃以上あるのであれば、回しておいた方が安全です。また土が濡れている鉢はカビやすく、種まきの苗などではかびだらけになってしまうことがあり、このような場合は冬でもミニ扇風機が必要です。

扇風機の風は強いものである必要は無く、微風、手をかざすと空気が揺らいでいるのが分かる程度で問題ありません。

ミニ扇風機は1台1,000円程度で買え、消費電力が少なく設置場所も取らないといいところばかりのようですが、ひとつだけ、音がうるさいというデメリットがあります。ミニ扇風機は1台でも結構うるさいですが、多肉植物の量が多いと3台、4台と設置しないといけなくなり騒音の部屋となってしまいます。

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室内栽培の実例を紹介!

それでは、実際に室内で栽培している様子を写真で確認してみましょう。

用意するもの

簡易ビニール温室簡易ビニール温室(武田コーポレーション)
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栽培カゴ栽培カゴ(セリア、ダイソーなど) GREENSINDOOR LED植物育成ライト UV/IR LED 1000W相当植物育成LEDライト(Greensindoor LED植物育成ライト UV/IR LED 600W相当)
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ミニ扇風機ミニ扇風機出力1W~4W(オーム電器)
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金網金網(ダイソーなど) 照度計照度計
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用具と作り方の実例

まず、多肉植物の栽培カゴは写真の通りです。簡易ビニール温室に横に2個、又は3個並べられる程度のサイズで、セリアやダイソーなどの100均で買ったものです。簡易ビニール温室は武田コーポレーションのものを使っています。

栽培カゴ
中に入っているポットは口径7.5cm程度のもので、およそ12個並べられます。

次に簡易ビニール温室のビニールを取り外したものを3台並べて、それぞれの間隔に30cmほどの隙間を作ってパネル状の植物育成LEDライトが吊せるようにしています。

ここで使っているのは、Greensindoorの「LED植物育成ライト UV/IR LED 600W相当」という製品です。Greensindoorは複数のパネル状の植物育成LEDライトを扱っていますが、これ(600W相当)が一番明るく、他のものは暗いので注意が必要です。

簡易ビニール温室の隙間部分には当然多肉植物を置く棚がないため、100均で買ったバーベキュー用の網を設置してその上に多肉植物の栽培カゴを乗せます。


植物育成LEDライトは吊り具をつけて、簡易ビニール温室との間に60cm程度の支柱を渡し、そこにぶら下げます。


写真でみると分かるとおり、エケベリアなどの平均的な多肉植物に充分な明るさ(1万~2万ルクス)の明かりが届くのは、ライトの左右の栽培カゴ2個と直下の1個分程度です。

※その後、この配置では光が強すぎてアデニウムが葉焼けしてしまったため、植物の位置を遠くしもう少し広い範囲で照射するようにしました。夏型コーデックスのアデニウムが1万ルクスで葉焼けしたことを考えると、エケベリアなどはもう少し低い照度(7,000ルクス程度)で照らしたほうがよさそうです。(現在手探り中です)


最後にミニ扇風機を設置します。

扇風機の強さは?

ミニ扇風機は消費電力が1W以上あるものが望ましいです。ある程度羽の大きさがあるものが騒音少ないです。また電源方式は問いませんが、消耗を避けるためリチウムイオン電池(バッテリー)を内蔵していない、直のUSB電源のものがベストです。

管理人はオーム電気のUSB卓上ファン「型番KIS-U11TP-W」(1,000円程度)という製品を4台用意し回しています。どうしてもUSB口が足りなくなるので、USBハブを使っています。(2022年12月現在、これは2,000円以上に値上がりしているので、他のもっと安いものもあると思います。)

夏場は基本的に24時間回し続けます。30℃を超えたら24時間、それ以下なら半日程度でも大丈夫な場合があります。水やり後の送風は特に大切です。ただ至近距離から24時間送風すると、さすがの多肉植物でも干からびることがあるので、種まきなどの小さな苗や小型のメセン類などは離して使うようにします。

冬は室温が20℃なければ扇風機は回さなくても大丈夫です。暖かい部屋なら8時間~半日程度回すと安心です。

ライトの強さは?

ライトは多肉植物の種類にもよりますが、4,000~20,000ルクス程度で、長く強く当てれば良いというものではありません。

最大でも自然界の明るさと時間、冬場は7:00~16:30頃まで(地域によります)が明るいのでその時間内に、夏場もそれなりの長さに、1日9時間は超えないほうがよいです。

照度計
ここでは、1411となっていますが、10倍表示(x10)となっているため、14,110ルクスを表しています。

また30cm以内の至近距離で当て続けると葉ヤケして枯れることがあるので、照度計(光度計・ルクスメーター)で測りながらその多肉植物の種類に合わせた距離を探ってみてください。参考までにエケベリアなどの標準的な多肉植物では、照度は1~2万ルクスあれば足ります

2022/12/25追記
2万ルクスは明らかに強すぎるようで、1万ルクス以内に収めた方がよさそうです。

ただ自然界ではいつも快晴ではなく、雨の日や曇りの日もあり、そのような日は照度も低いので、常に毎日1~2万ルクスを当て続ける必要はありません。そういう意味では、雨の日も曇りの日も毎日当て続けるのであれば、10,000ルクス程度でよいのかもしれません。

管理人も植物育成LEDライトの利用は今年(2022年4月)からで、使い方は手探り中なのが実情です。今後栽培を続け新たに分かったことがあれば、随時追記していきたいと思います。