目次
農薬プロフィール
オーソサイド水和剤 | |
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タイプ |
<水和剤(薄める)> ■殺菌剤(病気)予防(〇)、治療(×) |
成分 | キャプタン(80%) |
多肉植物での主な用途 |
◆害虫:× ◆病気:茎腐病、立枯病、苗立枯病、黒星病、灰色かび病、炭疽病、葉腐病など |
希釈倍率 | 300~1,200倍(観葉植物へは600倍) |
適用作物 | 観葉植物への適用があります。 |
その他 | におい:あり 色:白い 沈殿:あり 展着剤の要不要:あればより効果的 |
危険性 | 海産動植物への影響:強い影響あり 眼への刺激:強い刺激性あり 皮膚への刺激:不明 |
ポイント | 実生(種まき)の時に種子を消毒したり、球根を消毒したりできるのに最適です。また立ち枯れ病を防ぐ目的でも散布できます。苔や藻に対しても効果があり、藻が生えやすい腰水管理の時などでも役立ちます。またオーソサイドは病気の予防の目的で使うもので、既に罹ってしまった病気への治療効果はありません。種子への粉衣はビニール袋にオーソサイド水和剤と種子を入れ、良く振って均等にまぶします。苔類に使う場合は大量にはびこってしまった場合は効果がないので、発生初期に散布します。 |
販売店 | Amazon |
パッケージの写真
特徴
※原文まま
- カビ(糸状菌)によって起こる広範囲の病気に優れた効果を現す保護殺菌剤です。
- 日本芝・西洋芝に発生する各種の病気に有効です。
- 球根や種子の消毒、苗立ち枯れ病などの土壌病害にも効果があります。
- 花や庭木、野菜類などの広範囲の病気にも優れた効果を現し、植物への薬害が少ない殺菌剤です。
薬液の作り方
水500ml分を作ります | 固まってみえますが、小麦粉のようなごく細かい粒子です | 500mlで800倍液を作るには、0.63g(匙0.5杯分)量ります |
混ぜると白濁します | スプレー容器に詰め替えます | 今回は種まきし腰水管理している苗の藻の予防にスプレーしました |
散布液の希釈倍率
計量スプーン1杯 | |
300倍 | 水375ml |
400倍 | 水500ml |
500倍 | 水625ml |
600倍 | 水750ml |
800倍 | 水1,000ml |
1,000倍 | 水1,250ml |
1,200倍 | 水1,500ml |
500ml | 1L | |
300倍 | 1.6g | 3.2g |
400倍 | 1.25g | 2.5g |
500倍 | 1.0g | 2.0g |
600倍 | 0.83g | 1.67g |
800倍 | 0.63g | 1.25g |
1,000倍 | 0.5g | 1.0g |
1,200倍 | 0.42g | 0.83g |
殺虫剤・殺菌剤との混合の可否
混ぜてよいもの
※他の農薬と混ぜた場合の物理化学性を確認したもので、混用を薦めるものではありません。(原文)
【殺虫殺菌剤】
ベニカX乳剤、兼商モレスタン水和剤
【殺虫剤】
GFオルトラン液剤、家庭園芸用GFオルトラン水和剤、オルチオン乳剤、家庭園芸用マラソン乳剤、家庭園芸用スミチオン乳剤、ベニカ水溶剤、ベニカR乳剤、ベニカS乳剤、ベニカマツケア、ベニカベジフル乳剤、ダニ太郎、バロックフロアブル、スミソン乳剤、モスピラン液剤、STゼンターリ顆粒水和剤
【殺菌剤】
STダコニール1000、STサプロール乳剤、GFベンレート水和剤、サンケイエムダイファー水和剤、家庭園芸用トップジンMゾル、パンチョTF顆粒水和剤、家庭園芸用カリグリーン、GFワイドヒッター顆粒水和剤
混ぜてはいけないもの
石灰硫黄剤、ボルドー液などのアルカリ性薬剤、およびマシン油剤
散布時の注意点・安全上の注意点
公式サイト(https://www.sc-engei.co.jp/guide/detail/1515.html)より引用しています。
効果・薬害等の注意
①石灰硫黄合剤、ボルドー液等のアルカリ性薬剤及びマシン油剤との混用はさけてください。
②チューリップに使用する場合は、球根の土をよく落とし、15分間位浸漬してください。
③いちごに対する高温時の散布は、薬害を生じるおそれがありますので、夏期の防除は高温時をさけて、朝夕などの涼しい時に散布してください。
④パイナップルの根腐萎凋病防除に使用する場合は、植付後1ヵ月以内及びその後発生をみたら直ちに、散布液が株元の土壌にも浸透するように散布してください。
⑤マンゴーに使用する場合、着色期以降の散布では果実に汚れを生じるおそれがありますので十分注意してください。
⑥ももの縮葉病防除に使用する場合は、発芽後の若葉には薬害のおそれがありますので、必ず発芽前に散布してください。
⑦ぶどうに使用する場合、幼果期~袋掛けまでの散布は、果粉の溶脱や果実の汚染を生じることがありますので十分注意してください。
⑧おうとうに使用する場合、5月下旬以降の散布には、固着性の強い展着剤を加用しないでください。
⑨うめに対する高温時の散布は、薬害を生じるおそれがありますので、5月下旬以降の防除は高温時をさけて散布してください。
⑩りんごの斑点落葉病に対して、後期の多発時では効果が劣ることがありますので、初期の防除を主体としてください。黒点病、黒星病などとの同時防除に使用するのが有効です。
⑪ブルーベリーに使用する場合、果実肥大期以降の散布では果実に汚れを生じるおそれがありますので十分注意してください。
⑫コケ類に対して使用する場合は、散布時期を逸しないよう発生初期に本剤を散布し、十分な効果が得られない場合には、14日前後の間隔で反復処理を行ってください。
⑬本剤を使用したつまみ菜、間引き菜等の幼植物は食用に供さないでください。
⑭本剤で塊茎粉衣処理した種しょうがは食料や動物飼料として用いないでください。また、収穫時には新しょうがと塊茎粉衣処理した種しょうがを分別し、塊茎粉衣処理した種しょうがは確実に廃棄してください。
⑮適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤を初めて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用してください。なお、病害虫防除所または販売店と相談することが望ましいです。
安全使用上の注意
① 使用残りの薬液が生じないように調製を行い、使いきってください。
② 誤飲、誤食などのないように注意してください。
③ 本剤は眼に対して強い刺激性がありますので眼に入らないよう注意してください。眼に入った場合には直ちに十分に水洗し、眼科医の手当を受けてください。
④ 薬液調製時及び使用の際は保護メガネ、農薬用マスク、不浸透性手袋、不浸透性防除衣などを着用するとともに保護クリームを使用してください。作業後は直ちに身体を洗い流し、洗眼・うがいをするとともに衣服を交換してください。
⑤ 作業時に着用していた衣服等は他のものとは分けて洗濯してください。
⑥ かぶれやすい体質の人は作業に従事しないようにし、施用した作物との接触をさけてください。
⑦ 夏期高温時の使用をさけてください。
⑧公園等で使用する場合は、散布中及び散布後(少なくとも散布当日)に小児や散布に関係のない者が散布区域に立ち入らないよう縄囲いや立て札を立てるなど配慮し、人畜等に被害を及ぼさないよう注意を払ってください。
⑨ 散布器具及び容器の洗浄水は、河川等に流さないでください。また、空袋等は水産動植物に影響を与えないよう適切に処理してください。
魚など環境に対する注意(魚毒性)
①水産動植物(魚類)に強い影響を及ぼすおそれがありますので、河川、湖沼及び海域等に飛散、流入しないよう注意して使用してください。養殖池周辺での使用はさけてください。
②蚕に対して影響がありますので、周辺の桑葉にはかからないようにしてください。
多肉植物に効果的か?
オーソサイドは多肉植物(観葉植物)に適用があり、効果的です。
まずよく使われる殺菌剤(病気対策成分)のベンレートは多肉植物(観葉植物)に適用がなく、厳密にいえば農薬取締法に触れてしまいます。しかしこちらはその心配がありません。
効果の面では、茎腐病、立枯病、苗立枯病、黒星病、灰色かび病、炭疽病、葉腐病など広い範囲の病気に効果的ですが、多肉植物で一番この薬剤を使うのは、種まきの時だと思います。
種まきではしっかり種や土、用具などを殺菌しておかないと、種や土がカビてしまったりせっかく出た芽が枯れてしまうことがあります。それを防止するのにオーソサイドは効果的です。
またカビ病対策だけではなく、藻の抑制効果があり、腰水管理(底面吸水)している鉢に定期的に散布することで、緑色の藻が広がるのをある程度防ぐことができます。この効果はベンレートより高いです。
管理人もかつてはベンレートを多用していましたが、2022年からオーソサイドに乗り換え、サボテン・コーデックス・メセン・エケベリアなどの種まきの時にメイン使いしています。
オーソサイドは水で薄めてスプレーするほか、種にまぶして殺菌することもできます。
デメリットは、粉をスプーンで量り取って希釈する手間があることです。ベンレートなら袋を開けてざーっと容器に入れて振れば良いですが、オーソサイドは毎回正確に量とることが必要です。
それでも多肉植物の種まきを行っている方には、一つ持っておくと重宝すると思います。