目次
オスクラリア属の写真
琴爪菊 | 琴爪菊の花(5月) | 琴爪菊の花の拡大写真 |
白鳳菊 (ハクホウギク) |
オスクラリア属(Oscularia)の特徴
科 | ツルナ科 |
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属 | オスクラリア属 |
生育型 | 冬型 |
育てやすさ | 育てやすい |
成長速度 | 普通 |
増やし方 | 挿し木 |
原産地 | 南アフリカ |
※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い
花も楽しめる花ものメセン
南アフリカのケープ半島に数種類が自生している小さなグループです。青白い葉が対になって伸び、数年すると根元は木のようながっしりした茎になります。メセン類の中では生育が早く、毎年剪定しないと広がりすぎてしまうほどです。きれいな花を楽しめる「花ものメセン」のひとつで、冬~春になるとピンク色の花を次々咲かせます。写真の琴爪菊は5月に開花しました。
丈夫で育てやすい
丈夫な性質で耐寒性、耐暑性があり、放置気味でも大丈夫です。メセンにしては根腐れの心配や遮光などの面倒もありません。ただよく水を吸うので、他の多肉植物に比べると頻繁な水やりが必要です。茎が伸びすぎたら生育期にカットし、土に挿して水をやると簡単に挿し木もできます。
育て方のコツ
- 夏の蒸し暑さは苦手なので風通しのよい涼しい環境に
- 夏は月1回程度、春秋冬は週に1回程度の水やり
- 6~9月は半日陰に、それ以外はよく日に当てる
- 年間を通して雨ざらしにしない
- 冬は0℃以下になったら室内へ取り込む
年間栽培カレンダー
生育期 | 3~5月と10~12月 |
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休眠期 | 6~9月 |
緩慢な時期 | 1~2月 |
水やり |
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置き場所 |
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植え替え |
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増やす |
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肥料 |
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開花 |
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主な種類名
白鳳菊 (ハクホウギク) | Oscularia pedunculata |
琴爪菊 (キンソウギク) | Oscularia caulescens |
多肉植物の日本での栽培は自生地の環境と異なります。そのため日本の寒さや暑さに耐えられなくなると生育が鈍ったり成長が止まったりします。その時期のことを「休眠期」といいます。時期は種類によって異なり、夏に休眠するタイプと冬に休眠するタイプがあります。休眠期は生育が鈍るので肥料や水やりを控え、挿し木や株分けなど株へ負担をかける作業を控えます。
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育て方のポイント
水やり
生育期の10~12月は土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。頻度は1週間に1~2回程度と他の冬型の多肉植物より多めです。12~2月は月に2回程度に減らします。0℃を下回る日の水やりは避けてできるだけ暖かい日に与えましょう。だんだん暖かくなる4~5月は10日に1回程度与えます。6~9月は休眠中なので月1回土の表面を濡らす程度にとどめます。
寒い時期は暖かい朝~昼に水をやり、暑い時期は涼しくなる夕方に水を与えましょう。そうすると蒸れや凍結を予防できます。また夏・冬は水分を控えることで耐寒性・耐暑性が上がります。冬、室内で育てる場合は徒長防止のため水を控えめにします。
置き場
オスクラリアは比較的耐寒性、耐暑性が強く0℃以上の暖地なら年間を通して屋外で栽培できます。蒸れに弱いので一年を通して雨がかからないところが望ましいです。
具体的には3~5月は直射日光の当たる日なたに、6~9月は日差しが強く葉焼けを防ぐため、50%程度遮光するか明るい日陰に移したほうが安全です。10~2月は再び直射日光の当たる屋外に置きます。ただ0℃を下回る時や寒冷地では室内か温室に取り込むようにします。
冬に室内や温室に取り込む場合は、一日4時間以上日が当たるところを選びましょう。室内では暖房を15℃以下に、湿度が下がりすぎないようにエアコンやストーブなどを付けすぎないよう気をつけます。暖かい日の昼はできるだけ外に出して日光を当てて株を丈夫にしましょう。
耐暑性と最高気温・夏越しの方法
耐暑性はやや強く暑さ自体にはそれほど弱くありません。ただ湿度の高い蒸し暑さは苦手で日なたでは30℃程度までが限界です。しかし日陰や遮光した場所では45℃程度を耐えます。
夏は特に風通しのよい外の日陰がベストですが、室内に入れる場合は通気をよくします。またコンクリートのベランダはかなり高温になるので直に置かず、台の上などに乗せましょう。
越冬最低温度と冬越し方法
耐寒性はやや強く0℃まで耐えられます。関東以南なら冬も外で栽培可能です。0℃以下になる寒冷地や、寒波が到来した際は室内や温室に取り込みます。0℃まで耐えられるものの、凍結させたり雪に当てたりはしないようにしましょう。
外で育てる場合は簡易ビニール温室があると雨や雪、寒風を避けられます。ただ暖房装置がない簡易版の場合、温度は外と同じように下がってしまうので本当に氷点下になる日は室内に取り込むようにしましょう。
0℃~5℃の寒い日は水やりを避け暖かい日を選びます。オスクラリアは他の冬型の多肉植物に比べても低温で生育を続けます。このような種類は室内に入れると間延びしやすいので、水のやり過ぎや暖房のかけ過ぎに気をつけます。
増やし方
オスクラリアは葉挿しはできませんが、さし芽でどんどん殖やすことができます。挿し木は10~11月頃か、2~4月頃に枝を5cmほどカットして切り口を4~5日ほど乾かし土に挿します。1~2週間程度経ってから水やりを始めます。この期間は直射日光に当てず室内か明るい日陰で管理します。枝を取るときは根元の硬いものより、先の方の緑色の枝のほうが根が出やすいです。
植え替え
植え替えは9~11月頃に行います。休眠期に植え替えると株にダメージを与えるので控えます。事前に水やりを1週間ほど控えて土を乾燥させておきます。鉢から抜いたらざっくり周りの土を落とします。鉢底に溜まっている枯れた根や茶色い根を切り落とし全体の三分の一程度をカットし、その後新しい乾いた土に植え付けます。土にはマグアンプKなどをひとつまみ元肥として混ぜ込んでもよいです。植えて数日たったら水やりを開始します。
植え替えには込み入った株元の整理や肥料の追加と古い根の整理、土を新しくする、サボテンコナカイガラムシなどの害虫の駆除、といった役目があるので成長具合で1~2年に1回程度行います。小さい苗ほど頻繁な植え替えが必要です。
土と鉢
他の多肉植物と同じように水はけと通気のよいもので、肥料分が少ないものを選びます。多肉植物用の土を買ってきてもよいですし、自分で配合した土を使うのもOKです。自分で土を作る場合は、赤玉土をメインに、排水性の良い軽石やパーライト、保肥性のよいバーミキュライトやピートモス、改良材としてボラ土や川砂などを3種類以上ブレンドします。
鉢はそれほど選びません。大きい鉢に植えればそれだけ株も大きくなり、小さい鉢に植えればこじんまりと成長します。あまり大きくしたくない場合は植え替え作業後、元の鉢に植えると生育を抑制できます。ただし大きすぎる鉢は水はけなどが問題となるため、株に適したサイズ(株より一回り大きい鉢)を選ぶようにしましょう。
肥料
赤玉土など火山性の土を使う場合は肥料や微量要素が必要です。10~11月、3~4月に薄めた液肥を月1~2回与えるか、植え付け時に土に緩効性肥料を混ぜ込んでもよいです。また多すぎる肥料は花つきが悪い、肥料焼けや徒長などの副作用を起こしてしまうので、与えすぎは注意しましょう。
病害虫
病害虫は特に心配ありません。
オスクラリアによくあるトラブル
- 花はどこから咲くのか?・・・枝の先端から花芽が出て株を覆うような形で咲かせます。
- 白鳳菊や琴爪菊の葉が白くならない・・・水のやり過ぎか日光不足です。日に良く当てると白くふちはピンクに染まります。
- 葉がしわしわになってやわらかい・・・水やりの控えすぎです。生育期は土が乾いたら鉢底から流れるまで与えてOKです。