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ロスラリア属の写真
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ロスラリアはセンペルビウムと同じような特徴でほぼ同じように育てられるため、以下センペルビウムのページから引用しています。
科 | ベンケイソウ科 |
属 | ロスラリア |
生育型 | 春秋型 |
育てやすさ | 育てやすい |
成長速度 | 普通 |
殖やし方 | 株分け、さし芽 |
原産地 | 北アフリカ~アジアの山地 |
※4段階評価
育てやすい–普通–やや難しい–難しい
成長が早い–普通–遅い–とても遅い
センペルビウムに近い属で北アフリカ~アジアに40種類が見つかっている。性質も育て方もセンペルビウムに似ていて寒さと乾燥に強いが夏の蒸し暑さに弱い。小型のものが多く群生しやすい。
日本では春と秋に生育する「春秋型」として育てる。乾燥した寒い地域が原産地なので日本で栽培する場合、冬は外で全く問題ない。気をつけるのは日本の高温多湿の夏の時期。株が群生すると通気が悪くなり、蒸れて腐りやすい。夏は水やりを少なくして風通しに注意して育てる。
育て方のコツ
- 蒸れに弱いので特に夏は風通しをよくする
- 7~8月は50%程度遮光するがそれ以外は直射日光に当てる
- 年間を通して雨の当たらない所に置く
- 夏の水やりはごく少量、秋冬春は乾いたらたっぷりと
年間栽培カレンダー
「生育期」は春と秋で、具体的には3~5月と10~12月頃を指す。
夏(6~8月)は休眠期、冬(1~2月)はやや生育が鈍る。
季節はおおむね、春は3~5月、夏は6~9月、秋は10~11月、冬は12~2月をさしている。
生育期 | 3~6月と10~12月 |
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休眠期 | 7~8月、1~2月 |
緩慢な時期 | – |
水やり |
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置き場所 |
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植え替え |
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殖やす |
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肥料 |
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開花 |
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ロスラリア属(Rosularia)の品種
クリサンタ | Rosularia chrysantha |
プラティフィラ | Rosularia platyphylla |
セドイデス | |
アトミー | Rosularia atomy |
多肉植物の日本での栽培は自生地の環境と異なる。そのため日本の寒さや暑さに耐えられなくなると生育が鈍ったり成長が止まったりする。その時期のことを「休眠」という。時期は種類によって異なり、夏に休眠するタイプと冬に休眠するタイプがある。休眠期は生育が鈍るので肥料や水やりを控え、挿し木や株分けなど株へ負担をかける作業を控える。
育て方のポイント
水やり
基本は乾燥に強い植物なので控えめを心がける。しかし全くやらないと枯れてしまう。
生育期の3~6月、10~12月は土が乾いたら10日に1回ほど水を与える。鉢内をしっかり湿らせる量を与える。7~9月は休眠するので月1回ほど表土から5cmくらいが濡れる水やりをする。冬の1~2月も休眠するので月1回ほどの水やりをする。6月は夏に向けて少しずつ水やり回数を減らしていく。
夏と真冬は水やりに注意が必要で、夏は涼しくなった夕方に、冬はこれから暖かくなる朝に水やりする。そうすると、蒸れや凍結を防げる。
置き場
日本も自生地のひとつなので基本は年中戸外で育てることが出来る。ただ高温多湿には弱いのでベランダや軒下で雨がしのげるところがよい。庭植えも不可能ではないが、水はけの良い土を作り真夏の直射日光が避けられるところを選ぶ。
3~6月は直射日光の当たる日なたに、真夏の7~8月は日差しが強すぎるので午前中だけ日に当たるところか、なければ50%遮光するか明るい日陰に置く。9~12月は再び直射日光のあたる日なたに置く。ロスラリアは1~2月もマイナス5℃以下にならなければ、戸外で栽培可能で外の陽だまりに出してもよい。
冬に室内で育てる場合は水を極力控えめにしないと徒長してしまう。また室内では1日最低4時間は日の当たるところを確保する。
耐暑性と最高気温・夏越しの方法
春秋に生育するタイプだが、耐暑性はやや強く、雨ざらしを避けて水やりを間違わなければ比較的簡単に夏越しできる。直射日光下では30℃程度までが安全だが、日よけ(遮光)していれば40℃程度は耐える。
乾燥に強い反面過湿に弱い。梅雨時から8~9月にかけては蒸れて腐ってしまうのを防ぐために風通しを良くするように努める。この時期はランナーが伸び子株がたくさん出るので蒸れやすい。
越冬最低温度と冬越し方法
多肉植物の中ではかなり低温に強い部類で、平均して-5℃に耐え、-15℃に耐えられる品種もある。日本産のものは耐寒性が強い。北海道などの寒冷地でも外で越冬できる。冬は葉が中に硬く締まって外からみると枯れているように見えるが、その中でも株はちゃんと生きている。雪が積もってもその下で休眠したまま越冬できる。春を迎える頃には、生育期に備えて外側の枯れ葉を取り除いて植え替えをする。
耐寒性があるものの、生育期は穏やかな気候の春秋型なので冬は冬眠していてあまり水が要らない。
冬に室内で育てる場合は徒長防止に水やりを控える。
殖やし方
ロスラリアは挿し木か株分けで殖やせる。
適切な時期は3~6月、10~11月でベストな季節は4~6月の生育期になる。真夏や冬は休眠するので繁殖には向かない。
春か秋の3~5月または10~11月にランナーを切り取り用土に挿しておくと簡単に殖やせる。方法は切り取った子株を乾いた用土に挿して10~3週間ほど待つ。発根は遅い方のなので気長に待つ。根が出る前に水をやると腐るので水やりは控える。
群生している株は株分けもできる。株分けは鉢から株を抜き取って傷んだ根を整理し小さい房に分けて埋め戻す。株分け前は10日ほど水やりを控えておく。また原種は種まきでも殖やせる。
植え替え:
植え替えは生育期に入る少し前の3~6月、10~11月(できれば4~6月)に行う。植え替えする際は前10日から水やりを控え土をカラカラにしてから行うと根へのダメージを減らせる。
鉢から苗を抜き出して外側の土をざっくり落とす。茶色くカラカラした枯れ葉が外側にたくさんついているので、それは全部丁寧に剥がし取る。根を整理して鉢の下の方に巻いている根や枯れて茶色い根はハサミなどで切り落とす。白くて太い根は今後の生育に大切なので切らないように注意する。植え替え作業で根を切っているので、2~3日そのまま乾燥させその後植え付けて水やりをする。
植え替え作業は不要に見えるが、ロスラリアは外側に枯れ葉が溜まりカビや蒸れの原因になるため、それを取り除くためにも大切な作業になる。また乾燥気味に育てるので根ジラミがつきやすく、植え替え時は根を点検するよい機会になる。
土
土は他の多肉植物と同じように排水性が良い土を選ぶ。もともと山の岩盤や岸壁を覆うように自生するので、保肥性の少ないさらさらした土が適する。
多肉植物用の土を使ったり、自分で作る場合は赤玉土やボラ土、くん炭やピートモス、パーライトなどを同割合で混ぜ合わせると良い。
(例)赤玉土2:鹿沼土2:ピートモスか腐葉土2:川砂1:くん炭1
肥料
肥料はほとんど要らないが、生育期の3~6月、10~11月に月1回ほど、薄めた液肥(2000倍のハイポネックス)を与えると生育が良くなる。肥料をやるときは1回の水やり代わりにたっぷり与える。固形肥料は繰り返し水やりすることで溶けて土に染み込み吸収される。そのため植え替え時に土に少量混ぜて元肥にすることも可能。ただし元々肥料の少ない地域で育つのでやりすぎは禁物。与えすぎると紅葉しなくなったり葉が開きすぎたりするので、少量から試していきたい。
病害虫
ロスラリアはあまり病害虫は心配ない。しかし乾燥気味に育てるため、カイガラムシがつきやすい。ロゼットの中心部や葉の裏に白い虫がついていたら殺虫剤をかけるか爪楊枝などで丁寧にこすり取る。根にはネジラミ(サボテン根コナカイガラムシ)がつきやすいので生育が悪いと思ったら掘り起こして根を点検する。
また高温多湿の時期は病気ではないが、根腐れすることがあるので必ず外で風が当たるように育てる。
ロスラリアによくあるトラブル
- 殖やすときは土に挿したあとすぐ水をやっていいのか?・・・腐ってしまうのですぐは水をやらない。2~3週間水をやらなくても枯れないので大丈夫
- たくさんの子株を育てたいけれどどうしたらよい?・・・群生しやすく、株が充実すると自然とランナーが出るので、切り取って新しい土に挿すとよい
- 葉が開いてだんだん反ってきてしまった・・・カット苗を育てていると最初はどうしても葉が次第にそってきてしまう。また水のやりすぎで葉が開くので水を控える
- 茶色い皮(古い葉)は取らないといけない?・・・古い皮はカビの原因や蒸れの原因になりすいので春先植え替え時に取り除こう
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