このページでは、暖地(福岡)での冬の月ごとの気温と、多肉植物を冬越しさせるためにはどこに置けばよいのかを解説しています。
今回は暖地の中でも標準的な「福岡県福岡市」のデータを元に作成しています。
その他の地域についてはこちらに掲載しています。
寒冷地(宮城)での置き場
関東(東京)での置き場
関西(大阪)での置き場
また、データは気象庁の「過去の気象データ検索」から取得し、Excelで処理してから記載させていただいています。また太陽光の入射角度のみCASIOの計算サイトから取得しています。
目次
暖地(福岡県福岡市)
10月~4月までの気温
暖地(福岡県福岡市)の気象 | |
---|---|
10月 |
|
11月 |
|
12月 |
|
1月 |
|
2月 |
|
3月 |
|
4月 |
|
気象について
- ※1.「最低気温」はその月の最低気温の平均の9年平均です。(2012~2020年)。毎年その月は1日の気温が平均的にこの温度まで下がります。
- ※2.「9年最低気温」は過去9年に実際にあったその月の9年間の観測史上の最低気温です。(2012~2020年)。数年に一度ですが、ここまで下がることがあります。
- ※3.「最高気温」「9年最高気温」についても同様です。
多肉植物の置き場所
10月の置き場所 | 越冬温度別 | 置き場所 |
---|---|---|
8℃以上 パキポディウム、アデニウムなど多くの夏型コーデックス、スタペリア |
|
|
5℃以上 カランコエ、フェルニア、オトンナ、チレコドンなど多くの冬型コーデックス |
|
|
3℃以上 セネシオ、クラッスラ、多くの多肉植物 |
|
|
0℃以上 エケベリア、一部の耐寒性がある多肉植物 |
|
|
0℃以下 オロスタキス、センペルビウムなど ⇒詳しい多肉植物の温度別の分類 |
|
|
10月の気温 |
|
11月の置き場所 | 越冬温度別 | 置き場所 |
---|---|---|
8℃以上 パキポディウム、アデニウムなど多くの夏型コーデックス、スタペリア |
|
|
5℃以上 カランコエ、フェルニア、オトンナ、チレコドンなど多くの冬型コーデックス |
|
|
3℃以上 セネシオ、クラッスラ、多くの多肉植物 |
|
|
0℃以上 エケベリア、一部の耐寒性がある多肉植物 |
|
|
0℃以下 オロスタキス、センペルビウムなど ⇒詳しい多肉植物の温度別の分類 |
|
|
11月の気温 |
|
12月の置き場所 | 越冬温度別 | 置き場所 |
---|---|---|
8℃以上 パキポディウム、アデニウムなど多くの夏型コーデックス、スタペリア |
|
|
5℃以上 カランコエ、フェルニア、オトンナ、チレコドンなど多くの冬型コーデックス |
|
|
3℃以上 セネシオ、クラッスラ、多くの多肉植物 |
|
|
0℃以上 エケベリア、一部の耐寒性がある多肉植物 |
|
|
0℃以下 オロスタキス、センペルビウムなど ⇒詳しい多肉植物の温度別の分類 |
|
|
12月の気温 |
|
1月の置き場所 | 越冬温度別 | 置き場所 |
---|---|---|
8℃以上 パキポディウム、アデニウムなど多くの夏型コーデックス、スタペリア |
|
|
5℃以上 カランコエ、フェルニア、オトンナ、チレコドンなど多くの冬型コーデックス |
|
|
3℃以上 セネシオ、クラッスラ、多くの多肉植物 |
|
|
0℃以上 エケベリア、一部の耐寒性がある多肉植物 |
|
|
0℃以下 オロスタキス、センペルビウムなど ⇒詳しい多肉植物の温度別の分類 |
|
|
1月の気温 |
|
2月の置き場所 | 越冬温度別 | 置き場所 |
---|---|---|
8℃以上 パキポディウム、アデニウムなど多くの夏型コーデックス、スタペリア |
|
|
5℃以上 カランコエ、フェルニア、オトンナ、チレコドンなど多くの冬型コーデックス |
|
|
3℃以上 セネシオ、クラッスラ、多くの多肉植物 |
|
|
0℃以上 エケベリア、一部の耐寒性がある多肉植物 |
|
|
0℃以下 オロスタキス、センペルビウムなど ⇒詳しい多肉植物の温度別の分類 |
|
|
2月の気温 |
|
3月の置き場所 | 越冬温度別 | 置き場所 |
---|---|---|
8℃以上 パキポディウム、アデニウムなど多くの夏型コーデックス、スタペリア |
|
|
5℃以上 カランコエ、フェルニア、オトンナ、チレコドンなど多くの冬型コーデックス |
|
|
3℃以上 セネシオ、クラッスラ、多くの多肉植物 |
|
|
0℃以上 エケベリア、一部の耐寒性がある多肉植物 |
|
|
0℃以下 オロスタキス、センペルビウムなど ⇒詳しい多肉植物の温度別の分類 |
|
|
3月の気温 |
|
4月の置き場所 | 越冬温度別 | 置き場所 |
---|---|---|
8℃以上 パキポディウム、アデニウムなど多くの夏型コーデックス、スタペリア |
|
|
5℃以上 カランコエ、フェルニア、オトンナ、チレコドンなど多くの冬型コーデックス |
|
|
3℃以上 セネシオ、クラッスラ、多くの多肉植物 |
|
|
0℃以上 エケベリア、一部の耐寒性がある多肉植物 |
|
|
0℃以下 オロスタキス、センペルビウムなど ⇒詳しい多肉植物の温度別の分類 |
|
|
4月の気温 |
|
スポンサーリンク
データの見方と注意点
このページに記載している内容はあくまで目安としていただき、お住まいの地域の状況に合わせた栽培をお願いいたします。まず第一にデータは確認を重ねていますが、入力ミスなどがある可能性があります。
また気象庁のページのデータですが、欠測(計器の故障やデータの紛失などで計測もれしているもの)があるため、その年度を計算から取り除くなど独自の処理を加えています。そのため正確なデータが反映されていないかもしれません。
最低越冬温度の考え方と信頼性
平均値の罠
ここで紹介している最低温度などはその月の中でも平均値を取ったものです。しかし現実には同じ月の中でも大きな変動があり、10℃程度の差が開くことがあります。そのため寒い日は寒く、暖かい日は気温も高いです。例えば平均値が5℃の場合、毎日5℃が続くわけではありません。0℃の日と10℃の日があっても平均値が5℃となり、平均5℃だと安心していると0℃の日に寒さにやられます。そのため上記の気温と置ける場所は、本当に参考程度にしかなりません。
多肉植物を育てるに当たっては、必ず自分の地域の天気予報や毎日の気温の予測を確認しながら、寒い日は過保護になりすぎぐらいに室内にいれたほうが安心です。たとえ天気予報で2℃でも最大±2℃くらいの差は出て、朝起きたら凍結していた、などということもままありますので、念には念を入れて育てていきましょう。
最低越冬温度は絶対ではない
最低越冬温度は絶対ではありません。というのは、多肉植物の栽培方法や株の状態によって耐えられる温度にはかなりの差が出るためです。例えば冬場は水やりをごく控えることで耐寒性があがり最低越冬温度以下になっても生き延びることがあります。また逆に水やりをしすぎていたり、日光不足で徒長していたりする株は軟弱で最低越冬温度でも耐えられない場合があります。寒さに慣れていない株も冷害を受けやすくなります。
他にも湿度や寒風の有無、霜、降雪、などで条件は変わりますので、自宅の環境で栽培できる温度は失敗しながら体得していくしかないのだと思います。
きれいに育てたい場合(傷みやダメージ)
最低越冬温度は、最低限枯れない温度です。そのためその温度では枯れるまでは行かなくても、傷みやダメージを受けることは多々あります。最悪の場合、葉が全部失われても茎や根だけ残れば再生は一応できます。しかしきれいに育てたい、春以降の生育をスムーズなものにしたいという場合は、最低越冬温度ぎりぎりではなく、余裕を持った温度で管理したほうがよいでしょう。
書籍によって表記が異なる
実は最低越冬温度は何度、と決まっているのではなく、書籍によって表記が異なります。ある本では5℃と書いてあったのに別の本では0℃まで大丈夫と書いてある、ということがあるのです。そのためどの温度を信用して良いのかという問題が起こります。そこで当サイトでは、様々な書籍からデータを取り、なるべく平均的、一般的なものを記載しています。また管理人自身で栽培している種類では、実測値(計測値)を考慮して記載している場合があります。
最低越冬温度の分類
多肉植物の分類について
このページでは、一般的な書籍に書かれている最低越冬温度よりやや余裕を持った値を掲載しています。
8℃以上の多肉植物
パキポディウム、アデニウム、スタペリア、夏型コーデックス
5℃以上の多肉植物
カランコエ、フェルニア、セロペギア、サボテン科の一部(アストロフィツム)、夏型ユーフォルビア、冬型コーデックス、チランジア、ポーチュラカリア、アナカンプセロス、ハオルシア、アガベの一部、オトンナ、アロエ、クセロシキオス、ガステリア
3℃以上の多肉植物
セネシオ、クラッスラ、グラプトペタルム、コチレドン、アドロミスクス、パキフィツム、パキベリア、アエオニウム、モナンテス、サボテン科の一部(オプンティア、マミラリア)、ダドレア、アガベの一部、グラプトセダム、グラプトベリア、セデベリア、リトープス、ブラウンシア、コノフィツム、アプテニア、プレイオスピロス、モニラリア、フェネストラリア、フォーカリア、ハティオラ
0℃以上の多肉植物
エケベリア、セダム、ヒロテレフィウム、オスクラリア
0℃以下の多肉植物
センペルビウム、オロスタキス、ロスラリア
このページでは、一般的な書籍に書かれている最低越冬温度よりやや余裕を持った値を掲載しています。
8℃以上の多肉植物
パキポディウム、アデニウム、スタペリア、夏型コーデックス
5℃以上の多肉植物
カランコエ、フェルニア、セロペギア、サボテン科の一部(アストロフィツム)、夏型ユーフォルビア、冬型コーデックス、チランジア、ポーチュラカリア、アナカンプセロス、ハオルシア、アガベの一部、オトンナ、アロエ、クセロシキオス、ガステリア
3℃以上の多肉植物
セネシオ、クラッスラ、グラプトペタルム、コチレドン、アドロミスクス、パキフィツム、パキベリア、アエオニウム、モナンテス、サボテン科の一部(オプンティア、マミラリア)、ダドレア、アガベの一部、グラプトセダム、グラプトベリア、セデベリア、リトープス、ブラウンシア、コノフィツム、アプテニア、プレイオスピロス、モニラリア、フェネストラリア、フォーカリア、ハティオラ
0℃以上の多肉植物
エケベリア、セダム、ヒロテレフィウム、オスクラリア
0℃以下の多肉植物
センペルビウム、オロスタキス、ロスラリア
一般的な冬越し方法についてはこちらの記事に掲載しています。
多肉植物の冬越し方法(寒さ対策)
多肉植物の耐寒性(最低越冬温度)は?属ごとに教科書値と実測値を解説!