このページでは、サボテンのアストロフィツム属 兜(カブト)・ルリ兜を種まきから育てる方法とその実践結果を記録しています。管理人はこれまでコーデックスやメセン類などの種まき(実生)をしたことがあるものの、サボテンの実生は初めてです。できるだけ成功させるようにがんばりますので、よろしくお願いします。
目次
- 1 サボテンを種まきから育てる
- 2 アストロフィツムの実生で大切なポイント
- 3 種まきに適切な時期
- 4 種まき(実生)に必要なもの
- 5 アストロフィツムの種まきの実践
- 6 サボテン「アストロフィツム兜・ルリ兜」の実践記録
- 6.1 1ヶ月目(2022.4)
- 6.2 2ヶ月目(2022.5)
- 6.3 3ヶ月目(2022.6)
- 6.4 4ヶ月目(2022.7)
- 6.5 5ヶ月目(2022.8)
- 6.6 6ヶ月目(2022.9)
- 6.7 7ヶ月目(2022.10)
- 6.8 8ヶ月目(2022.11)
- 6.9 9ヶ月目(2022.12)
- 6.10 10ヶ月目(2023.1)
- 6.11 11ヶ月目(2023.2)
- 6.12 12ヶ月目(2023.3)1年!
- 6.13 1年1ヶ月目(2023.4)
- 6.14 1年2ヶ月目(2023.5)
- 6.15 1年3ヶ月目(2023.6)
- 6.16 1年4ヶ月目(2023.7)
- 6.17 1年5ヶ月目(2023.8)
- 6.18 1年6ヶ月目(2023.9)
- 6.19 1年7ヶ月目(2023.10)
- 6.20 1年8ヶ月目(2023.11)
- 6.21 1年9ヶ月目(2023.12)
- 6.22 1年10ヶ月目(2024.1)
- 6.23 1年12ヶ月目(2024.3)満2年!
- 6.24 2年1ヶ月目(2024.4)
- 6.25 2年2ヶ月目(2024.5)
- 6.26 2年3ヶ月目(2024.6)
- 6.27 2年6ヶ月目(2024.9)
- 6.28 2年7ヶ月目(2024.10)
- 7 2023年2回目の実生実践
サボテンを種まきから育てる
アストロフィツム属のルリ兜×大ルリ兜の種子
種まきから植物を育てることを実生(みしょう)といいます。また種まきで育てた株を実生(株)と呼ぶこともあります。サボテンは子株を株分けしたり挿し木にしたりする他、実生で増やすこともできます。
実生の特徴(メリット・デメリット)は以下の通りです。
- 一度にたくさんの苗を得られる
- ウイルスに冒されていない株を作れる
- 親株と異なる特徴が出るため、好みの種類を選抜できる
- 腰水や遮光といった管理が成株より大変
- 大きくなるまでに数年の長い時間がかかる
サボテンの中には子株をよく付けるものがありますが、アストロフィツム属のようにほとんど子株が出ないものもあります。そのような種類にとっては種まきが唯一の繁殖方法です。
また種まきは管理が大変な一方、手間をかけているだけあって育て甲斐があり、楽しいものです。
それでは、サボテンの種まきの詳しい方法や必要なものについてみていきましょう。
アストロフィツムの実生で大切なポイント
サボテン科アストロフィツム属の実生にあたって既に実生を実践され、成功されている様々なブログを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
そこで以下のようなポイントが重要だということが分かりました。
- できるだけ新鮮な種を手に入れる(その年に採れた種の播種がベスト)
- 発芽には昼夜共に気温が高くなり20~30℃の温度が保てること(5月下旬から6月頃)
- 発芽までは100%近い湿度と湿った環境が必要なこと(蓋がいる)
- 1~2ヶ月程度は水を切らさないようにする
- サボテンの多くは好光性の種子なので覆土はしない
- カビが出ることがあるので殺菌処理をする
- 種子は1日程度水かベンレート水など(殺菌剤)に浸ける
- 細かめで根が張りやすい用土にする
- 直射日光下ではなく半日陰で管理する
タネの鮮度
サボテンはコーデックス類ほど鮮度は求めないようですが、やはり新鮮なものがよいようで、春に開花した種を採ってそれをすぐに蒔く(採りまき)が一番発芽率がよいようです。メセン類は数年前に採って冷蔵庫などで寝かせたもののほうが発芽率や発芽の早さが早いものがありますが、サボテンは異なります。
2023/4/15追記
昨年度に蒔いたものと同じタネを2023年にも蒔きましたが、発芽率が50%程度に低下していました。昨年は100%に近かったので、サボテンもかなり鮮度が大切なようです。できればその年に収穫した種がよいと思いました。
高温が必要
発芽後と芽の成長には高温が必要で、25~30℃程度の温度が保てることが条件です。関東以南では5月下旬から6月に蒔き、寒冷地では1ヶ月ほど遅らせて考えます。昼間25℃程度が保てれば夜には若干温度が下がってもよいようですが、充分に暑くなってから蒔きます。
高い湿度が必要
発芽まではラップなどで覆いをかけて100%近い高湿度を保つ必要があります。アストロフィツムなどサボテンは好光性の種子で光がないと発芽しないため覆土(土をかぶる)はしません。そのため、充分にびちゃびちゃな状態にして発芽させます。
念のため殺菌する
アストロフィツムはコーデックス類のパキポディウムなどよりはカビにくいようで、特に種子の殺菌などはしなくてもよいとのことでした。しかし高温多湿の状態を続けないといけないので、カビのリスクは高まります。できれば殺菌剤で土やタネを消毒した方が安全です。
小粒で無肥の土
根が細く弱いので、使用する土は2~3mmの小粒の土が適しています。肥料分のあるものはカビや藻の原因になるので適しておらず、バーミキュライト単体や赤玉土、日向土単体などの土を用います。
遮光するか半日陰
また発芽したての芽は直射日光に弱いので、50%遮光下か半日陰に置きます。
ここまでがサボテンの実生で大切なことです。他に種まき共通で大切なことがあります。
実生共通で大切なポイント
- 親株(成株・充分大きくなった株)とは異なる育て方をする
- 堆肥や有機肥料はカビの原因になるため使わない
- 使い回しではなく新品の用土を使う
- 土は熱湯消毒してから使う
- 移動しても土が崩れない硬質ポットを使う
種まきから1~2年以内
種まきから育てて1~2年経過するまでは、成株とは全く異なる育て方をします。
サボテンは冬(休眠期)には断水させ(ほぼ水をやらない)生育期に水を与える方法をとりますが、種から育てていてまだ小さい小苗・幼苗は水切れに非常に弱いので、休眠期も断水させません。少しずつの水をこまめに与えます。サボテンは夏型多肉植物で冬場断水するのが普通ですが、種まき1~2年以内は時々水を与えます。
有機肥料は厳禁
種まきで使う土は肥料分がない土かごく少ない土にします。特に堆肥やぼかし肥料などの有機肥料は大量のカビが生える恐れがあるので絶対に使わないようにします。また発芽するまでの期間などは絶対に肥料を与えません。発芽から数ヶ月たったら徐々に緩効性化成肥料を与えるのはOKです。
清潔な用土
用土は新品で清潔なものを使います。他の株を植えていたものや庭の土、病気が出た土、虫の卵や雑草の種などが混入している恐れのあるものは使いません。さらに新品の用土も熱湯消毒してから使うようにします。
硬質ポット
種まきするポットはなんでもよいのですが、移動が多いのでできれば持ち上げたときに形の変わらない硬質ポットが適しています。プレステラというプラスチック鉢を使う方が多いようです。
種まきに適切な時期
サボテンの種まきの適期は25~35℃を安定的に保てる時期です。これが何月かはお住まいの地域によって若干異なってきます。
4~5月は早すぎる
関東(東京)では4月は最高気温の平均が19.6℃、最低気温平均が10.4℃、平均気温が14.7℃のためまだ寒すぎることが分かります。暖地(福岡)でもまだ低く、また寒冷地(宮城)はもちろんまだです。
参考→多肉植物の4月の状態と育て方・するべきことの気温一覧より
それでは5月はどうでしょうか?
関東(東京)では最高気温の平均が24.8℃、最低気温の平均が15.9℃、平均気温が20.0℃となっています。暖地(福岡)も同じくらいで、寒冷地(宮城)は21.7℃、12.5℃、16.7℃です。まだ5月は気温が低すぎることが分かります。
参考→多肉植物の5月の状態と育て方・するべきことの気温一覧より
5月下旬から6月が適期
それでは6月はどうでしょうか?
また6月になると関東は最高気温の平均が26.4℃、最低気温の平均が19.2℃、平均気温22.4℃とちょうど良くなったことが分かります。
参考→多肉植物の6月の状態と育て方・するべきことの気温一覧より
そのため関東以南では5月下旬から6月上旬、寒冷地では6月下旬以降に蒔くのが一番よいのではないかと考えました。
種まき(実生)に必要なもの
サボテンの種まきではこれといった正しいやり方はなく、人それぞれやり方は異なり必要なものも変わってきます。ここでは、当サイトの実生でよく行っている方法をサボテンにも当てはめて実践してみました。
- 種をまく鉢
- 鉢をすっぽりいれられる容器
- 細かい種まき用の土
- カビ防止用の殺菌剤(ベンレート)
- ラップ
- 土の消毒用の湯1L以上
- 霧吹き
その他、土を混ぜるための「丈夫で透明な袋」、お湯を注ぐ「オタマ」、ベンレートを水に混ぜるための「空きペットボトル」などが必要です。
鉢の用意
このページでは誰もが入手しやすく安価な器具として、1番の種を蒔く鉢には「プレステラ90」というプラスチック鉢を、2番の鉢をすっぽりいれられる容器にはプラスチックケースを準備しました。今回土の消毒は行い、プレステラに土をいれてそこにお湯をかける方法をとりました。※プレステラは直接お湯を注いでも溶けません。(実験済み)
土の種類と配合
土は様々な意見があり、赤玉土を単用する方や、市販のさし芽・種まきの土を使う方、色々な種類を混ぜてこだわる方などさまざまで、これといった正解はないようです。ただ共通するのは、肥料は入れないということです。
また種のサイズに合わせて土の配合も変わります。今回サボテン(アストロフィツム)では、底には鉢底石としてコーデックス用ブレンドの粗めの土を、中間には花ごころのさぼてん多肉植物の土を使うものと、通常の多肉植物の培養土を使うもの2通り、表土には市販のさし芽・種まき用を使うことにしました。
このような配合にしたのは、底の土は水はけをよくし、中間では根がしっかり張れるように細かめの土にし、上部では根が潜り込みやすいように細粒の土を入れた方がよいのではないかと考えたためです。
2パターンを用意し、どちらが根張りがよく大きく育つか実験も兼ねています。
コーデックス用ブレンド
自分で配合した土です。小粒で赤玉土・ボラ土(日向土)・パーライトを1:1:1で混ぜ合わせたものです。パーライトは土を軽くし水はけをよくするために入れました。
通常の培養土
自分で配合した土です。細粒~小粒の赤玉土・日向土・ピートモス・バーミキュライト・パーライトを1:1:1:1:1で入れたものです。中間に使うので、水はけと適度な保水性を重視しました。
花ごころ さぼてん多肉植物の土
市販の土です。軽石・バーミキュライト・ゼオライトの細粒でできており肥料分が入っていないものです。「通常の培養土」より細かいです。ゼオライト配合で水を腐りにくくさせる点を重視しました。
花ごころ さし芽・種まき用土
市販の土です。バーミキュライト・パーライト・ピートモス・鹿沼土が入っており肥料分が入っていないものです。粒の大きさは花ごころさぼてん多肉植物の土と同じくらいですが、ピートモスと鹿沼土が入っていてふわふわとやわらかいのが特徴です。
費用と入手先の参考
種をまく鉢 | 鉢をすっぽりいれられる容器 | カビ防止の殺菌剤 |
---|---|---|
プレステラ90 1個30円 メルカリ |
プラスチックケース 家にあったもの |
ベンレート 0.5g 10袋 800円 Amazon |
細かい種まき用の土 | 通常の培養土 | 目の粗い用土 |
花ごころのさし芽・種まき用の土 5L 600円程度 Amazon |
通常の培養土 赤玉土・日向土・バーミキュライト・ピートモス・パーライトを同率で混合 |
コーデックス用ブレンド 赤玉土・日向土・パーライトを同率で配合 |
市販の細かい土 | ||
花ごころのさぼてん多肉植物の土 5L 600円程度 Amazon |
殺菌剤用のスプレー容器 | 消毒用の湯1L~ | スコップ |
ベンレート液用スプレー容器 1,000倍に薄めたベンレート水を入れるための容器 Amazon |
鍋で沸騰させたお湯1L程度 自宅 -円 |
土入れスコップ 大小で300円程度 |
種をまく鉢は土をいれてアストロフィツムのカブト(兜)の種を蒔きます。そして鉢をすっぽり入れられる一回り大きないれものに水を張って、種まきした鉢を浸けます。これを腰水といいます。腰水については別ページで解説しています。
ベンレートは殺菌剤でカビ防止に使います。粉状なので水に溶いて種を消毒したり、腰水の水にも使用します。
サボテンの種はどこで入手する?
サボテンの種子はネット通販で購入することなります。自分で親株を育てており自家採取できるならそれが一番よいですが、それができない方はヤフーショッピングやヤフオク、メルカリなどで入手します。
また大量に種を購入する場合は、ケーレスなど直接海外のサイトから購入する方法もあります。ただこの場合検疫の費用がかかるため、少量なら多少割高でも国内の販売業者から購入した方が安くなります。
サボテンはパキポディウムなどほど種の鮮度に厳しくないのですが、やはり信頼がおける販売者を選ぶことが大切です。メルカリなどで種子を採った親株の写真も載っており、交配種が正確に分かり、採取した年月が分かるものが一番安心です。
なお、管理人の場合はメルカリで出品者が自家採取されたもの(昨年度産)を購入しました。
メルカリでも多肉植物の種を多数取り扱っています。 メルカリで新規登録する方は、お友達紹介コードの入力で、メルカリの購入で使える500円分ポイントがもらえます。(キャンペーン時は2,000円分相当ポイントがもらえます) よろしければ、下記のコードをお使いください。
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アストロフィツムの種まきの実践
時期
アストロフィツムは夏型のサボテンなので5月下旬から9月頃に蒔きます。また先ほどのように25℃~35℃の温度が保てる時期が一番蒔き時です。
可能期は5月上旬~6月、7~9月中旬ですが、できれば失敗を避けるために5月下旬~6月に蒔くことをおすすめします。(簡易ビニール温室がない場合)
今回は簡易ビニール温室内で25~35℃を保てる(ただし昼間のみで夜は気温と同じまで下がってしまう)ため、4月中旬に蒔くことにしました。
事前準備
種蒔き用のプラスチック鉢「プレステラ90」に挿すラベルを準備します。他に色々タネを蒔いた場合、どの鉢がなんの種類か分からなくなってしまうので、何らかの方法で区別できるようにしておきましょう。
腰水(底面吸水)用の容器は家にあったプラスチックの箱です。
カビや腐敗、雑菌防止のため、器具や鉢や鉢を入れる容器など、洗えるものは全て洗いましょう。鉢は前に何か植わっていたものの流用ではなく、新品のものを使うのが望ましいです。
土を鉢に入れて消毒する
土の消毒方法はいくつかありますが、プレステラに土をいれて上からお湯をかける、レンジ対応容器などに土をいれて湯気が出るまで加熱する、などのいずれかを行った後に殺菌剤であるベンレート1,000倍溶液を使って消毒します。
今回は、先ほどのように2通りに分けて土を準備しました。
中間の土を入れます。左が通常の培養土、右が花ごころさぼてん多肉植物の土です。
充分にお湯を注ぎます。土の構造が壊れてしまわないよう、ゆっくり丁寧にお湯を注ぎます。鍋で沸かしたお湯をオタマで注いで消毒します。湯気がでるまで何度も注ぎましょう。湯気が出て充分消毒できたら、底面吸水用のいれものに鉢を浸けて、ベンレート水をかけます。
ベンレート0.5gを500mlの水で薄めます。(1,000倍)
ベンレート1,000倍溶液は土に水代わりに土にかけてよく、また鉢をつけるための腰水の水にそのまま使ってOKです。
鉢が1~1.5cmくらい水に浸かるようにすればOKです。(※他の種まきの写真を流用しています。)
タネを蒔く
土が冷えたのを確認してから、種を蒔きます。熱湯消毒後はかなり長い時間熱を持つので土は充分に冷やします。
種まきの方法は人により、メネデール100倍液に一晩浸ける、水に半日浸ける、何もしないなど様々ありますが、今回は殺菌剤のベンレート水に1日(24時間程度)浸けてから蒔きました。
1つの鉢に何十個も蒔く方もいますが、後々植え替えが大変になるので、ある程度間隔を空けて蒔くほうが良いと思います。今回はプレステラ1個に10粒ずつに分けて蒔きました。
覆土は行いませんが、少し土に押しつけるようにして蒔きました。また湿度を保つため種まき後はプラスチック容器で覆いました。
発芽までの日数は
発芽までの日数は差があるようで、早いと3日~5日、1週間~数週間から1ヶ月かかるとするケースがあるようです。ただどの種類にも言えることですが、遅れて発芽する種子もあるので、蒔いてから1ヶ月程度は諦めないようにしましょう。
サボテンはそれほど発芽率は悪くないものの、温度・湿度・適度な日光の条件が揃わないと発芽しません。多数蒔いた種を一気に発芽させたい場合、25~35℃の温度が安定的に保てる時期(5月下旬~6月)がよいということです。
当サイトの実践では、4/10に種まきし、4/16(6日後)に初めの1個が発芽、最後の発芽は4/24(14日後)でした。発芽率は20個中18個で90%でした。
置き場所(遮光環境)と水やり(腰水)
ラップをして穴をプチプチあける、霧吹きするなど始終土がしっとり濡れている状態にします。上から水をじゃぶじゃぶ掛けるとタネが流れてしまうので、腰水(底面吸水)を行います。
鉢は半日陰に置き、発芽後も半日陰(50%遮光)に置きます。アストロフィツムはもともと成株も真夏は20~30%程度遮光します。種まきした苗はさらに直射日光に弱いです。決して無遮光の環境(完全な日なた)に出さないようにしましょう。
今回の実践では、簡易ビニール温室の最上段に置くため、60%遮光ネットを2枚重ねました。
また暗い室内などに置いたままだと、ひょろひょろになってもやしのようになってしまいますので、室内での管理は難しいです。
発芽が揃ったら徐々にラップや蓋を外し外気にさらすようにします。
始終水を張った容器に鉢を浸ける(腰水)のは1~2ヶ月で終了します。その後の水やりは、土が半分ぐらい乾いたら鉢を水に浸けて充分に水を吸わせる方法をとります。
3ヶ月以上たったら苗もしっかりしてくるので、上からの水やりに切り替えます。
サボテン「アストロフィツム兜・ルリ兜」の実践記録
1ヶ月目(2022.4)
4/9にタネを24時間ベンレート水に浸けてから、4/10に播種しました。気温は最高気温23℃程度ですが、簡易ビニール温室の中は昼間33℃程度まで上がっています。大体9時から16時ぐらいまで日が当たり、25~35℃を保っています。
夜になると最低気温が14℃程度まで下がり、簡易ビニール温室内もそこまで下がります。
4/15、一つに動きが見られました。
4/16、2つ発芽しました。
4/17、12個発芽しました。
4/18、20個中14個が発芽しました。そのためラップの一部を開き、さらにプチプチと穴を空けました。
画像は4/18の播種8日目の様子です。苗が小さくとても分かりづらいので、赤矢印で示しています。ベージュから赤茶色っぽい色をしています。
4/20、15個が発芽しました。
4/24、18個が発芽しました。芽の先に少し模様が出てきています。
4/26、20個中18個が発芽しました。アストロフィツムは発芽率がよいですね。カビが少し出たのでベンレートのスプレーを開始、またラップを剥がしました。
4/28、やはり18個の発芽です。芽が大きくなって写真でも分かりやすくなっています。
2ヶ月目(2022.5)
5/7、合計の発芽数は20中18個でした。順調に生育しているようです。
5/7、藻が出てきたので、オーソサイド水和剤のスプレーをしました。藻に対するオーソサイドの使用は今期が初めてで、どのくらい効果があるかは不明です。
全体的に生育が良いのですが、少し日が当たりすぎるところにおいていたためか、こんがり日焼けしてきたため(茶色くなってしまいました)、少し暗い所に移しました。元あった場所は照度計で1万ルクスぐらいのところだったので6,000lxぐらいのところに移動させました。
水を含みやすい(保水性の高い)土を使っているので腰水は終了しました。時々鉢が軽くなってきたら底面吸水させる形で水やりしています。
5/7に撮影した、アストロフィツム「ルリ兜」の播種28日目の写真です。
5/18、ルリ兜と兜丸は順調に生育しています。まだ見た目はほとんど変化がなく、少し模様のようなものがでてきている程度です。藻の防止にオーソサイド水和剤のスプレーをしています。日焼けは治らないようで、少しくらい所に移してもそのままでした。
前回5/7に底面吸水させてから以来なので、10日に1回程度底面吸水させていることなります。
上の3枚は5/18撮影の実生38日目の写真です。
3ヶ月目(2022.6)
6/1付け記録、以下1ヶ月ごとの観察記録となります。
この間パキポディウムやアガベ、エケベリアなど様々な種類の種を蒔きましたが、その中ではサボテン・アガベがとても発芽率が良かったです。ほとんど全部発芽しました。パキポディウムなど発芽率が0%のものもあったのに比べ、発芽もとても簡単で勝手に発芽してくる感じです。
播種してから3ヶ月目に入りましたが、株のサイズはほとんど変わっていません。成長はゆっくりのようです。
現在も引き続き簡易ビニール温室の前列~中央に鉢を並べています。5~7月はこの場所では直射日光は当たらずちょうど良い半日陰になっているようです。
気温は最高が28℃程度、最低が20℃程度で、サボテンの栽培に一番よい気候です。
今年はオーソサイドのスプレーを2週に1回ほどしているので、藻がほぼ生えてきません。きれいな黒い土のままです。
これはオーソサイドを散布した鉢としていない鉢の比較です。スプレーしていない鉢は緑色になっているのが分かります。
またオーソサイドはアストロフィツムには薬害が出ないことが確認できました。
水やりは上からやってしまうと苗が浮いてしまうので、水を張った容器に鉢を浸ける方法で与えています。常時ではなく2週間に1回行っています。ただ土の保水性にもよるので、水やり回数は参考程度にお願いします。
また6/1に施肥、マグアンプKを溶かした水を極少なめに与えました。
以下は2022/6/1に撮影したアストロフィツムの写真です。
4ヶ月目(2022.7)
アストロフィツムの播種から4ヶ月が過ぎました。
夏型の多肉植物であるアストロフィツムも苦手な、蒸し暑い時期になりました。最高気温は33℃、最低気温は27℃程度と早くも熱帯夜になっています。梅雨といっても雨はほとんど降らず、平年比20日早い梅雨空けとなりました。
この時期の水やりは気を遣いますが、それでもカラカラに乾かしてしまうと生育が極端に遅くなってしまうため、土がカラカラに乾く前にしっかり与えています。まだ苗が弱いため底面吸水させています。底面吸水の頻度は10日に1回程度で、年中腰水用の容器に水が溜まっている訳ではありません。
置き場所は簡易ビニール温室の下段の中列で、比較的暗い環境です。耐陰性があるのか、それでも徒長しないでいます。現在は上段の影に隠れて直射日光が当たらないところですが、これから太陽光の入射角が低くなっていくので、7月下旬には簡易ビニール温室の前面に遮光ネットを張る予定です。
最近はオーソサイド(殺菌剤)のスプレーをしておらず、少し藻が生えてきています。
以下はルリ兜と兜丸の2022/6/30の写真です。
5ヶ月目(2022.8)
アストロフィツムの種まきから5ヶ月が過ぎました。
サボテンの苗は案外丈夫なようで、特に枯れることもなく育っています。
水やりは上からはできないので、10日に1回ほど腰水でしっかり吸わせています。そのため水やり直後の土はびしょびしょ、36℃の猛暑の中、まさに高温多湿です。
簡易ビニール温室に日が差し込む様になってきて、前部に遮光ネットを張りましたが、その影響かやや徒長気味です。それでも少しずつ模様が出てきて成長を感じさせます。
他の栽培環境は7月と同じです。親株はほどんど水をやらず痩せてきていますが、5mm以下の小苗は水をジャブジャブ与えても大丈夫なようです。
以下は2022/8/11の兜丸・ルリ兜の写真です。
6ヶ月目(2022.9)
早くもアストロフィツムの種まきから6ヶ月目に入りました。
8月は連日の猛暑にもかかわらず、成長を続けメセンのように溶けたりすることもなく元気でいてくれました。成長速度は遅いようで、まだ3mm程度しかありません。そろそろ肥料を与える時期かもしれません。
水やりはしっかり土が乾いてから、上から少しと下からの底面吸水でたっぷり与えています。頻度は10日に1回程度です。親株にもしこのような水やりをしたら速攻で腐りそうですが、小さな苗はカラカラにするとしぼんで回復が遅れるので、小苗は別物として育てた方がよいのではないかと感じます。
遮光ネットなど環境は変えていませんが、秋になるにつれ日が差し込むようになってきました。しっかり日光を吸収して冬が来前に大きくなって欲しいと思います。
以下は2022/9/5のカブト丸とルリ兜の写真です。
ルリ兜
7ヶ月目(2022.10)
アストロフィツム、カブトを植えてから満6ヶ月が過ぎました。
最近目に見えて涼しくなってきて、最高気温も25℃~高くても30℃程度になっています。
成長はゆっくりで1ヶ月単位でも生育が感じられませんが、点々がたくさんあると家族の指摘を受け、そういえば刺座らしきものの数が増えてきたなと感じました。
水やりは9月と同じ感じで、栽培環境も同じです。ただ日光が簡易ビニール温室の中ほどまで入るようになって、カブトにも直接日が当たるようになってきました。(60%遮光ネットはかけています。)
リトープスなどの実生でも感じることですが、同じ時に蒔いて同じ条件なのに生育に差が出ています。土から抜いてみると根の量が違ったりします。これは個体差で種のもつ生命力の強さが違うのではないかと感じます。
以下はルリ兜とカブトの2022/10/1の写真です。
カブト丸(カブト)
8ヶ月目(2022.11)
【11/1記】カブト、ルリ兜の種まきをしてから8ヶ月目に入りますが、10月に大きなアクシデントがありました。それは遮光不足による苗の溶けです。植えた分の3~5割、20苗のうち6苗以上が直射日光により溶けてしまいました。
写真の白くなっている株が溶けた株です。これ以外にもシワシワに潰れた株があり、トータルで半分ぐらいがやられたのではないかと考えられます。
毎日観察しているわけではなく、またすぐに目に見えて変化することはないため正確な日時は分かりませんが、10/10~10/20のどこかのタイミングです。
10月の半ばにもなりあり得ない感じがしますが、快晴の日は要注意、涼しくなっても小苗の遮光は重要だと認識させられました。遮光の有無の問題は翌2~3月にも来ますので、皆さんもご注意ください。
現在は簡易ビニール温室の奥の直射日光の当たらない所に置いています。水やりは1週間に1度、鉢が充分重くなるぐらい与えています。
9ヶ月目(2022.12)
【12/1記】この11月は気候もよく暖かかった(最高気温22℃/最低気温12℃程度)ですが、この2日急に寒くなってきました。今後2週間の予測気温は、最高気温13℃/最低気温8℃となっています。
兜丸・ルリ兜は一部枯らせてしまい、だめになってしまった株は写真の通り、真っ白に変色してしまっています。シワシワになった分は復活したものもあるようですが、まだシワシワのままで枯れているのか生きているのか分かりません。
気候は良かったのですが、1ヶ月前と比べて目に見える変化はなく大きくなった感じはしません。
暖かかったので最近では11/25にたっぷり水やりをしましたが、今後は少しずつ減らしていく予定です。種まきから育てたサボテンの冬越しは初めてなのでどうなるのか気になります。
アストロフィツムやロフォフォラは5℃まで耐えられますが、休眠し生育も鈍ってしまうため、12/1から室内の植物育成ライト下で育てることにしました。冬も水やりを続け鈍いながらも大きくさせたいためです。ただこの部屋は暖房は一切入れないため、厳冬では最低室温6~8℃まで下がることがありますが、平均的には上が13℃/下が9℃程度です。
10ヶ月目(2023.1)
【2023/1/1記】12月に入ると気候は急変、前半は最高温度15℃/最低気温5℃程度でしたが、後半には最高が10℃行かなくなったり、下が0℃になったりと急激に寒くなりました。天気も曇り空が多く、雨、雪が降り晴れたのは12日間だけでした。
現在もずっと室内で育てています。昼間は外に出せる温度ですが、出し入れが面倒なので取り込みっぱなしです。植物育成ライトを3,000ルクス程度の強さで9:00~17:00まで当てています。
水やりは2週に1回程度、土の深さ1cmほどが濡れるぐらい与えています。ミニ扇風機での風通しはしていませんが、今のところカビは生えていません。
さすがに冬なので直径は全く大きくなっていません。
11ヶ月目(2023.2)
【1/31記】昨日まで日本海側を中心とする日本全体が10年の1度といわれる大寒波が襲っていました。暖地である福岡県福岡市も例外ではなくマイナスを3日連続で記録するなど、強い寒さが続きました。多肉植物は1℃を下回る1/21~1/31まで全部の種類を室内に取り込んでいました。
もちろんアストロフィツムの実生も室内です。
ただアストロフィツムの実生は失敗気味です。水を吸わないためか球体が少しへこみカラカラに乾いている様に見えます。株の数も減っているように感じます。
成株も同じような感じで水を吸わず、球体が少しへこんでいます。どちらも春になればまた水を吸い上げるようになると思いますが、実生のほうは小さいのでそれまでに力尽きてしまわないか心配です。春になって動き始めたら液肥をあげて早く大きく成長させないといけませんね。
水やりはこの間1回と軽い霧吹き程度でした。表土がカチカチになっているので鉢の5mm程度の高さの水を与え、ゆっくり吸収するのを待っています。びしゃびしゃにするとカビるので慎重に行っています。
12ヶ月目(2023.3)1年!
【3/1記】2月は全体的に暖かな日が続きました。最高気温は2桁の日(10℃以上)が26日間、10℃を切ったのは2日間のみでした。最低気温は27日間10℃以下でした。天気は平年並みでした。2月末からは日差しがやや強くなってきたのを感じられました。
アストロフィツム兜丸とルリ兜は1月に引き続き変化が全くなく、枯れているか生きているのか判断がつきません。もし枯れていたらどうしようと思いますが、ここで掘り上げたところで変わらないので、もうしばらく暖かくなるまで我慢です。
2月はとても暖かかったですが、やはり5℃を頻繁に切るのでずっと室内に入れていました。2月28日にやっと戸外に出したところです。突然直射日光に当てるとまた葉焼けしたり溶けかねないので、22%遮光ネットを張った所でさらに奥の方に置いています。徐々に日に慣らして日なたに出していきます。
水やりは少なめを2回与えました。
現在満1年が経ちますが、思うにもう少し夏に肥料を与えて大きくさせてから冬を越させた方がよいのではないでしょうか。小さくて体力(保水力)がなく、冬には水をほとんど吸い込まないので球体がカラカラになってきます。12ヶ月目で直径1cmくらいになれれば理想かと思います。
1年1ヶ月目(2023.4)
【4/3記】今回は家の工事のため写真撮影が早めとなっています。ご了承ください。環境について、3月は例年よりかなり暖かく、最高気温が18~22℃程度、最低気温が7℃~12℃程度となりました。天候もよく快晴と晴れを合わせて20日間でした。この間どの種類にとってもゆるく成長できる最適な気候でした。
アストロフィツムもロフォフォラと同じ3月から、休眠明けになったようで、吸水して球体に少し膨らみが出てきました。ここで枯れたものと生き残ったものが分かれて、枯れたものは全く水を吸わずシワシワのまま、生きたものはふっくらしてきました。(まだ確定判定には1ヶ月程度かかりそうです。)
置き場所は3月初めに外に出して、最初1枚の22%遮光ネットでしたがすぐに2枚重ねにしました。おそらく4月~5月に半日陰が50%遮光ネットに変えるかすると思います。
水やりは3月半ば頃から、14日に1回ほど土がしっかり湿る量を与えています。
2023年度再度実生します!
またアストロフィツムはあまり成長が良くなく心残りがあるため、2023年度に再度種まきを行うことにしました。今回はヒーターマットを使って高温環境を作り、土の配合も変えたためこのページの下に追記する形で紹介させていただきます。
1年2ヶ月目(2023.5)
【5/1記】4月は全体的に小雨で快晴・晴れの日が続きました。(晴れ・快晴の日が17日間)温度的には最高気温が20~25℃、最低気温が10~15℃と穏やかな気候でした。
カブト達は水を吸収してパンパンに膨らんでいます。それでようやく枯れたものと生き残ったものの判別がつくようになりました。
生き残ったのは、…全部で11苗でした。昨年はルリ兜を20粒、兜丸を20粒、計40粒蒔いたので生存率は25%程度となります。
パキポディウムなどの実生は5/1から室内のLED栽培に移したのですが、アストロフィツムはそれほど強い光を求めないので、外の半日陰の所に置いています。(状況によっては今後LED栽培に切り替える可能性があります。)
現在水やりは10日に1回です。これからたっぷり肥料を吸って大きくなって欲しいと思います。
1年3ヶ月目(2023.6)
【6/2記】5月は全体的に涼しい気温で安定しており、最低気温は16℃程度、最高気温は24℃程度でした。後半から少し暑くなってきましたが30℃は超えませんでした。また天気の面では、やや雨が少なかったものの・曇りと晴れとのバランスはまあまあでした。
1年3ヶ月でやっと8mmぐらいまで大きくなりました。成長速度の遅さを感じます。
現在も外に置いています。水やりは10日に1回、5月は3回与えそのうち1回にハイポネックス1,000倍を入れました。
1年4ヶ月目(2023.7)
【7/3記】6月半ばに1回目の植え替えを行って、室内で安静にさせているうちに室内置きになりました。室温は26~29℃程度でした。植物育成ライトは5,000ルクス程度を9:00~17:00まで照射し、送風は6/16まで00:00~6:00と11:00~17:00の12時間、6/17から18時間、6/23から11:00~22:00の11時間にしていました。
生き残っている株は少なく、もともとプレステラ90を4鉢分あったのですが、1鉢にまとまるようになってしまいました。(他の苗は枯れていました。)
今回土は、これまでのさし芽の土に、荒くて水はけのよい小粒の土をプラスしました。
1年5ヶ月目(2023.8)
【8/3記】7月も引き続き室内に置いていました。室温は最低が29℃~最高が32℃(ただし実生苗の表面温度は育成LEDライトの熱さで上が33~35℃程度)でした。外は連日の猛暑日で8/2は38℃を観測するなど厳しい暑さが続いています。植物育成ライトは1万ルクス程度を8:00~17:00まで照射し、送風は7/10から8:00~20:00と0:00~4:00の合計16時間にしています。
植え替え後5,000ルクスで養生し、その後1万ルクスの光をしっかり当て育てています。水やりの頻度は7日間に1回程度で、適宜肥料も与えたところ、徐々に大きくなる気配がでてきました。
1苗は白くなって枯れてきたので、生き残ったのは7苗になってしまいました。5cm程度の大きな成株になるのはまだまだ先のようです。
1年6ヶ月目(2023.9)
【8/31記】8月も引き続き室内に置いていました。室温は最低が30℃~最高が32℃(ただし実生苗の表面温度は育成LEDライトの熱さで上が33~35℃程度)でした。屋外は猛暑が続き、連日35℃(気温、完全な日陰の温度)を超え、50%遮光した環境でも43℃と猛烈な暑さが続いています。更に高温注意報が出て9月猛暑が続くそうです。植物育成ライトは1万ルクス程度を8:00~17:00まで照射し、送風は00:00~5:00と12:00~18:00の11時間行っています。
育て方は先月とほとんど変わらずですが、水やり頻度が若干上がって5日に1回ほどになりました。量は鉢底から流れ出るほどは与えず、鉢底に届く程度にしています。
1年7ヶ月目(2023.10)
【10/11記】9月も引き続き室内に置いていました。室温は最低が26℃程度~最高が29℃程度と8月よりぐっと涼しくなりましたが、相変わらず屋外は暑く32℃以上になる日も珍しくありませんでした。植物育成ライトは1万ルクス程度を8:00~17:00まで照射し、涼しくなったため送風は00:00~2:00と12:00~14:00の4時間程度に短縮しています。
毎日見ていると目に見えた変化はないのですが、1ヶ月前の写真と比べると少し大きくなったかなという感じです。(2023年春の実生分と比べると、一回り大きいです。)
最近急に涼しくなってきたため、水やり回数を減らし始めています。
1年8ヶ月目(2023.11)
【11/13記】日が良く当たるようになってきたため、10月半ばに屋外の環境に移しました。去年10月末に直射日光で溶かしたのを教訓に、今年は白い遮光ネット2枚を張った環境にしています。外に出して1ヶ月が経ち、少し日焼けしました。
やっと直径1cm程度に達しました。2023年実生もそれぐらいになっているので、うまく栽培していれば今頃1.5cm程度になっていたかもしれませんね。
10月の水やりは週に1回でした。
1年9ヶ月目(2023.12)
【12/6記】11月は暖かかったのですが、11月末~12月に入り急に寒くなり平年並みの気温に下がりました。
10月半ばに外に出してから1.5ヶ月経ち、最低気温が5℃を切るようになってまた室内に戻しました。また3月半ばまで室内のLED環境で過ごしてもらいます。水やりは2週に1回程度に低下しました。
1年10ヶ月目(2024.1)
【1/18記】更新が遅れ気味になって申し訳ありません。
昨年から引き続き非常に暖かい冬とは思えないような日が続いています。
兜達は室内で8,000ルクス程度の光を浴びています。一番大きな個体は14mmになりました。外で育てる場合は断水管理する所ですが、室内では緩い生育を続けるので水やりが必要です。(うっかり水やりを忘れると球体が凹んでしまいます。)概ね2週間に1回程度少なめを与えています。
1年12ヶ月目(2024.3)満2年!
【3/15記】今年の2~3月は雨や曇りの日が多く、晴れの日が少ないです。しかし気温は非常に高い日が続いており、厳冬期と思えない暖かさでした。
今月から2023年度の2回目の実生分とまとめてご報告させていただきます。
2月末に2023年度実生分の兜の初めての植え替えを行いました。ぎゅうぎゅうになっていた2つのプレステラ90を合計4つに増やして株間を空けました。
やや早い時期だったので外が寒く、植え替え後は室内で16℃程度を保って養生させていました。そして3/15の今日やっと外に出すことができました。外はかなり日差しが強くなってきているため、22%遮光ネットを3枚張っています。
2022年度実生分は今回、植え替えは行いませんでした。
撮影日:2024/3/5
※2022年と2023年の分が両方写っていますが、あまり差が無い感じです。
2年1ヶ月目(2024.4)
【4/2記】3月はこの時期には珍しく雨・曇りの日が多めでした。しかし晴れるとかんかん照りで落差が激しく遮光ネットは快晴の日に合わせてかけっぱなしになっています。気温は相変わらず高めで日中は20℃、夜間も14℃程度あります。
遮光ネットは多肉植物全般は22%ネット1枚ですが、アストロフィツムは植え替え直後で株も小さいということもあって3枚にしていました。
水やりは植え替え直後はこまめに、その後だんだん間隔を空けるようになってきました。現在は10日に1回ほどです。
簡易ビニール温室の中段はだんだん直射日光が当たらなくなってきています。4月いっぱいは鉢を前列に並べることで日に当てますが、それ以降は難しくなるので、再び室内に戻して植物育成ライトを当てることになる予定です。
2年2ヶ月目(2024.5)
【5/9記】ここに来て2023年度分と2022年度分の苗にサイズ差が出てきました。(写真の右下のポットのみが2022年分のものです。)この春急に大きくなったようです。
2023年分は植え替えをしたので根付くのに時間がかかり、あまり成長しなかったのかもしれません。
やはり5月になるのを待たずに直射日光が当たらなくなり室内に移動しました。ミニ扇風機で一日10時間ほど送風しているので土が良く乾き、週に1回ほど水やりをしています。
2年3ヶ月目(2024.6)
【6/15記】5月後半~6月初めの室温は最高が27℃、最低も22℃程度などかなり暑くなってきました。
カブトは25℃を超え始めると成長が進むようです。1回目の実生と2回目との差が大きくなっています。
また2回目のは植え替えをしましたが、土の配合が合わなかったようでほとんど成長してくれません。かといい折角渾身の力を絞って発根した株を再び植え替えることはためらわれ、来年の植え替えを待つことになりそうです。
2年6ヶ月目(2024.9)
【9/13記】更新が3ヶ月もできなくてすみませんでした。今年の猛暑は観測史上初の高値を記録し、多肉植物への影響も大きかったと思います。現在も33~37℃が続き猛暑が長引いています。
アストロフィツムの兜たちはこの夏、目視で確認できる程度大きくなりました。特に2022年実生の分が大きくなり、株間がなくなり苗同士がくっついてしまっています。これは今年9月に植え替えるべきか、それとも来年の春を待つか、検討したいと思います。
また模様がはっきりしてきて兜と瑠璃兜がはっきり区別できるようになりました。
水やりは10日に1回しっかりと、置き場所は外の簡易ビニール温室の半日陰程度に遮光した所です。
2年7ヶ月目(2024.10)
【10/21記】まだまだ暑い日が続いています。天気予報によると11月に入っても平年より高温が続くそうです。
アストロフィツムは結局全部植え替えをしました。このままいくと株と株がぶつかり変形しそうな感じがしたからです。大きいものは1鉢に1本、小さいものは1鉢に4本にしました。
また今回の植え替えで2023年の分と2022年の分が混ざってしまいました。
水やりは週に1回ほど、鉢全体がしっかり湿るぐらい与えています。また昨日より最後の白いネット1枚を外し、遮光なしの環境に移りました。
2023年2回目の実生実践
今回のやり方と手順
今回はこれまでと異なり、涼しい時期にヒーターマットを使って加温し、また植物育成ライトを用いて室内で栽培します。
1回目と今回の相違点は
- ヒーターマットを使って早い時期に蒔く
- 植物育成ライトで完全に室内で育てる
- 土を別の配合に変える
- 肥料を与え成長を促進させる
です。
また実践方法は、2023年度オペルクリカリア パキプスとパキポディウム グラキリスと全く同じ手順で行っています。そのためここでは簡単な概略を記載しますので、詳しい手順については以下のページをご覧ください。
今回の土の配合は、至って簡単なものにしました。といっても手抜きではなく、色々な種子を蒔いてみてこれがよいのではないかという土が見つかったためです。
土は市販の花ごころ「さし芽・種まきの土」と「さぼてん・多肉植物の土」を振るいに掛けたあと同量を混ぜるというものです。底の土は5mmのふるいでふるったもの、中~上部は3mmでふるったものを入れています。
土やタネの消毒について
今回土は熱湯消毒・殺菌剤消毒し、タネは殺菌剤消毒のみ行いました。
土は熱湯消毒の上に殺菌剤(オーソサイド)をスプレー、タネをまいてタネの上から再度オーソサイドスプレーをしました。
蒔く環境のセッティング
今回種まきの環境は以下の通りに行いました。
- 腰水容器はミネラルウォーター2Lのペットボトルを加工したものを使用
- タネをまく鉢はプレステラ90を使用
- 播種は室内で植物育成ライト(GREENSINDOOR 600W)を使用
- 育成ライトは50cm程度離し1万ルクスほどに調節
- ヒーターマットはHyindoor製のサーモスタット機能付きを使用
- ヒーターマットの温度はレベル3(約30℃)に設定
- 腰水は2cm程度
今回必要だったもの
サーモスタット付きヒーターマット
今回は「Hyindoor製サーモスタット機能付きヒーターマット 30W」という製品を使用しました。20℃から40℃まで5℃刻みに設定することができ、今回のカブトでは30℃(レベル3)に設定しました。
植物育成ライト
今回は「GREENSINDOOR 600W相当」というLEDを使いました。今回は鉢をライトから50cmほど離しまんべんなく1万ルクス程度の光を照射するようにしました。
市販の土(2種類)
今回は花ごころの通常多肉用土とさし芽用の2種を準備しました。
レビュー
Amazon(さし芽・種まきの土)
Amazon(さぼてん・多肉植物の土)
1ヶ月目(2023.4)
2023/4/2
2個のプレステラ90に10粒ずつ合計20粒を蒔きました。
2023/4/6
合計1個発芽しました。
2023/4/7
合計7個発芽しました。
2023/4/8
合計8個発芽しました。
2023/4/10
本日よりヒーターマットの温度を35℃に変更しました。
2023/4/12
本日よりヒーターマットの温度40℃の鉢と、30℃の鉢に分けました。
2023/4/13
一方の鉢にハイポネックス1,000倍液を与えました。
2023/4/15
発芽率が50%以下のため、隙間を埋める形で同じタネの残りを蒔きました。ルリ兜12粒とカブト8粒です。
2023/4/26
現在30℃程度になるヒーターマットに置いています。
全てにマグアンプを与えました。
2023/4/28
全てにオーソサイドスプレーとハイポネックス1,000倍液スプレーを行いました。
2ヶ月目(2023.5)
【5/1記】4月は全体的に小雨で快晴・晴れの日が続きました。(晴れ・快晴の日が17日間)温度的には最高気温が20~25℃、最低気温が10~15℃と穏やかな気候でした。
現時点で発芽は23個です。合計40粒まいて23個なので発芽率は50%程度です。採取年度では100%近い発芽率のサボテンのタネも、1年古くなると50%に落ちてしまうのですね。
発芽したては白~緑色ですが、先に蒔いたものはこんがり日焼けしてきました。
現在も腰水管理しており、一日あたり12時間程度送風を行っています。送風時は少し蓋を閉めぎみにしています。
2023/5/3
サーモ付きヒーターマットに移動し30℃に設定しました。
2023/5/7
オーソサイドスプレーを行いました。
2023/5/12
室温が足りないのか、ほとんど大きくなっていないようです。
2023/5/13
ずっと水を張る腰水は終了しました。フタも全開放に移行しました。
2023/5/26
ちょっと送風を怠っていたところ、カビが一面に発生してきました。慌ててできる限りカビの生えた部分を取り除き、オーソサイドスプレーをたっぷりかけました。
3ヶ月目(2023.6)
【6/2記】5月も引き続きずっと室内に置いていますが、室温は22~26℃程度でした。植物育成ライトは1万ルクス程度を9:00~17:00まで照射し、送風は00:00~6:00と11:00~17:00の12時間です。
まだ室温が低いせいか目立った成長はしていません。ちょっと根が地上に出てしまっているのがあり、それはそっと抜き取って植え直しました。根は2mm程度でとても慎重な作業でした。
水やりは7日に1回ほど、腰水容器に水を張って吸わせています。
2023/6/7
オーソサイドスプレーを行いました。
2023/6/18
オーソサイドスプレーとマグアンプをパラパラ撒きました。
2023/6/28
オーソサイドスプレーとハイポネックススプレーを行いました。
4ヶ月目(2023.7)
【7/3記】6月も引き続きずっと室内に置いています。室温は26~29℃程度でした。植物育成ライトは1万ルクス程度を9:00~17:00まで照射し、送風は6/16まで00:00~6:00と11:00~17:00の12時間、6/17から18時間、6/23から11:00~22:00の11時間にしていました。
発芽したての時と比べるとだいぶ大きくなっているようですが、まだ色は薄茶色でアストロフィツムらしい色ではありません。少しずつ刺座が増えているように思われます。
5ヶ月目(2023.8)
【8/3記】7月も引き続き室内に置いていました。室温は最低が29℃~最高が32℃(ただし実生苗の表面温度は育成LEDライトの熱さで上が33~35℃程度)でした。外は連日の猛暑日で8/2は38℃を観測するなど厳しい暑さが続いています。植物育成ライトは1万ルクス程度を8:00~17:00まで照射し、送風は7/10から8:00~20:00と0:00~4:00の合計16時間にしています。
室内の暑さのおかげでぐんぐん成長しています。だんだん2022年実生(昨年の実生)と同じぐらいのサイズになってきました。
最初は1万ルクスに当てた時焦げて茶色っぽくなりましたが、その後慣れてきたのか再び緑色になってきました。
水やりは5日に1回ほど、根張りが弱いため鉢の上半分が濡れるぐらいを与えています。
6ヶ月目(2023.9)
生育環境や気象条件は2022年実生分と変わりありません。育成ライト1万ルクスで水やりは5日に1回ほどです。
昨年度分と比較しサイズはほとんど見劣りなくなってきました。サボテンは暑さが好きですがあまり暑すぎると生育が鈍くなります。室内の35℃程度の環境がちょうど良いのかもしれません。
気温の大幅に下がる11月まであと2ヶ月になりました。冬までにできるだけ大きくして冬越しの間に枯死しないようにしていきたいと思います。
7ヶ月目(2023.10)
【10/11記】置き場所や管理は2022年分と変わりありません。2022年分と比べると一回り小さいですが、充分育ってくれたと思います。10月になって急に寒くなってきました。これから生育の鈍る時期に入っていきます。
8ヶ月目(2023.11)
【11/13記】環境や管理は2022年分と変わりません。2023年実生分はルリ兜、兜丸がごちゃごちゃに混ざってしまい区別が付かなかったのですが、最近になり少し違いが出てきました。
水やりはやはり週に1回ですが、11月に入り2週間に1回程度に低下してきました。
9ヶ月目(2023.12)
【12/6記】こちらも2022年実生と同じ環境です。
10ヶ月目(2024.1)
【1/18記】更新が遅れ気味になって申し訳ありません。
昨年から引き続き非常に暖かい冬とは思えないような日が続いています。
2023年実生分は一番大きい個体で13mmと2022年実生に近づいてきました。栽培環境は2022年分と同じ室内の育成LED下で、水やり頻度も同時にしています。
12ヶ月目(2024.3)満1年!
以降の記録は2023年分の欄にまとめてご報告させていただきます。