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色々な多肉植物の種をまいて分かったこと・重要なこと

多肉植物の中ではリトープスを一番最初に種蒔きしましたが、その後別の種類も種まきするようになり、2021年秋~2022年秋までに20程度の種類を実生する機会がありました。今回はこの1年色々な種をまいたことで分かったことや、重要なこと、種類ごとの難易度などについて記載しています。

今年蒔いたタネの種類

実生風景

2021年まではほぼメセン類しか種まきしませんでしたが、2021年秋からコーデックス、サボテン、エケベリアなど様々な種類を種まきから育てています。以下は育てた種類と実生レポートへのリンクです。

2021年以前

2021年秋(9~10月)

2022年春(4~6月)

2022年秋(9~10月)

分かったこと

本に書いてあることだけでは難しい

種まきのことを実生(みしょう)といいますが、実生方法は書籍を参考にするだけではなかなかうまく行きづらいです。多肉植物の育て方本はたくさんあり、本によっては種まきの方法も書いてあったりするのですが、その情報だけでは正直かなり不足です。

また本では実生は中級~上級者向けとなっていることが多く、色々な情報が省かれています。
例えば

  • どのような鉢や土を使ったら良いのか
  • エケベリアのやり方は書いてあるが、その他の種類については書いていない
  • メセン類のやり方は種類によって少しずつ異なるが、まとめて記載されている

など

もっとも書籍は紙面の都合上、種まきにたくさんページを割くことができないのも無理ありません。かといって多肉植物の種まき専門の本もないので、困ってしまいます。

ブログなどの情報集めが必要

そのような時に参考になるのが、色々な人が書いているブログなどです。はてなブログ、FC2ブログ、seesaaブログなど無料で使えるブログには、たくさんの多肉好きの人が自分が育てている種まきの方法や写真を載せています。それもかなり前から運営されていてとても詳しいブログもあります。

有名な種類は大きな運営会社が実践している実生のページがありますが、マイナーな種類になってくるとやはり情報が不足してきて、無料ブログ記事が頼みになってきます。

育てやすい種類と苦労する種類がある

どんな植物にもいえることだと思いますが、多肉植物の中でも種まきから育てやすい種類と、苦労する種類があります。多肉植物の成株をたくさん育てていても、種まきとなると一からのスタートです。

そのため初心者のうちは育てやすいといわれている種類から攻略して、徐々に難易度の高い種類に挑戦していくのが大切だと感じます。

育てやすい種類としては

  • 発芽率がよい
  • 生育速度が速い
  • 種の鮮度があまり重要でない
  • 種が比較的大きくて扱いやすい
  • 種子の価格が安く流通量も多く、失敗しても何度も挑戦しやすい

もともとの発芽率が低く生育速度も遅く、種の鮮度が重要で種が微細、高価で手に入りにくいなどの種類は、最初のうちは避けた方がよいでしょう。

ただ種まきの栽培難易度は親株と必ずしも同じではありません

例がエケベリアです。エケベリアは育てやすく初心者でも枯らしにくいですが、種まきとなると発芽率は悪い、種も小さい、成長速度が遅いなどで、意外と難易度が高いです。

そのためエケベリアやパキフィツムなどは通常は葉挿しで増やします。しかし種まきにはウィルス病が移行するというデメリットがあるので、あえて種まきする場合もあります。

実生苗は意外と溶けにくい

腰水

種まきから育った苗(実生苗)は親株の特徴にかかわらず、意外と溶けにくいことが分かってきました

例えばサボテンやコーデックスなどの大きくなった成株は夏に溶けやすく、水やりにピリピリすることが多いものです。

しかし種まきして1年未満のこれらの種類は、腰水ジャブジャブで土が湿り、湿度が高くても案外溶けなくて驚かされることがあります。

冬型でいえばリトープスやその他のメセンがありますが、これも8月下旬から9月の残暑厳しい中に蒔いても、小さな芽は溶けづらいです。

むしろ干からびさせて枯らす、直射日光に当てて溶けさせる、という点に注意したほうがよいです。

条件によっては全滅(発芽ゼロ)することも

種まきの難しさは種類によって発芽条件が様々で、条件が揃っていないと全滅(1個も芽が出ない)することもある点です

芽さえ出てしまえば後はそれほど問題なく育つが、その発芽をさせること(発芽のスイッチをオンにする)自体が難しい種類があります。

たとえば、発芽時は蓋をして密閉容器で100%の湿度にする必要があるもの※1、腰水(底面吸水)でびちょびちょにしないといけない※2など、多肉植物らしくない条件があるものもしばしばです。

また生育適温は10~20℃でも、冷蔵庫(5℃程度)で冷やさないと発芽しない種類があったり※3、直射日光が種にあたっていないと発芽率が著しく悪くなるもの※4など…

発芽スイッチがオンになったら素早く通常の管理に戻すなど、発芽過程にはメリハリのある管理が必要なのが実情のようです。種類により適応力に差があり、てきとうに蒔いても大丈夫な種類もありますし、条件が狭く環境の調節をしっかりしないといけない種類もあり、その匙加減が難しく、実生の障壁となってしまうようです。

※1はパキポディウム、※2はリトープスなどのメセン類、※3は冬型コーデックスやアルブカなど、※4はプレイオスピロスなどの実例です。

条件は

  • 温度
  • 水分と湿度
  • 日光量
  • 土の種類

の4つで決まるかと思います。

この中で一番芽が出る出ないに影響してくるのは蒔き時(温度)ではないかと感じます。温度を間違うと本当に1個も発芽しないことが普通にあります。

同じメセン類でも最適な蒔き時は異なる

似たような種類でも発芽条件が異なるものがあります。

たとえば本などではメセン類は9月から10月に蒔くと一律に書いてありますが、実際に蒔いてみると全部が全部そうではなく、属によってかなり差があることが分かります。

2022年の例では、同じメセン類であるリトープス、コノフィツム、フェネストラリア、ラピダリア、アルギロデルマ、アロイノプシス、ギバエウムなど一斉に蒔いたところ、発芽数に著しい差が出ました。一番発芽率がよく速かった種類は発芽率97%で最速5日で発芽していましたが、発芽率が悪いものでは同時点で発芽率10%、日数も2週間かかるなど差が出ました。

いずれも本には9~10月が蒔き時と書いてあったものです。9~10月といっても9/1から10/31まで60日間も開きがあるので、ピンポイントでずばりいつがよいのか、という情報が本当に欲しかったです。

同じ属でも例外の種類がある

上ではツルナ科(メセン類)という同じ科で異なる例を示しましたが、実は同じ属の中でも例外の種類というものが存在します。

たとえばコノフィツム、通常15~20℃程度で良く発芽するため9月下旬から10月下旬に蒔きますが、ブルゲリという種類だけ特殊な発芽条件を必要としていました。

ブルゲリは25℃以上ないと発芽せず、8月下旬に蒔きます。他のコノフィツムのように10月になって気温が20℃以下で蒔いていると、発芽ゼロになります。(2022年実践)

植物の分類体系はまだまだ発展途上なので、もしかすると将来ブルゲリはコノフィツムから分離されるかもしれませんが、いずれにせよ、特別な条件が必要なものはその条件を整えてあげないと発芽も発育もしてくれません。

土によって同じタネでも発芽率・速さが違う

市販の土の比較

植物の発芽条件に

  • 日光
  • 温度

があるのは知られていますが、もう一つ「土の種類」という条件があることが、2022年の実験で判明しました。

全く同じ種、水の量、温度、日光量なのに土の種類が違うことで最大2倍の発芽数の差が出ました。それだけではありません。発芽の速さも異なり速く発芽する土と、発芽の遅い土がありました。

これは意外な結果で、土なんてどんな種類でも芽が出るだろうと考えがちですが、メセン類の8種で発芽が良く速い土と発芽が悪く遅い土がありました。

例えばリトープス、土以外の条件は同じに揃えて、発芽数が悪い土では22個発芽、よいほうでは41個発芽しました。発芽の始まった日にちも8日異なっていました。

また、土の違いで影響を受けやすい種類と、それほどでもない種類もあることが分かりました。

土の違いは何だったのか、どちらも種まき用の土ですが、悪かったのはメルカリで買ったとある土、良かったのが花ごころの種まき土でした。酸性度や含まれている成分の差が考えられます。

また、今回悪かったメルカリの土が必ず悪いかどうかは分からず、メセン以外の種類では逆に発芽が良いという可能性もあります。(未実験)

遮光と適切な日光調節の大切さ

今回改めて遮光と日光調節の大切さを感じました。

というのは10月にリトープス、サボテン、フリチアの実生苗を合計30苗程度も溶かしてしまったためです。

真夏は半日陰で一律に管理すればよいですが、9月下旬から11月初旬にかけては日光調節が大変で、その日の天気によって遮光ネットを薄くしたり厚くしたりする必要があります。

それは当たり前なのですが、問題はどこまで微調整するかです。気温の変動が大きくある日を境に遮光ネットを外すというのはやや危険です。天気も快晴と曇りとではかなり差があり、天気によって遮光率を変えないといけません。

日を当てないと徒長しますし、強い光を当てると溶けます。本に書いてあるように10月になったら遮光率を何パーセント下げます、というようにいかないので、昨年はどうしていたかなどの記録をみながら、その年の気候にあった遮光率に調節しないといけません。

初期の肥料の必要性の違い

実生開始から2~3ヶ月以内は腰水(底面吸水)などで育てていることが多いので、肥料を与えないことが多いですが、実験したところ、実生1~2ヶ月目に肥料を与えると、大きくなる種類があります

リトープスやコノフィツムなどのメセン類ですね。藻やカビの原因になり匙加減は難しいですが、蒔き時がちょっと遅くなってしまった場合など、肥料をやると早く成長します。(徒長ではなく、横方向に成長する)

一方コーデックスは初期に肥料をやると上に伸びて(徒長の方向に)しまうことがあり、丸っこい塊根を育てるためには肥料はなしのほうがよいようです。サボテンは横にも縦にも大きくなる感じがします。


以上が2022年に色々な種を蒔いてみて感じたことです。また気付いたことがありましたら追記します。

蒔いてみた種類内での難易度と蒔き時・コツ

以下はあくまで蒔いてみた中での感想なので、他の種類にも共通するかどうかは不明です。あくまで参考程度にお願いします。

アストロフィツムとロフォフォラ

  • 発芽率 良い 90%以上
  • 発芽日数 6~10日
  • 発芽難易度 簡単
  • 栽培難易度 やや簡単
  • 大切な条件 高めの温度
  • 初心者おすすめ度 おすすめ

リトープス(ミックス種子など)

  • 発芽率 良い 80%以上
  • 発芽日数 1週間~1ヶ月
  • 発芽難易度 簡単
  • 栽培難易度 やや簡単
  • 大切な条件 特になし
  • 初心者おすすめ度 おすすめ

アガベ「笹の雪・チタノタブルー」

  • 発芽率 良い 90%以上 
  • 発芽日数 
  • 発芽難易度 簡単 
  • 栽培難易度 簡単
  • 大切な条件 特になし
  • 初心者おすすめ度 おすすめ

チレコドン「ワリチー」

  • 発芽率 悪い 30%
  • 発芽日数 1週間~1ヶ月
  • 発芽難易度 高い
  • 栽培難易度 実験中
  • 大切な条件 不明

オトンナ「クラビフォリア」

  • 発芽率 悪い 40%
  • 発芽日数 20日~1ヶ月 
  • 発芽難易度 高い
  • 栽培難易度 実験中
  • 大切な条件 実験中

アルブカ「スピラリス」

  • 発芽率 良い 90%以上
  • 発芽日数 2週間
  • 発芽難易度 中くらい
  • 栽培難易度 実験中
  • 大切な条件 低温(冷蔵発芽処理)

ペラルゴニウム「アッペンディクラツム」

  • 発芽率 やや低い 50%
  • 発芽日数 10日~20日
  • 発芽難易度 高い
  • 栽培難易度 実験中
  • 大切な条件 冷蔵発芽処理

ダドレア「ブリトニー」

  • 発芽率 低い 30%
  • 発芽日数 10日~1ヶ月
  • 発芽難易度 実験中
  • 栽培難易度 実験中
  • 大切な条件 不明

フリチア「光玉」

  • 発芽率 良い 90%以上
  • 発芽日数 7日~10日
  • 発芽難易度 簡単
  • 栽培難易度 簡単
  • 大切な条件 特になし

エケベリア「ラウイ」

  • 発芽率 悪い 30%程度
  • 発芽日数 20日~1ヶ月以上 
  • 発芽難易度 中くらい
  • 栽培難易度 やや簡単
  • 大切な条件 不明

アデニウム「オベスム」

  • 発芽率 良い 80%以上
  • 発芽日数 5日~8日間
  • 発芽難易度 簡単
  • 栽培難易度 やや簡単
  • 大切な条件 高めの温度
  • 初心者おすすめ度 おすすめ

パキポディウム「グラキリス」

  • 発芽率 採れたてのものは90%以上
  • 発芽日数 7~14日間
  • 発芽難易度 やや高い
  • 栽培難易度 やや高い
  • 大切な条件 高めの温度と高い湿度

ディオスコレア「アフリカ亀甲竜」

  • 発芽率 やや良い 70%以上
  • 発芽日数 9~14日程度  
  • 発芽難易度 やや簡単
  • 栽培難易度 普通
  • 大切な条件 特になし

コノフィツム(ミックス種子など)

  • 発芽率 よい 90%程度
  • 発芽日数 7日~1ヶ月
  • 発芽難易度 簡単
  • 栽培難易度 やや難しい
  • 大切な条件 特になし

プレイオスピロス「帝玉」

  • 発芽率 良い 90%以上
  • 発芽日数 7日~2週間程度
  • 発芽難易度 やや簡単
  • 栽培難易度 難しい
  • 大切な条件 種に直射日光を当てること

モニラリア

  • 発芽率 よい 90%以上
  • 発芽日数 3日~7日間
  • 発芽難易度 簡単
  • 栽培難易度 やや難しい
  • 大切な条件 特になし
  • 初心者おすすめ度 おすすめ

以上管理人の栽培下の場合です。ご参考までにお願いします。

重要なこと

①条件を複数に分けて実験する

条件

種まきは蒔く方の環境により大きく異なるので、自分なりに条件を複数に分けて蒔くことをおすすめします。

それは土の配合、日の当て具合、底面吸水のやり方、蒔く時期、温度、覆土の有無(土をかぶせるかどうか)、発芽促進剤の利用(メネデールなど)など条件を分けておくと、失敗するものももちろんでますが、うまくいったほうを来年改良していけばだんだんと上手になっていきます。

②思い切ってやり方を変える

重要

うまく行かない時は、思い切ってやり方を変えてみましょう。

これまでダメだと思っていた条件が案外うまく行くこともあります。たとえば直射日光に当てるのは溶けるので危険だから遮光しよう、と思っていたところうまくいかず、様々なブログを参考にして直射日光下に置いたところ、発芽も生育もよくなったなど。

これをすると溶ける、枯れる、カビが生えるのではないか?など実生には様々な不安事項がありますが、失敗が続く場合は思い切ったことをするのも大切です。

実生(種まき)
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