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コノフィツム属(Conophytum)の特徴と種類・育て方

コノフィツム属の写真

ウィッテベルゲンセウィッテベルゲンセ(出典:Wikipedia Conophytum calculus カリキュロスカリキュロス(出典:Wikipedia コノフィツム 黄金玉/玉彦黄金玉/玉彦(出典:Wikipedia
Conophytum meyeri 金鈴/メイエリ金鈴・メイエリ(出典:Wikipedia コノフィツム 群生している群生している様子(出典:Wikipedia Conophytum acutum アクツムC.acutum オレンジ色の花(出典:Wikipedia

コノフィツム属(Conophytum)の特徴

ツルナ科
育てやすさ:×
生育型:冬型
成長速度:×
殖やし方:株分け・種まき
原産地:南部アフリカ、ナミビア


※育てやすさ(4段階評価)
◎育てやすい–〇普通–△やや難しい–×難しい

※成長速度(4段階評価)
◎早い–〇普通–△遅い–×とても遅い

コノフィツムはこんな植物
一言でいうと:南アフリカ原産の代表的なメセン類(ツルナ科の植物)の一つ。南アフリカの乾燥地帯で200種類が見つかっている。コノフィツムはリトープスと並んで図鑑などで見かける機会が多い。

特徴:たくさんの種類があるため、形や姿は様々だがどれも2枚の葉がくっついて出てくるので丸っこく分厚い。赤や黄色、ピンクなど色とりどりの花も咲かせるので花も楽しめる。丸っこく高度に多肉質なので「玉型メセン」といわれたり、花が美しいので「花ものメセン」といわれたりもする。

育て方:栽培難易度は高く、初心者は夏越しが一苦労。どの種類も乾燥地帯に生息しているので日本の高温多湿の夏が苦手。冬型の多肉植物で夏の暑い時期(5~9月)は水をやらず風通しをよくして休眠させる。冬の生育期にむけて秋から水やりを徐々に増やし、秋から春にかけては日によく当てる。夏の間はシワシワして枯れたようになるが正常な過程、秋に水やりを開始すると古い葉を落として中から新しい葉が出てくる「脱皮」をする。

年間栽培カレンダー

コノフィツムの「生育期」は秋~春を指し、具体的には10月~3月頃。
おおむね、春は3~5月、夏は6~9月、秋は10~11月、冬は12~2月をさす。

水やり 生育期に入り10月頃から徐々に水やりを増やす。2週に1回程度。
11月~3月、生育期に入り、週1回の水やりに
この間、0℃を下回る場合は室内に取り込んだ上で水やりは月2回程度に減らす。
4月頃から2週に1回の水やりに減らす
5月には月1回程度
6月~9月はほぼ1回も水をやらない。(ただ1cm以下の小さい苗や小さい品種は月に1~2回程度水やりをする)
置き場所 春から秋(10~4月)は雨よけがある直射日光の当たる戸外に
冬は0℃を下回らなければ戸外の雨が当たらない日の当たる所に
0℃以下になる日は室内か温室に取り込む
5~9月は雨の当たらない戸外で、遮光するか明るい日陰に置く
植え替え 生育期の10~11月頃に
殖やす 10月頃に株分け、また種まきする場合も10月末までには終える
肥料 10月頃、薄い液肥を月に2回ほど与える。固形肥料の場合は植え替え時、植え付け時に土に混ぜ込む
開花 10月頃、ピンク、赤、オレンジ、黄色などの花を咲かせる

主な種類名

ウィッテベルゲンセ : Conophytum wittebergense
ウスプルンギアナム : Conophytum ursprungianum
円空 (エンクウ) : Conophytum marnierianum
オペラローズ : Conophytum ‘Opera Rose’
菊丸 (キクマル) : Conophytum ‘Kikumaru’
清姫 (キヨヒメ) : Conophytum scitulum
桐壺 (キリツボ) : Conophytum ectypum var.tischleri ‘Kiritubo’
銀将 (ギンショウ) : Conophytum bilobum
小菊の舞 (コギクノマイ) : Conophytum×’Kogikunomai’
御所車 (ゴショグルマ) : Conophytum ‘Goshoguruma’
信濃深山桜 (シナノシンザンザクラ) : Conophytum ‘Shinanomiyamazakura’
シネレオビリディス : Conophytum×cinereoviridis
朱螯玉 (シュゴウギョク) : Conophytum meyerae
スルカツム : Conophytum sulcatum
青春玉 (セイシュンギョク) : Conophytum odoratum
ナマカナム : Conophytum namaquanum
花車 (ハナグルマ) : Conophytum ‘Hanaguruma’
ピランシー : Conophytum pillansii
ブラウニー : Conophytum ectypum ssp.brownii
ブルゲリ : Conophytum burgeri
ペルシダム : Conophytum pellucidum
マウガニー : Conophytum maughanii
レガレ : Conophytum regale

育て方のポイント

基本的に夏は断水(ほぼ水をやらない)するが、小さい苗など状況に応じて水やりが必要になるものもある。このさじ加減が、コノフィツムの栽培の難しさになっている。秋と春が最も生育し、秋は脱皮や開花などイベントも多く一番楽しい時期。冬は秋と春に次いで生育期だが、0℃以下になるときは寒さ対策が必要になるなどやや注意が必要になる。

水やり

◆生育期に入る10月頃から徐々に水やりを増やす。頻度は2週に1回程度で、1回の水やり量は鉢底からチョロチョロ流れ出る程度。11月からは本格的な生育期で週に1℃鉢底から流れ出るまで水を与える。
◆12月~3月も基本的には同じ。しかし0℃を下回る時は水やりは控える。水やり後3日以内に表面が乾くくらいが理想。土が完全に乾いて鉢が軽くなってからでよい。土が乾いていなければ無理に水やりしなくていい。量は鉢底から流れ出るほど与えると、その後なかなか乾かなくなって困るので、1回あたりの水やりは鉢の半分まで染みこむ程度でよい。
◆寒冷地で長期間室内への取り込みが必要な場合、室内は暖かいので水やり回数を減らさないとヒョロヒョロになってしまう(徒長する)。そのため月に1~2回程度に抑える。量はやはり鉢の半分程度。3月頃は週に1回たっぷり水やり(鉢底から流れ出るほど)。
◆4月頃から暖かくなり生育が鈍ってくる。そのため2週に1回の水やりに減らす。さらに5月には休眠期に備えて月1回程度に減らす。
◆6月~9月はいよいよ休眠するので、ほぼ1回も水をやらない。水を絶つと葉の表面にシワがよって枯れたように見える。しかしこれは正常な過程なので問題ない。秋になり水やりを再開すると1~2ヶ月で徐々にシワが改善されてくるので水やりはぐっと我慢。しかし1cm以下の小さい苗(種まきから1年目の苗など)や小さい品種は、カラカラにすると枯れてしまうことがあるので、様子を見ながら月に1~2回程度水やりをする。

置き場

基本的には屋外の雨の当たらない所に置く。年間を通して通気をよくすることが大切。
◆10月下旬頃(地域によって差あり、最高気温25℃を下回る頃)遮光を外し直射日光を当てる。10月下旬から4月頃まで生育期でもあるので、直射日光をたっぷり浴びさせる。
◆冬の間で0℃を下回る場合は、室内か温室に取り込み凍結を防ぐ。室内に取り込む場合は、窓辺などなるべく日当たりのよいところに置く。できれば1日4時間は直射日光が当たる場所が望ましい。
◆4月頃から日差しが強くなってくる。5月に入ると直射日光は強すぎるので遮光を開始する。遮光には遮光ネットやすだれなどを使う。6月頃から休眠期に入るので雨に当てたり水をやったりしないように注意する。
◆7~9月の間は1回でも直射日光が当たると溶ける可能性があるので、遮光ネットなどが外れないように注意する。また遮光ネットを使うと通気が悪くなるので、通気をよく熱がこもらないように気をつける。

耐暑性と最高気温・夏越しの方法

コノフィツムは冬期降水地帯といわれる、冬に雨が降る地域に生息しているので、真夏の暑さに雨が降る「高温多湿」がとりわけ苦手。そのため日本の夏を越すのは大変なこと。そのため夏は思い切って水やりを完全になくす「断水」を行う。この場合ひと月に1回も水をやらないか、夕方涼しくなってから、表面が軽く濡れる程度の水やりをする。風通しをよくして水さえ与えなければ、ビニール温室で40℃程度(実測値)は耐えられる。だが本当は最高気温
は25℃程度にしたいところ。

越冬最低温度と冬越し方法

コノフィツムは冬型の多肉植物だが、最低気温は0℃以上でそれ以下になると凍結でダメージを起こしてしまう。0℃を下回る寒冷地では、室内や温室などに入れ凍結を防ぐ。関東以南では屋外で冬越しできる場合もあるが、マイナス4℃などの寒波が来れば室内にいれないといけない。一般に入手できる暖房機能がないビニール温室は、あまり保温効果がないので凍結対策には向かない。0℃を下回る場合は、室内の窓辺に取り込み水やりを月1回以下に抑える。

殖やし方

コノフィツムは株分けと種まきができる。
◆株分けの場合は10~11月頃に行う。コノフィツムは夏の間から内部で分頭(ぶんとう:1対の葉が2対になる)の準備が始まっている。生育がよいと自然と分頭の準備が整い、10月頃新芽が出る頃に2つに分かれている。それを根付きで分離すると株分けに成功する。

◆種まきの場合は9月末から10月にかけての秋まきをする。秋まきのなるべく早い時期がよい理由は、1回目の夏越しまでにできるだけ株を大きくしておきたいため。小さい苗は夏の断水を乗り越えられないので、なるべく夏から遠い時期に種まきして、大きくしておきたいため。種まきは株分けなどと違って色々と準備が必要なので別ページにまとめている。

植え替え:

コノフィツムは何年も育てていると自然と分頭して鉢一杯になってしまう。そのため植え替えが必要になる。最適な時期は、生育期の秋(10~12月頃)または春(3~4月)に掘り上げて根を整理し、株分けを行い、新しい土に植え付ける。

◆土を選ぶときのポイントは水はけ(排水性)がよいこと、肥料分があまり含まれていないもの、粒が細かすぎないもの。粒が細かすぎると通気性が悪くなってしまう。また普通の「花や野菜の土」は腐葉土や肥料分が多く水はけが悪いので使わないほうがよい。多肉植物用の土が手っ取り早い。どうしても多肉植物に適した土が手に入らないときは、普通の園芸用土にパーライトや赤玉土や軽石をたくさんいれて作ることも可能。
◆しかしリトープスやコノフィツムなどを育てる場合は、他の多肉植物より土の善し悪しが生育に大きく影響してしまうので、こだわりを持っている人が多い。(他の種類は使い回していても、メセン類だけ別の配合の土を使っているなど)自分で作る場合、排水性のよさ、粒サイズを揃えること、適度な重さに注意する。また1~2種類ではなく、できれば4種類以上の土を混ぜ合わせたほうがよい。
◆コノフィツムなどメセン類は赤玉土メインではなく、ピートモスや籾殻くん炭、パーライトなど軽めの土を多めに入れるとよい。
◆ブレンド例
(例1)赤玉土1:鹿沼土2:ピートモス3・川砂1:くん炭1
(例2)赤玉土1:ピートモス2:鹿沼土1

肥料

普通の植物に比べると肥料はほとんどいらない。ただ多肉植物の中ではわりと肥料を好む。肥料を与える場合は、生育期の10~11月頃に月2回薄めた液肥を与える。固形肥料を使いたい場合は、植え付け時か植え替え時に土に混ぜ込んでおくとよい。液肥は成分が水に溶けていて速効性があり、すぐに根から吸収される。しかし固形肥料は水やりを繰り返してだんだん溶けないと効果が出ないので、水やり回数が少ないと効果が遅れる点に注意する。

開花

コノフィツムはきれいな花を咲かせるものが多く、「花ものメセン」ともいわれている。開花時期は生育期の11月頃(初冬)で2枚の葉の間の割れ目からつぼみが出てきて、体を覆うような大きなサイズの花を咲かせる。種類によって色はピンク、オレンジ、むらさきなど色々な色がある。1個のコノフィツムからは1個の花しか咲かないが、1日花(1回咲いたら終わり)ではなく、何日か開いて閉じてを繰り返す。夜咲きのものと昼咲きのものがあり、夜咲きのものは地味だがよい香りがするものがある。

脱皮

コノフィツムは10~11月頃「脱皮」をする。脱皮は1年に1回新しい葉が出る過程で古い葉が落ちるサイクルのことで、夏頃から古い葉がカラカラに枯れたようになる。秋になるとカラカラに乾いた古い葉の中から新しい緑の葉が出てくる。これが脱皮。脱皮後は古い葉がカビなどの原因にならないよう、ピンセットなどで剥がしてあげるとよい。夏の間、コノフィツムは枯れたような姿になってしまうが、脱皮の正常な過程なので心配はいらない。枯れたと思って間違って捨ててしまわないように気をつけたい。

病害虫

◆6~9月の高温多湿の時期はとくにカビが原因の病気に注意する。この時期は根腐れも起こしやすい。夏は俗に言われている「溶ける」現象(腐って外側の皮だけが残る)が起こりやすいので水やりのタイミングと通気不足に気をつける。また夏に直射日光にあてるとやけどの1つである「葉焼け」を起こすことがあるので遮光しておく。
◆害虫は根に白い虫がつくネジラミ、葉にはナメクジの被害、ベランダだと鳥に食べられる被害が起こりやすい。この中でもネジラミは根に付いているので気づきにくい。しかし園芸店で買った苗にもネジラミがついていることが結構ある。ネジラミがつくと生育が悪くなるので、生育が悪いと感じたら掘り起こして根をチェックする。
◆脱皮後、古い皮はカビの原因になりやすいので、丁寧にピンセットなどで取り除いたほうがよい。

ワンポイント

  • 春~夏頃コノフィツムが枯れてしまったように見える・・・休眠期に入る前の正常な状態なので問題ない
  • 1個だったコノフィツムから2つ、3つの葉がでてきた・・・生育がよい証拠で、順調に増えていく
  • 秋になっても新葉が出てこない・・・休眠中に枯れてしまった可能性がある。原因は断水のしすぎ、根腐れ、日光の当てすぎなど。

◆秋になっても新葉が出てこない場合、掘り起こして状態を確かめる。根腐れしていたら、根の先のほうから少しずつはさみで切って白い根が残っていないか見る。もし本体の1mm下まで切ってみて白い根が出てこなければ諦める。白い根が出てきたら、3~4日切り口を乾かし、乾いた用土に植え付けて新しい根が出るのを待つ。土はカラカラではなく、軽く湿っている状態を保つ。

◆その他完全に葉がカラカラになっている場合、夏の間の水やりが足りなくて枯れてしまっている。残念ながら復旧できない。特に1.5cm以下のものは6~9月に1回も水をやらないと枯れてしまう可能性が高い。それより大きい場合、枯れているように見えて水やりをしていると復旧してくるものもあるので、すぐに捨ててしまうのはもったいない。

◆夏の強い日差しに当てると1回でも、葉焼けし(葉が溶けてしまう)復旧しないことがある。6~9月の間は1日も欠かさず遮光シートなどで遮光したほうがよい。

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