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初心者さん向け入門講座4「ハオルチアとは?」

ハオルチア(ハオルシア)は多肉植物の中でも代表的で、また初心者さんにも人気です。第4回目はハオルチア講座。これから3回に渡ってハオルチアの入門講座をお送りしたいと思います。

ハオルチア(ハオルシア)とは

ハオルチア属とは、葉に水を溜め込む性質があり、多肉質の分厚い葉をもつ多肉植物の一つです。ハオルチア属はハオルシア属とも読み、どちらも同じハオルチアをさします。

ハオルシア 玉扇

ハオルチア属はツルボラン科というグループの属の一つで、ツルボラン科には他にアロエ属やガステリア属がグループ分けされています。ツルボラン科というと馴染みが薄いですが、エケベリア属やクラッスラ属が属するベンケイソウ科、リトープス属などが属するツルナ科などとならんで一つの「科」だと覚えると分かりやすいと思います。

  • ベンケイソウ科・・・・エケベリア属やクラッスラ属、アエオニウム属など
  • ツルナ科・・・リトープス属やコノフィツム属など
  • ツルボラン科・・・ハオルチア属、アロエ属、ガステリア属など

分類が変更された

分析 統計
一つ重要なことがあり、最近ハオルチア属は3つの属に分類し直されることになりました。植物の分類体系は研究が進むにつれ目まぐるしく変わっており、その影響の一つと考えられます。

分類の変更 

  • ハオルチア属(Haworthia)

↓ ↓ ↓

  • ハオルチア属(Haworthia)・・従来通り
  • ハオルチオプシス属(Haworthiopsis)・・・新設
  • トゥリスタ属(Tulista)・・・再編

これらの違いは、簡単に言ってしまうと以下のようになっています。

  • ハオルチア属・・・軟葉系(みずみずしい窓をもつタイプ)
  • ハオルチオプシス属・・・硬葉系(窓を持たないタイプ)
  • トゥリスタ属・・・硬葉系の一部

となり、いわゆるハオルチアという印象の軟葉系がハオルチア属として残り、硬葉系が別にされてハオルチオプシス属とトゥリスタ属に再編されたと考えることができます。

地図

たくさんの種類の多肉植物が南アフリカで見つかっていますが、ハオルチアも南アフリカがふるさと(原産地)の多肉植物です。世界でハオルチアが自生する地域は南アフリカだけで、それも限られた地域にしか存在していないというのは驚きです

およそ200種類が見つかっており、その交配種(かけ合わせ)もたくさん生み出されています。中でも万象や玉扇は日本でもたくさんの美しい交配種が作り出されています。

多様な種類があるハオルシア

今でこそ、ハオルチア属(軟葉)とハオルチオプシス属(硬葉)が分類的に分かれていますが、これまでは、見た目の違いから

  • みずみずしい窓をもつタイプを軟葉系
  • 窓を持たないタイプを硬葉系

と呼んできました。

軟葉系

ハオルシア
軟葉系は半透明の窓を持つものが多く、やわらかいゼリーのような印象を受けます。しかし実際に触ってみるとカチカチで硬く、お菓子のグミのような硬さを持ち、決して崩れるような柔らかいものではありません。

葉の形はカクカクしているものもあれば、丸みを帯びているものもあります。中にはレースのような毛が生えているものもあります。

この種類には、

  • 万象
  • 玉扇
  • オブツーサ
  • トランシエンス
  • ベイエリー
  • ピクタ

などが挙げられます。

この中でも特に万象と玉扇は別に取りあげられることも多く、作り出された園芸品種の数も多いです。
現在では軟葉系のハオルチアのほとんどがハオルチア属に分類されています。

硬葉系

ハオルシア 十二の巻
硬葉系は硬くとがった葉を持ち、肌の色は深緑、茶色のものが多く、半透明ではありません。肌にはごつごつした小さな突起や縞状になった白い模様などがあります。

この種類には

  • 十二の巻(ファスシアータ)
  • 星の林(レインワルディ)
  • プミラ
  • マキシマ
  • 瑠璃殿
  • 錦帯橋
  • コールマニオルム

などが挙げられます。
現在では硬葉系のハオルチアのほとんどがハオルチオプシス属とトゥリスタ属に分類されています。

3つの注目ポイント

そんなハオルシアの注目ポイントは以下の3つです。

  • 放射状に広がる葉(両方)
  • みずみずしい窓とその模様(軟葉)
  • 縞模様やザラ肌(硬葉)

①放射状に広がる葉(両方)

ハオルシア 万象

ハオルシアの多くは放射状に葉がついて広がっていく形が特徴です。中心部から新しい葉が出て、旋回するように外側に広がっていきます。※ただ全部ではなく、玉扇のように葉が一列に並ぶものもあります。

この葉の付き方はエケベリアのロゼット状の葉を思わせます。エケベリアとハオルシア、見た目は大きく異なりますが、葉の出し方には共通点があるようです。

ハオルシアは小型の多肉植物で、エケベリアのように40cm、50cmになるものは存在しません。しかし株の姿形は、エケベリアより豊かなものかもしれません。

②みずみずしい窓とその模様(軟葉)

ハオルチア ハオルシア

軟葉系のハオルシアは、みずみずしい半透明の窓を持つものが多いです。この窓は名前の通り体内に光を取り込むための場所で、原生地では地面から窓だけを出して光を取り込んでいるといわれています。また、この窓には模様が入っているものがあります。

特に万象、玉扇ではこの模様の入り方にこだわりをもつ方が多く、立派な模様が入るよう園芸品種もたくさん作られ、模様の入りのよいものは高い値が付きます。

③縞模様やザラ肌(硬葉)

ハオルシア ハオルチア

硬葉系のハオルシアでは、白い点々が帯状になってみえる縞のような模様が入る種類があります。この縞模様もこだわりの一つです。また、硬葉系のハオルシアにはザラザラとした肌やごつごつした手触りの肌をもつものがあります。

これらはつるっとしてテカリのある軟葉系とは対照的で、硬葉系ならではの注目ポイントです。

色々な楽しみ方

ハオルチアには色々な楽しみ方があります。

コレクションの楽しみ

第一はコレクションの楽しみです。

ハオルチア属(ハオルシア属)

ハオルチアには透き通るようなガラスを思わせるものや、尖った葉があるもの、白い斑点が輪のようにつくものなど、実に様々な種類があります。もしかすると、最初は似たような種類と感じるかもしれませんが、何度も見ているうちに違いがだんだんはっきりしてきて、こんなタイプが好き、という好みの種類も出てきます。

触れているとだんだんと細かな特徴や違いが分かってきて、この白い線の入り具合が美しいというような細かなことが気になり、次第に集めてコレクションする数も増えてきます。

多肉植物は斑入り種が珍重され、通常より高価な値段が付くことが多いですが、ハオルチアも例外ではなく、形の整っているものはもともと高くつきますが、斑入り種ともなると1株5,000円、10,000円以上することも稀ではありません。

姿を追求して育てる楽しみ

集めたハオルチアは理想の形を保ったまま育てたいと思うものです。

多肉植物一般に言えることですが、買ったときは一番形がよく理想的な姿をしていますが、慣れない栽培では徐々に株の状態も形も悪くなってしまうことが多いです。ハオルチアは多肉植物の中でも決して安いものばかりではありません。やっと手に入れたハオルチアを姿を追求して環境などに気を遣い、育てていく楽しみは格別です。

増やす楽しみ

お気に入りの株は、たくさん増やしておきたいものです。

ハオルチアは色々な増やし方があり、葉から増やす葉挿し、子株を分ける株分け、さらに種まき、根1本から増やす根ざしができるものもあります。ハオルチアは生長がゆっくりなものが多く、増やすのもそれほど手軽ではありません。そのため、その種類に合った増やしたでうまく増やせた時のうれしさはたまりません。

室内に飾る楽しみ

実はハオルチアは室内に比較的長時間飾ることができます。

ハオルシア 室内

通常の多肉植物は日差しを強く求め、室内に置いているとヒョロヒョロになってしまい室内に飾るのは推奨されません。しかし弱い日差しを好むハオルチアは、比較的長く室内に飾っておけます。

もちろん風通しなどの観点から、植物であるハオルチアを室内でずっと栽培することはできませんが、数日しか飾れないエケベリアなどと異なり、室内に飾る楽しみも広がります。

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